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『Shadow War』 岩崎者推参次第 【三.影戦無情】

連作ぷれいれぽの第三弾にてござる。

世界秩序『影戦』顛末次第

序幕之事

 ……いよいよ始まる『影戦』。村雲月風斎の屋敷に集まった5人の忍びの前、電脳掛け軸の中に現れたのは、今や鏡硝子眼鏡をはずすようになった篁綾その人であった。
 千早と岩崎、影の戦を幾度となく続けてきた二大企業。次世代IANUSの鍵を巡るかつてないほどの熾烈な争奪戦が始まろうとしていた。
 いずれ劣らぬ精鋭を前に満足げにうなずく昏き星。しかし松井監督もどうしてもギャグを入れてしまうタイプであったため、ダークスターの台詞にも面妖なひとことがつい混じってしまう。


篁綾「……これで勝つる!」

五人衆一同「ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ」


 会見は終わるかに見えた……が、そこで鳴り響く篁綾のセクレタリ。イワサキ・グループ会長は忍軍を前に場をひととき辞する。


五人衆一同「こ、これは……( ゚ω゚ )?」
月風斎「ま、待て皆の衆。篁様もお忙しいようだ (-人-;)」


 なんとなればそれは、中の人の松井監督に10人目の暗転丸氏から現地到着の電話が掛かって来たためであった……
 シリアスに気を取り直し会見は終わる。同じように千早も一流のプロを集めたチーム、榊葉一族なる千早者を編成し捜索を開始しているという。新たなる世界秩序の覇者が決まる、影戦の開始であった。


月風斎「日陰に甘んじてきた岩崎者は今こそ聞け。栄華に酔いしれた千早者は今こそ知れ。今宵、この戦にて、千早の優勢は遂に傾くとな。
 往くぞ。我ら天道五人衆、これより修羅の道へと参る……!」
一同「承知……!」


 五対五、いずれ劣らぬ精鋭同士の戦い。かつてない戦の始まりであった。
 戦の開始は双方混乱に満ちていた。天道五人衆にもその後ようやく伝令が到着し、忘れられていたPS『次世代IANUSを手に入れる』が配布された。
 伝令はその後ハラキリしてこの無礼を詫びたという。


展開之事

 世界秩序の覇権をめぐり、影の戦が始まる。榊葉一族と天道五人衆10名が早くも対峙、今にも始まろうとする本気の戦。小手調べの集中攻撃を浴びたドイツ忍者ヴォルカン・マッセンの手の内が幾らか読まれてしまい、岩崎者はやや苦境に陥る。
 この序盤の戦いは、アレックス・榊葉による月風斎射殺でいったん幕を閉じる。冒頭の通りである。月風斎はその後復活、双方で情報を集め、いべんとを進めながら影戦は続く。


 とある戦いの場、モニョモニョ軍勢が集うこの地に現れたのは先代の榊葉一族頭領、榊葉三十朗。そして五人衆からはゴス女忍者ヒデオであった。
 戦闘能力では圧倒的に勝るヒデオは千早者に武装が知れる代償と引き替え義体武装のトライバレルを展開、優位にいべんとを進める。
 一方、意外な伏兵であった榊葉三十郎は死亡の可能性と引き替えに<スタイル感知>をもって情報を取得。いべんとはやがて二人の戦いになり、《天変地異》によるトライバレル破壊まで進む。全力でこれを打ち消して護る岩崎者。早くも神業が飛び交い、派手な真紅の衣装のサン=ワールウィンドが突如飛び出してきた《チャイ》で《制裁》の退場攻撃も打ち消され、最終的には榊葉三十朗が斃されることで終わった。
 三十朗は千早雅之の力で甦るまで、しばらく休みとなる。かなりの手数情報と引き替えであったが、いべんと自体は岩崎者の勝利であった。


 別のとある戦いの場。とある施設を目指す道路の上、現れたのはグローリアス車中でラーメンを食べている榊葉豪、そしてソードフィッシュバイクにまたがったドイツ忍者ヴォルカン。奇しくも、両者とも中の人同士が本番前にdisりあい合戦をしていた仲であった。
 舞台を移し、今度はヴィークルでの戦い。ヴィークル戦対応の特技構成を活かし、脱出を目指す榊葉豪。<操縦>すらなく<※身体記憶>頼みながら、優秀な装備で確実な車両攻撃で勝利を狙うヴォルカン。
 <カゼ:ワールウィンド>による突出も<ミストレス:ゴッデス>で打ち消し、N◎VAスポ御用達の“盗撮写真”の恥ずかしい写真配りで豪の動揺を誘ったヴォルカンに勝機があった。車両攻撃でヴィークル破壊、こちらも岩崎者の勝利
 いべんとの勝利数は現在岩崎2。消費した神業数は、千早者7岩崎者7。双方、既に神業の半分を消費していた……!


