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【AWS】実務2日から突破するAWS認定『データベース - 専門知識』(DBS)の合格記録

実務2日から始めるAWS認定6冠め突破作戦

 AWS認定のプロフェッショナルレベルの横に位置する専門知識の資格、『データベース - 専門知識』(AWS Certifed Database - Specialty)に、2021年12月に合格することができました。
刺激をくれたり祝ってくれた皆様ありがとうございます。今回も過去の先人の合格エントリにもかなり助けられました。これから挑戦する方と未来の自分向けに情報を残しておこうと思います。

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AWS認定『データベース - 専門知識』DBS-C01突破作戦

例によって資格の名前が長いので、以下公式の3文字略称を使います。

~入門者向けの基礎コース(Foundational)

~中級者向けのアソシエイト(Associate)3兄弟~

  • 設計の『ソリューションアーキテクト - アソシエイト』(Solutions Architect - Associate: SAA)
  • 開発の『デベロッパー - アソシエイト』(Developer - Associate: DVA)
  • 運用の『SysOps アドミニストレーター - アソシエイト』(SysOps Administrator - Associate: SOA)

~上級者向けのプロフェッショナル(Professional)級~

  • 最難関の『ソリューションアーキテクト - プロフェッショナル』(Solutions Architect - Professional: SAP)
  • 開発と運用が合体してDevOpsをやる資格『DevOpsエンジニア - プロフェッショナル』(DevOps Engineer - Professional: DOP)

~特化した専門知識(Specialty)

  • セキュリティに特化した『セキュリティ - 専門知識』(Security - Specialty: SCS)
  • 今回合格した『データベース - 専門知識(Database - Specialty: DBS)
  • 機械学習 - 専門知識』(Machine Learning - Specialty: MLS)
  • 『データアナリティクス - 専門知識』(Data Analytics - Specialty: DAS)
  • 特に難しいといわれる『高度なネットワーキング - 専門知識』(Advanced Networking - Specialty: ANS)

 基礎コースを表すFoundationalは資格名のCloud Practitionerには入りませんが、3文字略語では末尾に付けられてCLFとなります。
 アソシエイトレベル、プロフェッショナルレベル、専門知識を表す末尾の単語は区切りの半角スペース+半角ハイフン+半角スペースは省略されたり、スペースや中黒点や横棒などで代用されることもあります。
 専門知識の資格名はみんな最後にSpecialtyがつくので、3文字略称の最後がみんなS、なんかのシステム名やサービス名みたいになっています。
 以前は専門知識に6つめ『Alexaスキルビルダー - 専門知識』という資格もあり、よく本などには書いてあるのですが、2021/3/22に廃止。現在はAWS認定は全11種類、全部獲っても認定11冠となっています。廃止される前にAlexaスキルビルダーも取った認定12冠は超人の証...

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AWS認定の図

参考:AWS 認定 – AWS クラウドコンピューティング認定プログラム | AWS

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@iwasimanの受験パスの図

挑戦への経緯

きっかけ

 AWS認定の資格は特にプロフェッショナルレベルと専門知識は互いに範囲がある程度被っており、間を空けずに受けたほうが効率がよい...という話をよく見かけます。DOP、SCSの連続合格でもそれは感じました。
 同じく専門知識分野のDBSもセキュリティのSCSと並んで比較的取りやすいと言われ、2021年6月には要点整理本もめでたく出版されました。

 AWSの世界でもオンプレの世界でも、特にエンタープライズ寄りの界隈ではデータベースは必須の分野。実務でAWSをやるときに確実に出てきて役に立つ時があるでしょう。
 ということで次のターゲットはここに。DOP試験に受かったその日にAmazonでポチっておいた要点整理本はもう手元にあるので、認定6冠を目指した次の作戦を始めることにしました。

