Rのつく財団入り口

ITエンジニア関連の様々な話題を書いているはずのブログです。

創作シナリオのメモリアル

 西方の知り合いの記事をきっかけに、mixiのN◎VA界隈でシナリオ作成&ルーラー経験のある人が自作シナリオを回想する記事を書いていくよい流れが4月下旬に生まれました。面白いので全員分熟読して自分の分も書き貯めておきました。
流れに乗り遅れた後にゆっくりと。このビッグウェェェェブに心ゆくまで浸るしかないナィなぃナィなぃナィ……(ガーターベルト神父風に)

 そもそもどの作品も複数回まわしているし、評価は出来ではなくてリライトしたい度的なサムシングとします。
 TRPGシナリオはそのテキスト自体の価値ではなく、ゲームマスターの技量や準備、卓を囲む面子やその時の状況によって大きく変動します。僕はシナリオの出来よりまずセッションありきで考えています。創作活動やマスタリング技術にも既に経験も実績も自信もあり、ほとんどの他作シナリオでもより楽しいセッションを作り上げる能力を保持していますからね。
 プレイヤーサイドに立った時も同様で、シナリオの出来云々よりもまず、その時自分たちのセッションが盛り上がったこと、自分がそれに寄与したことの方が重要だと考えています。

『Only Time』 稼動6回ぐらい?

 初版なんと2001年(!)〜その回毎のカスタマイズで最後2005年とある(txtファイル更新日付より)

 悶えるためにまずは黒歴史レベルの昔から。まだSNSもblogも登場する前、アクションがWebサイトを中心に行われていた時代。N◎VAを愛する同好の士がゆるやかに語り合える場があった方がいいでしょう……ということで、我がRI財団N◎VAセクション“デリリウム”にはPL用のBBSやなりきりBBSを用意してビジターさんを迎えていました。
 ルールブックのオフィシャル地図ホワイトエリア右下あたりを下った、地図に載らないところに存在することになっている遊園地twiLiteには地下に秘密のアストラルの門があり、世界各地に飛行機なしで行けちゃうという設定になっています。その門で世界を旅してしまう財団ビジターさん向けのプレゼンツシナリオ。行く先はアウターエッジ時代の現時点でも未だに公式設定があまりない、ブリテン連合王国の霧煙るロンドンです。最初はまだ幽屋とか<星幽門>とかもない時代ですね。時代を先取りしすぎています。w
 アストラル以外に現実とリンクした形でリアル路線のテロリズム関係が出てくるあたりが、もう既にあの頃から十分ミリオタ乙なことが窺えます。(ノ∀`)
小ネタとしてはMyキャストの代表、1st時代から戦ってきたアレックスがゲスト出演したりその師匠が出てきたりします。まあアレクぽんがNPC無双する訳じゃなくて、参加したキャストに弱みを握られて焦るひろいん役ですけどね。'`,、'`,、 ('∀`)'`,、'`,、
 うーん思いだしてだんだん恥ずかしくて悶えてきました。ビバ、黒歴史!☆
 これを知ってるというと相当前から僕と親交がある人でしょうね。現在N◎VA界隈で活動している様々な人がシナリオという形でクリエイト活動をし始めるよりも、さらに前の時代です。
 回ごとにキャストに合わせて内容を調整し、キャスト専用のハンドアウト(但しスタイル枠ではない)を用意したりしていましたが、最初に作った頃はまだ世の中にトレーラー&ハンドアウトを作るという手順がない時代。いや、そもそもそれ以前の段階で、「シナリオを定型化した電子テキストでちゃんと形のあるものとして創る」という手順自体が、まだTRPG界に浸透しきっていなかった時代です。これ以前のシナリオだと僕もノートに手で書いたメモレベルのものも出てきますね。

 タイトルは物語の舞台のブリテン地方と同じ、アイルランドの歌姫エンヤの美しい曲のタイトルから。

リライト度:ゼロ さすがにない!( ´∀`)

 プレページのひとつを見て悶えました。これ、今をときめくからい先生(笑)が僕の紹介でトーキョーの池袋界隈にデビウした頃ですね。すごいですねー天色君の名物フェイトのティエンレイ姉さんとか懐かしすぎです。うーん悶えますね。ビバ、黒歴史! ´ω`)☆


