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ITエンジニア関連の様々な話題を書いているはずのブログです。

【イベント】#WEBエンジニア勉強会11 がセーフティ!だった話

WEMにまたまた行ってみました

 比較的初心者向けの勉強会を偵察してネット上の知り合いに順次ご挨拶していく作戦を今年も続行…ということで、Web Engineer Meetup略してWEMの『WEBエンジニア勉強会』にまたまた行ってきました。
 今回は主催のOSCAさんの配慮で、楽しみにしてくれている人や確実に参加できる人が参加できるよう申込枠を工夫し、先着順だけで申込枠が埋まらないように…とのことで、一般参加枠にブログ枠、お手伝い枠と分けての募集になりました。
 WEBエンジニア勉強会は主に渋谷近辺で活動、だいたい1~3年目ぐらいの若手の方も多い、Web技術を総合的に扱った勉強会となっております。2017年から始まり、2018年11月が11回め、2019/2/1開催の今回が第11回。

web-engineer-meetup.connpass.com

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金曜夜の渋谷へ

 場所は第10回に引き続き、渋谷のファーストタワー7Fにあるあのミクシィさんのところ。前回は渋谷駅の中をだいぶ歩いてハチ公口とか宮益坂口のほうから出て首都高速3号沿いに歩いたのですが、今回は新南口から出ても裏から行けるというのを知りました。
 ふつうに駅から来た方々は、警察署前の歩道橋でまだ工事が終わっていなかったので遅れた人が多かったようです。

 はい、ワタクシ風邪気味だったので一番後ろに陣取って静かにしていました…思ったより咳が出なくてよかったです。やはり酒で喉を潤すと調子が出ます。(おい)
 ブログ書く枠で参加したので、なんかブログ書いてる感をなんとなく出すために今回は普段家でネット全般と音楽とブログ書く用にしか使ってないMacBookを持ってきてみました。会社は基本オールWindowsなので、家の外に持ち出すのはしがないラジオsp.53の収録以来2回目です。なんとなく勉強会っぽくなってきたぜ〜

※以下、当日の様子を伝える意図で一部実況ツイートを引用させていただいております。リアルで面識のない方、すみません。
 

「みてね」を推す理由

 最初の前座LT枠はngmtさん(@ngmt83)。おっ渋谷ミクシィでやるだけに、スポンサー枠でミクシィ社員の人もLTするのか〜と申し込んだときは勝手に思っていたのですが、mixi関係者でなく一般の方でした…!w
 内容はミクシィ謹製の子供の写真管理・閲覧に特化したSNS要素少なめの家族アルバムアプリ『みてね』の良さを語るお話。僕もiPhoneホームの1画面めにアイコンをおいているぐらい常用しています。
 ご専門がデザインではないとのことで、資料では『融けるデザイン』という本を引用して論を進めていきます。GUIだけでなくアプリケーション自体のレベルでメタファを採用して物理アルバムを連想させている、某GAFA製の基本アプリ群のようになんでもできる万能性を提供するのではなく、機能をあえて制限することでシニア世代にも使いやすく魅力を伝えている、ITがわかるリテシーが高い子育て世代が難しい作業をし、ITがよくわからないシニア世代は見るだけで済むように棲み分けがよく作られている…などなど。

融けるデザイン ―ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論

融けるデザイン ―ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論

  • 作者:渡邊恵太
  • 発売日: 2015/01/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 僕も普段から使っていて『みてね』はよく作られてると思うのですが納得の話。メタファの話や、UIをシンプルに抑えることで裏側の複雑さを隠蔽してシンプルに見せる…などの話はAppleのデザイン論なんかでもよく聞く話ですね。
そして画面例ではかわゆいお子さんの写真を出すのかな…と思ったら案の定プロレスラーのマスクでマスキングされていました。(笑)

 なお御本人のブログでLT裏話などいろいろ読めます。 ngmt83.hatenablog.com

 ふだんはRubyやフロントエンド系をやられているようですね。その後は『表参道.rb』でRailsの状態遷移管理という技術ネタでまたLTされたそうです。

ngmt83.hatenablog.com

 

オープニング・乾杯!

