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ITエンジニア関連の様々な話題を書いているはずのブログです。

【感想】Code Complete 第2版 下 完全なプログラミングを目指して

下巻へ

 諸々や師走のばたばたでしばらく更新ができず間が空いてしまいました。こちらの記事の続きです。

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コードにしても設計クラスからメソッド、データ型の変数名のステートメントへ...と微細にコンプリートしながら今度は下巻。今度は出来上がったコードのテストや改良、リファクタリングなど、応用編的に続いていきます。

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【感想】Code Complete 第2版 上 完全なプログラミングを目指して

ソフトウェア開発の不朽のバイブルのひとつ

 コード・コンプリート。「エンジニア・プログラマー向けお勧め書籍X選」系の記事や業界の一線で活躍している方のインタビューや影響を受けた本・おすすめ本などで必ずと言っていいほど出てくる頻出の名著ですが、1ヶ月ぐらいかかってようやく読み終わったので感想など書いてみます。

 著者のスティーブ・マコネル氏はアメリカのシアトル大で修士号を取得したりMicrosoftボーイングでも働いていたソフトウェア工学の第一人者。初版が出たのが1993年、オブジェクト指向の考え方が入った第2版がその10年後、日本語版の2版が出たのが2005年。上巻が460P、下巻が360P余りと合計1000ページを超える(!)、手持ち武器に使えそうな分厚い本です。

本の概要

 タイトルは「コード」となっていますがプログラミングだけではなく、上流は基本や要件定義から始まりプログラミングを徹底的に、最後はテスト、果てはプログラマーの職人気質まで、開発についてまるっと全部まさにコンプリート、ソフトウェア開発方法論を幅広く網羅した入門書となっています。
 全7部で全35章、章の下に節、項まであって学術書のような趣もあります。それぞれの項は長くないので丸ごと一気に読もうと思わなくても分けて読んでいけます。

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【感想】闘うプログラマー[新装版] ビル・ゲイツの野望を担った男達

WindowsNT開発秘話

 舞台は1980年代後半~90年代前半。考える機械が大企業や研究所にあるメインフレームから個人の元に降りてきて、パーソナル・コンピュータ時代が幕を開けようとしている頃。天才ビル・ゲイツが率いる若き日のマイクロソフト社はMS-DOSをもってパソコン市場を制し、更なるプランを進めようとしていた。
 表向きはIBM社のOS/2とまだ友好関係を保ちつつ裏では出し抜く算段を立て、新たな世界戦略を担う新たなOS……CPUが違う他社のパソコンでも動く拡張性があり、アプリケーションを同時に動かせ、ファイル名上限がたった12文字のMS-DOSよりもはるかに高度で互換性も保ち、当時としては高度なグラフィックとネットワーク機能を備え、そしてクラッシュしない安定性を持った、高性能コンピュータのための本物のOS。その名は……「ウィンドウズNT」!

 社運を賭けた一大プロジェクトに伝説的プログラマーデヴィッド・カトラーが呼び寄せられ、いまだかつてない規模の高難度の開発が始まる。
 立ちはだかる技術的課題、難問の数々、膨れる機能、社内政治や人間関係、迫る世界公開のリミット。“マイクロソフティ”の精鋭が集結し、最終的にはプロジェクトメンバーは200人以上。のちに世界を変えることになるOSの壮絶な開発の行方は……

闘うプログラマー[新装版]

闘うプログラマー[新装版]

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【感想】ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち

 読んだのはしばらく前なのですが記念に感想をば。
 「普通のやつらの上を行け」……キャッチーな帯の宣伝文句がそのまま当てはまるハッカーの自伝・エッセイ集。
 後にYahoo!に買収された初のASP(ASP.NETでなく、アプリケーションサービスプロバイダのほう)ベンチャー企業の創設者、天才LISPプログラマーにしてスパムメールベイジアンフィルタの理論の生みの親、本物のハッカーポール・グレアム氏のエッセイ集です。ネット上でも無料公開されています。
 この本、プログラマ・エンジニア向けおすすめ本や成功したベンチャー企業の経営者に聞く影響を受けた本などにめちゃくちゃよく出てくるのですが、未読だったので改めて本で読みました。
 かなり挑発的でもあるので人によっては向かない感もあるのですが、自分的には「何これこの本面白REEEE!!」と脳内で標準出力に出したくなるぐらいの当たりでした。おすすめ本頻出なわけです。
 実に刺激的でエキサイティング。冷静になってみるとかなり極端な意見や過激な意見もあるのですが、支離滅裂ではなく主張は首尾一貫、論旨は明快、話は痛快、ソフトウェア工学のみならず西洋史や美術の豊富な知識を元に根拠や大胆な仮説、分かりやすい比喩を交えながら、ハッカーらしい軽妙な口調でスッと頭に入ってきます。この人は物凄く頭が切れるんだなあというのがよく分かる。日本語訳もかなり読みやすいです。