 影の戦は続く。別の舞台、こたび現れたのは榊葉一族当主の榊葉透虎、そして天道五人衆からは村雲月風斎。奇しくも双方の首領、エグゼク同士であった。
 ワークス:イワサキで<社会:企業>が伸び、手札の良さを活かして判定2回目まで優勢に進める月風斎。これを追う透虎。一計を案じた千早者は集めた報酬点を一気に注ぎ、巻き返す。岩崎者も直ちに検討、勝利ボーナスを鑑みてそこまでリソースを使う必要はないと判断。
 勝ちを譲った月風斎は笑いながら闇に消え、榊葉透虎は情報を得る。ここに勝利数は岩崎2、千早1となった……!


 これまた別の戦い。今度はモニョモニョを前に報酬点すら使えず、手を尽くして信頼を勝ち取る戦である。現れたのはアレックス・榊葉、そして五人衆からはAI忍者児雷也。3回戦は辛くも児雷也勝利であった。
 ここに、勝利数は岩崎3千早1。序盤の混乱と情報流出はあったものの、岩崎者の優位である!


 ちなみに天道五人衆からは、アメリカン忍者サン=ワールウィンドにはイベント出陣の場はなかった。なんとなれば、あまりにリサーチができない可哀そうなサンだったからである。インガオホー、諸行無常……!
 対する榊葉一族で出てこなかったのは役者の三、榊葉十八であった。中の人が序盤で漏らした「行動1発でスタイルが3枚ともばれる」のひとことで、複数スタイルによる特定コンボがあると推測される。舞台裏からの村雲月風斎の偵察に対しても全力で抵抗し隠蔽を続けた。
 先代当主、榊葉三十朗に忠実に従っているように見えるこの娘、いかなる秘策を持っているというのか……?


 そして、中盤の最後の戦、モニョモニョを確保するための合戦。
 双方が所持している達成値操作系の乱舞となった。ドイツ忍者ヴォルカンが<※声援>で+6、対する榊葉豪が<※カース>で4。榊葉三十朗が<イヌ:レンタコップ>で19に上げれば児雷也が<■魔女の叫び>で21を出す。
 複雑な合戦は最終的に榊葉透虎の<■魔女の叫び>27が効果を発揮するかに見えた。だがそこで……サン=ワールウィンドが<カブキ:ルナティック>! 運頼りであるが相手の判定を山札からやり直させるのは、戦術崩壊のチャンスである。
 この時は運が悪かった。透虎は<■魔女の叫び>が2スートで可能、山札から引き直しても判定が成立してしまったのである。味方に死者が出ていなかった岩崎者は温存していた篁綾の力を使用、特技判定を打ち消し。
 影戦の鍵を握るモニョモニョは、岩崎者が確保。この隠れ家から、最後の決戦は始まることになった……!

決戦之事

 物語の展開によって数が変わるいべんとは今回は総数4。岩崎者取得:3、千早者取得:1で若干の岩崎者優位であった。
 社会:N◎VAを用いる行動順獲得合戦は途中いべんとで勝ちを譲り、報酬点を残していた岩崎者に分あり。残りの報酬点を全て使い、達成値は岩崎者52:千早者12。岩崎者の先攻となった。
(ちなみに10人によるアクセスカードランダム1枚づつ引きでなくこのチーム単位の達成値勝負が、しなりお内ルールである。これは重要なのでRLが教えてくれるだろう。)


 影戦の最終局面、決戦の刻は来た。確保対象のモニョモニョを乗せ、ヴィークルでセーフハウスを飛び出して爆走するアメリカン忍者サン。一気に目指すは目的地のLU$T城下町とは逆……千早者本拠地である!
車の前面のボンネットの上でゴス衣装をはためかせながら立つニューロマンサー忍者ヒデオ。防御の体勢を取るAI忍者児雷也
<ミストレス:ゴッデス>の効果範囲確保のために別ヴィークルで前進するドイツ忍者ヴォルカン。同じく別ルートで前進する村雲月風斎。対する千早者は、全員が千早者本拠地及び近辺に集まった形であった。
 中の人十名のプロット札配置が終わった時、全ては始まった。


