Rのつく財団入り口

ITエンジニア関連の様々な話題を書いているはずのブログです。

ドク(・∀・)トゥール!:『アストライアの涙』第4陣


 秋の夜長は月がいと美しく見えます。地球から平均距離約38万km彼方に浮かぶ月、まだ天動説が信じられていた頃は天体という認識もされていなかった月。アインシュタイン博士の相対性理論が破られていない世界では、近未来世界でもまだ光の速度でも約1.3秒掛かる彼方に掛かる月の高さから見た地球は、いまだ争いの絶えぬ地球は、今も青く映るのでしょうか……。
 そんな浪漫を盛り込んだRI財団謹製拙作しなりお『アストライアの涙』の4度目の航海の時がやって参りました。


 今回は非常に異色に一心不乱な、4人のムッシュが集まることになりました。猫守さんむおんさんは事前に新キャスト案までいろいろ考えてくれたので、こういう意欲を見せてくれるとRLサイドもかなりやる気がむおんむおーんとしてきますね。


 実は今回、キャスト陣選定はかなり迷いました。N◎VAが好きな人には一定の割合でメカスキーやアラシスキーがいるので、PC4枠はその辺りを狙っているのですが今回人気が出ず。w
 監督サイドから特に面白そうセンサーに引っかかったのは猫守さんの新造タタラ、むおんさんのカブト3案の中から巫女……じゃなかったカブト案から誰か。しかしそうすると希望順位が噛みあわない。全部で17通りの組み合わせから検討し、最終的には全員の希望に平均的に添える組み合わせで決定しました。ムッシュたちの外の人として舞台に上がった冒険者たちは以下の通り。

PC1:“マジカル”ユニコ・コロンブス

【タタラ◎●, ミストレス, フェイト タタラ:テッキー 24/女性】

 ウェブ界で躍進を続けるテラウェア社開発部、若手3年目の女性研究スタッフ。荒唐無稽なアイデアと思い付きを次々繰り出し、同僚からは“不思議ちゃん”と揶揄されるアイデアマン。脳処理に関する彼女の突拍子もないアイデアのひとつは商品化プロジェクトとして進み、「ブレインリブート」として販売されるまで至った。先輩たちからは珍獣扱いされているが、そのアイデアの基本は基礎理論に基づいており、科学は人類の幸福のためにという信念を持つ真理の探究者である。
 茶色の髪のセミロング、白衣の似合うAXYZ人。スタイルもよいのだが、24にしてはやや子供っぽい。ボクっ娘


 彼女の生き方に影響を与えたのは、AXYZで学生だった頃に世話になった恩師だった。AXYZ工科大で宇宙開発の歴史を熱く語っていたジョナサン・アーチャー教授。科学の発展は人類の幸福のため……ユニコと同じ考えの持ち主。家族ぐるみの付き合いだったユニコは、教授の一人息子のグリフィンも「グリ坊」と呼んでよく一緒に遊んでいた。テラウェア社研究所へ就職が決まった際も、教授は自分の家族のことのように喜んでくれた。
 だがBARで交わした祝杯が、二人が会った最後の機会となった。宇宙の彼方で行われていた先端科学研究計画『アヴァロン計画』で、教授は帰らぬ人となってしまったのだ。
 その死んだはずの教授から届いた一通の手紙。ユニコは矢も盾もたまらずN◎VAを飛び出す。去年分もまとめた長期休暇申請に顔色を変える上司のケイン・菊田主任。少し背が伸びたグリ坊と少年少女と第二世代型自律AIと共に、キャンベラAXYZ国際宇宙港から航海が始まる。
 推定航続距離、往復約80万km。ヘカテの威光が絶える時、忘却の河を超え、最後の理想郷に眠る星の女神の元へ……いざ往かん、星々の世界へ!