W

星月夜作戦』 2006年夏頃〜から 稼動16回

 きちんと用意しコンテンツも揃えた一連のシナリオ群の記念すべき第1作。映画のトレーラーから始まって謎めいたナイスミドルのおぢさんや危なっかしい新人トーキーの女の子が出てきたりアルオメたんが友達を探していたりゆかいなカンパニーメンが出てきたり原作トム・クランシーあたりの軍事スパイスリラー小説めいたアトモスフィアが形成される話。
 クールでエッジなはずだったN◎VAにアニメや萌え絵の侵蝕がいっそう激しくなったDetonation時代。「ここはめっさ趣味全開でぐっと大人に洋画の雰囲気で作ろう」「合言葉はシネマティックに!」「フェイトの依頼人はいつも女の子だから渋い大人を出そう」「カブトの護衛相手は……いやでも映画版だし男よりは絵的に(以下略」
「ありきたりな人探しでなく目に見えないものの探索にしよう」「シナリオの背後に徐々に浮かび上がる壮大なストーリーラインを入れよう」「我々の住む現実世界と架空のニューロエイジを繋げ、過去と現在が繋がる物語にしよう」「銀幕の中のようなオープニングで相手を引き込もう」
「時間管理局でないと登場できない過去シーンを入れよう」「映画のようなシーン作りにこだわろう」「いつも通り、キャラの立った印象的なゲストを出そう」「宇宙超かっこいい」「東西冷戦超かっこいい」「カンパニー超かっこいい」など諸々の思念が結集して形になったシナリオ。クラシックな雰囲気を出しているので、ある程度過去作になった今から見るとまさにクラシック感がありますね。

 ボリュームがあるのでオンラインでは回していませんが、オフライン東西で計16回は伊達ではありません。本当に美しく感動的なシーン、本当に盛り上がったシーン、物語の鍵となる(ピーー)を巡るその発想はなかった的ソリューションも何度も何度も起こりました。16*4=64だけPLとキャストがいると同じ枠でもそれだけ幅があって見ているのも面白い。感想も多数頂いてきました。
 本作はタイトルロゴやバナー画像はあるけどゲスト絵がないので、ひろいん(?)役ゲストの新人トーキーのアンジェリンも明確なモデルはいるけどイラストがなくて寂しいんですよね。今度3Dで作っちゃうか。w

 タイトルは、もう滅んだ某国の軍事作戦にしてはいささか感傷的にすぎる架空の作戦名から。何故なら、この物語の根幹にあるのはロマンだからです。

リライト度:★★★

 リライトというか内容は完成しているし、何度もキャストに合わせて対応しているので大きな変更の必要なし。現在はワークス:(ピーーー)もあるのでアウターエッジ環境に合わせて装備を一部リファインすると面白いでしょうね。関東近郊で近年知り合った人には未PLAYの人もけっこういるので、いつかもう一度ぐらいやりたいですね。
 最近は遠方のJACKさんTOMYさんらがなんとびっくり遊んでくれたそうで嬉しいやら恥ずかしくて悶えるやら。凝ったシナリオなので上手く回しきれなかったとゆーのは当然で、「あそこはこうするとうまく回る想定になってたんだよ」じゃなくて「だったら僕がもう一度君たち相手にマスターしようず!」になる辺りが人に回してもらうためのシナリオ公開でないことを物語っています。w
 そういえば各所のシナリオメモリアル記事で、ケント・ブルース退場でそのシナリオはネタとして賞味期限が切れてしまったという話があちこちに何回も出て来て面白かったのですが、『星月夜作戦』は大丈夫ですね。フフフまたしても私は時代を先取りしていた訳だな……(´ー`)y-~~~




 『星月夜作戦』が稼動し始めた頃が、サプリの『ストレイライト』が出て世のN◎VA者が徐々に、達成値が+4されるムニャムニャをぽぽぽぽーんと打ち上げ始めた頃です。フフフここでも私は時代を先取りry
 【RI財団】はTRPGの楽しさを伝えよう、を基本理念にいろいろコンテンツを作ってきましたが、まだまだTRPG界が成熟していない時代にマスタリング技術についても考えるところがありました。これについては実地の経験も元に一式まとまったコンテンツ『天輪の音が響くとき』としてWebに上梓しています。(このコンテンツ、mixiの知り合い以外でも今まで様々な方に感謝されてきました)
 『ストレイライト』でようやく整備されたRL講座を見ると、実は同じようなことがけっこう書いてあるんですね。まあ辿りつくところは似通うということです。フフフここでも私は時代を先取りしていた訳だな……(´ー`)y-~~~



