週刊ダイアモンドに特集『【高騰!枯渇!】 IT人材の採り方・育て方』
子供を病院に連れて行ったらコンビニでふと面白そうな特集が目に入ったので、2/23日号を買って読んでみました。
まあ週刊誌なのでだいぶ煽っているのですが、最近ネットでも何かと話題のITエンジニア人材獲得情報の話で面白かったです。内容はだいたい以下のような話。
- ソフトバンクが物流に参入! Amazonに対抗して人材獲得競争が激化している。
- アメリカに比べると日本企業はSIベンダーに丸投げしてきたが、それが限界に。高度IT人材の質的不足が深刻。
- 黙示録の四騎士GAFAに負け、BAT(中国ネット業界巨人三社のBaidu, Aribaba, Tencent)に負け、日本もゲーム・チェンジに気づき始めている。
- カリカチュアな絵入りのITエンジニア大図鑑で7分類。
- 人材争奪戦の制し方として高給与でエンジニアを集めている震源地、Cyber Agent、DeNA、メルカリが写真入りで。メルカリ経営陣のドリームチームの図。
- 新しい採用の形としてイベントや勉強会で活躍しているスタープレイヤーやカリスマのある教祖をヘッドハンティングする、社員がみなリクルーターでリファラル採用する、上位大学の優秀な学生にすばやくアクセス、ZOZOテクノロジーズのように会社をまるごと買収などなど。旧来の新卒一括採用ではもう限界。
www.cyberagent.co.jp dena.com about.mercari.com tech.zozo.com
- 求人サイトでWantedlyやGreenも登場。求人数ランキング1位は「SE(ウェブ・オープン系)」で2位が「ウェブプロデューサー、ディレクター」、3位がプロジェクトマネージャー。
- 稼げる新進言語の筆頭はGo言語で、続くのがScala、Python、Kotlin、TypeScrpt。
- 天才プログラマー獲得の例としてSONYのやり方。
- 万事休す「SIベンダーの闇」 顧客企業の外注頼りが少なくなり、クラウドの普及もあって減収。2018年末に話題になった一連の退職エントリの影響で、NTTデータが高度AI人材に高報酬を出す制度を作った話も登場。
- 非エンジニアのためのテック習得術として、スクールの例としてジーズアカデミー。デジタルハリウッドの学長さんのインタビューあり。
- プログラミング未経験の本誌編集長がプログラミングやってみましたという体験記事でテックアカデミー受講。集中4日間。HTML/CSSで画面を作り、サーバサイドはPHP、PHPの標準関数を使ってバックのMySQLに繋ぎ、オーソドックスな読書管理サイトのWebありケーション開発。なんとか完成できたという話。
gsacademy.tokyo techacademy.jp
以下所感。
- 中国のBaidu(検索エンジンの百度), Aribaba(電子商取引の阿里巴巴), Tencent(インターネットサービスの騰訊)をまとめてBATと呼ぶのは恥ずかしながらよく知りませんでした。蝙蝠のバットだとかっこいいけどなんかWindowsの.batファイルみたいですね。フロントエンド関連だとAribabaはVue.jsを積極導入してることで知られてますね。
- ITエンジニア大図鑑はだいぶ戯画化されてますが、ここでだけ呼び方で「SIer」。他では「ITベンダー」「SIベンダー」という表現が使われています。エンジニア以外の一般世界ではまだ「~ベンダー」の方が使われるのでしょうか。
- この大図鑑の分類で"大手SIer旧エリート"が「かつてITのエンジニアといえばこの人たちを指した」なんて書かれていて時代を感じます。
- しかしこの大図鑑は絵が男性ばっかりですね。確かITエンジニアの女性割合が全体で15%前後だと聞きましたが、もうちょっと性差に関係ないイラストにならんかなあ。
- 求人ランキングの1位は「SE(ウェブ・オープン系)」と表現されていました。ここでのSEは「SIer所属のSE」でなく「IT技術者の総称」のSEですが、「Webエンジニア」「ソフトウェアエンジニア」という言葉は一般世界だとまだ浸透していないのでしょうか。
- あと「オープン系」という言葉が使われていて意外でした。僕が転職した約20年前は汎用機系の対比としてオープン系という言葉はよく使われたのですが、業界内だと今はあまり使わないような?