月風斎「往け、天道五人衆。まことの力を見せてやれ!」


 うなずくヒデオは合図のためにボンネットを強く叩く。同時に、プロメテウス義体の腕が開いて展開されたのは……リサーチフェイズの破壊の試みと千早者の疑惑を切り抜けて護り続けた天道五人衆の秘中の切り札、複数エンゲージ掃射が可能な強力な義体兵器、トライバレルの大筒であった。


 サン=ワールウィンドの《不可知》から<※演説><※叱咤激励>が成立。ヒデオは自らのプロット札2枚からこの時点で連続して射撃可能。2回の行動分は神業の庇護を離れる。
 同時にヒデオが自らの《不可知》、こちらは手札から神業の庇護内の回避不能の同時射撃。<射撃><※影化>のみ、差分値こそないものの達成値上昇とダメージ上昇に全てのリソースを注ぎ、さらに<■封印記憶:練気>で手札を調整しつつの必中、禅の使い手の射撃であった。
 最初の《不可知》を消すための壮絶な打ち消し合戦が始まる。その最中、さらに影たちは動いた。
 アメリカン忍者サンは乱武留者では使用率が下がるカリスマ。超遠まで届く《神の御言葉》で敵の二枠、アレックス・榊葉を攻撃。タイミングはここが正解であった。アレックス・榊葉はやむなく残りの《難攻不落》で自分を防御。
(ちなみにここでアレックスが自らは死を選択、死後に残りの4人へヒデオからのフルオート掃射に対しての《難攻不落》を選んでいれば、千早者全滅のタイミングは後になった。とはいえヒデオはさらに2回射撃できるため、そこでの千早者全滅は必定である。諸行無常……!)


 そして確保対象のモニョモニョを乗せてヴィークルを駆るこのアメリカン忍者こそが切り札と見たか、千早者も動く。リサーチ中の月風斎の偵察に対しても全力で隠蔽してきた三番手の娘・榊葉十八女(さかきば・さかり)こそが秘中のアタッカー、ヒルコの殺手であったのだ。
 十八女《不可知》から変異の翼を広げての<※透明化><※鉄拳>、変異器官による攻撃。当然、サン=ワールウィンドには為す術はなかった。ニンジャスレイヤーにおけるインガオホーである。ワッショイ。岩崎者天道五人衆の初の死者はアメリカン忍者であった。合掌……!


(ここで時間のある時によくよく検討すると、戦術的に最も排除すべき敵は実はヒデオなのが分かる。ここで榊葉十八女がヒデオを殺めていた場合、結果はまた異なる。
 同時に起こっているヒデオの《不可知》射撃は成立、千早者3-4名がここで撃破。サンの<演説><叱咤激励>からのヒデオの通常行動2回分は不成立でヒデオが死亡。千早者で生き残るのは榊葉十八女のみ、あるいは運よく生き残っていればアレックスの2人。岩崎者は月風斎、サン、ヴォルカン、児雷也の4人でアタッカー不在。
 唯一火力で圧倒的に勝る榊葉十八女が押し切って全員を倒すか、あるいは行動数の手数で勝る岩崎者が留めるか。
 セットアップ以降が続いた場合、AR2の榊葉十八女は一行動で当たれば確実、1カット目で2名を撃破する。しかし正しい戦術を取っていればセットアップで岩崎者はサンが“聖母勅令”でその1枚を封印。さらに岩崎者は<■封印記憶:自動防御>が2名可能、ここで手数が伸びる。十八女自身も肉体/精神アーマー値はほとんどゼロ。1カット目が終了するまでの間に肉体/精神のダメージチャート10か11を狙った返り討ちの逆転も考えられる。五分五分、十八女若干有利の六四ぐらいか。勝敗はまた違ったであろう。)


 話を戻そう。セットアップの幕が上がるや《不可知》3回《神の御言葉》1回《難攻不落》1回が飛び交う刹那の極み。サンは死んだが岩崎者の《不可知》2回はまだ有効である。最初の《不可知》を是が非でも通さんとする岩崎者にこれを本気と見たか、千早者も打ち消し合いに全力を出す。
 各自の神業を次々と吐き出す榊葉一族。月風斎の合図と共にここで3回の神業を連続使用する児雷也。計、実に8回の神業が飛び交う壮絶な打ち消し合戦であった……!