セレスタイトの杯』 2007年春 稼動9回

 時の塵の向こう、星月夜に消えた冬の女王を巡る探索の旅が軌道に乗った頃。次なる探索を考え始めました。「じゃあ今度は打って変わって100%純然アストラルにしよう」「本場のファンタジー感溢れる作品にしよう」「時を越えて繋がる物語はロマンがあるのでまたやろう」「最初のシーンはまた時間を管理していないと出られない過去シーンにしよう」「何かの探索というのは壮大なのでまたやろう。歴史的にもインパクトのある聖遺物のイメージを借りるとすると……そうだ聖杯伝説だ」「とすると西洋文明ベースだな」「世界の名所はヨーロッパとニューロエイジらしい場所を回ろう」「アヤカシの血脈総出演、そうだ夜の種族たちが伝説を崇める夜の聖杯にしよう」「登場人物もALLアストラールのウェット祭り、非人間を多くしよう」「アルドラたまの命令で狩場で騒ぐアヤカシをぬっ殺すとかそういう超ありがちなテンプレ導入は却下だお。戦闘以外の要素でどれだけ盛り上がれるかをひとつのチャレンジとし、一冊の本のファンタジー童話のような話を目指そう」
といろいろ考えました。
 雰囲気作りには苦心しましたね。BGMも荘厳な曲で揃え、現実世界のオカルト分野の単語も散りばめ、数話式のキャンペーンでも組めそうな壮大なバックグラウンドを背景に過去と現在が繋がる話にしました。
 本作ではあえてマスタリングの難易度を高くしてチャレンジングなことをしています。登場人物はそれぞれに事情があり故あって星の杯を求めているし、戦って倒されるための定型的ユニットとしてのモンスターは出てこないし、神業の使い方も必須以外は自由で結末も分岐、星杯探索者にかなり任されているのです。TRPGゲームマスター自体が初心者の方、またそうした方が遂に大型イベントでGMデビウ!などのケースでシナリオを創るときには推奨しない組み方ですね。
 その自由度故か、面白いアイデアが生まれた時もあれば、本当にファンタジーらしい素晴しい結末となった時もあるし、こちらが力を尽くしても上手く動けないPLもいました。力を出して頑張るとRLの疲労度も高めですね。まあ全力でRLすると疲れるのはいつもそうか。w
 とはいえアストラル系を軸に参戦した多数の参加キャストも眺めると実に壮観、普通のN◎VAアクトでは滅多に見ることのできない一冊の本の中の物語のようなアクトになったことも何回もあり、記憶に残っています。

 タイトルは、シナリオの探索対象の中核、世界を変えうる大いなる秘密を宿した夜の聖杯の名そのものより。これも似合う宝石の名前を相当考えました。セレスタイン、セレスタイト(Celestite)は現実世界では価値はダイヤなどメジャーな宝石より一段下の鉱物扱いですが、天上を連想させる柔らかな青色の石。天使の石、黄道十二宮が煌く天上の星の宮殿に相応しい石。他のシナリオ群同様、このタイトルも天上の星々を示しているのです。

リライト度:もうしました(笑)

 探索を成就させた英雄たち、夜の歴史に名を残す星杯探索者たちは誰もがその秘密を語らず、次の星杯探索者たちに杯の処遇を委ねてきました。
 本作に参戦した数々の探索者たちを観察し、とはいえやっぱり指針がもう少しあった方がやりやすいかと思い、公式サプリ『ナイトウォッチ』登場を記念に基本線は変えずに一部リメイクしました。


 近年のシナリオ定型化に伴い、今まで何百人クラスで見てきた沢山のTRPGゲーマー全てを包括的に観察すると中には優秀さ、自助努力に欠けるプレイヤーも勿論います。セッション中能動的に動けないくせにGMに注文だけ多い人。ここで襲ってきてくれと勝手に敵を動かそうとしたりヒロインの台詞や行動を操って自分だけの擬似恋愛に持ち込もうとする人。残念ながらそうした人々は大抵PL専門で、素晴しいゲームマスターやクリエイターとしての能力を持つ人を見たことがありません。
 そんな、二次元としか恋愛できないような低スペックキモオタ(笑)の妄想を叶える何でも言いなりになってくれる理想のヒロインと、PCが何もしなくても企みが失敗するチンケな陰謀とヘボい悪役を出すのがよいシナリオなのか? 現実にはいない二次元のメイドさんの如くPLの言いたい放題の要望をなんでも叶え叱責は黙して聞き、滅私奉公ご主人様に尽くすのがよいマスタリングなのか?
 日本のTRPG界を長く見つめ、インターネット上の黎明期から活動してきた者として、そうは思いませんね。だったらよく作られたシナリオなんかそもそも不要で、ランダムに生成されたシナリオクラフトでいいし、自キャラに暴れさせたいだけならそもそもTRPGの形態をとること自体の必要がないでしょう。なりきりチャットでもするか自分でそのキャラを主人公に小説を書くか、ネットゲームでもやった方が遥かに合理的でしょう。
 四則演算がもうできるのに100点が取れて当たり前の計算ドリルを何回やっても仕方ない。より高く、より遠くを目指したい――これはTRPGという分野でクリエイト活動を行うにあたり、よく思っていたことでもあります。




