仕事が忙しくて諸々遅れています。サイト移転のお手紙をいただいたので久々にRI財団のリンクページを更新しました。
Janusさんの 【Janusfaced's Hideout】 です。シャドウラン4thの情報があるサイトとしては有名なのでぜひどうぞ。
シャドウランと言えば4th日本語版の動きもめでたく再開し、リプレイの「ビギナーズ・バッドラック」を読んでいます。

シャドウラン 4th Edition リプレイ ビギナーズ・バッドラック (Role&Roll Books)
- 作者: 西上 柾,朱鷺田 祐介
- 出版社/メーカー: 新紀元社
- 発売日: 2010/08/28
- メディア: 新書
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『ストリートの天使たち』とは別シリーズでRole&Roll誌に掲載されていたものの加筆まとめ版ですね。ランナーチームの4人はすべて、データはルールブック掲載のサンプルキャラクターを使用したものです。
いま日本のTRPG界にはありふれているきらびやかな国産TRPGリプレイ群に見慣れてしまった目からすると、ビジュアルも地味だなあとかイラストレーターを雇って萌え絵でも描いてもらえばなあとかキャラの造形ももっとリプレイ映えしそうな面子にすればなあとか、このシーンはもっとPLフレンドリーにPC側の個性を際立たせて活躍させる方向に持って行ったほうがなあ、とか色々つい思ってしまうのですが(笑)、いかにも洋ゲーらしい、シャドウランらしいリプレイでした。
混迷の2070年代、女の子一人助けるのにも第六世界ではこんなに手間が掛かるんですね。PC陣は男性のメイジにオークのひきこもりハカー、『ストリートの天使たち』のジルとキャラが被ってる気がする(サンプルだからそりゃそうか!)女オークのガンスリンガー・アデプト、そして実は男ツンデレだったドワーフのドローン・リガー。
リーダーどころ(のはず)の不運なメイジ、アレン・ブラッカイマーもうだつの上がらない主人公に見えますが、通して読むとハードボイルド文法なんですね。ウェットワークがまかり通る夜のシアトル、でも最後の最後に選んだ選択は金よりも愛や人間の尊厳。PCは活躍して当然、ヒロインはPC1に拾われて当然のヌルい国産ゲーではなく、厳しい世界の中だからこそこういう選択を取ることの価値が浮かび上がります。
最後のエンディングもビター・エンドなんですが、その中にちょっとだけ幸せがあるのが余韻があっていい。うーんオトナです。浪花節サイバーパンク。ハードボイルド文法ですよ。ザッツ・シャドウラン。そこがいい。w
各話の間のコラムも重要なことが書いてあります。公式設定でも重要な節目となる彗星の年や、魔法系オーガニゼーションでもミツハマのリサーチ・ユニット13とかかなりマニアックな所を作中に活かしています。アズテクと書いてビッグAと読んだりするのも懐かしすぐる。台詞や地の文様々な固有名詞やアイテム名にもシャドウランらしさが溢れておりました。