Player: 猫守(ねこもり) さん

 一心不乱のねこじゃさんです。ガイシュツネタですがSMAPの某メンバーに似てます。私的にはかなり激似だと思いまつ。w
 ゲームをする大まかな集まりとしての一心不乱主要面々がまだ横浜にいた頃からの付き合いですから、互いにかなり前から知り合いなのですが……同卓がかなり少ないですね。僕がRLするのはもしかして初めてじゃないか? と思ったほど今回は異色面子なのです。なんとも一心不乱でござる……
 そんな猫守ワールドから新キャスト構想で出てきたのはマジカルなうら若き女性タタラのユニコたん。なんと就職する前はアーチャー先生に憧れと恋心を持った女学生路線だったそうであります。(キャッ) 新しい路線ですよこれは。うう、なんていい話や……w
 データ的には<■超テク>で何でも創ってしまい、ミストレスとフェイトでヒロイン力も高めて直接戦闘能力は放棄、カット進行では<※ジャンヌダルク>+<※鼓舞>でプロットを渡して後は回りに頑張ってもらうタイプです。公式アウトフィッツの開発に携わっていたという設定がなかなか新しいですね。
 タタラの研究者や技術者はN◎VAでも定番の造形ですが、専門分野の多様性とシナリオの枠がマッチングしないこともよくあることから、キャストとしては一線級には達せずにいます。やっぱりゲスト向けな部分もありますね。本作シナリオはPC1タタラ枠に幅広く入れるように対策はしていますが、ユニコたんはあまり奇抜な設定に走らない、マジカル以外は正統派の科学者路線なのが逆に新鮮でした。
 しかも所属があのテラウェアですからね。娘が(ピーー)でもいまだ浄化派中枢に位置する多門様とナンバーズの厨房超人ばかりが目立ち、どうしても悪のイメージが付きまとうテラウェア。では会社全体が最近流行りのブラック企業なのかというとそんなはずもなくて、ユニコたちのような真面目(?)な研究者もたくさんいるはずですからね。
 おかげでN◎VA-D基本ルールブックでも恐らくマイナーさで1,2を争うであろう一行ゲスト、テラウェア開発部のケイン・菊田主任や長瀬先輩がチョイ役で登場することになりました。今回のケイン・菊田は「宇宙への浪漫と聞くと休暇表にハンコをくれるほんとは良い上司」でかつ「AIといえばツインテールだと主張するダメな人」でしたが、気にしません。w


 アクト中は。GF誌追加アウトフィッツでリサーチに使うと実はかなり強いテイク10を回しつつ、中身がウェットなマジカルぶりを発揮。白衣の女性タタラというと何となく理知的でクールなおねいさんのイメージがありますが、ほぼ真逆のこういう人物がヒロイン……もとい主人公として星への航海に旅立つのも、SFジュブナイルには相応しいでしょう。何でも創っちゃうタタラは数多いですが、ユニコはディクショナリ、ポケットロン、VRコンタクトまでアクト中に創って仲間に渡したのです。
 万能の天才である某紳士に出会った折は、サインを求めてきてしかも書いてもらっちゃったタタラは彼女が初めて。そして女性キャラクターが誰一人登場しなかったこともある某浜辺のリゾートシーンでは、ワンピース水着にパレで登場。でも横でグリ坊があわあわしている中で、あぐらをかいて水上スクーターの改造に没頭するあたりが実にユニコたんなのです。w
 これで何やら視聴率を気にしているひよこPというやんごとなきお方もきっと満足……あ〜いやいやいや、科学と人類の可能性を信じる創造主同士の絆、この物語に実に相応しい冒険者だったと言えませう。
 《ファイト!》をモニョモニョを励ますために使うあたりも実にヒロイン。そして最後、失われた理想郷の秘密を解いた冒険者たちはある場所を後にするのですが、ユニコは最後に花冠を残していきました。添えられた言葉は――「私も人類と科学を信じています」。
 これですよこれ。これでこそこの物語の終幕に相応しい。アクト前は中の人よりボクっ娘宣言があり、弾幕諸氏をウホッとさせつつ……アクト中は一人称が「ボク」と「私」が混じっていましたが、そんな量子レベルの微細な差異はこの際気にしなくてよいのです。マジカル(・∀・)イイ!

