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ITエンジニア関連の様々な話題を書いているはずのブログです。

『今宵、桜花の下で』-新生路時代剣客浪漫譚-

 最近のプレイ記録です。

( ´Α`)< もっとプレイヤー比率上げたいお!


 と思っていたら思わぬ機会にやっとPLができることになりました。場所はブレイブ月葵さんや天誅蕎麦組LEDman親分の本拠地の方向であるチバ・シティ方面。遊ぶのはあのほりの皇子の剣客浪漫シナリオ『今宵、桜花の下で』。
 この愉快な面子でこのシナリオならばっ。たとえ2時間近く掛かっても行かぬ手はないではないかっ!


 という訳で電車が河を越えたり電車の中に平和な中学生がいたり、えらく安くて量の多い定食屋があったりあまりコンビニのない広々とした町並みに軽くカルチャーショックを受けながら、チバ・シティ方面に旅することになりました。
 空の色は、空きチャンネルに合わせたTVの色ならぬ、雪の日の翌日の晴れの日。シナリオ内の桜満開の桜花の夜はまだまだ先ですが、セッション日和となりましょう。


 思えば本作シナリオ『今宵、桜花の下で』に出会ったのは2007年の春。連休迎撃作戦2日目で畳の部屋に集結し、ほりの皇子と第1回のアクトのPL面々が隅っこのテーブルに集結するのを見ながら、「何ということだ、我がほうのカタナは敵ゲストであれば実に似合いそうなのに」と無念に思ったものでした。w
 その日僕が何をしていたのかといえば、同じ部屋の反対側の隅っこで『セレスタイトの杯』3thでがつ度マソマソの勇者たちの相手をしていたんですけどね!w




PC1:“ウィルセイヴァー”真神 勇吹 (まがみ・いぶき)

【カタナ◎, アヤカシ, カブト● カブト:ヒーロー 外見22/漢】

 黒の短髪にスポーツマン系の締まった体つきをした日系人の好青年。その正体は、弱きものが危機に瀕した時、颯爽と現れて悪を滅する特撮ヒーローの都市伝説が形を取った概念存在。闇の中、太陽の光の剣を携えて現れ、朝日をもたらして去ってゆくナイスガイの快男児である。「ウィル(Will)」は意志と未来の両方を表し、正義を愛する意志と未来の両方を救う存在なのだ。
 N◎VAアサクサにある桜華道場に世話になっていたある日。親しくなった天鵬院悠羽が、チンピラとの諍いで修羅の性を見せるのを目撃した。
 悩む悠羽。そして桜華道場の門弟を追って日本から現れた、抜刀隊を名乗る剣鬼たちが桜舞う道場に迫る。アサクサの剣術小町を救えるのは、君しかいない。いざ立て、桜花の快男児よ!

Player: sigane (しがね) さん

 あちこちのアクトにいつも突撃、最近はらららオフ用にシナリオを書いているという、しがねおぜうさまがPC1にやってきました。アクト直前にやっと人物像が分かった息吹は例の概念存在、特撮ヒーロー生命体です。すーぱーヒーローの影に隠れていましたが、データの方はこーいちさんが入れ知恵したそうで割と酷い作り方でした。w
 こういうタイプのキャラクターは初めてで中の人と性別が逆なこともあり、羞恥心もあって新造第1回目の本日は一部やり辛い部分もあったそーですが。(いやまあ、特撮ヒーローキャストってそう多くはいませんが!www)
そんなものは正義を愛するウィルセイヴァーの心でどうとでもなるでしょう。さあ! 全国の悠羽たんファンがキミの到来を待っています。ニューロエイジの剣術小町代表、天鵬院悠羽に迫る乙女の危機。救えるのはキミしかいないのだ。立ち上がれ、ウィルセイヴァー。その名を叫べ、ウィルセイヴァー!


PC2:“朧夜の”牙下 冬治郎 (きばした・とうじろう)

【クグツ◎, カゲ, カタナ● カタナ:剣客 20代後半/男性】

 宵闇の中に朧に輝く妖刀“影蛍”を携え、夢天一刀流居合抜刀術を操る不吉なる剣客。後ろで縛った黒髪に伊達眼鏡の奇妙に侍めいた姿。
 剣の腕を買われた冬治郎は後方処理課を離れ、日本軍が組織した教導暗殺部隊“抜刀隊”にいた。日本本土随一の剣の使い手、鷲◎耀隊長。サイボーグ居合を用いる巨漢の鴫機●斉。神速無敵の居合抜刀を学んだカウボーイ・サムライ、隼電◎丸。二振りの小刀で華麗に敵を屠る少女剣士カ●ス。四人の剣鬼の影に今、闇夜の蛍の主が加わる。狙うは、桜舞う道場に隠れた半日分子であった……

Player: 自分なので(ry

 よく見たらPC2枠は敵側の立場じゃないか! というわけで、新年最初のPLだというのにRI財団エレがつト代表の冬治郎が推参つかまつってしまふ事になりました。
 うむ、ジャンプのカラー見開きイラストで十本刀っぽい面々が一堂に会すると、一番隅っこで眼鏡を直してそっぽを向いていそうな冬治郎は、しおしおと抜刀隊の5人目を地味にやっていればよろすぃのでしょう。w 『甲賀忍法帖』の曲も流れるなか、うろんな人斬りここに見参!


PC3:“-真夜中は別の顔-” 翼 優一 (つばさ・ゆういち)

【レッガー◎, ハイランダー, チャクラ● ハイランダー:エトランゼ 18/少年】

 チンピラの父、竜一に捨てられた母に育てられた少年。喧嘩の腕がそれなりに立つが新帝大付属高校に通っているごく普通の若者。
 彼には秘密があった。若い頃から喧嘩に明け暮れ、母を捨ててカーライルとの銃撃戦で死んだ父。35歳で命を落とした竜一の魂は、息子の体に同居することになってしまったのだ。第二の人生を送る竜一は息子の体で、今も河渡の男として生きている。
 父の経験と息子の若さを持つ優一には、彼に憧れている弟分がいた。桜華道場の門弟の一人、ガクラン姿の鴻悟。その彼が消息を絶ったという。いまだ苦しい道場経営の中から、なけなしの謝礼を差し出す悠羽。そして道場に迫る影。ここで退いては渡世人の名がすたる。いざ立て、桜花の渡世人よ!

Player: LEDman (れっどまん) さん

 天誅蕎麦組のれっどまん親分です。昨年も何気に同卓が多かったですね。LEDManワールドといえば最初に百獣の王レオたん、天誅蕎麦屋にXちゃんねると既に満喫してきましたが、本日は比較的マイルドで地に足がついた非超人キャストだという、優一少年が出てきました。
 一人の体に父と子の人格が同居しているという設定の元ネタは、僕は未読ですがヤンマガの『カフス』という漫画だそうなんですねー。息子の方はチンピラに強請られて「飛んでみろよ」と言われると飛ぶ弱気少年ですが、そこで父が降臨して相手を逆に飛ばしてフルボッコにするそうです。w
 さあ! そんな父子をアニキと慕う鴻悟くんが行方不明となりました。きっと大陸に渡ってすごい拳法を学ぶ前に悪漢たちに囚われてしまったに違いありません。立て、桜花の渡世人。そして Xちゃんねる の字幕も今日は満開だーっ!!