 というわけで改めて主催のOSCAさん(@engineer_osca)からの自己紹介が入って乾杯。SIerでも参加してイイ勉強会でワイも安心、セーフティなイベントです。

 誰でも発表できる場、個々のエンジニアが輝ける場というのはイイですね。セーフティ!

 僕はメインの言語や技術が今の最先端よりは遅れているものの一応Web開発10年〜の範疇に入りますが、今回の参加者陣で一番多いのが0〜1年なんですねえ。思わず会場を見回してしまいましたがあまりそんな風には見えません。むしろワシにはつよつよWebエンジニアばかりに見えるでのう(ゴホゴホ)

 アンケートの仕事分野ではサーバサイドが一番でした。ネットだとフロントエンド界隈の情報が特に目立って見えますが、JSの技術群も結局(サーバレスな仕組み含め)サーバーがないと動かないし、まだまだサーバサイドも健在というところでしょうか。アプリ基盤エンジニアという方もけっこう多いですね。
 

WEBエンジニアが知っておきたい決済の仕組み

 そしてメインの発表1発目はykaganoさん。(@ykagano)
今までSIer電子マネー→Web系と3社経験、いずれも決済系がご専門ということで経歴も面白い方です。私的にはJavaがメインとのことでセーフティなキモチになります。
 最近クレカ不正利用で話題になったPayPayの話も出る中、メインのお話はWebアプリやスマホアプリでもよく出てくる決済の仕組みの裏側の話。大手企業では決済サイト自社構築、中小ではパッケージソフトやApplication Service Providerの方のASPを導入する方が多いとのこと。クレジットカードを持たない若い世代や上の世代のどちらがメイン顧客かによっても変わり、決済方法も多数あります。
 そして決済の仕組みでは独自の用語や登場人物、処理の流れのフローがあり、これらを少しでも知っていると実案件の時に話が円滑に進められますよ…というお話。

 決済処理の流れが走るネットワークは資料に書けない大きな組織に支配されていたり、けっこう独自のカタカナ用語が出てきたりと、普段知らない世界の様子が知れるLTでした。
 

心理的安全性の「持ちつ持たれつ」

 今度は 星 永亮さん (星 永亮@ユアマイスターCTO)。職人さんとユーザをつなぐWebサービス『あなたのマイスター』などを運営中のユアマイスター社のCTO自らのご登壇です。

yourmystar.jp

 なんと以前は楽天カードで働いていたとのことで、ひとつ前の@ykaganoさんの決済の話とうまく繋がりました。
お題はあの「心理的安全性」。Googleが社内で2012〜2016年に渡る調査プロジェクトでチームと組織に大きな影響を与えると発表したことで話題になったワードですが、ITエンジニア界隈ではとりわけ最近、様々な場面でよく目にします。LTの場での知っているかのアンケートでも、ほとんどの人が挙手していました。

rework.withgoogle.com

 心理的安全性とは、対人関係においてリスクある行動をとった時の結果に対する個人の認知の仕方。これを前提条件、インプット、アウトプットの3つに分解して論じていきます。
 会場ではあまり反応が出なかったものの最近話題のあのグループが出てきたり。心理的安全性を低める/高める実例で「積極的な姿勢を示すか」「理解を示すか」「相手を受け入れるか」「共に意思決定する姿勢を示すか」の4分野で多数の実例が出てきたり。まずは自分の行動を省みて心理的安全性を高め、強くて優しいチームを作っていきましょう。そしていい行動を見つけたら「セーフティィィィィ!!」と褒めましょう…という天の声に満ちたLTでした。