PC2:“鷹の目の”小鳥遊 和人 (たかなし・かずと)

【カブト◎, カブトワリ, フェイト● カブトワリ:スナイパー 19/男性】

 黒髪黒目の日系人の若者。盾も持たず、得物は拳銃一丁のみながら、ナイト・ワーデン内でもかなり腕の立つ若手カブト。完全ウェットで、拳銃も父の形見の古めかしい非電脳化リボルバーR27である。
 同じボディガード業を営んでいた父は、テラウェアの神経系サイバーウェア「スペシャライズ」の最初期バージョンのバグのせいで戦場で致命傷を負い、昏睡状態となった。後を継いだ和人は電脳技術全般を信用しておらず、この時代には珍しい完全ウェットである。
 知覚力と認識力に優れ、極めて精確な射撃で敵手の武器自体を破壊する戦術を得意とする。拳銃使いながら、まだ人を殺めたことは一度もない。


 N◎VAで活動している彼の元を訪れてきたのは、前にも護衛したことのある14歳の少年、グリフィン・アーチャーであった。父の遺産を求める少年と、和人より年上なのになんだか子供っぽいユニコらと共に、宇宙への旅が始まる。みるみるうちに小さくなる豪州、シャトルと並行して空に伸びる軌道エレベータユグドラシル。L1地点に浮かぶ軌道の楽園チャイローン。
 そして冒険者たちは、薄闇のチャイローンで謎めいた紳士と出会う。鋭い洞察力で鷹の目のシュヴァリエの力を認める博士。足元で呑気そうに鳴いているシャム猫。探索行のライバルに相応しき敵手の出現を喜ぶ非の打ち所のない紳士は、自らを科学と冒険を愛する紳士だと堂々と挨拶する。小鳥遊 和人の鷹の目が見破った、怪紳士の秘密とは――
 目的地は宇宙。いざ往かん、星々の世界へ!

Player: Amisty(あみすてぃ) さん

 一心不乱のあみじゃさんです。10月のTAPAコンでナイトメアハンター=ディープのマスターをしてくれたのでお返しの形となりました。いつも異色のセッションで会うし、僕がRLの際に会うのも久しぶりですからねー。いやはやこたびはなんとも異色、一心不乱でござる……。
 かなり捻った独特の人物が揃うアミ者World。その中で和人くんはかなり別の切り口です。一行台詞が「だから、信じてぼくを。必ず君を守るから」ですからね。なんですかこのFEARゲの標準主人公テンプレートみたいな台詞は。w まっまるで……あみじゃキャラじゃないみたいだお!www
 と思ったら故意の造形で、主人公っぽい記号を意図して沢山散りばめて創っているそうです。なるほど言われてみれば確かにその通り。
「小鳥遊」で「たかなし」と読むのもなかなか珍しい苗字ですが、これは明治時代に全ての国民が姓を持つようになった頃の出典、天敵の鷹がいなくなって小鳥が遊ぶから「鷹なし」で「たかなし」なんだそうですね。思わぬところで勉強になった。w
 データの作りは独特で、鷹の目の<※シャープアイ>はオフィシャルゲストの最高値ラインの8Lvで達成値上げ。<※自動防御>状態から爆裂弾を使った<米インターセプト>射撃受けで<■ク・フレ>反撃が可能。そこで攻撃せず……渋くブランチのスナイパーですよ。RLサイドにとっては要注意の敵装備破壊ユニットなのです。