PC4:“破撃(ブレイカー)”久遠 烈 (くおん・れつ)

【カタナ◎, チャクラ, アラシ● アラシ:パンツァーイェーガー 27/漢】

 レッドエリアの捨て子出身、ある老人に拾われて無手格闘術を学んだ男。十数年の修行の後、あえて名のない流派によって拳で機動戦車すら破壊できるほどの使い手に育った。長身の体格の良い日系人の青年で身なりに無頓着。壊し屋として日々の糧を得ている。
 縁あって知り合った桜華道場の門弟たち。平和な道場に迫る剣鬼たちの影。彼を頼る可憐な少女アトリから目をそらしてみれば、剣客の一人は見覚えのある居合使いだった。抜刀隊を名乗る剣鬼たちは血文字で脅迫を残し、道場に迫らんとする。いざ立て、桜花のブレイカーよ!

Player: KO1 (こーいち) さん

 最近遊んでいなかったモーション先生のこーいちさんと久々に遊べることになりました。KO1ワールドといえば、キャストを俯瞰するととにかく差分2倍や3倍や大ダメージの出るキャストの多いこと。この久遠烈もその例に漏れない超絶物理アタッカー、その上ガツ生命体
 しかし! そんなチャクラ枠も今宵は満開の桜の下。何かと道場に世話を焼いてくる可憐な少女アトリちゃんが助けを求めているではあーりませんか。さあ! うろんな人斬りの方とのシナリオコネなんてどうでもいいのです。道場を守るため、少年少女を守るため、立ち上がれ、桜花のブレイカーよ!


Ruler: 月葵 (げっき) さん

 チバ・シティ方面にいるあおいちゃんさんです。最近いろいろあったのと春から卒業後故郷のリューキュー方面に帰ってしまうということで、残り少ない日々を遊ぶことになりました。
 人の家にお邪魔してTRPGを遊ぶというのはけっこう久々だったのですが、個人的には大学生だった頃のなま元帥の家やはたたんの家でのセッションを思い出してしまいました。うむ、学生の下宿先ってみんなこんな感じだったな……w
 TRPGゲーマーの例に漏れず、月葵邸の本棚は充実の品揃えの上にカオスなことになっていて面白かったです。
 コタツに丸まるメンバーあり、敢えて外に留まるメンバーあり、ウェットなノートPCを横に桜花の剣客浪漫譚がいよいよ始まり始まり……。



 天鵬院悠羽は実は歴史が古く、旧『トーキョーN◎VA The Revolution』の頃から顔つきパーソナリティに載っています。その中から主役に抜擢されてリプレイ『トータル・エクリプス』のキャストとなりました。これのリプレイ部分を書いた臼木照晶は本人と昔の知り合いでしたが、その後とっくにFEARを辞めてるし、今は昔の物語になってしまいましたねー。
 確か、悠羽を作ったのはFEARの久保田悠羅氏だったはずです。こういう剣道少女のコンセプトは人物造形としては珍しくなく、様々な作品で見かけるものですね。
父の残した道場を切り盛りしているというのはそのまま『るろうに剣心』のヒロインの神谷薫に通じますし、当時流行っていた作品というと『サクラ大戦』の真宮寺さくらが有名でした。


 ちなみに『トータル・エクリプス』の表紙の弘司イラストだとちゃんと着物を着ているんですが(リプレイ本文中の鏡健一郎イラストは洋装)、『Revolution』P111の田口順子イラストだと髪を後ろを結び、タートルネックにチョーカーにジャケットぽい上着と、洋装で描かれています。
 これに習ったのかRevolution時代のカブトワリSSS『Bolt from the Blue』の追加パーソナリティで20才バージョンで描かれた鏡健一郎イラストも後ろのリボンが大きくなった洋装、『N◎VAクロニクル』P68で描かれたしのとうこイラストでも、Revolution版に習った同じような洋装で描かれてしまいました。
「道着に袴じゃない悠羽たんなんて悠羽たんじゃないやい!」と、全国ウン万の悠羽たんファンを嘆かせたものでした。(一部誇張)
 RI財団からリンクさせていただいているN◎VA系ファンサイトで悠羽どころと言うと、B・T・Rさんの【おカタナ天国】には巫女みこな悠羽イラストが保存されています。剣道少女も巫女も両方好きな方は拝んでおくとよろすぃでしょう。w


 【ロケット屋ダンデライオン】掲載のシナリオ『今宵、桜花の下で』ではちゃんと道着に袴姿の悠羽イラストがついていますね。うむさすがほりの皇子、分かっておられる。w


 かくして桜花の物語の始まりです。今回はシナリオ原作者様始め何人かの方からアツいリクエストを頂いたので、アクト内容の方もスポットライトの当たったシーンを中心に詳し目に記しています。いざ、お立会いお立会い……



『今宵、桜花の下で』

- 新生路時代剣客浪漫譚 -


原作:ほりの先生
作画:月葵先生


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キャスト間コネを結ぶアクト直前。PC4、ブレイカーの久遠烈はさる老人に学んだ名のない素手格闘術を操る。キャスト間コネのPC2の牙下冬治郎とはスート生命、ここでも殺し愛の関係となった。
 ここで問題が発生した。この久遠烈、殺し愛に満足してもうひとつのシナリオコネ、重要ゲストの佐久間アトリにそれほど興味を示さなかったのだ。


久遠烈の中の人「しょうがないなー、取るよ〜 (´w`)」
月葵先生「KO1さん、なんかいやそうですね〜w」
冬治郎の中の人「(くわっ!)もったいない! 相手はほりのヒロインですよ? KO1さん! ほりの皇子に謝れ! ヽ(`▽´)ノ」
久遠烈の中の人「もう草葉の陰から謝ることにしますー」
月葵先生「それ見えないですよ〜w」


 「ほりのさんに謝れ」。このフレーズを使ったネタは、アクトを通し数回続くことになる……


★     ★     ★     ★     ★


 かくして揃った、桜華道場を守るために立ち上がるナイスガイ3名と桜華道場をつけ狙う悪1名。計4人とも男となってしまった。今日の桜下はアツい!
 なんと月葵先生、キャストに合った音楽を用意していた。ノートPCにmp3ファイルを保存、再生は手動でフリーのマルチメディアプレイヤー Winamp から流すスタイルであった。ちなみに財団の偵察によると、月葵先生はデスクトップにファイルをためてしまうタイプのようだ。w


 存在からして特撮生命体の真神勇吹には最近の仮面ライダーの曲。
 久遠烈や翼優一にはJAM系その他からアツい曲を。
 そして人斬りの冬治郎に月葵セレクションで持ってきたのは……陰陽座の歌う甲賀忍法帖だった!