13mmの死神 -revival-』 2007年冬 稼動4回

 年末セッション会のクリスマスサバト会に向けて作ったシナリオ。11月ごろ頼まれて12月末ですから、製作期間は恐らく最短ですね。「年末のイベント向けだから基本ギャグで行こう」「たまにはオフィシャルゲストで受けをとってコンビニエンスに行こう」「サバト→chihaya→ZOHN→ゾヲンだ!」「トンでもないネタを入れよう」と、ささーっと作りました。
知っている人は知っている昔のオフィシャルシナリオをリメイク。げははの人も大好きな結城あや様のコンサートがもう一度D時代に行われる日、迫る大いなる陰謀……と見せかけてトンでもない超展開を見せるギャグシナリオ。現実世界では滑らかな超変形に世界が感動したマイケル・ベイ監督の実写版映画『トランスフォーマー』のPVが流れ、有名になりだした頃のPerfumeの『ポリリズム』がヒットしていた頃でした。……まあそのなんだ、察してくれ!(ノ∀`)
 このシナリオはテキストファイルの分量が93KB、きちんと作った他の大作級シナリオの約半分程度でもっともライトウェイト級です。ふつうの人が初めて「シナリオ作ってみた!」と宣言するとこの位か、あるいは50KB位のラインになるのでしょうか。
手抜き手抜きと自分で言っておきながらプレページには『CD LOVE Remix』のピンキーなバナー画像があったり、英文フォントまで実写映画版『トランスフォーマー』のものと合わせてパロディになっている手の込んだタイトルロゴを用意している辺りがいつもの財団クォリティです。(ノ∀`)

 タイトルは、元シナリオの題名に、当時マスターする際に少し手を加えた作品はハイフン付きで副題をつけるのが僕の中で流行っていたので「-revival-」を追加。リバイバルは結城あやのリバイバルコンサート、元シナリオのリバイバルのほかに、もうひとつ本当の意味が入っています。

リライト度: なし

 まあ基本受け狙いのギャグシナリオだし、これはこれでもういいかと思っています。RL中は真意を隠し何でもないように振舞えますが、シナリオヒロイン役も結城あやでオフィシャルゲストからの借り物。作り込んだ自作シナリオのゲストと比較して思い入れはどうかと言ったら、それはもう格段に下です。 '`,、'`,、 ('∀`)'`,、'`,、
 今まで参加PLの「これはない」という顔を多数見てきたので満足満足な感じです。印象に残った「これはない」顔というと……うーん今をときめくライド氏の顔が印象に残りますね。カラオケボックスの座席に正座から突っ伏して「_l ̄○ノシ(ガンガン」みたいなポーズを実際にやってくれました。うむ、よい変形だ。じゃなかった、よい反応だ。
 などと感慨に耽っていたらもう一度ぐらい回したくなってきましたぞ。( *´∀`)




月下残影』 2008年春 稼動1+6回


 僕が創ってきたTRPGのキャラクターやHTMLページとしてのWebコンテンツやロゴ画像等諸々を全部合わせると西洋文化が好きなのはど〜もビジターさんにも分かってしまうようですが(笑)、別に和風が嫌いな訳ではないんですね。だって巫女……じゃなくて、「ほんだばたまには趣向を変えて和の風味のシナリオ作ろうか」「和風って何だろう。BGMも和風にして季節の彩を入れて登場人物も日系にしよう」「じゃあひろいん(?)役も和服の女の子にしようか」「単に剣士がバトルするだけの安直な話はつまらないしストーリーラインは作ろう」
「和風→侍→N◎VA世界で侍といえばクグツ。企業ものの要素と合体させよう」「キャスト所属企業筆頭というと千早。ど〜も千早が絶対不変のクリーンで善の組織と思ってる人もいるので、サイバーパンクの伝統に従ってそんなに一筋縄でない世界も表現しよう」「ならば隠しひろいんは……そうだ、美沙っちしかいない!(*゚▽゚)」などなどなど。w
 ここでもマスタリングの難易度を高くしてチャレンジングなことは保っています。登場人物はみなそれぞれ黄道理由があるし、ただ単に安直な悪を倒すような単純な話にはなっていないからです。所属組織的にキャストが蚊帳の外で動きにくかった……という回もあったのですがこれも難しいトコロですね。シナリオメイキングのポリシーとして基本的に新造を必須とするような狭い枠は用意しないことにしています。(多数の人間の発言やネット上の発信情報を観察し僕が得た結論のひとつは「大方の人間の記憶力は極めて曖昧である」であり、1回きりの新造キャストはセッションが終わるとすぐ消えてしまうからです。)
 度し難い大迷惑と激怒を沈黙をもってメッセージとした最初の回の後は普通に回っているあら不思議。本作も結末を唯一に定めていないので、キャストがちょっとやっちゃったり、思わぬパターンでゲストとラブな展開になったり、ギャグ度がさらに増したり、とても和風に綺麗に決まった回もありました。
 一連のシナリオメモリアル記事で生方監督の日記にあったので思い出したのですが、本作も用意されたシーンタイトルが「月下騒乱」「雪色来客」「雨月孤剣」という具合に漢字4文字縛りになっています。これも最初のうちはカッコヨスなんだけどだんだんネタが尽きてきて困るんですね。この遊びは次の作品の『アストライアの涙』でも続いて、全シーンを古典SFタイトルから採るのを目指したのですが、結局全シーンまでは行き渡らなかったですね。うむ、暴挙でござった。w