 アクト中は、ユニコおねいさんが24歳にしては子供っぽ……いやいやいや子供と同じような情熱を持ったタタラだったこともあり、航海者面々の事実上の最年長者(?)、一番の常識人として行動。ゲストに対してあんまりアツく熱血に語るタイプでもなかったのですが、そこはユニコがグリ坊と昔から知り合いだった凹凸コンビ路線があったので、全体のバランスとしては丁度よかったかなと思います。
 そして和人くんの最重要要素の鷹の目。<カブトワリ:スナイパー>を使う瞬間はきっと盛り上がるけどモニョモニョを壊せるか分からないと前もって伝えてはあったのですが、やはり盛り上がりました。
 リボルバーを撃った瞬間のあのモニョモニョ群の秘密が次々分かっていく一連の盛り上がり。《真実》も何かやってくれるんじゃないかなあと思っていましたが、もうおかしすぎます。とどめの《とどめの一撃》がこれまたオカシすぎてもう全員爆笑。
 単純で安直な悪との殺し合いではない本作には相応しいクーデグラになったのですが、もうこれはオモシロすぎる。ここで明かせないのが残念です。w
 最終的には 和人くんがいちいち何かする→ルール上の効果発揮→某ドク(・∀・)トゥールがいちいちリアクションするたびに笑いが起こる のループが何度も発生してしまいました。w
 だがっ! それでこそゲストの本懐、紳士の本懐、変態の本懐。(キリッ) 個性や設定やアウトフィッツまで作り込んだゲストを登場させた甲斐があったといふものなのです。彼をこの航海に呼んだのは星の導き、正解だったのでしょう。こんなホーク(・∀・)アイ!にはゲスト口調でこう言わねばなりませぬ。
「我輩がここまで激しい胸の痛みを感じたのは久しぶりです……ムッシュ・ホークアイ。ブラーヴォ。君は実に……面白い!」

PC3:“テクノウィッチ”千早 香純 (ちはや・かすみ)

【ニューロ◎●, バサラ, マヤカシ ニューロ:ウィザード 14/女性】

 テラウェアの技術者を両親に持つ14歳の少女。明るい茶色の髪のサイドテールがチャームポイント。ハッカーとしての腕前は比較的普通なのだが、電脳世界への生まれつきの高い親和性を備え、プログラミングなしでAIを創造できるという極めて稀な特殊能力を持つ。両親はコーポレート・ウォーで死亡、貴重な特殊能力と特別製のトロンを保有しているため、千早重工社長の千早雅之の養女扱いでN◎VAに住むことになった。ウェブゴースト上のアイコンは妖精、彼女がスプライトと呼ぶAIたちも妖精の姿をしている。


 サイバースペースN◎VAリージョン、論理的無限長の虚空の彼方から、彼女はある時不思議な声を聞いた。彼女と同じぐらいの年の、金色の髪のツインテールの少女。神々しい女神のようにも少女のようにも見えるアストライアは初めての通信を喜び、そして悲しそうに語った。自分の力は地上には必要とされていないようなのだと。神秘的なコンタクトを交わし、実際に会話したのは香純だけだった。
 次の日。テクノウィッチはまたもAIの別の少女と邂逅する。ピンクの髪の少女は目をきらきらさせながら語る。アストライアは超AIの一体で、星の世界のお姫様で、きっとテクノウィッチが助けに来てくれるのを待っているのだと。きっとアルファ=オメガは、乙女向けのよくない本に感化されたのだろう。
 長旅を心配する養父を後に、香純は凹凸激しい冒険者たちと宇宙へ旅立つことになった。星の乙女の秘密を探し、冒険の旅は続く。天上から響く少女の声の正体は。ひよこが店番をしているヤオヨロズで軌道製アイスを買った際に出会った、もうひとりのツインテールの少女の正体は。いざ往かん、星々の世界へ!

Player: 松吉(まつよし) さん

 Perfume好きの松吉さんです。ツアーが続いて最近アルバムが出ないのを残念がっています。じゃなかった、、前から遊びたがっていたので4陣の今回に呼ぶことにしました。
 べっ別にボクの持ちキャストを想定してるわけじゃなくて、SFジュブナイルなので少年少女のニューロなんかもオススメにしている本作ニューロ枠。ここはぴったりのキャラクターが最初から出てきたので第一希望のここに予定通り配置することにしました。女の子のニューロが入るのは2回目ですね。
 テクノウィッチの香純たんはアストラルなスタイルが多いですが、中身は純粋なニューロ。<※元力:器物>で電脳を伸ばすのを親和性、エニグマのスプライト(ニューロ)を従えているところをAI創造能力という解釈にしています。ナイトウォッチ祭りでニューロが強くなったので例によってARが3に増えました。w
 スプライト回りはN◎VAの偉大なる先輩、『シャドウラン』になぞらえての設定ですね。サイバースペースの深い奥底で不可思議な体験を果たし、サイバーデッキなしで没入したりプログラム類を友達の精霊のように使える能力を持つようになった少年少女の話は2nd〜3rdの頃からありました。(かつて未約サプリではその名も The Otaku と紹介されていた)
 めでたく日本語版が復活したシャドウラン4thでは基本ルールブックのアーキタイプから新系統の「テクノマンサー」として登場。電子の妖精スプライトを友として使役する、ハッカー系の中ではもっとも魔法使いらしいキャラクターです。たぶんイラスト付きアーキタイプの中で一番の萌えキャラじゃないですかね。w マイナーですが日本語版4thのリプレイの『ストリートの天使たち』にも出てきます。