榊葉透虎「ここまでは予想通りね……」(榊葉豪の《ファイト!》から《天罰》で打ち消し)
村雲月風斎「ほう、榊葉透虎よ。ならばここから先が予想外ということか!」


 秘匿していた頭領の《ファイト!》でさらに打ち消し。岩崎者の必中の奇襲攻撃は通ることが確定した。


榊葉透虎「ならば、最後の手段ね」
村雲月風斎「甘い。その義体、イワサキ製よ」


 最後の抵抗を試みる榊葉透虎は最終手段、《買収》でタケミカヅチ義体を自分に召喚。AR5、手札リアクション、謎の電撃攻撃可能の最強装備である。
 しかし追加プロット中に月風斎の《買収》でこれを打ち消し。双方の神業が完全に尽きた今、天道五人衆の必中の一撃はいまだ成立状態である。ここに、決戦の趨勢は定まった……!


ヒデオ「ジェットストリーム!」


 自分分の《不可知》からの射撃が成立、切り札も使用。ゴス女忍者のトライバレル大筒からの必中の攻撃はフルオート殴31点。目標はもはや千早者全員である。
 ここで千早者は些細なミスを発見。全員が乗っていたことになっていた車が実は4人乗りだったのだ。ランダムに選んだ結果役者の二、アレックス・榊葉だけが車の外にいたことになった。しかもこれによる防御力減少により、アレックス・榊葉だけが偶然ダメージチャートのデス・ナンバーを免れたのである。これぞ乱武留の真髄!
 必中の掃射により榊葉透虎、榊葉豪、榊葉三十朗は即死。榊葉十八女のみ《黄泉還り》で復活。残りは千早者:二、岩崎者:四である。
 禅の使い手であるヒデオの射撃はまだ続く。今は亡きワールウィンドサンから託された<叱咤激励>分の通常射撃1射目。アクト中のボーナス、児雷也の<マネキン:ベイビードール>、叢雲ドイツ忍者ヴォルカンの<声援>も足して最後に達成値47。推定済みのアーマー値を引いて隙狙い11点、最終36。目標は無論2名である。
 全力で抵抗を試みるアレックス・榊葉は気合充填、ワークス:フリーランスの“ルーキーシンボル”使用、<※一心同体><※電光石火>で自分避け。榊葉十八女も<運動><隠密><※透明化>。
 しかし届かなかった。アレックス・榊葉の<カブトワリ:カヴァーマン>も万全に備えていた月風斎の<ミストレス:ゴッデス>で打ち消され、攻撃は成立。十分なダメージを乗せたトライバレルは容赦なく二人を討ち斃した。

 煙を上げる義体機銃が右手の中に格納されてゆく。軌道忍者の禅の使い手であるゴス女ニューロマンサー忍者は、車の上から仇敵たちを見下ろした。

ヒデオ「あんたたちの首領ならこんな時、こう言うんだろうね。『これも仕事ですから』ってな!」


 車の運転席で絶命しているサン=ワールウィンド。死体を見下ろすヒデオ。車を降りるヴォルカン・マッセン、一同を見守る児雷也。今や天道四人衆となってしまった配下を見渡し、ただ頷く村雲月風斎。
 地になお立つ岩崎者は4名。対する千早者、千早の駒の牙一族であった榊葉一族が5名全員が撃ち抜かれ、地に倒れていた。ここに、勝敗は決まった。


 実にカット進行開始直後。セットアッププロセスの十名のプロット直後、セットアップ特技の宣言前。<■ハヤブサ>速剣の抜刀の光も、<■スーパーソニック>の轟音も、<■灰色の脳細胞>の頭脳の煌めきも、<■封印記憶:自動防御>の前兆も、何もかもが始まる前のことであった。
 ランブル道の極意とは、セットアップのさらに先、この雲耀の刹那にあると見つけたり……!



