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サプリメント『ゲート・オブ・ザ・ブレイヴ』

 勇者の門 『ゲート・オブ・ザ・ブレイヴ』、今頃 JGC 会場で発売されている頃でしょうか。東京では一足早く入手できましたので、なかなか入手できない方の為に情報を記しておこうと思います。
 いつもの形式のサプリメントで209P。ヴァルフェーの乙女と河の乙女(なのか?)の表紙も綺麗な本格的な骨太サプリメントです。


レイヤーセクション

 キャラクター作成ガイドとして、BoAをあまり知らない人に伝えるべき項目の要点、そしてGF誌別冊『鈴吹太郎の挑戦』(未来ではありません)に載っていた、金澤尚子イラストの各アルカナの紹介が再録されました。割とギャグっぽいのでアルカナのイラストの方が世界のイメージを伝えるなら合っていますが、お勧め特技などもあり役立つでしょう。

サンプルキャラクターセクション

 投稿者にとってはお楽しみのサンプルキャラ。なんと合計32人、見開き2Pでイラストと完全なデータつきで載っています。筆者の知り合いにも投降が採用されたという人が何人か発見できていますが、イラストもかなり頑張っていてこれは力作ですね。キャラメイクに時間を割けないコンベンション等のプレイ(JGCとか!)にはかなり有用でしょう。


 聖職者の『イスマリアの聖徒』や騎士の『不破の騎士』、賢者の『導きの隠者』や『知の探究者』のような比較的オーソドックスなタイプのキャラクターから『放蕩貴族』や『騎士の導き手』や次期主人公っぽい『次なる勇者』『幼き少年』まで、各種揃っています。
 嬉しいのはフルキフェルの非人間種族が全員揃っていることですね。ウルフェンの孤高の傭兵『戦場の孤狼』にエルフの魔術師『風の乙女』、なんとエントの『緑の騎士』や『鬼人の騎士』にドワーフの『岩の戦士』、ザルムの『河の貴婦人』、ヴァルフェーの『背を向けた白鳥』、猫好きにはかなりイラストも受けそうなカヴィーナス『夜の監視者』、なんとオオカミワシの『天翔ける戦士』、オーク英雄の『北より来たるもの』までいます! しかしこのオークお腹が出てますよ! もちっと筋肉質に脳内変換しましょう!w

データセクション

 人ならざる者の作成方法がまず書いてあります。イラストと種族設定は、昔のサプリ『ランド・オブ・ザ・ギルティ』とまったく同じですね。データは基本ルールブックで掲載済みのエルフとウルフェンも設定だけは載っています。
 各種族ごとの特技は種族ごと11個。ランギルと同じ名前の特技もありますが細かいところがあちこち変わっています。読み込むとかなり強力なものも多そうです。(ヴァルフェーの《戦乙女》とか! マイナーで1回使うだけで戦闘中ずっとクリティカルが上がります!)
 また、種族設定のコラムで、3rd時代の世界とフルキフェルの関係が記されています。

  • ウルフェンシド率いる“流離いの白狼団”が頑張っているため、ウニオンでは人間と変わらぬ仲間。偏見の少ないブレダ王国にも多い。
  • エルフ:ヒルダ王女の助力でメオティアの森がエルフの手に戻り、人間との接し方を考え直している。
  • エント:緑の騎士が世界に出て行く以外は、何も変わらず森の中でゆっくり。
  • オウガ:戦乱の時代、あちこちの戦場で傭兵として奮戦。
  • オオカミワシ:オークが聖域に侵入し、聖王ヴァン・デア・ヴォルフが激怒。北狄殲滅戦には人間の兵に協力し、現在もオークと闇の眷属討伐のために活発に活動中。
  • カヴィーナス:今もきままに一人旅or愛玩動物チック。ちなみに人権はなく人の所有物扱い。
  • ザルム:北狄南進にはヴァルター族と共に共闘。水中の敵に王ヴォーゲンは深手を負い、ブレダ/エステルランド軍に従いオーク王征伐に赴いた王子は行方不明に!
  • ドワーフ技術職人あるいは傭兵。アウルヴァング氏族のみ竜ロヴレンドに襲われ全滅状態。
  • ヴァルフェー:今も変わらず亡霊騎士の城から白鳥の娘たちが下界へ降り立ち、茨の道を騎士たちと歩む。
  • オーク:北狄南進で人間からの憎悪は今以上。それでもオークの英雄は孤独の中を進む。


 追加特技データはフルキフェル(共通)を含む全アルカナに5個づつ、ディアボルスは共通/魔剣/魔鎧で15個、特技が加わってまたまた強くなりました。
 2nd時代は存在した装備含め、通常武器/特殊武器/防具/特殊防具/護符/特殊道具/消耗品/デクストラ装備/クレアータ装備が75種追加されて賑やかになりました。