 さあそんなテクノウィッチ。ひよこ偵察衛星がアクト前には掴めなかったのですが、髪型はサイドテールだそうです。ユニコおねいさんがセミロング、ツインテールは2人いるのでここでサイドテール。これは大事ですね。メモしておきましょう。 っ*゚д゚)っφ
 じゃなかった、キャラクターの個性から事前に予想できる動きでしたが、アクト中は感情を元に動くキャラクターとして星への航海へ。シナリオにもニューロネタはとんでもないものが仕込んでありますが、この枠にはぴったりだったでしょう。ゴニョゴニョもそしてゴニョゴニョも一緒に(ピーー)へ帰ることができました。バトル◎ロイド軍団ももっとガツぢからを発揮する予定だったのですが、カタストロフされてしまいました。(ρД`)ノグスン
 ほか、ルール周りではやっぱり<※ツェノンの逆理>5Lvが強かったですね。他キャラクターのアクション応酬の後のタイミングでも使えるし、ニューロならいろいろ演出を絡められるのが強い。やはり夜警でニューロはハジマタのです。ということでテクノ(・∀・)ウィッチ!

PC4:“知恵の機”フィグ

【アラシ◎, ハイランダー, ニューロ● ハイランダー:アヴァター 稼動後状態良好/性別不明】

 さる先端軍事研究所で開発された汎用型ウォーカー搭載用自律AIのプロトタイプ。かねてより無人機におけるAI使用には欠点があった。低級AIでは作戦遂行能力が低く、単一規格の高級AIでは徐々に個性が生まれ、機体損壊時に個性を含めた経験から来るスキルをバックアップできずに破損してしまう。
 複数個体からなるフィグたちは個性、一般記憶、作業記憶を別データベースで並列管理し、各々の個性を保ったまま全員が同一性能を発揮できる。作戦遂行時に最適記憶をロードし、幅広いウォーカーへ操縦加用性を持つ。作戦情報最適化処理(ブランチのアヴァター)と最適ダメージ演算システムLOGOSを搭載した第二世代単一規格・情報共有AI、2nd Grid-Information-Group……略して2nd GIG。それがフィグたちだ。エデンの園で最初の人間たちが恥を隠したイチジクの英語名を名に持つ。


 人間には過酷な真空世界の戦場。フィグの一機は地球から38万km彼方の戦場にいた。先端科学研究計画『アヴァロン計画』の実験コロニーの4つめ、“シャングリラ-4”に突然奇襲をかけてきた正体不明の最新鋭機部隊。次々撃墜される友軍機の人間たちは辛くも脱出し、フィグの操る宙間戦ウォーカーは青い機体と対峙する。亡霊の名を持つ可変型ウォーカー。操るのは銀髪の青年。強化現実によるフィグの視界にも、その手の超高性能の45mmガウスライフルのデータはポップアップされなかった。
 だが、突然の状況変動に、青い亡霊は去ってゆく。数時間後にようやく辺境に到着した豪州軌道宇宙軍の宇宙戦艦に、フィグたちは辛くも救助された。
 あれから1年。フィグは再び、今度は汎用仕様の軌道シャトルパイロットとして宇宙に旅立つことになった。国際宇宙港で発進を待つシャトル。エクリプスDを操縦し、荷物の積み入れをしていると、現れた人間の旅人たちは……
 目的地は宇宙。いざ往かん、星々の世界へ!