- SIベンダーの闇の話が2ページで載っているのですが、例の多重請負ピラミッドの図とか主要4社の利益が今じゃこんなに低迷!とか「座して死を待つだけなのか?」とかだいぶ煽っていて、フヒヒヒ!という感じで楽しく読んでしまいました。
- CAやDeNAやメルカリで実際に働いているエンジニアの皆さんは、こういう煽った週刊誌記事を見てどう思うのかなあとも思ってみたり。
なかなか面白いので、本屋やコンビニで見つけたら手に取ってみるとよいかもしれません。
しがないラジオ sp.53b 【ゲスト: iwasiman】SIer v.s. Web系の対立軸について本気で考えた、楽しい「SIer批判」批判 聴取に感謝!
前の記事の続きです。B面配信後にも多数の反応を頂きました。ありがとうございます!
- sp.53a【ゲスト: iwasiman】エンプラ開発20年史と、SIer世界のエンジニアの楽しい生存戦略
- sp.53b【ゲスト: iwasiman】SIer v.s. Web系の対立軸について本気で考えた、楽しい「SIer批判」批判
僕はしがないラジオ出演ゲスト陣の中では経歴そのものがユニークなので、たぶんsp.53aはいろんな立場の人からしてもそれなりに面白いだろうなとは思っていました。しかしsp.53bはこのネタをやって果たしてリスナーに受けるのだろうか……という心配が若干ありました。(笑)
それも杞憂でA面同様多数の反応をいただきました。ありがたや……ありがたや……すべて拝見してイイネをつけて個別レス爆撃ををつけて回りましてございまする。
sp.53b【ゲスト: iwasiman】SIer v.s. Web系の対立軸について本気で考えた、楽しい「SIer批判」批判を公開しました!
— しがないラジオ公式 (@shiganaiRadio) 2019年2月19日
いわしまんさん( @iwasiman )をゲストにお迎えして、「SIer」、「Web系」、「SE」、SIerの今後、などについて話しました。#しがないラジオhttps://t.co/iGAlEw2tTq
— おりおん (@OrionB312) 2019年2月19日
Show notesの中にExcel方眼紙とウォーターフォールが。→"sp.53b【ゲスト: iwasiman】SIer v.s. Web系の対立軸について本気で考えた、楽しい「SIer批判」批判"
— てぃーびー-転職活動中 (@tbpgr) 2019年2月19日
https://t.co/wBfTSXWO0s #しがないラジオ
40分あたりまできいてる。全体的には主語の大きさゆえに悪くないところも、悪いように聞こえるという話なのかな。→"sp.53b【ゲスト: iwasiman】SIer v.s. Web系の対立軸について本気で考えた、楽しい「SIer批判」批判"
— てぃーびー-転職活動中 (@tbpgr) 2019年2月20日
https://t.co/wBfTSXWO0s #しがないラジオ
SIerとは言ってなかった…気がするなぁ…。
— FORTE@技術書典6 え18「はじめる技術 つづける技術」 (@FORTEgp05) 2019年2月20日
自分はSEだ、という認識だった。
会社としてはグループ企業なので、その看板の方がイメージが強かったかも。
"sp.53b【ゲスト: iwasiman】SIer v.s. Web系の対立軸について本気で考えた、楽しい「SIer批判」批判"
https://t.co/fi1rYXcOGB #しがないラジオ
休日出勤して納品物の印刷(電子は納品済)、とかを経験してSI嫌いになったなぁ。
— きり丸@ないない (@nainaistar) 2019年2月20日
フッターのコピーライト削除とかに1日かけるとか、WEB系には無いだろう、って盲目的に思ってることはある。
"sp.53b【ゲスト: iwasiman】"
https://t.co/Xeb9yDLmB9 #しがないラジオ
sp.53b
— ih6190@長岡 (@ihirhs) 2019年2月20日
SIer vs Web系の話楽しみ
#しがないラジオ
sp.53b
— ih6190@長岡 (@ihirhs) 2019年2月20日
SIerとされる人たちははSIerを自称しない説はある気がする
恥ずかしながら転職活動するまで、勤めてる会社がSIerに分類されると知らなかった
#しがないラジオ
いわしまんさんの出演回、aは聞き終えてbはまだ途中なんだけど、出てくるワードからして自分、いわしまんさんとおんなじ会社で働いてるかもしれない笑 職位の名前とか人事評価制度の名前とかからして。確かめようはないけど笑
— いっき@脱SIer転職活動中 (@1_sparkling) 2019年2月20日
#しがないラジオ