書いている人のデータベース歴

 エンジニア歴ウン年のマネージャーにならないマンでおじゃりまする。DOPの合格記録にスキルセットは書いてみました。

iwasiman.hatenablog.com

 今回はデータベース歴を書いてみます。
 僕が非情報系学科からIT業界に飛び込んだ最初は就職氷河期ド真ん中ということもあり、何を間違ったか金融系に行ってしまったのですが、その頃はIBM製の汎用機で動くPL/IというCOBOL以上に化石級のプログラム言語で動くシステムが動いていました。その後ろにはIBM製のDB2というRDBが動いていたはずなんですが、当時自分のスキルが低すぎてそこまで分かりませんでした(笑) 昔は商用「RDB御三家」というとOracle, SQL Server, DB2と言われたんですが、この言い方もすっかり聞かなくなりましたね~。
 その後このままではアカンと転職して入ったのが今の会社(の、統合される前の会社)。最初は半導体系の生産管理システム系をやっているところに配属されたのですが、そこではもうデータベースといえばOracleという感じでOracle全盛期でしたね。そこからMicrosoft Accessにデータを繋いで閲覧するパターンもありました。社内でもプログラミングやWeb開発はあまりできなくてもSQLはよく分かるという人も多かったです。
 今はもう使わなくなりましたが、Oracle DB内にプログラムを登録しておく形でSQLより高度な一連の処理ができるPL/SQLという技術で開発をしたりもしました。データベース管理者っぽいロールで関わったこともあります。

 その後クライアント-サーバーからWebの形態へ移り変わり、オブジェクト指向が脚光を浴び、エンタープライズ世界も進化してJavaがメインになっていく早期に流れに乗れた頃。R&D的な組織と連携した試作でモノを作るプロジェクトだと、高い商用DBでなくていいやんという感じでPostgreSQLMySQLを使うことが多かったですね。
 規模の小さいアプリケーションでDBがおまけについてくる程度だと、Apache製のApache DerbySQLiteのような軽いDBも使ったりしました。AWSElastiCacheの中で使われているMemcachedも、メモリ上のキャッシュのお化けみたいな位置づけで触ったことはあります。

 それとは別の流れで今の.NETの前身の.NET Coreのそのまた昔の.NET Frameworkで、C#で開発するならMS製品でそろえてバックはSQL Serverというパターンもありました。リリースされたばかりのバグの多い超初期の.NET Framework+なぜかOracleという、技術的リスク大ありの大炎上プロジェクトで残業手当をがっぽり貯めたこともあります。

 その中で技術は浮き沈みしていくもので、XMLデータベースとかオブジェクトデータベースなんてのも登場したのですが結局流行らずに消えていきました。
 2009-2010年ごろになるとNoSQLというワードが登場し、もうRDBは時代遅れだ!なんて過激な言説もネット上では流れたりしました。僕も本を読んだりはしたんですが、たくさんのテーブルが関連づいて整然とがっちりデータを保管するエンタープライズなシステムだと結局RDBがマッチすることがほとんどで、NoSQLは仕事で使う機会がほぼありませんでした。

 仕事で今まで出会ってきた人たちの中には、Oracleの高度な領域まで追求して資格だとOracle Platinumレベル、細かなパフォーマンスチューニングまで可能で、そうしたスキルを飯の種としてメイン武器にしている人もいました。
 しかし僕は資格のOracle 旧Gold(今のSilver)を獲って活用するあたりでRDBはだいたい分かったからもういいか、という感じで別の方向を見ていました。
 プログラム言語も技術もどんどん新しくなっていくので追随したいし、デザインパターンの活用とか高度なアーキテクティングの領域とか、そちらに興味があったからです。
 振り返ってみると当時この考えは正しかったと思っています。その後OracleJava言語を手に入れた以降いかにも大企業的な動きでやや評判を落としたり、保守料を値上げしたりで業界内での地位がそれまでより下がり、クラウドの世界でもOracle Cloudは主要プレイヤーの陰のその他大勢扱いになってしまいました。僕の社内でもOracleお高いのよね、ということで他のDBに乗り換える脱Oracleの動きも2010年代から若干見られるようになりました。

 他のバックエンド言語ですとPHP+約束のMySQLもありますし、比較的珍しいのではないかと思うPHP+SQL Serverのパターンもやっています。PHPで今やデファクトになったLaravelフレームワークを使ったときにRedisもちょっと触ってみたことはありました。RedisNoSQLの範疇ですが、Laravel的にはどちらかいうとKey-Value型のキャッシュの扱いのような気がします。