一同「バジリスク だー! (´ω`*)」
冬治郎の中の人「いやー、ぶっちゃけこの曲、来る途中iPodで何度も聞いてたよー」

 ∩
( ゚∀゚)彡 シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッ
 ⊂彡

甲賀忍法帖

甲賀忍法帖


★     ★     ★     ★     ★


 原作:ほりの先生のこの漫画もといシナリオには、登場ゲストには絵姿があるはずだった。一同はオンラインで参照しようと試みるのだが……なんと月葵先生の部屋、同じ部屋のこたつの向こうにはモデムが見えるのに、ノートPCはオフラインのウェット状態だった。距離にしてわずか2メートル!w


翼優一の中の人「こ、この距離でネットに繋がらない! (ノ∀`)」


 仕方がないので一同はゲストを夢想した。剣客浪漫漫画代表格の『るろうに剣心』といえば全員知っているので、問題ナッシングなのである。


真神勇吹の中の人「(『N◎VAクロニクル』を見て)悠羽はふつうに可愛い子なのね〜」
翼優一の中の人「袴姿じゃない悠羽たんなんて……(ホロリ」
冬治郎の中の人「トータルエクリプスの表紙だと着物なんですけどねー (´ー`)y-~」



みんな「この鷲◎隊長はつまり、きっと蒼紫っぽいんだな!」
月葵先生「アトリは武術の心得はなくて、健気な後輩タイプの子ですかねー」
みんな「きっと、赤べこ”の燕ちゃんが女子高生になった相当なんだ! (´ω`*)」


 原作に記述のあるアトリちゃんはどちらかいうとセーラー服の中学生っぽい感じだが、まあそこはそれ余裕である。(何がじゃw)


 そして月葵先生が日本軍白兵教導部隊、“抜刀隊”を語る。とにかくこの抜刀隊の面々、名前からしてブラボーにオモシロすぎるのである。


みんな「個人個人が勝手に動いて連携がまるでできてない部隊……つまり十本刀相当なんだな! (;゚∀゚)=3」


 翼優一の中の人である天誅蕎麦組LEDman親分、組のほうには蕎麦屋と並んでもう一人トンデモ代表格のキャストがいる。そう、最近は動画投稿機能もついた巨大掲示板サイト管理AI、Xちゃんねるである。

 アニメ版の本漫画を視聴するXちゃんねらーの間では、もう既に祭りが始まっていた。


Xちゃねらー「隼電光丸、名前がオモシロ過ぎる! ( ´∀`)σ)Д`)」
Xちゃねらー「きっと◎●にいた頃の昔のハンドルは“ライトニング・ファルコン”だ!」


★     ★     ★     ★     ★


 夜の新宿インペリアルパーク。まだ桜も咲かぬ暗闇には、姿形もばらばらの、五人の剣鬼が集結していた。
 陸戦コートに身を包んだ本土から来た男。鎧武者のごとき巨漢、海の向こうからやってきたカウボーイ、夜の闇の如き黒をまとった寡黙な美少女。そして、蛍の舞う漆塗りの鞘に収められた妖刀を佩く、ダークスーツの人斬り。
 そして月葵先生の作画により、今回は一部の人物の口調には修正が入っていたのである。


鷲塚隊長「お前たちは本土でも指折りの剣客だ。N◎VAのカタナどもに、本土の剣を教えてやれ」
カケス「これで、強さを試せるわね、鴫」
機装斉「おいどんは小細工は好まんばい、強い男に会えればそれでよか」
電光丸「オーッ、そうでなければこのハヤブーサ・デンコー丸サマの名ガ泣きマスねー」
冬治郎「面白い。電光丸、お前と私の居合抜き、どちらが速いか道場で試してみましょうか」
電光丸「ノーッ、ミーの居合は世界一アルねー。道場の一番乗りはミーがもらうネ!」
鷲塚隊長「……状況を開始せよ!」


 恐るべき剣客たちは四方の闇に散った。悠然と最後に去っていった朧夜の冬治郎は眼鏡を直すと、神社の木を振り返った。まだ桜はつぼみの中に眠っている。


冬治郎「いい夜だ……。人を斬るには、とてもいい夜だ……」


★     ★     ★     ★     ★


 袖を引くアトリに導かれ、久遠烈が急いだ先では、門弟たちが騒いでいた。
 なんと不吉なことか!桜華道場の壁には血文字で脅迫が書かれていたのである。


門弟「なんてことだ……」
門弟「先月までいたあいつのことか……?」
アトリ「久遠さん……(ぎゅっ)」


一同の中の人「ところでこれは誰の字だろう?」


 ほりの先生の原作には記述がなかったのだが、いろいろ考えた結果、これはたぶん機装斉の仕業であろうということになった。

  • カケス:すごく小さい字。意外と可愛い字を書きそう
  • 電光丸:言葉が日本語とアルファベットに中国語といろいろ混ざって間違っている
  • 鷲塚隊長とついでに冬治郎:一般人に読めない見事な草書を書きそう


★     ★     ★     ★     ★


 一人の少年の体に、父と息子の二人の魂が宿った翼優一。彼の元へ思いつめたような表情でやってきたのは、桜華道場の若き主、アサクサに名高い剣術小町の悠羽だった。
 優一とも仲がよかった鴻悟が、行方不明になっているというのだ。


翼竜一(父)「そういやあいつも、よくあちらこちらに首突っ込んでたからなぁ〜」
悠羽「これは、せめてもの調査費用です」
翼竜一(父)「おう金の話か。待ってたぜ」
翼優一(子)「父さん! そこでお金もらうのカッコ悪いよ! (´□`;)」
悠羽「たくさん出せなくてごめんなさい。うちも、苦しくて……(よよよ」
翼竜一(父)「まあ、とは言っても、背に腹は変えられねぇからなぁ」
翼優一(子)「父さん! そこは受け取らないで去ってくのがカッコイイはずだよ! ・゚・(ノД`)・゚ ・。」


舞台裏一同「中の人も大変だなぁ〜 (´▽`)y-~~~」


★     ★     ★     ★     ★


 桜華道場の周囲に徐々に迫る影。ある日の夜、夜道を歩いていた真神勇吹は、不吉な影を目にする。日本軍制式の黄土色の陸戦コートに身を包み、溢れる剣気を辛うじて内に留めている打刀を持った男。

真神勇吹「お前、誰だ?」
鷲塚隊長「剣を持つものは、みな殺戮を好む獣だ――」


★     ★     ★     ★     ★


 もうすぐ桜も咲かんとする、うららかな春の桜華道場の夕暮れ。縁側では黒髪を後ろで縛った袴姿の少女が、懸命に雑巾を絞っていた。天鵬院悠羽が忌まわしい血文字の脅迫状を、懸命にぬぐっていたのである。


舞台裏一同「うう、なんて健気なんだ……(ホロリ」

 そこへゆらりと現れる不吉な影。トレードマークなので隠せない殺気をまとって現れたのは、居合刀を携えて現れた不吉な剣客だった。


悠羽「あなたは……!」


 しばし話した後、危険を悟って部屋の奥に飾ってあった刀をさっと取り上げ、悠羽は正眼に構えた。神速抜刀の暗殺剣の使い手は、ただ微笑むと眼鏡を直す。


悠羽「私と勝負するつもりなら、私が勝ったら真実を話していただきますよっ!」
冬治郎「面白い。私も前から思っていましたよ。桜華一剣流、いちど真剣で手合わせ願いたいと……」


 危うし、アサクサの剣術小町! このままではN◎VAの和服系袴系ゲストの代表格たる悠羽たんがうろんな剣客にやられてしまう。乙女の危機である。だがその時、ふすまが開くと……


真神勇吹「(がらっ)悠羽、どうしたっ??」
悠羽「勇吹さん!? よかった、この人が……」


 全国ウン千万の悠羽たんファンよご安心あれ。今回の桜華道場は、正体を隠して弱きを護るスーパーヒーロー、真神勇吹が守っていたのだ!