 タイトルは、ネットで探すと同名の創作小説が見つかりますが特に引用等はなし。桜がもうすぐ咲く東京新星市、早春の月下の夜に踊る影たちの話……ということでキャスト達やゲスト達や裏の物語を指すものでした。シナリオタイトルもしくは内容を空や宇宙と結びつけるのは一連のシナリオ群全てに適用しているお遊びで、N◎VA公式サプリメントに途中まで適用されていたネーミングルールにならっています。
漢字を使ったタイトルロゴ画像は、他のシナリオ/プレイレポート/Webコンテンツの記事などで多数作ってきたロゴ群の中でもかなり珍しいです。

リライト度:-

 十分回したしもうこれはこれでよいかなと思っています。それぞれに思惑がある登場人物たちも、死んだり死ななかったりとっちめられたり左遷されたりギャグっぽく退場したり様々だった(ピーー)部長以外は大抵みんな生き残っています。別の物語の中でまた再会するというのもよさそうですね。ゲストの中から機械限定どじっ娘ウェット和風っ娘のひろいん(?)役の少女、雪音はその後3Dアバターとしても生を受けました。
 作ってから約1年後、作中と同じ春の季節に回した都合第六夜、天色在人さん/ねねたさん/つねひらさん/西方の餅木さん が来た時がキャストがみんなぴったりハマって非常にいい大団円を迎えて快心の一撃となって満足して、そろそろ次回作行こうかなあ次は宇宙物を考えてるんだよ、とその時話したのを覚えています。月下に影が舞い、桜が彩る物語が幕を閉じ、この時のキャストとゲストたちが見上げた夜空には月が掛かり……その月軌道周辺では、星の乙女アストライアを巡る新たな冒険が幕を開けるのだった、ということで。 (*´▽`)


アストライアの涙』 2009年夏 稼動8回

 本職の仕事の方で異動があって新年度が始まって爽やかな春の季節だったころに創り始めたシナリオ。「前から漠然と考えていたけど今度は宇宙だ」「楽しく明るめ、冒険のイメージで。宇宙の広大さ、光や飛翔のイメージを入れよう。燃料はもちろん、夢と浪漫だ」「今までの作品と同じく、世界を変えうる大きな秘密の壮大な探索にしよう」「N◎VAに神秘さを加えてきたタロットカードのイメージを入れよう。正義の執行者のカードを」「天空といえばやはりギリシャ神話。人名も宇宙縛りにしよう」
「宇宙に行けるならメカ要素はたっぷり。宇宙船に軌道エレベーター、コロニー、巡洋艦、たくさん出せる。個人レベルのジュブナイル冒険だから艦隊戦などはやめておこう」「やはり華でアラシ導入は入れてライバルを配置しよう。可変型戦闘機とかレールガンてカッケーよね!」「宇宙だと変形する必要ないけどでも変形するよね!」
「SFジュブナイルだからヒロインも少年で登場人物配置も若め、夢のある話にしよう」「対抗勢力も冒険の敵手に相応しいエレガントな人物にしよう。よろしい、ならば……紳士だ」
「(ピーー)の象徴も入るし隠しひろいんはもう(ピーー)をモデルにツインテにしちゃおう。あっこれひよこPの指示です」「科学的に説明のつくカゲムシャでやっぱり判り易いし外見を似せていこう。もう2人ともツインテでいいよね!」
「イメージBGMもテクノ系で明るめオサレにしよう」「AIというSF的テーマを扱うんだからBGM集に音声合成の曲も入れよう。あっこれひよこPの指示です」

 などなどなど、世界にひとつの作品にすべく構想段階からいろいろ考えました。せっかくの趣味の創作活動ですから作り手も楽しんだ方がよいものです。作中の重大な秘密である(ピーー)の本も読んだし、作中にも出てくる軌道エレベーターの本も併せて再読したり、細部を検討しながら並行してWikipediaも相当調べましたね。ちゃんとした清書版テキストに起こす前の構想メモを見たら74KBありました。制作には2.5ヶ月ほど掛かっています。
 思いついた沢山のイメージが形になり、タイトルが決まり、発注したイラストが上がって来て、ロゴや画像類が出来上がり、本文が形になり……と徐々に形になっていく様は1本の映画が出来上がっていくようでワクワクします。その後0.5ヶ月で創ったFLASHトレーラーは(大きな声では言えませんが)実在の曲を拝借して音と連動して動くようにしました。
 満を持して星の海への航海が始まって早8回。例外なくどの回も盛り上がっていますが、やはり特にアツいのはPL陣にSFファンが集まった時ですね。みんなSF魂に火が点いてギュンギュンしてきます。やはりSFはよいものです。このアツいパッションがあれば……重力を振り切って月軌道まで飛べるぜ!(*´ω`*)