 会場では皆それぞれ思い当たる節があるのか、わかりみのツイートが特に多かったです。やはり世代問わず仕事の分野問わず、心理的安全性はITエンジニアならみな関心の深い分野なのだなと再確認。最近Engineering Managerとかマネジメントやチームビルディング周りが注目されているのとも関連するでしょう。特に急成長中やエンジニア採用拡大中の若い会社、少数精鋭でプロダクトを作っていく会社さんだと強いチームを作るのに特に重要視しているのかなあと思ったり。
 かくいう僕も思い当たる節は多数あり、あー駆け出しの頃に遭遇したあの炎上案件とか絡みづらい人とかマネジメントできてない人とか教え方の下手な人とかまさにこの心理的安全性が低い例だよなあとか、うまくいったあのプロジェクトや雰囲気作りが抜群にうまいあの人とかあのシーンはまさに高い例だよなあとか、も〜いろいろあります。人にものを教える側に立つようになってから自分も特に意識するようになりましたが、いつも気に留めておきたいところですね。

 そして心理的安全性が高いことを見つけたら「セーフティ!」と褒めようという天の声に従い、TLにはセーフティが溢れていきました。心理的安全性が高い状態に守られたセーフティな勉強会、それがWEBエンジニア勉強会#11…!

 なおスライドに出てきた2020年に活動を休止する英語にするとStormな某グループの1枚写真、ウケなかったと御本人が言っていたような気がしましたが、Webエンジニア勉強会は割と反応抑えめで静かに聴く人が多い(ような気がする)ので、LTする側からだとそう見えたのではないでしょうか。(笑) 一番後ろから見ていると静かにウケていた人はけっこういたような…セーフティ!

 なおユアマイスター社はエンジニアブログでも様々な情報を発信中です。最近は振り返りにKPT法でもYWT法でもなくFun, Done, Learnの手法を取り入れたとのこと。

yourmystar-engineer.hatenablog.jp

 星さんはあのEngineering Manager Meetupにも参加したり、社内勉強会でもこの心理的安全性のLTをされたそうですね。
 ほかPHPカンファレンス登壇の記事を拝見すると社内にインターンの学生さんが非常に多いとのことで、こういう開発環境だからこそ、心理的安全性のような要素にはひときわ注意してしているのかな…と思いました。

yourmystar-engineer.hatenablog.jp

テーマ確認中

 さて次はテック系Podcast『しがないラジオ』でお馴染みのzuckeyさん。(zuckey@しがないラジオの編集の人)。主催のOSCAさんも過去にsp.6a/sp.6bゲスト出演、何を隠そう僕もこの2019年2月下旬にsp.53でゲスト出演してしまいます。

shiganai.org

blog.zuckey17.org

 あまり発表者の側で見ない(気のする)zuckeyさんのLTが見られる!…はずだったのですが、ノロウィルスの呪いに掛かったそうで無念の病欠。え〜ズッキーさんに見せるためにアテクシはMacのシェルカバーにしがないラジオステッカーを貼ってきたのに〜(ギギギ)
 そんな、急に空いてしまったセーフティなLT枠に颯爽と立ち上がったのは……

gRPC入門

esa-pages.io

 しがないラジオ勢のピンチをしがないラジオリスナー勢が救う。さすが、ワイたちのみずりゅさんだぜ…ということで、社内の勉強会で使ったという資料を元にみずりゅさんがgRPCに入門させてくださいました。(@MzRyuKa)

mzryuka.hatenablog.jp

 GO言語採用の有名どころだったりエンジニアがブラックホールのように集まっていったりする某メルカリのイベントで「王」から熱い王の力的な何かを受け取ったとのことで、お話はあのgRPCへの入門。
 情報処理の試験にも時々出てくるRPC(Remote Procedure Call)はネットワークで繋がった先のマシンにメッセージを送ったりメソッドを呼び出したり遠隔操作するための手法や通信内容のプロトコル。開発者がコードレベルで直接はいじらなくてよいようになっているので、よくライブラリなどの名前とかの一部に出てきたりします。
 gRPCのgはなぜ小文字なのかちょい謎ですがやはりGoogleのgでしょうか、gRPCはこのRPCのプロトコル。Protocol Buffersというシンプルでパフォーマンス最優先のフォーマットで通信します。Go言語でコードを書いてコンパイルするとサーバ側とクライアント側で各言語のコードを生成してくれるとのことで、gRPCの実体は「通信部分を抽象した主要言語対応のフレームワーク」+「gRPCという方式で通信するための決まりのプロトコル」、この両方を含んでいるのでしょうか。(僕もよく理解しきっていません...)

