「ほう……遂に私と同じ修羅の側に立ちましたか。
だが、あれほど不殺の道に固執していた貴方が、なぜこうも簡単に“一線を越え”たのです。
己の信念に殉ぜぬ剣の持ち手など、我が剣で斬るに値しない」
――『ビューティフル・ドリーマー』の物語より
外見など:
喪服の如く不吉なダークスーツを着込んだカンパニー・マン。シャツも暗色、タイだけ緑の組み合わせを好む。引き締まった体格、クグツながら黒の長髪を後ろで束ねた、奇妙に侍めいた姿。いつも仏頂面で表情を崩すことが少なく、険呑な言動が冗談なのか本気なのか周りをよく迷わせる。視力は悪くないが鬼や妖魔の類を視ることのできる伊達眼鏡を常用。眼鏡で隠された瞳の奥には、冷酷な人斬りの本性と剣客の志とが燃えている。
第11営業推進部という実在しない部署の名刺を携え、売り物の絵画や掛け軸の類を入れているという肩掛け式のアジャスターケースの筒を持ち歩く。
しかし風雅な絵の代わりに中に隠されているのは、淡萌黄の下緒、蛍の絵が刻まれた漆塗りの鞘に納められた二尺二寸五分の妖刀・影蛍。
ほぼ一刀で命を奪うこの刀が抜かれた時、相手は、この男が千早重工の最暗部からの刺客であることを知る。