 そして時代の変遷としては楽しみな人物紹介。1070年だと既に死んでいる人を含めパーソナリティが9人。

  • 三王開戦で惜しくも散ったエステルランド神聖騎士団長ノエルたんがいきなり載っています。イラストが空を見上げて星になったノエルを思い出すシチュエーションにしか見えません (;´Д`)
  • アクア筆頭、真教修練派のワルター・ドレイク復活! 今は大院長の座を後継者に譲り、戦乱の各地を放浪して回っているそうです。
  • 1st時代からNPCにいた女暗殺者レイヴンが、メカアンゼル皇帝の王妃ヘレネに仕える蛇の紋章の密偵集団の長の“烏”(クレーエ)として復活。アンゼル配下の有能な暗殺集団として、PC陣の敵役で暗躍することが多くなることでしょう。
  • 1064年に北狄侵攻で滅んだミンセネンガー公国の跡取りとして、70年時点でも弱冠13歳の繊細な美少年マティアスが登場。性別が男?となっていて女性化もアリのようです。(エー)
  • 戦乱のそもそもの原因である竜ロヴレンドのねぐらから黄金の杯を盗み出したドワーフ隊の生き残りミョズソリンが、ポカールによって不死の呪いを掛けられて登場。依頼人でもなくラスボスっぽくもなく微妙なポジションですが、今も杯を追って目をグルグルさせながら世を彷徨っているそうです。
  • ザルムの王、川霧彦ヴォーゲンが後光まぶしく復活。なんと川の中にもオークの手先やエイやナマズ軍団がいて呪いの毒針に無念の負傷となっています。王子も行方不明、河の王国は新たな英雄を望んでいる‥‥!
  • こちらもマイナーなオオカミワシの聖王、銀鱗王ヴァン・デア・ヴォルフも復活。オークの所業に激昂し現在は下界にカイレンたちを派遣しているようです。やはりブレカナは異種族が熱い!
  • きくたけリプレイでヴァルフェーの神聖騎士団員としてPCで登場、終幕で闇に堕ちて終わったランドグリーズがなんとNPCになりました。イラストも違うので大人っぽい黒衣の謎の女性になっています。今もディングレイの魔核を追って世を流離っているそうです。
  • 北狄討伐戦はオリジナルシナリオを僕も遊ばせてもらったことはあるのですが、ゲーマルク王亡き後のオフィシャルのトップは意外な展開を見せました。奴隷として仕えていたワイト人の人間の少女が聖痕者、主たちを打ち負かして複数部族の頂点まで立ったのが、70年時点で26歳の“奴隷の女王”バーヴェ。北狄全体の指導者ではありませんが、ゲーマルク王が死んだ後の最有力候補という位置づけです。ローマやエジプトあたりの冷たい女王然としたイラストですね。アルカナがグラディウス=コロナ=フルキフェルなのですが、未来はやはりオークになってしまうのでしょうか?


 また参考書籍ではゲド戦記エルリックは当然として、流行りものから『鋼の錬金術師』や『灼眼のシャナ』、かなり前からファンの間ではブレカナっぽいと有名だった『ピルグリム・イェーガー』が加わっています。

ゲームマスターセクション

 なんとなんと、よりよいGMになるためのゲームマスターガイドがあります! 殺戮者の作り方、シナリオの作り方として各枠の動機付けやハンドアウトのコツ、展開、エピックプレイでの各種注意事項など。FEAR系作品のルールブックではあちこちで増えてきましたが、こういう記事はもっと増えてほしいですね。


 スポットルールとしては魔器の協調行動や召喚魔獣などの補足、また3rd基本ルールでは既存クリーチャーから選ぶしかなかったクリーチャー作成ルールが加わりました。2ndでもかなり強かったのですがエルスがまた強力になりました。
 魔印も11個増え、戦闘で強い奇跡の魔印版の他に、殺人事件の証拠を消してくれる《消息の印》のような面白いものもあります。
 クリーチャーも増え、異種族のトループや魔獣、オークやハイオークもデータが揃いました。
 参考映像ではロード・オブ・ザ・リングの他にX-MEN、コンシューマーではFFXIヴァルキリープロファイルタクティクスオウガ、流行りものとしてやはりFate/stay nightが載っています。

シナリオセクション

 全4話からなるキャンペーンシナリオです。第1話は12P、2〜4話は4Pづつと、完全なシナリオではなくシナリオプロットなのですが、トーキョーN◎VAアラシSSS『フロントライン』のような、データや大まかな部分は決めてあってそれほど準備作業は必要ないものになっています。
 物語は基本ルール付属シナリオと同じく、黄金の杯にまつわるもの。PCは共通となっています。

  • PC1:神聖騎士団員のひとり、アダマスやアルドール
  • PC2:旅の聖痕者、ウェントスやルナ系
  • PC3:貴族階級のNPCと接しやすいコロナ、アクシス、マーテル系
  • PC4:以前より黄金の杯と関わりがある。フィニス推奨
  • PC5:黒騎士枠で本日も放置

 ちなみにハンドアウトの付加される設定を見るとPC5に「黒騎士」とありますが、やはり「黒騎士に仕えている」の間違いでしょう。(笑)



 俯瞰してきましたがかなりボリュームがあり、遊び方が広がる骨太なサプリメントとなっています。
 同時期にアルシャードffでは『ミッドガルド』、『アルシャード ガイア』文庫版ルールとリプレイ、リプレイではダブルクロスガンドッグ無限のファンタジアと、8月はかなり新製品が多く賑やかですね。JGCでも賑わっている頃でしょうか。


 私的なことを言うと筆者はJGCは宿泊参加はしないのですが、当日参加で覗きに行こうとは思っています。それではアデュー! ヾ(´ー`)ノ