 今の主要プログラム言語にはほぼ完全対応していて、ないのはVisual BasicとかPerlぐらいですね。会場でも反応がありましたがGoogleらしくG製のAltJS言語のDartも入っているのが面白い。
 会場では遠いとよく確認できませんでしたが、発表には実際のコードも登場し、GoのコードってやはりCの系譜が濃いのだなあと思いました。
 FizzBuzzや公式のクイックスタートも試したそうですがRubyPythonでもそのままでは動かず、後日判明した原因はネットワークのProxy周りの設定だったとのこと。こういう通信が発生する新しい技術やライブラリ系は、会社のネットワークとそれ以外だと動きが違ったりプロキシ周りでハマったりするのは割とある気がします。
 最近は遂にブラウザから利用するgrpc-webというのも登場したとのこと。ブラウザとWebサーバーはHTTPプロトコルで会話するのは絶対の決まりなのでこれは仕方なく、このWebサーバーがリバースプロキシとなって、別のgRPC用のサーバーとgRPCで会話する流れだそうです。
 全体的にこれから発展中の新しい技術らしく、ハマるポイントはまだまだ多そうだなという印象。

 急な代役の割にガチで濃い技術話で割と反応も多かったです。先進的な領域にチャレンジしている会社さんやブログなんかだと時々キーワードとして出てくるgRPC、これからも要チェックですね。
 

先輩エンジニアにも知ってもらいたい、駆け出しプログラマが陥いるよくある失敗の理由

 続いての前代未聞の"できない系LT"は転職LT会や#技術書典5の『セイチョウ・ジャーニー』著者の一人、最近はマツリカ社の採用窓口担当でも活動しているVTRyoさん。(VTRyo@転職LT 〜春の転職祭り〜)。
キャー界隈ではお馴染みのあのRyoさんですよ! 転職LT会#4はこのときは企画中でしたがその後3月に場所も決定、#技術書典6の本タイトルは『挫折論への招待』で準備中です。最近はForkwell Pressのインタビュー記事にも登場しました。

press.forkwell.com

blog.vtryo.me

 僕にとっては社外との接点を開くきっかけになった飲み会のメンバーでもあるので懐かしいところ。行動力の塊なのでまったくそう見えないのですが、実はプログラミングは初心者(本人談)で本格的な経験は4か月ぐらい(本人談)だそうですねえ。

 ということでお話はプログラミング初心者あるあるな話を言語化し、自分でも整理すると気づきがある、難しく考えすぎてハードルを上げないほうが良い、経験や習慣を積むとセンスも身につく、先輩エンジニアもこのへんを忘れずにいよう…という話。
 非常に共感できる内容で会場の実況ツイートにもわかりみが溢れていました。ITエンジニアなら誰でも一度は通る道でしょう。僕もずいぶん昔ですが大学は非情報系だし本格的にプログラミングしたのは社会に出てからなので、最初の頃は相当酷かったわ…(笑)  資料の中で経験値不足で気付けていないパターンに、Ruby言語での実例が2つ出てきます。仕事でRubyを扱っていない僕でもぱっと見でなんとなく原因が類推できますが、こういうどれだけ短い時間でエラーから復帰できるかも経験の力がかなり効いてくるんですよね。
 そして資料の中で悩みながら相談すると、マネージャー氏からかなりセーフティな優しい回答が返ってきています。さりげなくマツリカ社の開発環境は心理的安全性が保証されていることを示す、さっすが採用窓口だぜ…!