 タイトルは、Astraiaはギリシャ神話の正義と天文と星の女神にして天に昇った純潔の星の乙女アストライアの名。この名前の引用自体が物語の重大な鍵になっています。「〜の涙」は、なんとなく大作で映画版っぽいし何よりもロマンチックであることから。よく覚えていませんが何かの映画のタイトルとか、超大昔(80年代?)のパソコンゲーに『帝王の涙』というタイトルがあってかっこええなと思った記憶があるからかもしれません。同時に、重要な一番最初のシーンで起こるイベントでもあります。
 しばらく前に西方のPS氏作のブレカナシナリオに『聖女アストラエアの受難』というタイトルがあっておおっ!と思いましたが、原典となるラテン語読みで統一するならこちらのアストラエア(綴りはAstraea)が正しいです。RI財団のコンテンツやロゴや僕の創作物はメジャー言語での読み方がない限り、基本的にアルファベットは英語読み英語綴りを用いています。

リライト度:★★

 2011年のTND3rdの翌日会の後になぜか成立した食事会 with KOHGA CHILDREN(笑)で『聖人戦争』はほんとはもっと長くてオフ会で出てくるのは軽量化バージョンなんですよ〜アストライアもどうですか〜という話を聞いてなるほど、と思いました。アストライアも要素を削って軽量化バージョンを作ったらイベントなどでも回せるようになるかもしれませんが、うーん悩むな。あんまりその気にはならないかもですね。
 こう言ってはナンですが、そこらへんの軽量級シナリオと比べたら作り込みは桁違いに圧倒的です。作中で起こる物事は全て現実の科学及びその延長のSF的理屈で説明が付くようにしているし、その上で幾つか大ボラを吹いて物語を構築しています。
 主にシナリオを遊んだ人用に、本編テキストに加えて記入済みレコードシートのPDFや情報項目関連図やイメージイラストなど豪華全部乗せでまとめたものはGoogle Docsから希望者向けに記念配布はしています。これも読んで是非回して!ではなくておみやげコンテンツ記念配布の意味が強いですね。
 タイトルロゴや3Dアバターに生まれ変わった主要ゲストキャラの絵など関連創作物も一番多いこともあって、ありがたいことに最初に作ってから3年近く経った今でも、あちこちからよく遊びたいとリクエストを頂きます。10回目指してもう何回か回したいところですね。 (*´∀`)チラッチラッ




セレスタイトの杯 -夜の旅人たち-』 2009年冬 稼動2回

 星杯探索がめでたく第10回目を迎えるのを機に一部リライトをしました。テーマや主要プロットはそのまま、諸々が自由なのもそのままですが想定する神業の使い方等をある程度用意。一連のシナリオ群同様てんこもりだった情報も整理して必須情報を軽減、情報項目関連図をベースにフルカラーの情報カードも用意。幾つかのイベントや稼動の結果PLが必要以上に迷う原因となるであろう文章は削除しテキストも見直し。
 登場人物数は……TRPGシナリオで一番安直な解法はただ単に悪い人だけを何人か出すことですが、星の杯を巡る物語には相応しくないのでシナリオ側の人物数が増えるのを分かった上で追加。悪のイメージと結びつきやすい有名オフィシャル組織のイメージを拝借し、職務に忠実なよくない人々にも登場を願うことにしました。
天空の青を示す天青石の杯なのにタイトルロゴが青くないよなあとは前から思っていたのでタイトルロゴ画像も更新、より神秘さが際立つ青と紫を配し、FLASHトレーラーも併せて更新。
 そして絵のもたらすイメージの大きさがよく分かったので、今までは紙に印刷していた画像集を途中からiPad用の大量の美麗イメージ画像集にチェンジ。まだイメージ画像を紙で出していた折、作中でキャストたちがイベントで“天青石の水の鍵”を探索中に実際にグラスが倒れてウォーターハザードが起きたことがあったのですが(笑)、完全電子データ化すればこれも回避できますね。

 タイトルは、メインタイトルは変えていませんが区別の為に副題で「夜の旅人たち」、英文で Travellers of the Night を追加。公式サプリメント『ナイトウォッチ』が夜の世界を表すのと同様、神秘に満ちた夜の世界、秘密の夜の種族たちの世界、この夜の霊気の中を旅する星杯探索者たるキャストと物語側のゲストたちのイメージを表す言葉です。