Player: 星読むおん さん

 一心不乱のむおんじゃさんです。さぁリリカルエンジンを吹かしてタチコマ+むおんぢからなサムシングが、ワイヤーを吐いて3次元機動しながらむおんむおーんとやってきました。
 N◎VAをやる人ならたぶんみんな見ているだろう、多脚型ウォーカーなどのメカニックのイメージ元にした人も多いだろう、『攻殻機動隊』のタチコマのようなAIキャラクターにむおんぢからをむおんむおーんと注入したキャストです。
(ちなみに僕も攻殻はもはやデフォルトだと思っていますが、今回面子だと猫守さんがタチコマをあまり知らなかったのがけっこう意外でした。w)
 キャスト布陣は前述の如く悩んだのですが、消失する電子符号(ヴァニッシング・メール)現象で立ち上がりが遅れたむおん機関からはトータルにキャスト候補は存在。パイロット同士の熱い漢の戦いはなくともSF&テクノロジー色の強いフィグなら十分、何よりAIである点はシナリオの主題にぴったり、リリカルぢからがあるのでリサーチフェイズ中も面白いことになるだろう……ということで、第二世代単一規格情報共有AIに出撃を願うことにしました。しかも略称2nd GIGですよGET9ですよ。フィグのために今回はBGMリストに攻殻の曲を幾つか加えておきました。
 アクト前にもメッセンジャーでいろいろ話し合ったのですが、むおんじゃ先生もショートストーリー『クローム襲撃』にかなり興奮してwktkしたそうであります。「敵は(・∀・)紳士!」と打ち込んだら「ドク(・∀・)トゥール!」と返ってきてちょっとツボに入ってしまいました。w
 前の古いバージョンはアヤカシで人形の一族が入っていたのですが、夜警環境に完全リビルドしてアストラル分が抜けてAIに転身。一時期カゲが入ったりもしたのですが、結局ニューロとハイランダーに落ち着きました。シナリオ上のとある理由以外にも、SF色の濃いフィグの設定なら現在案の方がいいでしょう。でもよく見たら<■封印記憶:死点撃ち>が残っていました。あばばばば(((( ;゚Д゚)))
 ど〜もリビルドには、関西のある御仁が助力したそうであります。むおんじゃ殿なればもう十二分に一心不乱なキャストが作れるはずですが、そこにさらに助力とはいかなる御仁か。はて面妖な、拙者の知らぬお方でありましょうか。と謎に思っていたら、最近関西に引っ越した、敢えて名を秘すならば(Pーー)という御仁でありました。うぅむ合点がゆき申した……w


 アラシ枠はホットスタートから始まるのですが、その後も発進を待つ軌道シャトルへ荷物をむおーんと運び込んでいるところから再登場。ユニコおねいさんたちが水着で息抜きのひと時を過ごす某軌道のリゾートでも、むおーんと車輪で背景を移動ですよ。冒険の旅に出かける女性科学者に若者にミドルティーンの少年少女、その横に多脚型ロボですよ。うーんSFだ。イラストにしたらさぞかし絵になるでしょうね。
 そしてラストは真空の虚空で一騎打ちなのであります。虚空を翔ける青い可変型電子戦闘機VS、戦闘用AIが操縦するのはここではだちゅらさんに変わった多脚戦車。うーんSFだ。SF男児の血が騒ぎますよ。
 ちなみにここでは熱い戦いが繰り広げられる予定だったのですが、元から十分な火力のあるフィグたんはさらにユニコねいさんの<※ジャンヌダルク>が掛かり、初期からアクションランク7というよく分からない世界に突入してしまいました。w むおんむおーんと高速機動。うう、最適ダメージ計算システム・ロゴスイクナイ……(。´Д⊂)グスン
 まあフルファイアの苛烈な射撃が当たるかに見えた瞬間、ミサイル一斉発射がモニョモニョしてモニョモニョするあの一連の流れが盛り上がったのでよしとしませう。
 プログラム・ゴニョゴニョを再び動かしたのもフィグ、モニョモニョを再びモニョモニョしたのもフィグ。密かに物語の完成にかなり貢献しています。
 そして……本作にも幾つかテーマは設定しています。遥かなる神話の時代、女神アストライアは争いの絶えぬ地上世界を悲しんで天空へと去りました。架空未来のニューロエイジの地球では、争いは絶えるどころか旧世界以上に増している。星の世界から見下ろす航海者たちには、青い地球はどう見えるのか――
 このへんを汲み取ってくれた台詞もちゃんと出てきましたよ。しかもこれを言うのが人間でなく、生命を持たず、殺戮の恥を隠すために人間が創った戦闘用のAI。ここがミソですよ。実に哲学です。SFです。攻殻です。さっすがリリカルなむおんじゃ。むおんAI(・∀・)イイ!