 『テスト駆動開発入門』著者でエクストリーム・プログラミング(XP)の考案者、アジャイルの創設メンバでもある伝説級の海外すごすごエンジニアにケント・ベックという人がいます。この人の名言に

「僕は、偉大なプログラマなんかじゃない。偉大な習慣を身につけたプログラマなんだ」

というのがあります。
 このLTでは「センス」という文脈によっていろんな意味を持つ言葉で表わされていましたが、本質的にはこういうところに繋がっていくのかなーと思います。
 まだ経験の浅い人でも自由に発表できるこのWEBエンジニア勉強会のようなセーフティな場も大事だし、経験を積んだ後も駆け出しだった昔を忘れずに駆け出しエンジニアに接するセーフティな気持ちも大事ですね。

テスト駆動開発

テスト駆動開発

  • 作者:Kent Beck
  • 発売日: 2017/10/14
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 

Word Cloudでツイートを可視化してみた

www.slideshare.net

 前回のWEBエンジニア勉強会#10でも発表していたなおとさん。(なおと)
 元SIerで転職後今はフリーランスのエンジニアとして活動しています。 qiita.com

 私的には最近FBでも友達申請が来たのでOKしたら友達候補が更新されてVTRyoさんが出てくるようになりましたw(関係ナシ)

 さてお題はTwitterで勉強会トレンドや1年のツイート集計まとめなどで時々出てくるワードクラウドの話。動いてるからヨシ!の猫のインパクトが大きい作成手順はまずTwitterAPIを申請、これが英語でけっこう面倒。その後ツイートをすべて取得、絵文字やURL削除のデータ加工、そして形態素解析ライブラリで単語を抽出、最後にWord Cloudのライブラリへ送って例の画像が作成となります。
 こういうデータ解析系の作業が得意なのはやはりPython、wordcloudはPython製のライブラリなんですね。

pypi.org

 これぞライブ感のある勉強会の醍醐味、その場でハッシュタグ「#WEBエンジニア勉強会11」のツイートを検索してWord Cloud化するという実演になりました。

 単純に考えて単語「WEBエンジニア勉強会11」が一番多いだろうというのは見当がつきます。誰が貢献しているかはのロジックは……長期間の解析だとイイネやRTの数も計算に入るのでしょうか。数時間程度の勉強会の実況ツイートだとツイート数が基本になるのかな? などと皆考えていますと…

 予想通り「WEBエンジニア勉強会11」が一番。短期間のツイート集計だったからか、他は単語の表記揺れもありかなりばらける結果となりました。Twitter貢献度はやはりツイート数がベースのようで…

↓下のその後のなおとさんのツイートによるとツイート総数はみずりゅさんが1位でした。ngmtさんが貢献度1位だったのは他のファクターが計算ロジック影響したからでしょうか。

 という感じでライブ感あふれるLTでした。当日ツイートにあったようにイベントのネタにも面白そうですね。2−3時間の勉強会でこの分布なので、数日に渡るカンファレンスなんかで集計するともっと文字の大小がはっきり分かるクラウドになりそうです。
 詳細なコード含めた手順、自分のツイートで集計した例はなおとさんのQiitaでも見ることができます。

qiita.com

mdx-deckとcode-surferでスライドを作ろう!

 そして次はトマトアイコンがかわいいたくもんさん。(@inouetakumon)
 お仕事はSIerということで現役SIerのワイもセーフティなキモチになれます。発表ではさらっと流していましたが、Javaフレームワークを作ってるとのことでおおっ!となりました。Java界隈ならド定番の鉄板はSpring FrameworkScalaと共用したりRailsチックな開発をするならPlay Frameworkなどもありますがそのへんをラップしているのかな。それとも完全独自に作っているのかな?

takumon.github.io

 さて本題は発展著しいモダンJavaScript/Node.js界隈のライブラリの一つ、JavaScriptでスライドが作れてしまうスライド作成ツールMDX-Deckの紹介をMDX-Deck製のスライドでやるというメタ感マシマシなもの。勉強会当日は遠かったのでコードの細部まではよく見えなかったのですが、上の資料スライドはよく見るとアニメーションがバシバシ動いてかなり作り込んであります!