冬治郎「(呟くように) ウィルセイバー……? なぜ、ここに……」
舞台裏一同「ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ」


 純和風シナリオなのにウィルセイバー。つい一同吹き出してしまった。


冬治郎の中の人「今の台詞は読者に言ったんだYo! ヽ(`▽´)ノ」


 そんなことをしていると、慌てた門弟たちが駈けてきた。


門弟「大変です、悠羽さん! 河原で、でっかい、でっかい剣客が! すごい手練です! ・゚・(ノД`)・゚ ・。」


★     ★     ★     ★     ★


 一方その頃、隅田川の河原では。月葵先生の演出で熊本弁を喋る機装斉が、門弟たちを相手に大立ち回りを演じていた。
 巨大な刀から繰り出される必殺の衝撃波が、電子パルスの残光を残してあたりをどどーんと粉塵で満たす。恐らく本日の流派は薩摩示現流に相違あるまい。


機装斉「野試合をば挑ん無礼、許してもらうばい。おいどんの名は鴫機装斉。一勝負、受けていただくでごわす」


 嵐のような戦場で唯一退かずに立っている男。彼こそが名を持たぬ流派を使う無手格闘術の使い手、南米でウォーカーすら素手で破壊するブレイカーの久遠烈であった! いざ立て、桜花の剣士!彼は構えに入るのだが……


アトリ「久遠さん……」
久遠烈「アトリ? なぜお前がここに……」


 服の袖を引く少女の姿。嗚呼! 可憐な少女佐久間アトリは、心配でここまで来てしまっていたのだ。
 差分2倍にアーマー無視、<※旋風撃>まで入る久遠烈の格闘術。一方は剣風のみで◎距離まで差分◎倍が届く野太刀「怒涛」。
 いずれにせよアトリが巻き込まれるのは必然である。どうする久遠烈、どうする機装斉!


機装斉「おいどんが相手にしたいのは本気のお前でごわす。女子供一人でその力が見られないとあらば、しばらく時間を置くでごわす」


 抜刀隊一の巨漢、サイボーグ軍人の機装斉は踵を返すと、野太刀を担いで帰っていった。


舞台裏一同「機装斉! 漢だ! (*´∀`)=3」


 そして隅田川に野太刀を叩き付けると、盛大な水の幕で目くらましをして退場。これが熊本男児の心意気、《突◎》の演出使用である。


舞台裏一同「機装斉! 漢だ! (*´∀`)=3」


★     ★     ★     ★     ★


 そして徐々に明かされていく日本から来た剣客たち。全ての危険人物を暗殺する情け無用の教導部隊、抜刀隊。
 剣鬼たちは名前からして既に蝶サイコーに面白すぎなのだが、Xちゃんねるでは様々に妄想が生まれ大人気となった。電光丸には◎●時代の昔のハンドル“ライトニング・ファルコン”まで読者の力で生まれたほどである。


 中でも、様々に夢想を呼んだのは……そう。
 抜刀隊の紅一点、黒一色のワンピースに身を包み、二振りの脇差で華麗に敵を斬る、刃の如く冷たい少女剣士、カケスであった。


冬治郎の中の人「じゃあ次は、読者の心を捉えて放さないカケスたんを調べます」
翼優一の中の人「いわしさん、ガツですね ('∀`)b」
冬治郎の中の人「いやいやいや、ジャンプの読者の気持ちを代弁してるんですよ! (*^▽゚)b」


 そして明かされるカケスたんの過去。彼女もまた、剣でのみしか語ることができなかったのだ……


Xちゃねらー一同「そんな過去があったのか……(ホロリ」


冬治郎の中の人「カケスたんはあんまり喋らないタイプかな?」
月葵先生「あんまり台詞も書いてないんですよー。ぽつぽつ喋るタイプです」


Xちゃねらー「ウホッ! (*´∀`)」
Xちゃねらー「だ が そ こ が い い」
Xちゃねらー「次はきっと外伝でカケスたんの過去話だ! (´ω`*)」
Xちゃねらー「彼女が服役するまでの話……蝶☆萌え!」


冬治郎の中の人「(´ー`).。oO(低血圧系。生命力が低そう。そして黒の衣装……ほりのヒロインの系譜だ!)」


★     ★     ★     ★     ★


 外伝2巻は、機装斉の諸国武者修行の旅、あるいは電光丸が鷲塚隊長に出会い、居合術に敗れるまでの物語か。
 外伝の夢想が様々に広がり、抜刀隊の秘密がどんどん明かされていった頃。
 道場を付け狙う剣鬼たちの最後の一人はいかなる刺客か。真神勇吹や久遠烈のリサーチは、何ゆえかカタナ2枠のうろんな剣客にまでたどり着いた。


月葵先生「目標値はプレイヤーが決定するんですよー」
冬治郎の中の人「は? (´□`;)」


 夢天一刀流居合抜刀術の使い手、朧夜の冬治郎とはいかなる人物か。主人公たちのリサーチは及び……

  • 13 抜刀隊の中で唯一、本土でなくN◎VA出身の殺し屋。洗脳されていない。後方処理課から剣の腕を買われてスカウトされたという。
  • 15 実はひよこが好き。


まで分かった。全抜きである。


月葵先生「シナリオに
『与えられる情報は、対象である『カタナ2』のプレイヤーが決定すること。リサーチに貢献しない場合もあるが、『カタナ2』のプレイヤーは面白い描写を考えてほしい。』
ってちゃんと書いてあるんですよー (っ´▽`)っ」


冬治郎の中の人「むきぃ! ほりの皇子! ボクにあやまれ! ヽ(`▽´)ノ」
一同「ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ」


 この時、月葵先生はオモシロすぎてリアルでお茶を吹き出しそうになったことを記しておかねばなるまい……


★     ★     ★     ★     ★


 超人やスーパーヒーローやうろんな剣客の影が垣間見えるキャスト陣の中で、唯一比較的一般人のままアサクサを探し回る翼優一息子と竜一パパの親子。
 探索の果て、ようやく目指す少年を見つけることができた!
 きっとるろ剣で言うと強くなる前の弥彦相当なのだろう。壁の前に挫折する少年は涙をボロボロ流しながら、音羽組からやってきた兄貴にすがる……


鴻悟「優一さん、オレ、オレ……もう悠羽の姐さんに合わせる顔がないです! (。´Д⊂)」


翼竜一(父)「おめー、◎◎派に騙されるのこれで3回目じゃないかー。世の中には3度目の正直って言葉もあるしなぁ」
鴻悟「うう、すんません! オレがバカでバカで、弱いばっかりに…… _| ̄|○
翼優一(子)「まあまあ、父さん……」


 しかし、そこでラ◎フ医院の病室のドアが開くと……休憩時間となった。


★     ★     ★     ★     ★


 休憩時間が終わり、ラルフ医院の病室に現れたのは……


電光丸「ミーの名はニッポンからやってきたスォ〜ドマン、ハヤブーサ・電光マルネー」


一同「キターー(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)ーー!」


 恐るべし、抜刀隊の影! 元◎米◎報員、四剣士が一騎、東洋の神秘の居合の技を学んだカウボーイがここまで追ってきたのだ。
 丁々発止のやり取りが続いた後。だが青い目のスォ〜ドマンは帽子を直すと剣の鯉口から手を離し、一旦退いた。
 見よ! なぜならば、手負いの弟分を守って一歩も退かぬ翼優一、そしていまだ屈せぬ鴻悟少年の目には、サムライの光が宿っていたからである。ブラボー!
 かくして電光丸は去っていった。どう去っていったかというと、ふつうにドアを閉めて歩いて退場である。