■監督:ひよこP

じゃなかった、

■RL:自分なので(ry

 さあやってきました第4回。RLサイドの普段以外の準備としては……本作のとある場面は構想初期から、かの『天空の城ラピュタ』のある場面をイメージ元にしているのですが、そういえばだいぶ前に観たきりだなあと思ってもう一度レンタルして見ておきました。ドーラおばさんの若い頃の写真やムスカ様が落ちていくカットなど細かいところまで堪能。それにつけてもムスカ様の拳銃の腕前は凄い。アクトの前日だったかにテレビでもやっていたので、観たメンバーもいたようですね。
 ほか、最近iPhoneアプリ集めに凝っていたので著作権の切れた昔の小説が電子小説で読めるアプリ『i文庫』をインストール。古典で何を読もうかと思って最初に読んだのが『奇巌城 アルセーヌ・ルパン』でした。本シナリオのとある紳士のモデルであります。うーん小学生か中学生の頃に読んで以来。古文調のなんともいえぬ味わいです。
 10月にサプリ『ナイトウォッチ』が出たので、ゲストデータも全て夜警化しています。受けも取れたし対応しておいた甲斐はありましたね。


 ビジュアル面でも解説記事を載せました。

 そしてちょっとしたショートストーリーも2番目を掲載。むおんじゃ先生のむおんエンジンを燃やすには十分だったようであります。w

 シナリオ内のシーンタイトルがSFタイトルからの引用なのと同じく、これも引用です。『クローム襲撃(Burning Chrome)』はウィリアム・ギブソンの短編集ですね。うーんしかし80年代サイバーパンクも21世紀の現在からすればもう古典ですねー。


 そして本番。スマートフォンiPhoneにはiPodと同じ機能が入っているので、今回は試しにBGMをiPhoneから流してみることにしました。音楽再生なら20数時間持つらしいので1セッションは大丈夫なはずです。
 画面が大きいので一時停止やボリューム操作も楽、曲のアートワーク(収録アルバムのジャケットとか)が表示されるのでかっこいいですね。電脳空間で星の乙女と神秘的なコンタクトを果たす場面のBGMは不朽の名作『ブレードランナー』のサウンドトラックからなのですが、あのロゴとハリソン・フォードレプリカントのレイチェルのアートが画面に出るわけです。うーんファンタスティーク。
 だがしかぁし。シーン毎に曲を決めると当然シーン中は同じ曲をリピートしたいのですが、iPhoneだとそれができない! iPod自体の設定画面にも見当たらない! そんなアンビリーバブルな……っ!と衝撃を受けましたが、いつもの iPod nano に戻って事無きを得ました。両デバイスに同じプレイリストが入っているので同じなのです。


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 そんな感じでアクトは幕を開けて終了。プレアクトや説明後のOP開始が13:00、休憩込みで終わったのが18:50、実プレイ時間は約5時間50分。途中はほぼ順調に進んだので細かいところで若干予定より時間が掛かった感じですね。平均してだいたい5.5時間と見積もっているので若干多めでしたが十分許容範囲、何よりあれだけ盛り上がったのですから十分な時間でした。
 常人サイドの人間としてあれこれ驚きながらマジカルに航海を進めるユニコたん。もはやラストはホーク(・∀・)アイ!が炸裂するたびに笑いを取っていく和人くん。養父パパが国際空港で待っていると走らず地球への帰途に着く香純たん、そしてむおんむおーんとリリカルエンジンを吹かすフィグ。4人の冒険者によって第四陣航海は完成したのであります。ファンタスティーク。こたびも十分な大成功でござる……!