 フロントエンドJSフレームワーク群で有力なReact独特の技術というか書き方に「JSX」があり、これはReactコンポーネントの実装コード中に文字列でビュー部分の表示内容のHTMLタグが書けるからでJavaScript+XMLの略です。
 感じが似ている「MDX」はMarkdown+JSXの略っぽい感じの技術で、なんとブログやWikiでお馴染みのMakrdown形式のテキストファイルの中にReactコンポーネントが書けるというもの。MDX-Deckがこの技術を使ってスライドを作るライブラリで、Node.jsで動くWebサーバー上のコンテンツとしてブラウザ上で表示できてしまうんですね。
 資料の中で実例が出てきますが、拡張子.mdxのテキストファイルにマークダウン記法で文字を書いて、その後に普通にReactコンポーネントを各種パラメーター付きで書いています。この時点で何やらJSの黒魔術感があってすげえええ!ってなります。
 見る限り基本的な資料を作って表示するのはnpmでコマンドを打つだけなので意外と簡単に動きそうですね。配色テーマも変えられたり、画像やレイアウトなどスライド用の各種コンポーネントがあったり、code-surferというコードの見た目を綺麗にするプラグイン、mdx-deck-live-codeというReactコンポーネントのライブコーディングができるプラグインがあるそうです。これはJavaScriptの勉強会なんかでどやっと見せたら最先端を走ってる感がマシマシでしょうねー。

 この黒魔術が目の前で展開されるだけあって当日も感嘆の声が多かったです。

 MDX-Deck自体はまだ1.x系の比較的新しいライブラリ、プラグインも上記の2つとまだまだこれから発展していく余地のある技術のようですが、Node.js界隈の技術でこんなことまでできてしまうのか…復権後のJavaScriptの広がりはほんとすげえな…と黒魔術を前に思うのでした。
 なお、たくもんさんのブログに、当日紹介しきれなかったコンポーネントや実行方法やはまりどころなど、各種補足情報が詳しく載っています。

takumon.com

フロントエンドコーディングにおけるPageSpeed Insights対策 kkoudev

 最後を飾るのは現ミクシィのエンジニア長岡さんによる発表。最近はgRPCも触っているとのこと。(Kou)
Google PageSpeed Insights とは、サイトのパフォーマンスや問題点の改善方法をレポートしてくれるG製のツール。この計測で低いスコアが出た時にどう解決していくかのお話です。

developers.google.com

レンダリングブロック:
JSやCSS読み込み中にHTMLの並行読み込みが止まってしまう。CSSにはpreload属性、JSにはdeferやasyncで対応。ファイル数を減らすのも効果大。preload属性は実はIEFirefoxは未対応、解決するnpmのライブラリがある。
 またCritical Path CSSという技術を使い、読み込み時に一瞬だけCSSが適用されないFOUCの状態を避けられる。

画像読み込みの改善:
画像のファイルサイズも小さい方がモバイルには良い。これもnpmのライブラリに画像最適化のものがある。
 またiPhoneはX以降、2x解像度のRetinaディスプレイの更に上をいく3x解像度のものが出てきている。これはimgタグのsrcset属性に複数指定しておくと、画面解像度に応じて画像ファイルをブラウザが選んでくれる。IE11は未対応なのでPolyfill系のライブラリで回避。
 CSSにもback-ground-image: にimage-setという関数で実現できる。これもChromeSafariしか対応していないので、Polyfill系で回避。
 また初期は使わない画像はlazyloadと呼ぶ遅延読み込みで後から読むとスコアが上がる。srcset属性に対応しているのはvanilla-lazyload というライブラリ。

サーバサイドの改善:
CDNを使ったり、Expiresを指定したり色々ある。→詳しくはWEM#5のOSCAさんの資料 HTTPレイヤーで行うパフォーマンスチューニング (WEBエンジニア勉強会 #05)へ。

 めちゃくちゃ実学的で参考になる話でした。JSフロントエンドのAngular/React/Vue.jsも本格的に使うと結局WebpackなどでJSファイルをまとめてバンドルするするので、ファイル数が少ないほうが読み込み速度が速いのは知っていましたがここまで奥が深いとは…なんというかもうsrcset属性とかCSSの中で関数が使えるとか存在自体を知りませんでした(笑) Chromeも同時に6ファイルしか並行して読み込めないんですねえ。