舞台裏一同「機◎斉と違う! ( ´∀`)σ)Д`)」


翼優一と中の人「汚ねえ! 演出神業撃って退場しろよ! ( ´∀`)σ)Д`)」


★     ★     ★     ★     ★


 夜桜がもうすぐ花開くであろう、夜の神社。N◎VAを見下ろすパークの高台にあるこの闇に、再び剣鬼たちが集っていた。
 ここで驚愕の展開。嗚呼、剣の道に生きる者は、その道を変えることはできないのだ。抜刀隊隊長鷲塚耀は、みずから◎◎◎を抜けることを宣言する。


鷲塚隊長「俺は本土に未練はない。貴様らと剣を振るう以外に、能もない。政治の道具に使われるなどもってのほかだ。
これから独自の判断で、桜華道場の強奪を試みる」
機装斉「なるほど、おいどんたちは孤立無援というわけでごんすか」
鷲塚隊長「だが、貴様らにまで軍籍離脱を強いる気はない。
俺は貴様らを高く買っている。…とくに、貴様をだ」


 だが奇妙に侍めいた外見の人斬りは、次々と隊長に付き従うことを選ぶ剣鬼たちの中で、一人黙っていた……


鷲塚隊長「しばし考えるか。それもいい。時間はまだある」


★     ★     ★     ★     ★


 剣鬼たちの魔の手がいよいよ迫ろうとしている桜華道場。元から門弟の数も少なく、烏の鳴く夕暮れの中で道場はどこかわびしげな佇まいを見せていた。


悠羽「あ、で……でももう日も暮れてしまっていますよね。どうしよう……。
そ、その変な意味ではなくて、今夜は……ここにいてくれると……嬉しいのですが……」
真神勇吹「ああ。俺は今夜はここに泊まるけど、玄関の門番をしてるよ」


 音に聞こえし桜華一剣流師範代、袴と木刀にて武装し不退転の決意を固めてはいても、その心はか弱い乙女であった。嗚呼! あの悠羽が救いを求めているのだ。
 そして真神勇吹は正体を隠したヒーロー、快男児であった。あえて玄関近くに陣取ると、一晩を不寝番として過ごす。
 真神勇吹は漢であった。オトナな展開にはならなかった。そう、読みきり本作の掲載誌はヤングジャンプではなく、やはり少年ジャンプなのである。


 薄いふすま一枚を隔てた部屋の中と外。ふすまに背を向けてもたれ、敵を待つ真神勇吹に、部屋の中で同じくして待つ剣術小町は囁くように言う。


悠羽「あの時、私を止めてくれたのは貴方だった。
……もし、今度私が、あの時のようになったら……」


 ふすまの向こうで、真神勇吹は何も応えずに待つ。これぞ快男児の生き様である。若き二人はまんじりともせず、やがて夜はしらじらと明けるのであった――


★     ★     ★     ★     ★


 遂に◎◎を脱退、独自の行動を始める抜刀隊。
月葵先生の指示で、既に追手の◎◎軍が裏切り者を始末せんと迫っていた。
 だが抜刀隊は本土随一の剣の達人集団。並みいる敵を余裕で排し、彼らはそこに立っていた。


鷲塚隊長「俺には、この生き方しかできなかった……」


 剣の道に生きる者は、すべからく剣の道に殉ずる。
虚無の闇を剣のみにて斬り開く、孤高の剣鬼。そこにそっと寄り添う、黒い影があった。


カケス「私も残る。戻ったら、貴方たちとの記憶も消されてしまうもの……」



 Xちゃんねる動画サービスでアニメ版の本作を視聴していた読者からは、とたんに盛大な弾幕が張られた。


Xちゃねらー「ウホッ! 絶対これ隊長を慕ってるよ! (´ω`*)」
Xちゃねらー「カケスたんは俺の嫁なのに!(ρД`)ノ」
Xちゃねらー「くそっ、隊長ウラヤマシス! ><」
Xちゃねらー「カケスたん萌えカケスたん萌えカケスたん萌えカケスたん萌え」
Xちゃねらー「外伝蝶☆楽しみ!!」


 刃の如く冷たい美少女剣士の姿が見えなくなるほどに張られた弾幕が消えた後……妖刀を携えた居合抜刀術の使い手、五人目の剣客も、抜刀隊に留まることを告げた。


舞台裏一同「残るか〜〜!! ><」


冬治郎「ひとつだけ条件があります。私には◎◎回りの事がどうにも腑に落ちない。連中に直接、問いただしてやりましょう」


★     ★     ★     ★     ★


 そしていよいよクライマックス。白鳥神社の夜は桜が満開、げに風雅な夜となった。だがそこに集いしは、血に飢えた刃を携えし者たちであった。
 陸戦コートに身を包み、剣に手を掛けた鷲塚隊長。その後ろに控える四人の影。
 対するは桜華道場を守るため立ち上がり、一歩も退かぬ桜花の剣士たちであった。南米でその技を振るった無手格闘術の構えに入る久遠烈。河渡連合の若兄貴の翼優一、その経験で息子を支える同じ体の中の父。
 そして鷲塚の話に動揺する悠羽を守り立つのは、快男児・真神勇吹であった!


ア◎リ「うーっ、うーっ!」


 そして見よ! 大木の根元で縛られ、猿轡を噛まされてもがく、いたいけな少女の姿を。これは桜華道場の面々をおびき出すための策略であった。
 嗚呼、私闘のためには手段を選ばないのか抜刀隊。今回のPC4があまり興味を示さなかった悲運の隠しヒロイン、可憐な少女ア◎リを、彼らは人質にさらい待ち構えていたのだ!


冬治郎「……合点がいきません。ここで解放するとはいえ、少女一人を人質に取るとは。しかも、よりにもよって機◎斉がそんな手を使うとは……」


 暗殺剣の使い手は不機嫌そうに言うと、翼優一とその横で勇気を振り絞る少年、鴻悟を見やった。優一に応じ、顛末を語る少年。鴻悟が反日分子との疑いを掛けられた、その真実は……


冬治郎「電光丸。かつて腕利きのスパイだったお前が、“ライトニングファルコン”と呼ばれたお前がどうして気付かなかったのですか。我々はまんま騙されたというわけだ」
電光丸「オーッ、ミーは……」
冬治郎「天下の抜刀隊ともあろう者が……たかだか◎◎派ごときに踊らされたとはっ。末代までの恥!
 隊長。申し訳ない。私は今ここで、抜刀隊を抜ける!」


中の人一同「おおーっ! (;゚∀゚)=3」


★     ★     ★     ★     ★


 BGMも変わり、剣のみにて語る者たちの闘いが始まった。いよいよプロット、本格的にカット進行開始である。
 本作はクライマックスの展開に分岐があり、ゲスト陣も人数が多く、多彩な行動をとってくる。プロットから実際の処理まではいくぶん時間が経った。果たして、PL諸氏はどう動くのか!