 その後は場所を変えてポストポストアクトへ。アクト中を回想したりシナリオの裏話をしたりゲストの由来を話したり諸々したりしながら楽しい時間となりました。第1陣のポストポストポストアクトの夜に、さる熱いカブトを演じたムッシュから「(ピー)の正体は実は(ピー)なんじゃないかと思っていた」という話を聞いてさすがにそれはないよと答えた笑い話をしたところ、今回面子の中にも途中までそう思っていたムッシュがいたことが判明。RLサイドがどんなに予想を立てても、実際のセッションでは予想もしなかった思いつきが出てくるものですね。TRPGはこういう+αの部分が面白いですね。
 ほか、夜警版リメイクが進むアストラルしなりお『セレスタイトの杯 -夜の旅人たち-』の新ロゴや追加ゲストイラストなどもiPhoneから見せたぜよ。男衆の絵を味方ゲストだと主張しても誰も信じてくれなかったでよ。 ヽ(゚∀。)ノ


 求められたので他にもiPhoneアプリの機能を幾つか見せたのですが、やっぱりスマートフォンはこういう見せ合ったりして話題になるネタに満ち溢れていますね。現在位置が分かるGPS系がやはり見た目のインパクトが大きかったです。
 地球の周りを回っている24機(だったかな)の衛星から算出している現在のGPSでは、100mレベルでまだ誤差があります。もう少し技術が進んで数年後、新しい衛星群が日本上空に打ち上げられると(準天頂衛星というそうです)、日本のどこにいてもデバイスからほぼ真上60度以内に衛星がいる状態になり、民生用のGPSでも誤差が1m以内に収まるといわれています。
 1m以内ですよ。もう業物兵器のセレスチャルの時代ですよ。夢の軌道からのレーザー攻撃とかができちゃうわけですよ。実に……燃える! (*´∀`)=3
 こうした現実世界での進歩を考えると、未来世界でポケットロンを常時使っているトーキョーN◎VAの住人は、どじっ娘だったりシナリオの都合で迷う以外ではもう迷子になることがない理屈になるわけですね。現実は未来の夢想をどんどん越えていくんだなあと思いました。


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 ちなみにアクト直前にiPhone上で音楽リピート再生ができないように見えた件は、その後調べたらすぐ分かりました。Googleの検索候補でも「iPhone 1曲リピート」がすぐ出たので、みんな同じことを考えるんですね。
 再生中の曲のアートワーク表示画面、上のほうをタッチするとどのへんを再生中かのシークバーが出るのですが、この左側のアイコンをタップしていくとリピートなし→全曲リピート→1曲リピートと切り替わりました。iPhoneによくある「載ってない/知られてないけどちゃんと用意されている機能」でした。
 ついでにマジカルなユニコたんのイメージ画像元を探そうと思って「scientist female」で探したものの一向に見つからず。未来のテラウェアの研究員情報はGoogle様でも手が届かなかったようであります。w

 画像検索やWikipediaで見つけたコロニー画像などは、本作の実アクト用のイメージ画像でも使っているのですが、ついでに本作の登場人物名でGoogleイメージ検索したらちょっと感動しました。
 「Astraia」「アストライア」でも最上位、日本語で5件目英語で8件目。「ジョナサン・アーチャー」で探すと本物のジョナサン・アーチャー艦長と並んで3件目。「ラファエラ」はイタリアの女性名なので現実世界のラファエラさんや『クレイモア』のラファエラがが先に来ますがそれでも41件目。ちゃんとほりのイラストが出てきました。
 プレイヤーキャラクター側でもこの感動は同じですが、自分が命を吹き込んだ物語と人物が名前を獲得し、ネット上の情報として存在を始め、情報資産として永久に残るようになったんだな……と思うと、しみじみしてしまいました。


 かくして星の海への航海の第四回目は、十分な成功を収めたのであります。アストラールに再起動した『セレスタイトの杯 -夜の旅人たち-』も2-3回かやりますが、アストライアもまだまだ、計10回ぐらいはやりたいですね。
 それでは次なるムッシュとマドモアゼルとマダムの登場を願って……冒険者諸君、オーヴォワー!(青い薔薇を投げながら)