お昼休みで半分まで聴けた。Excelスクショの話、僕も再現テストとかに関しては有効だと思う。流れがわかるし。僕自身も自分のテストのログとして良く残してるし。ただ、意味もなく「とにかくスクショ」は苦痛になる。使い方の問題であって、Excelスクショが必ず悪ではないに同意 #しがないラジオ
— おりおん (@OrionB312) 2019年2月20日
#しがないラジオ sp.53b
— hekitter@デブサミ2019LT (@hekitter) 2019年2月20日
・SIerって言葉、確かに最近まで知らなかった、SIはあるけれど。私がSIerかというと、また微妙なずれもある気がする。
・Excelスクショ、ビジュアルとしてわかりやすいし有用だと思う。それを○百、千単位でやらされなければ…Excelというツールが悪いんやない、使い方ですね
#しがないラジオ sp.53bつづき
— hekitter@デブサミ2019LT (@hekitter) 2019年2月20日
せめて技術向上心・外向性さえあれば、多くのSIはもっとよくなる。自分の世界に閉じこもることがレガシー文化を生み出すというのが私の見解。
sp.53bの続き聴きながら帰る。ウォーターフォールがダメだと言われる風潮たまに見かけますね #しがないラジオ
— おりおん (@OrionB312) 2019年2月20日
大規模になるとテストに1年…ウッ…頭が… #しがないラジオ
— おりおん (@OrionB312) 2019年2月20日
sp53.聞いたけど略称多い問題は本当わかる!そもそも自分が何エンジニアを名乗れば良いかもわからないぐらい色々あるし。 #しがないラジオ
— Ryo Katsuse (@RyoEnter) 2019年2月20日
"sp.53b【ゲスト: iwasiman】SIer v.s. Web系の対立軸について本気で考えた、楽しい「SIer批判」批判"
— Piro/Linuxコマンド操作漫画連載中 (@piro_or) 2019年3月5日
https://t.co/3QmVGMqiep #しがないラジオ 「ぺちぱーとかコボラーとかSIerとか「er」が付くのは差別的ニュアンスがある」そこの共通項で意識したことなかった
ぼくもエクセル君自体は悪くないし、表計算として使うのは便利だなぁと思うんだけど、SIer特有のExcel台帳が嫌いですねぇ。横に長くなって見辛いし、検索もし辛いし、修正履歴もよく分からないし、更新されてるのかも分からないし。🤔 https://t.co/p4F9RPsO0X
— しまだゆたか@札幌で転職活動中 (@ShimayuSti) 2019年2月20日
「SIerとWeb系」という対立軸に、ついに終止符が打たれるかもしれません。ぜひお聴きください。#しがないラジオ https://t.co/Mv4Cni3Qiq
— gami「く10」@技術書典6で非エンジニア向けJS本頒布予定 (@jumpei_ikegami) 2019年2月20日
#しがないラジオ
— みずりゅ (@MzRyuKa) 2019年2月20日
sp.53b、聴き始める。
最初に、セリフを噛まないための工夫が語られている。おー、勉強になるなぁ。
#しがないラジオ
— みずりゅ (@MzRyuKa) 2019年2月20日
sp.53b、聴いてる。
SIerは自分の周りで使ってるなあ。所属しているコミュニティにもよるのか。
あと、ローコンテキストとハイコンテキストの違いで、SIerという言葉に色々と意味を含めてしまってるのかなぁという印象。あとは、ヒドイ現場出身の人の声が大きく拡散してくからかな?
同じ現場に10年いるので業務知識持ってて逃げられなくなってしまった勢ですw 子供が少し手が離れたから挑戦しようでは遅かったのかもしれない… でも、私は新しい環境を求めて行動するのだ! #しがないラジオ sp.53b
— えびちき (@ebichiki) 2019年2月20日
#しがないラジオ
— みずりゅ (@MzRyuKa) 2019年2月20日
sp.53bの話。
やっぱり出ました、単金の話w
SEにも、要件定義やヒアリングとかだけする上級SEとかあるしwww
SEとプログラマが分かれていて、SEの作った仕様でプログラム組む人を「プログラマ」と呼んだり。。。w
#しがないラジオ
— みずりゅ (@MzRyuKa) 2019年2月20日
sp.53b、聴いてる。
Excel批判の話、Excel君が悪いのではなく使う人(使い方)が悪いのには同意。
標準テンプレートが用意されてても、オプジェクト思考で作った設計が表現しづらく構造化プログラムに特化したフォーマットになってる、とかかな。あとは版管理。差分がわかり辛い
#しがないラジオ
— みずりゅ (@MzRyuKa) 2019年2月20日
(続き)
sp.53b、聴いてる。
Excelスクショが嫌われる理由の一端は「見られない」(見られる可能性がかなり低い)ものを作っているからというのもあると思う。作ったものの内容が見られず、パッとの見た目だけで判断されるのだから、嫌気もさすよねー。