 ちなみにこの時、天誅蕎麦組のLEDman親分がオモシロいことを言った。


LEDman親分「いかん、いまPLとBLがまざった……」
一同「ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ」


 これはイクナイ空耳である。ボーイズラブはイクナイ。読み切り長編の本作の掲載誌が『少年ジャンプ』から『花とゆめ』に変わってしまうではないか!


★     ★     ★     ★     ★


 セットアップの頃合。快男児・真神勇吹の中の人は特撮マインドの魂と羞恥心とその他もろもろがせめぎあい、しばらくモニョモニョした後に決起した。
 恥ずかしいのは百も承知! なんとなれば、特撮ヒーロー御用達の堂々の決め台詞を遂に叫んだのだ!


真神勇吹「――、来たれ、ウィルセイヴァー!」


みんな「言った〜〜! ( ´∀`)σ)Д`)」
みんな「恥ずかしい〜〜! (*/∇\*)」
みんな「恥ずかしい台詞禁止〜〜! ><」


 「来たれ、ウィルセイヴァー」の前にしばらくある正確な台詞を記録しそこねたのはRのつく組織の不覚だが、これは中の人がアクト中にずっと考えてノートに書いていた恥ずかしい台詞であった。
実にヒーローらしく非常に恥ずかしい台詞であった。その場の全員が悶えてしまった。
 物語の中に戻り、夜桜の元で白刃を抜き放つ剣士たちはどうだったであろうか。ジツは、一人この名乗りの影響を受けてしまった人物が……


★     ★     ★     ★     ★


 月葵先生のあおいバージョンで桜下の死闘が始まった。あおいバージョンで強化されたカケスたんは最初に<※逆回り>を使い、本日は右回りに解決である!


機装斉「戦う者の魂は、おいどんの回路にも流れてるでごわす!」


 天下無双のサイボーグ居合。もはやるろ剣コズムを振り切って軌道の銃夢コズムまで達しそうである。充実の義体オプションと共に、鎧武者はブラボーな攻撃を放った。野太刀“怒涛”からすさまじい剣風が巻き起こる!


 桜花の剣士たちの運命や如何に! 名も無き流派で素手で戦う久遠烈は、素手で受けるとそこから<■突き返し>反撃。南米のジャングルでウォーカーすら粉砕してきた震撼の一撃が巨体のサイボーグを襲う。機装斉はブランチ<アラシ:マ◎ン・バ●ィ>でしのいだ。


 一方、フロンティア・スピリットを捨てて東洋の神秘の居合抜きを学んだスピィィドマン、電光丸は。翼優一と距離を保ったまま二人は横に走り、一対一の決闘が始まった。


 恐るべきかな、抜刀隊の剣士よ! 古来より伝わる通り、名は体を現す。
 電光丸はカウボーイブーツで砂煙を上げると恐るべき俊足を見せた。剣の間合いにおいては電光石火の居合い抜き。そして視界の遥か彼方からも、彼は一瞬で駆け寄り胴薙ぎの後に去ってゆくほどの俊足の持ち主であったのだ。
 つまり、いかなる間合いからも攻撃可能であったのだ。このカウボーイ・サムライ、どこにも隙なし!


一同「な、なんだって〜〜〜! (;゚∀゚)=3」
翼優一(子)「父さん、どうしよう!」
翼竜一(父)「マズイな。こいつァ…… (-∧-;)」


 一方、本気を出した桜花の剣士は如何に。翼優一は<ハイランダー:エトランゼ>で強力なウェット義体“泰山君子”を召喚して装備、マイナーで<※手妻使い>からあの反則技の<※練気>で自らを強化。
<※徹し>付きで殴り、場合によっては<■突き返し>で反撃するタイプである。よくよく精査すれば、天誅蕎麦屋と同じくアクト中に必要に迫られて成長を繰り返してきたようにも見える。
 数アクションを経たタイミングならば、十分に練気ぱわ〜を乗せたこの一撃も十分であろう。いざ立て、桜花の剣士よ!


 だが、賢明なる読者諸兄にはここで思い出して頂きたい。強力な“泰山君子”ぼでぃとはいえそこから繰り出される攻撃はあくまで素手、届くのは◎◎距離までなのである。
 片や間合い自在の亜米利加サムライ、片や腕だけが頼りのチンピラの若兄貴。将棋に置ける詰み状態である。
 今この一瞬、翼優一の心情を一言で言い表すならば、それはつまり、そう……


父&子&中の人「オワタ \(^o^)/」


★     ★     ★     ★     ★


 翼優一はもはや涙目である。涙目で交代の合図、久遠烈は諒解の合図であった。対戦相手をチェンジ!
 電光石火の居合い抜きの後、なんともはや場所は超人の域、電光丸は垂直方向の超遠距離、上空へと逃げ去った。
 久遠烈は《突破》で追いかけ、距離を縮めてルール的には同エンゲージ、電光丸のさらに上へ。
 もはや剣客浪漫を突きぬけ、古代中国の武侠対決もかくやである。場所は白鳥神社の遥か上、空の上となった!


みんな「上PLAYだ! ( ´∀`)σ)Д`)」


電光丸「ノーッ! なぜミーに追いつく?!」


 追いついたところで《死の舞踏》、回避不可能の無手格闘術が決まった。これが止めとなった。カウボーイ・サムライは無念の長い絶叫を上げながら、大地へと落ちていった……



月葵先生「ごめんよほりのさん……僕、◎◎◎◎撃ち忘れたんだ……」
一同「ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ」


 何となれば、これが電光丸の最大の敗因であった。時は戻りセットアップフェイズ、真神勇吹が恥ずかしい台詞と共に変身ヒーロー“ウィルセイヴァー”の名乗りを上げたのを思い出して頂きたい。
 このブラボーで恥ずかしすぎる名乗りに一同の中の人が悶えてしまったあまり、月葵先生と電光丸は最大の秘策を忘れてしまっていたのだ。
 最強神速、無敵のセットアップからの◎◎◎◎攻撃。これが決まれば、戦局はまた違うものになったのであろう……安らかにスリープせよ、電光丸!


こういちは やりとげた おとこの かお を していた


★     ★     ★     ★     ★


 一方。虚言に動揺する悠羽たんを守り立つ桜花の快男児、ウィルセイヴァーの真神勇吹
 彼の元に軽やかに迫ってきた黒い影は、少女剣士カケスのものであった。敏捷な動きから繰り出される二対の脇差、目に見えるほどの強烈な殺気。抜刀隊の魔人たちにおいては腕は劣るといえど、その技は居並ぶ剣士たちに遜色なし。危うし、桜花の快男児


 本日のアクトのために新造してきたウィルセイヴァーはいかなる技を使うのか。久遠烈の中の人にそそのかされて構築してきた、この変身ヒーローのデータの組み方は割と酷いものであった。
 かの名作『シャドウラン』から名を拝借しているサイバーウェア“ボーンレーシング”が入っているのをいいことに、ウォーカー専用の“斬機剣”相当の大きな剣を<※戦術>で持ち込んで操り、<※修羅>や<※血脈:竜の一族(火炎:正)>まで使ってくるのである。ダメージはなんと36点までに達した!


