リプレイ『マージナル・ライダー3』
★商業リプレイも賑やかな限り。どばっと出てチェックが大変な昨今のTRPG界ですが新作を読みました。
マージナル・ライダー(3) ソード・ワールド2.0リプレイ (富士見ドラゴン・ブック)
- 作者: グループSNE,田中公侍,楡
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2010/03/20
- メディア: 文庫
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★新キャラは今回はタビットのグラップラーが出てきます。この冒険者パーティーで主役以外がどんどん入れ替わる形式は商業リプレイでも珍しいですね。あっさり退場してしまうと印象が薄い感じもしますが、一方ネット上の記事を巡ると冒険者の店のメンバーが入れ替わりどんどん出てくるのが楽しいという感想もあります。リプレイ作品としてはどちらの形式が良いのでしょうね。
★前巻もPCの1人が(ピーー)という苦難を乗り越えたパーティですが、今作はぐっとスケールも広がって国家規模の政治的な話に関わったりいよいよ竜を探して旅立ったり、キャンペーンらしくなってきましたね。超大昔のD&Dで言うと青箱エキスパートでワイルダネスな感じで面白くなってきました。
★主要キャラクターの過去もクローズアップされてきます。ダブルヒロインのナハトのネーミングはドイツ語のNacht(夜)なのか、涼宮ハルヒの長門から取ってるのか謎でしたが、過去には別の名前で主に仕えていたのが分かりました。
いよいよメルの生い立ちに触れるべく竜珠を巡る冒険も始まったり、このへんはキャンペーンならではの盛り上がりですね。
★その一方でギャル語で話すドラゴンがPL陣に冷たく一蹴されてGM涙目になったりと、いつものノリも健在か。w
★SW2.0まとめサイトなどを見るとこのシリーズがイマイチ人気が振るわないようなことも書いてあり、商業リプレイも一般的にまず1作、売れれば続いて3部作で完結という構成が多いです。4巻で完結した小説『剣をつぐもの』のようにこの3巻で終わってしまったりするのかな……と思ったのですが、まだまだこれからも続くようですね。よかったよかった。
★このシリーズはどこか牧歌的な表紙など、イラストが一味違う感じがありました。表紙でもラファルがだんだん男前になってきています。
それ以外にも本文のモノクロ挿絵を見ると、絵師さんの画風が3巻になって若干変わってきた感じがします。より普通のラノベ絵(なんだそりゃ)的になったような。
★タイトルのマージナル(Marginal)は辺境の部族出身のラファル君が冒険を経て成長していくことを指してるのだと思っていたのですが、どうもダブルヒロインのメルとナハトのどちらを選ぶかの境目という意味も入っているようですね。
究極の選択を迫られるぎりぎりのエッジの上を迷走しながらまだどちらも選ばず(むしろ両方?)、馬フェチロードを進むライダーの主人公少年。スゲェ。まあ後付けかもしれませんが、この発想はなかった!w
★この後付けでなく全ては計画されていた理論に基くと……ヒロインのメルは1巻からイラストで八重歯が覗いています。確かにその気になって見ると牙に見えなくもありません。スゲェ。これも予定通りだったんだ!w