 そして資料の中でもIEが世話の焼ける子なのがさりげなく書いてありますが、IEのみ特別対応が必要なくだりで、IE11のつらみに共感する人多し(含む自分w)
 恥ずかしながらへーしゃグループ内はWindows 7が多いので、社内システムはまだまだIE11が標準で現役で動いているものが多いです。最近は社内標準のマシンがWindows 10にリプレイスしつつあるのでEdge対応を進めているシステムもあります。社外のお客さんでもけっこうまだIE11のところはあるんですよね。このへんはSIer系の案件に多い辛みでしょうか。

 MS社自らがEdgeへの移行を推奨する記事を2018年に公式に出していますが、なかなか滅んでくれないIE、このへんはWebに触れているエンジニアならどこでもよく話題に出るところですね。

https://blogs.technet.microsoft.com/jpieblog/2018/07/18/internet-explorer-support/blogs.technet.microsoft.com

 という感じで最後のLTにふさわしい、非常にためになるお話でした。

その他

 自分は今回は後ろの方で見ていたのですがあまり持ち出してないMacBookを持ってきました。

  • 平日にWindowsでばんばん仕事をしたあとに触るとキー配列とかで戸惑う!(これは自分のせい)
  • 画面が大きくてキーボードがあると圧倒的に実況ツイートもしやすい! 会場のWiFiから繋いで関連情報も探しやすい! 勉強会にノートPCを持ってきてる人の気持ちがよく分かりました。
  • 勉強会の後にバッテリーが切れたので、外で使うと持ちはこんなもんなのだなという感じ。Windowsノートとさして変わらないのかな?

 そしてテック系ブログでときどきお見かけするテク、様々な言語のコーディングでもおなじみのVisual Studio Code+エクステンションの「テキスト校正くん」でブログの下書きを書くというのをやってみました。

  • 同じ日にWindows上でVSCodeに触った後にMacで触るとショートカットが出てこなくて困る! テーマ変更もぱっと出てこなくてやばいと思いました。(これも自分のせいw)
  • キータッチ中にテキスト校正くんが赤の波線で指摘を出してくれるのはいいのですが、高速にメモをとってる途中にこれが出ると邪魔なときが多い。

 ということで、いつもはふつうのテキストエディタ(定番だというCotEditorを入れてます)で書いているのですが、普段どおり書いて仕上げのチェックに「テキスト校正くん」を走らせるのが自分のスタイルには良いのかな、という感じ。

marketplace.visualstudio.com

★後から合流した、gRPC兵士を目指しているみずりゅさんと同テーブルでした。キャー安定のみずりゅさんですよ! 同じテーブルで実況ツイートしてお互いのMDX-Deckへの反応をツイートするのは不思議なキモチですね。最近はFORTEさんのPodcast『aozora.fm』でIT話からゲーム話まで計4回出演しています。

fortegp05.github.io

★転職LT会で出会った、#完全SIer脱出マニュアル に従って突撃しまくって遂にWeb系企業に転職に成功したぺいさん(@pei_dev) と再会できました。確かこの週が前職SIer勤務最後の週とツイートしていたはず。おおお、遂に脱出するのか…! 次の会社までしばらく間があるのかと思ってつい「これで晴れてしばらくはニート期間ですか?」とかアホなことを聞いてしまいますた。
 見ればぺいさん、前回はスーツだったのにこのWEM#11では私服で来ていました。おおー私服の世界に行ってしまうのか…くっ眩しい…これがWeb系の光…暗黒SIer帝国の闇に還ろう…(約束)

★懇親会は断念したのでなおとさんとも話できなかった!

★その後やんばるさん始め何人かの方とTwitterでつながることができました。やった〜。

★昨年の『あにべん!』でアイマス愛に溢れたアツい発表をしてくれたnikkieさんが今回もブログ書く枠で参加して会場のどこかにいたのですが、コンタクトできずじまいでした。って前回のWEM#10と同じオチや!

iwasiman.hatenablog.com

WEM11終了

 最後まで残った面子は懇親会に行っていたのですが、三々五々に解散して渋谷の夜は更けていく感じでした。

 全体としては心理的安全性やプログラミング習熟のようなハイコンテキストで普遍的な話もあり、みてねアプリや決済のような実務的な話もあり、gRPCやNode.js界隈などフロントエンドとWebの最前線の話もあり、前回のWEM#10に引き続き多彩な内容&セーフティなイベントでした。
 普段だったらお誘い頂いたら懇親会に確実に行っていたのですが、この日は風邪気味だったので退散しました。主催のOSCAさん、準備&登壇した皆さん、参加者の皆さん、会場提供のミクシィさん、ありがとうございました。セーフティ!