カケス「なぜ、そんなふうに戦えるの。わからない」



Xちゃねらー「カケスたんが死んじゃう! (,,゚Д゚)」
Xちゃねらー「俺の嫁なのに! (;´Д`)」
Xちゃねらー「がんばれカケスたん! ><」


 負けるな、黒衣の美少女剣士カケス。弾幕が君をあれほど応援しているっ!


★     ★     ★     ★     ★


 涙目で交代し、機装斉との至近距離での殴りあいとなった翼優一もなんとか危機を脱し、激しくがんがった末に巨体の鎧武者との決着はついた。
 そして、桜下の白刃の舞いの中で面々の喧騒をよそに、ただ佇む二人の剣客がいた……


一同:

 ∩
( ゚∀゚)彡 シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッ
 ⊂彡


 実世界のアクト風景を見渡してみればRL対RLの左隣。逆時計回りの進行のため、彼らの対決は一番最後だったのだ。
 抜刀隊、桜花の剣士、寄る者はいずれも全て斬らんとばかりに鞘入りの剣を左手で構える朧夜の冬治郎。ゆっくりと無銘の斬魔刀に手を掛ける鷲塚耀。虚無の剣鬼は、自らの敵を見定めた。


鷲塚隊長「お前とは前から、戦いたいと思っていた。俺は死ぬまでただのカタナだ……行くぞッ!」


 片や、漆塗りの風雅な鞘に収められた妖刀“影蛍”。片や、多くの反日分子を斬殺してきた無銘の日本刀。
 だが! 鷲塚隊長は日本本土きっての精鋭、抜刀隊を率いる最強の剣士である。無銘の刀であってもその技、剣気は基本ダメージの差など遥かに凌駕するものであった。具体的に述べれば、ブランチ<カタナ:剣客>のLvは冬治郎の実に◎倍であるっ!


冬治郎「夢天一刀流……灯篭返しッ!」


 マイナーで色◎是●から<※羅刹>、アクションランクを増やして先制する鷲塚の剣は王道ながらあまりに激しい斬撃であった。
 その烈火の如き剣勢を辛うじて削ぐのは漆塗りの鞘、そこから一瞬で滑り出すのは暗殺剣の居合い斬り。(救命符相当の呪符でダメージ打消し、<■突き返し>成立からの居合抜き反撃)
 だが、抜刀隊は常に一騎当千、その隊長の名は伊達ではなかった。この暗殺剣を受けるとさらに<■突き返し>て攻勢、やむなく2アクション目を使う冬治郎もさらに<■突き返し>!



 この神速の居合抜刀四連は、必死な本人たちよりもむしろ回りと脳内Xちゃんねるの面々が盛り上がった。


みんな「まさに一瞬の攻防だ……」
みんな「もう誰も入っていけない! ><」
みんな「桜の花だけがひらひら舞って、二人の周りに落ちると十字に切り裂かれちゃうんだ! カコヨすぎ! (´ω`*)」

 ∩
( ゚∀゚;)彡 シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッ
 ⊂彡


 ……だが、文字通りの羅刹と化し、アクションランク差で攻めに回る鷲塚隊長に分があった。常人には視認もできぬ暗殺剣の居合い抜きをさらに<■突き返し>、続く一刀で間合いを詰め、遂に勝負は決まるかに見える!


冬治郎「…………ッ!」


 滅多に表情を崩さぬ冬治郎の顔に動揺が走った。居合いからの一撃斬殺にこだわる人斬りも、それでは勝てぬ強敵と見たか。
 やむなく《不可知》からの1アクションで受け<■突き返し>成立後、右手は剣を離れ、その手が懐に伸びると、隠し持っていた短刀を放っての不意討ち!(《死の舞踏》)

 ∩
( ゚∀゚;;)彡 シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッ
 ⊂彡


みんな「ルール的にはいま至近距離だから刀で斬ってもいいんじゃ……?」
冬治郎の中の人「いや! そこを敢えて、そうでもしなければ危なかったという演出で!」


 短刀は狙いあやまたず陸戦コートの胸を貫き、大輪の花が咲く。
 だが、孤高の剣鬼はいまだ果てなかった。その剣勢は少しも衰えず、裂帛の気合と共に袈裟懸けの大斬りが暗殺剣の使い手を見事に捕らえる!(こちらも《死の舞踏》)


鷲塚隊長「最期にお前と戦えて……嬉しかったぞ……(ごふっ)」
冬治郎「見事……です……(ばたり)」



 神速の攻防の後、完全なる相討ち。二人の剣客は折り重なるようにして倒れた。
 冬治郎の左手から、軽い音を立てて転がる鞘。漆塗りの蛍の蒔絵が桜の上に転がった。近くには抜き身の刃が転がっている。
 多くの人間を一刀で殺めてきた暗殺剣、妖刀影蛍。どんなときも使い手の左手を離れることのなかったその鞘が、今宵初めて、その手を離れたのである……



 かくして満開の桜の元で、闘いは終わった。白鳥神社を見渡せば、桜の中で抜刀隊同士で果てた鷲塚隊長、もはや動かぬ機装斉の巨体、倒れ伏す小さな黒い影。電光丸も、インペリアルパークのどこかに落ちてきたはずだ。五人の剣鬼はいずれも地にあった。
 一同の下へ駆け寄り安堵の涙を流すアトリ、胸をなでおろす悠羽。
 そう、桜花の剣士たちは勝ったのだ……




みんな「真のヒロインは鷲塚隊長だな〜 (´▽`)y-~~~」
みんな「真のPC1は冬治郎だったんだ! ><」


LEDman親分「あんな、もう誰も入っていけない二人だけの空間を作るなんて……(*ノノ)」
LEDman親分「満開の桜の中で、二人だけで添い遂げるなんて……(*ノノ)」
LEDman親分「アッー!!


冬治郎の中の人「掲載誌が花とゆめ』に変わるのイクナイ! ヽ(`▽´)ノ」


★     ★     ★     ★     ★


 死亡したキャストはシーンが変わると本当に死んでしまう。翼優一がぎりぎりで使った《黄泉還り》で、黒衣の剣客は息を吹き返した。


冬治郎「私の影蛍が……地に転がるとは……」
翼竜一(父)「おう兄ちゃん、しっかりしろよ」


 人に生き返らせてもらったのに、人心地を取り戻した後も、うろんな人斬りは少しも礼を言わない。


冬治郎「優一君。私が君に助けられるとは……。
 借りを残したままにするのは、私の流儀に反する。
 これを。我が社が潜入工作に使っている偽装用のIDです。人間ひとりの完全な身元を作り出すことができる。
 これで、あの子を――」


 二人が目をやる先には、ウィルセイヴァー真神勇吹によって気絶させられた、少女剣士の姿があった――


★     ★     ★     ★     ★


 ほりの先生の原作では、雪の如く散る花びらの元、安堵の涙を流しながらアトリたんが胸に飛び込んでくる素敵なエンディングがPC4には用意されている。
 嗚呼、だがしかし硬派なるかな桜花のブレイカー、エレがつトなるかな久遠烈!
 久遠烈は桜華道場のその後日談は飛ばし、次なる仕事の場面でシィンが始まってしまった。Xちゃねらーの悔恨の涙でさぞかし画面は埋まったことであろう。


