Rのつく財団入り口

ITエンジニア関連の様々な話題を書いているはずのブログです。

【感想】『マイクロサービスパターン 実践的システムデザインのためのコード解説』:前編

「未来はすでにここにある。まだむらなく流通していないだけだ」←グッとくる

 最初のエモワードがSF作家ウィリアム・ギブスンの引用でイイ! サイバーパンク2077遊んでみた~い……じゃなかった、CloudFoundry.comのファウンダーでありMicroservices.ioの運営者、経験豊富なソフトウェアアーキテクトであるクリス・リチャードソンさんによる『Microservices Patterns』の翻訳本。
 タイトルのようにアーキテクチャパターンデザインパターンのようにマイクロサービスをパターンで体系化し、サンプルストーリーを元にした事例やコード例、OSS紹介を交えつつマイクロサービスを実践する設計方法を探求した本となっています。
Java文化圏で長く活動してきた方とのことでサンプルコードはほぼJavaSpringフレームワーク、ご本人らによるマイクロサービス用のフレームワークEventuate Tramが登場します。前に洋書の表紙を見たことがありますが『POJOs in Action』の作者さんなんですね。
 全13章500ページ超えのがっつりした本で正直なかなか内容も難しいので、少しづつ読んでいきました。以下自分の理解を深めるための読書記録&感想を全3回で残していきます。

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【雑記】2020年を振り返る【おしごと編】

年が明けてから振り返るスタイル...(いいわけ)

 年末年始は様々な方のふりかえりや新年の抱負、2020買ってよかったものシリーズなどを拝見してだいぶためになりました。いつも1月にやっていたので自分用に振り返ってみます。KPT法のKeep/Problemのあたり、YWT法のYatta/Wakattaのあたり、Fun/Done/Learn法の各要素のあたりになります。
 まずはおしごと関連から。前の年はこんなことを書いていました。

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【感想】『Clean Code アジャイルソフトウェア達人の技』:Uncle Bob流のクリーンなコード道場

クリーンなコードを書いていこう

 以前に上げた『Clean Architecture』の感想記事にブクマなどなどアクセスありがとうございました。読了して洞察が増してクリーンを追求したいな気分になったので、同じくボブおじさんによるCleanシリーズ、『Clean Code』も読むことにしました。
 こちらはアーキテクチャ本よりも前に刊行。アーキテクチャのレベルよりも細かな、クラスや関数、プログラミングの習慣レベルでのクリーンで良いプログラムのコードの書き方に注目した本となっています。

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【感想】『リファクタリング 既存のコードを安全に改善する (第2版)』:20年を経て生まれ変わる名著

伝説的名著の2版、題材はJavaScriptへ! (Pythonじゃなかったぞい)

 本の感想エントリです。外部から動かした際の動きを変えずにプログラムの内部構造を改善し、メンテしやすさや拡張しやすさ、コードを書いた人以外からの理解しやすさや扱いやすさを改善していく手法である「リファクタリング」。
 よくソフトウェア工学や開発の現場で出てくる単語ですが、このリファクタリングの教科書と言えばタイトルがそのまんまの『リファクタリング』。英語版は1999年刊行、腕に覚えのあるITエンジニアの方なら2000年代~2010年代にかけて読んでいる人の多い、あのマーチン・ファウラー大先生の有名な本でした。この頃世に出たオブジェクト指向デザインパターン、開発手法などの本と同様、言語の題材はJavaとなっています。
 その2版が計画されている、しかも今度は言語がJavaScript……というニュースが2018年に話題になりましたが、最近じっくり読むことができました。

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【感想】『レガシーコードからの脱却』:既存のやり方を越えたその先の探求

レガシーコードからの脱却

 コロナウィルス騒動でIT系イベントの中止が相次ぐ最近ですが、技術書の感想エントリです。「ITエンジニア本大賞 2020」の技術書部門大賞も受賞した2019年9月刊行の本。名著の予感がしていたのでAWS認定に受かってから読むことにして、楽しみに取っておいてありました。

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【感想】レガシーコード改善ガイド 【後編】

こちらのエントリの続きです。 iwasiman.hatenablog.com

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【感想】レガシーコード改善ガイド 【前編】

レガシーコードに立ち向かうための改善ガイド

 こちらもIT関係でよくおすすめ書籍に必ず顔を出す名著のひとつ。大型本で472ページとがっつり分厚く、2009年とちょっと古めですが今でも役立つ本です。
 レガシーコードというと何年も保守されて継ぎ接ぎだらけになったコード、中が謎で誰も触らずに放置されてきたコード、設計書と整合がとれておらず仕様がよく分からないコード、メンテしにくいコード、COBOLなど古い言語で書かれたコード、JavaStrutsなど古いフレームワークで書かれたコードなど状況に応じて様々な(殆ど全ての場合マイナスな)意味を持ちますが、本書ではテストで保護されていない扱いにくいコードをレガシーコードと定義し、ソースのリファクタリングやテスト方法、調査や対処の手法など、レガシーコードに立ち向かうための様々な事柄を記しています。著者はマイケル・C・フェザーズ氏。

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