リンク集と告知

 今回は普段に比べて参加記録のブログエントリが多く、OSCAさんたちも喜んでおられました。前回に比べて天気も良かったのでキャンセル率も低く赤字も避けられたそうです
また記事中のツイート引用で僕たちが出てきたりして、あーやっぱりフィードバックってしたほうがみんなハッピーになるんだなと改めて思ったりしました。てへ。

 やんばるさんのエントリ。Pythonなどから自力でものを作る楽しさに目覚め、現在Webエンジニア転職活動中とのこと!

shonansurvivors.hatenablog.com

 みてねを推すLTをされたngmtさんのエントリ。

ngmt83.hatenablog.com

 主催のOSCAさんのエントリ。 techblog.oscasierra.net

 開催形式で飲食の話が出ています。僕は基本的に人のありがたい話を聞くのにメシ食いながらとは何事じゃ〜と思う人なのでLT中は別に飲み物だけでもいいかなと思う派です。(とかいって当日はピザ食べてますがw)
 終わった後に集合テーブルを何卓かセッティングして作そこに軽食セット、懇親会…というスタイルのほうが参加者同士の交流は活発になりますね。しかしミクシィさんのあの会場だとこのスタイルは物理的に難しいのかなとも思います。

 たくもんさんのエントリはMDX-Deckの補足話の他に参加レポートも入っています。 takumon.com

 ブログ書く枠で参加したnikkieさんのエントリ。 nikkie-ftnext.hatenablog.com

 OSCAさんの会社の後輩の期待の新人the.arcさんのエントリ。 arc-tech.hatenablog.com

 次回のWEM#12は2019年3月29日(金)@渋谷TECH PLAY SHIBUYA で決定しました。

techplay.jp

 今回登壇したVTRyoさんらが主催している転職LT会の4回目、『転職LT#4 〜春の転職まつり〜 【はじめてのイベント参加歓迎】』は同じ週の2019年3月25日(月)、サポーターズCoLabで開催決定。毎回参加者が順調に増えているので今回は抽選制になりました。2/11 12:00から受付開始して既にLT枠が埋まるという盛況です。うーむ両方行きたいなあ〜

ex-sier.connpass.com

 最後に、このWEM#11ではノロの呪いでLTできなかったzuckeyさんらが発信しているテック系Podcast『しがないラジオ』。好評配信中のsp.51a/sp.51b FORTEさん回に続き、2/13(水)に配信されたのが『エンジニアの登壇を応援する会』などでお馴染みのariakiさんの『sp.52【ゲスト: ariaki4dev】楽しい「エンジニアの登壇を応援する会」 主催者が語る、「5年後の目標」の立て方と大切さ』。
 そしてその次の2/18(月)〜の週のどこかで配信されそうなsp.53に、前後編で僕がゲスト出演してしまいます。😇😇😇😇😇

shiganai.org

 SIerからの脱出を煽っているラジオに遂にリスナーから現役SIer出てしまう! ということで、前編のお題はsp.53a『エンプラ開発20年史と、SIer世界のエンジニアの楽しい生存戦略
約20年というスケールでIT界全体と主にWebアプリケーションの開発の歴史を俯瞰したり、90年代後半のインターネッツなしの時代に転職した話、現役SIerの立場からのキャリア話や楽しい四方山話などをしとります。2010年代のいわゆるWebエンジニア的な立場からすると違うところも、本質はまったく変わらないところも、両方あると思います。ご興味がありましたらお暇な時にでもアクセスよろしくお願いします。

(追記)→そしたら意表をついて予想より早く、週末の2019年2月16日(土)に配信されておりました!😇😇😇😇😇

https://shiganai.org/ep/sp53a-iwasiman