#しがないラジオ
— みずりゅ (@MzRyuKa) 2019年2月21日
sp.53b、聴いてる。
カジュアルデー、プロパーは私服着てたけど、パートナーはスーツだったなー。無言の圧力とか、自社の意向とかでw
#しがないラジオ
— みずりゅ (@MzRyuKa) 2019年2月21日
sp.53b。ウォーターフォールが嫌われる理由の1つには、誰かの作った行間読まないといけない資料、矛盾のある資料、そして大量の資料にあると思う。それらは、自分の采配のきかぬ所で決まったのでストレスも溜まりやすいのかなと。
尻ぬぐいするのは「集められた外注」も多いしね。
「広げる向上心」と「深める向上心」わかる。 #しがないラジオhttps://t.co/3LEtxcQeyB
— kapiecii (@kapiecii) 2019年2月21日
#しがないラジオ sp.53a を聞いていて金融SIってなんで辛いのかが話題に出たので自分の経験からちょっと書いてみようかな。
— みよひで画伯 (@miyohide) 2019年2月22日
・扱うデータが金融資産なので色々とルールが厳しい
・想定外のデータパターンが大量にある。歴史が長いと文書化されていないデータはたくさんある
(続く)
#しがないラジオ
— みずりゅ (@MzRyuKa) 2019年2月21日
sp.53b、聴講完了。
多分、ふとした時に聞き直すかも。
勉強の方向性の話もわかりみ。ただ、それで周りが苦労することが多いのかなというイメージも。(だから色々言われてしまう?)
聴き始めた年に出演しているその行動力が流石。
収録キューははけたのか。
いわしまんさん出演回のsp53a、bどちらも聞き終えました。
— いっき@脱SIer転職活動中 (@1_sparkling) 2019年2月20日
同じSIer勤めでもWeb開発のお仕事されてたり、勉強会に沢山参加されてたりされているいわしまんさんのような方の存在を知る事が出来たのはいい刺激になりました!自分次第ってとこもやっぱり大きいのかな〜#しがないラジオ
楽しかった!
— FORTE@技術書典6 え18「はじめる技術 つづける技術」 (@FORTEgp05) 2019年2月20日
SIer脱出組だけど環境さえよければ戻ってもいいかなと思ってる。
結局、組織やチームに左右されると思うので、
より良い環境を作れるように努力していきたい。
努力されてるいわしまんさんにメッチャ刺激受けたので、自分も頑張ろう。
sp.53 https://t.co/fi1rYXcOGB #しがないラジオ
後半も面白かったです😀SEの定義広い問題は、大変共感しました。
— @Kodak_log (@Kodak_log) 2019年2月21日
最近はレガシーと言われている銀行でもAWS等のCloudを取り入れているので、#いわしまん さんが仰る様に、徐々にSIer、SESの方もWeb系で使用されている技術が必要になる時代はくると、私も思います。🤔
今回もめちゃ面白かった!
— S(エス) (@goodengineer7) 2019年2月22日
働き方にしろスーツにしろ、窮屈な感じがするのはみんなイヤなんだろうなー。僕も1社目は受託開発メインの小さなSIerだったけど、みんな私服だったし、有給消化合戦してたので「やべぇ!有給残ゼロになった!」って同僚もいました。
自分もテックリード的なポジションを担っているのですが、技術的な相談や発信が出来ると心強いなぁと感じます。エンジニアは独習が大事な反面、一人で出来る事には限界があると近頃感じてます(・・;)
— つの (@wasi_wasimaru) August 11, 2019
「SIerは自分をSIerと呼ばないのでは問題」は結果がばらけまして、呼んでないところもあれば呼んでるところもあるという興味深い結果が出ました。僕のところの弊社では観測範囲内ではあまり使わないのですが、会社自体が大きいのでこれも組織内の組織によってばらけそうです。
「エンジニアの呼び方がいろいろ多い問題」も共感の声があってありがたいところ。「システム」「ソフトウェア」「サービス」「アプリケーション」って文脈によっては実際は同じものを指してたりしてややこしいんですよね。Sで始まるIT関連の英単語も探すとけっこうあります。
ネット上だとTwitterや煽る系の記事でSIerは批判の文脈で見ることも割と多いですが、実際にはその中にも様々なパターンがあり、様々なものと結びついています。
- 特に昔から変わらない往年の金融系、官公庁系の案件で見られる仕事自体が辛い話。
- いわゆる外注丸投げでエンジニアの本来の仕事ができていない、成長できない。
- マネジメントや上流工程しかできていない、あるいはそれもまともにできていない。
- 開発はできているがいわゆる多重請負構造の下の方の弱い立場におり、不快な思いをした。