 場所は南米、うっそうと茂るジャングルの戦場。彼をここまで運んできたフィクサーは、もう装甲ヘリで空の向こうに帰ってしまっていた。


久遠烈「話が違うぞ! 北米だって聞いてたのに南米じゃないか! ヽ(`▽´)ノ」


舞台裏一同「南米と北米じゃ違いすぎるだろ!( ´∀`)σ)Д`)」


 戦いは既に始まっていた。ある老人から伝えられた名も無き無手の殺法が、こたびも振るわれるのであった……


敵ウォーカー部隊「馬鹿な!相手は一人、素手だぞ!(どかーーーん)」


★     ★     ★     ★     ★


 桜華道場のその後は、河渡連合の頼れる兄貴、翼優一がうまく取りまとめていた。
 残った《不可触》で悠羽の心を蝕んでいたトラウマを治療。道場にはいつもの活気が戻り、道場入り口の大輪の桜の元で、夜の稽古は賑わっていた。
 迷いを消すように竹刀を振るう悠羽、いつか優一アニキのように強くなると決意した鴻悟、お茶を持ってくる佐久間アトリ、門弟たち。


 そして桜華一剣流の活人剣を学ばんと、新たに門下に加わった少女がいた。黒のワンピースから稽古着へ。殺人剣から活人剣へ。まとっていた殺気は徐々に収まり、人の心を取り戻すように。
 全国の読者よ御安心あれ。抜刀隊唯一の少女剣士カケスは、この道場で第二の生を送ることになったのだ。うろんな剣客が残していった《完全偽装》の力で、翼優一がとりなして新しい市民IDを手に入れたのである。
 全国の和服ファン袴ファンよ御照覧あれ。寒い冬は常に去り、いつかは春がやってくる。春爛漫、桜爛漫の中で、彼女たちの稽古は続くのだった……


Xちゃねらー「ウホッ! ワンピースから袴にスタイルチェンジだ! (*´∀`)=3」
Xちゃねらー「正統派袴系の悠羽たんに後輩系妹系のアトリたん……そこへカケスたんがよもや悠羽たんを脅かすとは! (*´Д`)」
Xちゃねらー「来週のキャラ人気投票は、三つ巴の乱戦必死だぞ! ><」
Xちゃねらー「蝶☆楽しみ!」


★     ★     ★     ★     ★


 桜華一剣流師範代の剣にはもう迷いはなかった。道場は活気を取り戻し、カケスを始め入門者もぽつぽつと現れるようになった。そんな春うららかなある日、悠羽は言った。


悠羽「私はまだ未熟です。でもいつか、亡き父に、死んでいった人たちに誇れる剣術家になってみせます。それまで、力を貸していただけないでしょうか」


 アサクサに名高い剣術小町とはいえ、心はまだうら若き乙女。いつまた抜刀隊のような悪しき輩が道場を付け狙うとも分からない。彼女の傍には、唯一振りの無銘のカタナがまだ必要なのだ。


真神勇吹「……俺は風来坊だ。もう、行くよ」
悠羽「勇吹さん? もう、行ってしまうの?」


 嗚呼、桜花の快男児ウィルセイヴァーよ! このまま道場に残り、彼女たちと共に過ごせば、そこに幸せもあったものを。
 真神勇吹は概念存在、弱き人々の絶体絶命の危機に颯爽と現れ、太陽の剣もて闇を駆逐すると去ってゆく、ヒーローの願いが具現化した存在である。
 敢えて去ってゆくのが真神勇吹の真神勇吹たる所以であった。手を振る悠羽と門弟たちを後に、彼は何処へともなく去っていった。


 さらば、桜花の快男児。さらば、桜花の剣士筆頭。
 この悪徳の都には悪が潜む。ニューロエイジは弱肉強食、繁栄の陰で泣く人々がいる。暗闇の中で絶望する時、絶体絶命の危機にある時、彼の名を呼ぼう。弱きを助け強きをくじき、朝日をもたらすあのナイスガイの名を呼ぼう。
 彼は必ず現れる。さあ、羞恥心と共に叫ぼう。「ウィルセイヴァー」と……!


★     ★     ★     ★     ★


 もろもろの調整により、なにゆえかPC2が最後となった。
 遠くで浅草寺の鐘が鳴る、道場近くの小さな墓場。眠る魂は日系人が多いのか、ほとんどは日本式の墓である。
 ある簡素な墓の前に佇む男がいた。ダークスーツに暗緑のタイ、本性を隠す伊達眼鏡。抜刀隊にありし日は常に傍らにあった居合刀は、今は背の筒の中で眠っていた。


 鷲塚耀の墓は簡素であった。その上には多くの敵と斬り結んできた愛用の無銘の刀が、地面に向かって突き立てられていた。
 死者に向かって刃を逆さに突き立てるのは、古来より墓のしきたりとしてはよくないとされている。だがこの墓には彼の生き様を示すため、剣に生き、剣に死した男を示すため、あえて愛刀が備えてあった。
 この愛剣を墓の元に持ち寄ったのは、彼と幾多の死線をくぐり抜けてきた少女剣士であった。
 線香を供えると、奇妙に侍めいた姿の剣客は両手を合わせた。


冬治郎「……隊長。
 私の抜刀を二回連続で防いだのは、あなたが初めてだった……」



 月が朧に輝く宵闇の頃。独り歩いていた冬治郎はふと足を止めた。桜華道場の入り口には桜の大木が満開の桜を咲かせていた。


 門の奥に目をやれば、そこには平和な道場の光景。
 軒先で談笑する翼優一と鴻悟。お盆を手に縁側から見守る佐久間アトリ。夜桜の元での特別稽古とばかり、庭では門弟たちが竹刀を振る。その中心では袴姿の天鵬院悠羽の明るい声が響いていた。道着と袴に装いを変え、活人剣を学ばんとしているカケスの姿もある。


 背の筒に隠した妖刀に手をやるでもなく、冬治郎は手を伸ばした。そこにひらひらと舞い落ちてくるのは、大輪の桜。


冬治郎「――風雅な夜だ。確かに、人を斬る空気ではないようだ」


 呟き、暗殺剣の使い手は去っていった。空に掛かるは朧月、夜空を染める桜の色。人斬りの姿は宵闇に紛れて消えた。
 桜華道場の中からは歓声が絶えることなく、その入り口の桜の大木からは、満開の桜が今宵を美しく染め上げるのであった。



『今宵、桜花の下で』
- 新生路時代剣客浪漫譚 -


〜完〜


★     ★     ★     ★     ★




 アクトは休憩を入れて約4.5時間。キャストもみな日系、主人公のハンドルが“ウィルセイヴァー”だった以外は和風にまとまり、枠のイメージにもジャストフィット。
 アクト前日の雪の日も故あって脳を和風マインドにセットすべく腐心していたのですが、いろいろと参考になったり共通点にヒソカに驚愕したりしました。w
 自分的には新年最初のPLにこそ相応しいアクトになりました。皆さんお疲れ様でした。「PLやりたいゲージ」がちょっとだけ下がったお!


〜おまけ ポストアクトの風景〜

月葵先生「牙下さんにはツンデレに1点です! (っ´▽`)っ」
LEDman親分「むしろツンクールで! (´∀`)b」
冬治郎の中の人「ガ━━━━(´□`;)━━━━ン!!」

〜桜の下のリンク集〜