リライト度:これがリライトでやんす

 さすがに稼動10回クラスのシナリオはトーキョーでも人が集めにくく、この一部リライト後に回したのは2回。
 登場ゲストのリーゼロッテは実はその後キャストにもなって記念すべき『プロメテウスは火を運ぶ』や公式シナリオの幾つかにも参戦しています。女性ゲスト2人は3Dアバターにもなったし、勿体無いのでイメージ画像集はイラストSNSのpixivにも記念掲載して半永久的に保存してあります。登場ゲストの緑色の竜ダンテくんのぷち版のカット絵は僕のTwitterやG+やpixivやザ・インタビューズのアイコンにもなっています。
 大作規模のシナリオで回すのにエネルギーがいるのは確かにあるので、これはこれで完結でよいかなと思っています。
 だがしか〜し。某秘境アガルタの鍵を探索せしシナリオに出てくるリアルJK冒険家のぽんこつヒロインの中の人などから、何やらリクエストの声があるのでやんす。PL3人でも回るし、もう1回ぐらいやるのもいいですね。 ( ´∀`)チラッチラッ



アステールの宝珠』 2010年初夏 稼動6回

 最後の開催になったらららオフ13thの最先陣A卓を拝命したので制作したシナリオ。
「オフ会だ。イベントだ。短めスタンダードだ。これを頭に叩き込もう」「イメージイラストも用意してガジェット満載ネタ満載で行こう」「でもやっぱり遠くに冒険する話がいいな。映画版のアストライアは地球から38万kmまで旅するので、ヒヨって今回は空で我慢しよう」
「アストライアは宇宙を旅しても艦隊同士の対決シーンがなかったので、今回は大きいメカ同士のイベントシーンを入れよう」「飛空石相当はタロットカードと教授の手紙に隠された謎だったので、今回はストレートに分かりやすく宝石にしよう。もう◎ピュタでいいよね!」
「N◎VAのスタンダードってなんだ? 1stツクダ版時代からの約束である記憶喪失のハイランダーの女の子助けたりすればいいのか? だったら空から女の子が落ちてくればいいのか。ラ◎ュタっていいよね!」
「ゲストも少なめにして基本的にコミカル分を多くしよう」「今まで創造してきたヒロイン的サムシングの造形で属性が枯渇してきた感じなので、今度は小さい子のヒロインにしよう。ヒロインは幼女。あっこれひよこPの指示です」「ひよこPの指示だからボクっ子とか腐女子のネタもありだよね!」
「やっぱスタンダードすぎてもやる気が持続できないね。メカとかミリタリーってカッケーよね!」「アストラルやファンタジーもカッケーよね!」「今までの作品の集大成とすべく、ちょこっとリンクネタも入れよう」などなどなど、綿密な設計や雑念が結集して形になりました。w
 最初から計算して作ったのでトレーラーとハンドアウトの文字数も歴代恐らく一番短くなっています。前にmixi/blogの考察記事にしましたが、シナリオ制作もこれまでの中で一番理路整然と行っています。最初はマインドマップを書いて構想と設計。タイトル/題材/テーマ/イメージ/シナリオデータ/ガジェット/ゲスト/導入/シーン/情報項目の区分分けで徐々に詳細を詰め、情報項目数を数えて関連図で繋がりを割り振って記述。シーンも総数を割り振って徐々に本文を記述。ゲスト絵やゲストデータやタイトルロゴも揃ってロールアウト……とスムーズに進みました。
 筆者の本業のITの世界で、概要から詳細まできちんと設計した後に実際の開発を行うとプログラムコードが設計どおりに落とし込まれ、設計した通りのシステムができあがって設計した通りに理路整然と動く……というのとちょっと似ています。オフ会や他のイベント含め、最初に構想した頃とほぼ同じ盛り上がったアクトを実現することができました。

 タイトルは、アステール(Aster)は古い古いギリシャの言葉で「星」。この言葉も物語中の比喩であり鍵になっています。「〜の〜」の形にすることは決まっていて、ジブリアニメっぽいオープニングなのでジブリっぽいタイトルにしようとは当初から思っていました。「迷い子のアステール」とか。
 そのまんまネタに走れば「借りぐらしのアステール」「崖の上のアステール」「アステールの動く城」「アステールの神隠し」「風の谷のアステール」「アステールと天空の城」とか幾らでも考え付いて、しかもそのままシナリオ内容とだいたい合ってる的に対応してしまうのがニャンともかんともなのですが(笑)、字面的な映え、タイトルロゴを作ったときに英文でOrb of が加わるとちょうどいい感じになること、ファンタジーらしさが出ることから、シナリオ内の重要アイテム「宝珠」を用いて『アステールの宝珠』を採用しました。


リライト度:もうしたのです(笑)