- 開発はできているがレガシー技術でモチベーションが下がった。例えば手続き型言語のCOBOLやマイナーだとPL/I、古いVisualBasicや.NETがつかないASPなど。開発現場ではまだ健在のJavaもSIerと結びつくことが多い。面白いのはマイナーになった言語ではPerlはあまりSIerとは結びつかない。C#もSIerと結びつくことが割と多いが、面白いことにゲーム系のUnityの話になると結びつかない。
- 開発はできているが仕事のやり方が古いままでモチベーションが下がった。たとえばガチガチのウォーターフォールでドキュメント作成だらけ、アジャイルは夢のまた夢など。
- 開発はできているが使うツールがSIerを連想させるものでモチベーションが下がった。たとえばExcel、Excelスクショ、伝統のサクラエディタ、Eclipseなど。
- 開発はできているがバージョン管理がまともにされていなかったり技術がSIerを連想させるものでモチベーションが下がった。たとえば恐怖のファイル名日付管理、なんかマイナーなバージョン管理ツールや古いVSS、Gitこそ至高と信じていたらSubversionが出てきたなど。
- 開発はできているが使うツールがMicrosoftと結びついていてモチベーションが下がった。ここで面白いのは、Microsoft製でもモダンでエンジニアに評判の高いVisual Studio CodeやTypeScriptは出てこない。
- 開発はできているがクラウドと反対側にあるオンプレミス側でモチベーションが下がった。
- 開発はできているがその会社特有の製品やミドルウェアを使わされてモチベーションが下がった、汎用性のなさを感じた。
- スーツが窮屈だった。これもお堅い金融系の開発現場のイメージの連想と思われる。sp.53bで話しているが、SIer=スーツ は実は真ではない。
- 夢のフルリモートができなかった。これも環境の悪い常駐系プロジェクトのイメージの連想と思われる。sp.53bで話しているが、SIer=リモートなし は実は真ではない。
- 問題の本質が会社自体にあった。制度や文化、方向性、社長や経営者層、企業体力や財力など。
- 問題の本質がプロジェクトにあった。マネジメントやチームビルディング不足、技術に強く決定権のあるメンバの不足、心理的安全性やHRTの原則が守られていない、仕事の進め方がまずいなど。
- 問題の本質が職場環境にあった。上と関連するが常駐環境で安心して働けないなど。
- 問題の本質が周囲の人にあった。古典の『人月の神話』で語られているにも関わらず、炎上プロジェクトなどでは派遣で人をかき集めてきて一緒に働くに相応しくない人と遭遇してしまったりする。
- 新社会人で配属ガチャで外れをひいてしまった。細分化すると配属先部門のガチャ、勤務地ガチャ、プロジェクトのガチャ、上司ガチャに先輩ガチャなど。
- なんかSIerをdisると強いエンジニアになれる気がしてTwitterでついイキッってしまった。
- 単にその日の仕事の愚痴をツイートしただけだった。
上では適当に並べていますが、中にはSIerと関係ないものもあります。なんとなく、「SIer=悪」としておくと話が進めやすいので都合の良い便利な悪役として使われることが多いなあとネットを概観していて思います。
元ゲーマーとしては日本文化における鬼や妖怪、キリスト教圏の世界における魔女や悪魔や竜、西洋世界における邪悪な妖精や小鬼、ファンタジー系作品における闇や奈落や混沌の軍勢とか、なんかそういうのと似たような感じを受けています。(RPG脳乙!)
2018年に出た本では、おなじみ「控えめに言って名著」「首もげ本」「倍バイブル」な『エンジニアリング組織論への招待』がエンジニア界隈の様々なことをスパッと明確に定義して論じていて面白いのですが、あんな雰囲気で、なんでもかんでもSIerでくくるのでなく抽象度別にもっとふさわしい言葉を定義するとか、誰かエライ人やってくれないかなあと思ったりしています。(他力本願)
エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング
- 作者:広木 大地
- 発売日: 2018/02/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
今週はGunosy砲ならぬしがないラジオ砲の直撃弾が2発着弾して、ありがたいリアクションもとても多くてTwitterの通知もいっぱい来てブログのアクセスも多くて新たな出会いもあって、とても賑やかな週でした。来週は平常運転に戻りますw 😌
— いわしまん@しがないラジオsp.53a/bゲスト出演 (@iwasiman) 2019年2月22日
という訳で人生初めてのPodcast出演はたいへん実りあるものになりました。パーソナリティのお2人アンドお聴きいただいた皆様、またこれから聴いてくださるかもしれない皆様、ありがとうございました!