 あとがきに原文の話があり、

ポールの文章は、3つの点で最適化されている。明快な主張、分かりやすい言葉、そして素晴らしいリズムだ。彼の文章を読んで心が浮き立つのは、その内容だけでなく、文章の完成度の高さにも依っている。そのような文章を日本語に翻訳するのは、アーキテクチャ向けにかりかりに最適化されたプログラムを別のアーキテクチャに移植するようなものだった。

 とある程度コードが書ける人にだけ分かるような喩えがありますが、何となくその気持ちが分かります。おいどんなんぞはハッカーとは対極のただの職業エンジニアですが、普段は眠っている脳の奥底の野生の部分が覚醒し、ふだんとは違うことをひとりでに考え始めるような、そんな何とも言えない疾走感・トリップ感のようなものを受けます。

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【感想】Angularアプリケーションプログラミング

JavaScriptフレームワーク Angular 最新版の徹底解説本

 変化が激しくて自分的には追いつけていないWebフロントエンドの最先端、JavaScriptフレームワーク群。2017年秋現在、おおまかに最有力なのはGoogleが推しているこのAngular(アンギュラー、アングラー)とFacebook製のReactの2強、3番手がVue.jsあたりな感じなのでしょうか。(最前線の方、違ったらスミマセン)
 最新のAngular4に対応してがっつり解説している『Angularアプリケーションプログラミング』。2017/8/4に出たばかりの新刊です。僕は仕事で直近で触るわけではないのですが、将来ひょっこり出てくるかもしれないので参考のために読んでみました。
 著者の山田 祥寛さんはAngularのバージョン1の頃の『AngularJSアプリケーションプログラミング』やあの『Ruby on Rails4アプリケーションプログラミング』、『改訂新版JavScript本格入門』や『独習~』シリーズを始め著者多数、そういう意味でも安心できる本です。Amazonの評価もかなり高いですね。大型本512頁と分厚く、手厚くしっかりと最新フレームワークを解説しています。

 by Googleの一文も眩しい赤い盾にAのマークのAngularはAngularJSとして2012年6月にバージョン1。そして2016年9月に後方互換性を捨ててアーキテクチャを一新してバージョン2、名前の末尾の赤文字のJSが消えてAngularとなっています。そして今年の2017年3月、内部の進んだ機能のバージョン番号コンフリクトを避けるために3を通りこしてバージョン4がリリース。ググったりするときにangularと入れるとよく末尾にjsが勝手に補完されて違うコンテンツが出てきたりするので注意が必要ですね。
 今後もなんと6ヶ月単位でメジャーバージョンアップ……ということでもうAngular5が間近なのだから動きが速くてすごいというか恐ろしい。計算すると2017年9月-10月になるはずですがまだアナウンスは出ていないようですね。

Angularアプリケーションプログラミング

Angularアプリケーションプログラミング

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【感想】Pythonエンジニア ファーストブック

Pythonエンジニア養成読本』の改訂最新版

 2017/9/22に出たばかりの新刊です。入り口としてPython周りの諸々を説明していた養成読本は2015年6月刊行、Python2.7でしたが、これがPython3.6対応になって最新の状況に対応されています。

サイズも以前はムックの雑誌サイズでしたが300ページ台のしっかりした本になっていますね。以下、各章ごとに軽く紹介を。

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【雑記】10月開始

アクセス御礼

 しばらく間が開いてしまいました。
9月はエントリ数が少なかったにも関わらず多数のご来訪ありがとうございました。中でも、

iwasiman.hatenablog.com

が時期的にも丁度旬な情報だったこともあり、Twitterでの反応・はてなスターはてブなどなど多数の反応をいただきました。はてなブログはてなダイアリーを始めてからの最高記録です。
はてなブログのピックアップ記事だったかに載ったのも大きかったですね。おかげで9月のアクセス解析を見ると

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