 僕は安直に人に頼るのは嫌なので「バグ出しのためのテストプレイ」「拙いマスター/シナリオでしたが素晴しいPLに恵まれたお陰でよいセッションに〜」云々の言葉を安易には使わないのですが、本番らららオフの前の1回目のプレイで得られた大きな反省点は「iPadを置く台を忘れないようにしよう」ぐらいでした。w
リリース後も『ワールドオーダー』『アウターエッジ』のアウトフィッツ対応は順次行っているしいつでも可能ですね。都合まだ6回、もう何回か回したいですね。 (*´▽`)
その回の出撃キャストに合わせた調整も毎回行っています。2011年末のクリスマスセッション回でもキャスト陣に合わせてコミカル面中二面を多めにしています。2011年6月の名古屋TND3rd翌日会でも、キャスト陣がだいたいコミカル方向だったのでゲストサイドもお笑い度残念度を強めています。
 ついでにもう終わったから言いますが、このTND3rd翌日会集合30人弱、mixiトピックで回収していた計7卓の卓希望、第一希望4点第二希望3点〜2点1点としてこっそりExcelで集計演算していました。希望順トップは51点で我が『アステールの宝珠』卓! 1点差の50点が同点でソエジマさんの『ラン・キャット・ラン』とchihayaさんの新作『アマテラス・オーダー』卓でした。
 しかしあの全員参照可能なトピックにそのまま書き込む形式は、順位が低かったRL/GMのやる気が著しく削がれそうでNAGOYAはオソロシイなあと思いました。東京組のチハーヤさんと当日話して互いに激しく同意しました。 (;´∀`)



 WebサイトとしてのRI財団コンテンツ及び近年のソーシャルメディアでの僕からのTRPG系の情報発信での基本理念のひとつは、「実際の楽しさを通じてTRPGの楽しさを世に伝えよう」です。その理念の為にプレイヤー/GM双方で参加の時のプレイ記録も多数制作してきました。
 詳しくプレイレポを残す人だと思われるのはまあその通りだからいいのですが、ど〜も「一緒に遊ぶときっとレポ書いてくれるからこっちは書かなくてもだいじょぶ」という節に思われている時もあるよーです(笑) そのくせ他のセッション機会、他の人については記録に残るとなるとこちらはショボーンですw (´・ω・`)
 またTRPG界隈で活動しているとよく人の話になりますが、明らかに自慢する相手を間違えているシーンというのはありますね。僕もコミュニケーション能力として人の話を聞く技術、キャラクターなりシナリオなりのよい点を抽出して褒める技術は既に有しています。
そうやって聞き手に回ってあげると延々と自分の話をする人、延々と人の話をする人というのはいます。「はいはいそうだね、その人はそんなにすごいんだね」と相槌を打っていても実際には「君がさっきから10分以上延々と話しているその人物のプレイやシナリオやマスタリングには、こちらは一歩どころかただの半歩すら遅れをとらんよ」という場面は何十回もありました。どんなジャンルの趣味やコミュニティでも後続の育成は必要なことですが、僕も舐められたり格下に見られるのは大嫌いなので他人を持ち上げ続けるというのもなかなかこれはこれで骨が折れます。 ヽ(´ー`)ノ

 ということでシナリオメモリアル記事でした。だいたい年1回ペースの制作で進んできましたね。2011年に新作がありませんでしたがまあ仕方ないかな。
実際のオフラインのプレイにはここに、他作シナリオを読み込んでアレンジしたりして回してきた分が加わります。他作分で記憶に残ったものも、いつかメモリアルで出してみましょうか。
 総計の数で出すとあまり多くないですが、このへんは仕方なしかと思っています。世の多数のシナリオと比べ作り込みの度合いも凝りの度合いも違います。それにこちらはぷらぷらTRPGを遊んで生きているのではない、社会の一線で働いてその上で今までWebでこれだけアウトプットを残し、率直に言えば凡人2人分クラスのことは既に為してきましたからね。
 各所のメモリアル記事を読んで自分が遊んだりプレイ記録に残したシナリオが懐かしくなったり、「(人の名前)さんシナリオ全制覇」作戦にはまだ遠いのが判ったりしました。システムにもよりますが近年はTRPGシナリオの書き方のフォーマット整備や標準化が進んできたので、若い人のシナリオ初制作の垣根も昔に比べれば低くなっているでしょう。新たなシナリオが数多く世に生まれていくことを祈りましょう。

 このビッグウェェブの流れに乗ってなんかだんだんヒトツ今年分のシナリオでも創りたくなってきましたが……おっとっとあぶニャイあぶニャイ。自分で定めたプライオリティを遵守せねば。という訳で世の新作シナリオ誕生を祈念しつつ、メモリアル記事は終わりなのです。




〜キャストのメモリアル(笑)〜

[mixi] hide@無茶振屋さん | 【N◎VA】罪を数える簡単なお仕事