終幕之事

 榊葉一族の死体は千早重工にも届けられた。
 榊葉三十朗や榊葉豪の死体に黙祷を捧げる千早雅之。だが榊葉三十朗の首は次にカメラが当てられた時、いずこかに消えていたという。
 榊葉十八女は二度目の射撃で撃ち抜かれる瞬間の光景がフラッシュバック。「失敗しました、お父様……」の声を最後に、後方処理課1班の娘は死んだ。
 アレックス・榊葉も死の瞬間及び2時間前がフラッシュバック。護衛対象のモニョモニョに特別な感情を抱いてしまった彼はモニョモニョを射殺できなかったのだ。「焼きが回ったな。俺も甘くなったもんだ……息災でな、父さん」の台詞を最後に、伝説のカブトを追う男はブラックアウトした。
 榊葉透虎は<※クローン>を持っているのをいいことに、死んでいるのに復活して千早雅之に報告する。「もう一人の私は死にましたが、これが今回の任務の顛末です」と。
 千早雅之は「少々高い犠牲を払いましたが、闇から彼らを引き出しましたか……」と頷くのだった。


 天道五人衆は、児雷也はその後自らの出生を探索。生身の人間だった仙素道人に繋がる自らのルーツをAI忍者はようやく知った。
 ヴォルカンは月風斎の屋敷を訪ね、尊い犠牲となったサン=ワールウィンドの死を悼み、互いの健闘を静かに讃えあう。月風斎は次なる重要な命が篁綾から下されていることを伝える。相手が小物だったと機嫌の悪いヒデオをなだめ、今や天道四人衆となった忍びたちは次なる任務に動き出すのだった。
 画面に広がるアーバン・アクション・NINJA小説の本の中で、再生されていくサン=ワールウィンドの姿。


 そして最後。N◎VAを見下ろす小高い丘の上、月下に立つ村雲月風斎。老忍者は連れている鷹に紙片を握らせると、夜空に放った。
 月風の中を、東京新星市の虚飾の光の上を、ゆったりと飛ぶ一羽の鷹。その足から放された紙片は、月風の中を舞い、ひらひらと雪のように、花のように、ビラのようにN◎VAに散っていく。
 描かれていたのは六角に三本矢、岩崎を表すあの紋。
 N◎VAで正体を偽り、日陰に甘んじてきた岩崎者の忍びたち。世界の千早の名のもとに大手を振って歩く千早者たち。千早アーコロジー上層部で、夜空を見上げる千早雅之。
 月下を舞う岩崎の紋を見上げた彼らは一様に、イワサキの夜明けが近いことを知るのだった。


千早雅之「戦いが、始まる……」



――世界秩序『影戦』顛末次第――
岩崎者の勝利にて 完




……そして、エンドクレジットで監督や俳優やNGシーンが一通り流れた後。どうしてもギャグを入れずにはいられないタイプの(以下略)により、降ってくるイワサキのビラがどうしても気になる千早雅之社長は、つい乱心してしまった。


乱心雅之「誰か!誰かあれを! ヽ(゚∀。)ノ」
部下「社長!落ち着いてください! (;゚Д゚)」

月風斎の中の人「松井さん。それだけはやめてください (-人-)」



☆☆☆☆☆

 なお、千早者の役者の二は前日まで姓名は“剣”義体より取って「榊葉 剣(さかきば・けん)」。当日になって急に「アレックス・榊葉」となったとのこと。
 アレックスとは極めて一般的な英語男性名だが、この名、ネット上で何人か発見できるこの名のN◎VAキャスト及び所有者をなにやら精神攻撃するためのものでもあったらしい。
 アレックス・榊葉の中の人である倉樫澄人氏、同人TRPG『SAMURAI×BLADE』でも知られる同氏は同名のキャストをほぼ知らず、かように面妖なる小手先の技を使うはずもなし。なれば、やはりこれは、千早者役者の四の担当であった、敢えて名を秘すならばライドマン(仮)あたりの入れ知恵に相違あるまい。
 ネット上でも名を発見できるアレックスといえば……千早者の榊葉十八女の中の人、ありえすた氏も同席したらららオフ13thA卓を飾りし“紅の騎士”アレクサンドロが一騎。他は……ふむ、N◎VA系サイト老舗大手の某財団の代表キャストにも一人いたような気がするが、はてさて。
 かような面妖な小技を使いながら、岩崎者リーダー村雲月風斎の中の人にはまったく影響を与えられず、ワークス装備で優位に立つ千早で負けてチハヤランブルに続き2連敗とあっては、敢えて名を秘すならばこのライドマン(仮)、いずこかの体育館裏や屋上で、また大学OBの先輩に怒られたりシめられたりdisられたりすることもあるやもしれぬ。
 祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。これも忍びの世の定めでござる。……忍!

全四話で次が最後で候。
影戦者よ、語りて候え――