 SQLは各種RDBMSで書いてきました。プログラム内から実行する検索SQLの最長記録というかワースト記録はとある仕事での300行クラスぐらいでしょうか。ここまで来ると要件がそもそも複雑すぎるかテーブル設計でしくじっているなど、前段階に問題があることが多いです。
 プログラムからDBに繋ぎに行く部分のORMO/Rマッパーと呼ばれる技術も各種ライブラリ触ってきました。自分的には技術のある人同士で本格的に仕事をするなら、どちらかいうと検索クエリは素のSQLできちんと書いたほうが結局早いなあという派です。(このへんは作ろうとしているモノの性質やプロジェクトによって大きく違いますしフレームワーク任せで済んでいる方もいるでしょうし、様々ですね。)

 という感じで、振り返るとデータベースはけっこう幅広く経験してきました。

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AWSの実務経験とよく使う興味のあるサービス

 これまでの合格エントリに書いたように、基本は開発屋なので興味のあるサービスはサーバーレスアーキテクチャ周り、API GatewayやLambda関数周りですね。

 DOP、SCSの時と状況が変わっていないので、DBSの想定している保有スキルは「AWSを使う実践的な業務における最低2年間の経験」ですが、実務経験は2日です!(開き直り3度目) その時DynamoDBは使いました。
 また試験ガイドには「一般的なデータベーステクノロジーに関する最低5年間の経験」とあり、こちらは十分満たしていることになります。

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AWS認定『データベース - 専門知識』DBS-C01突破作戦

やったこと

基本方針の確定

 SCS合格の0.5週後に要点整理本をパラ見したり手を付け、1週間後から本格的に開始することにしました。

  • 学習時間は週末も含め1日1Hではなく、SCSと同じようにできたら2H~から
  • 最初に情報を集め、基本はこれまで通り問題演習を中心に学習を組み立てて、分からないところを次に調べるスタイルでいく
  • SCSが3週間で獲れたので、同じく3~4週ぐらいのゆるい目標で行く
  • 実機でもバシバシ触って慣れれば理想ですが、そこまで時間がないので学習による資格突破をメインに
スタプラで学習記録を可視化する

 今回も時間の計測、成果を出してる感、モチベーションを維持するため、学習管理アプリのStudyplus(スタプラ)を継続しました。日々の勉強や受験勉強を頑張っている中高生や大学生の皆さん、エンジニア志望や既にエンジニアでスキルアップに励んでいる皆さんなどもおり、けっこう刺激になります。

www.studyplus.jp

ネット上のSCS合格エントリを参考にする

 ググって約11人分、Qiitaで探して16人分、koiwaclubの合格記録はDBSはカテゴリがなし。合計約27人分の合格記録を見て回り、はてなブログならお礼に☆をつけてQiitaならいいねストックして蹂躙して回りました。貴重な記録を残してくれた先人の皆さん、今回もありがとうございました。SCS資格は約47記録、DOP資格も40記録ぐらいはあったので、やっぱり比べるとDBSは情報が少ないですね。2020年4月ごろに開始された新しい資格というのも影響しているでしょう。
 書いている方の来歴(エンジニア歴とAWS歴)、学習期間と学習時間、学習に使った題材、サンプルや模試の点数、本番の点数や時間配分、よく出る分野や受験戦略、その他お役立ち情報...などをポイントとして見て回りました。

 さすがにDBSを受けるような方は普段からAWSを使っていたり認定も既にX冠を達成していたり、SCSと同じく慣れている方が多いですね。プロフェッショナルレベルのSAP,DOPをもう取っている方、専門知識のSCSの前後に取る方、また分野が似ているとのことである『データアナリティクス - 専門知識(Data Analytics - Speciality: DAS)』の次に取って知識を活かしている方もいました。
 記録を拝見するとおそらくDB経験が豊富なんだろうなという方もいれば、逆にDB経験は浅いけどAWS経験で乗り切る方もいます。
 受けた方の来歴によってかなりブレがありますが、おおむね
 難易度の所感: SAP>ANS>DOP>の下でSCSと同じぐらい の専門知識資格群のあたり。
 問題文の長さ: SAP>DOP>の下のSCSと同じ専門知識資格群 ぐらいだったという感想が多いですね。
 試験時間は180分ですが時間が余ったという声が多く、タイムマネジメントはそれほど意識しなくてよさそうです。

 総合して全体的には『セキュリティ - 専門知識』(SCS)と同じぐらいの位置づけでした。これなら自分でも学習すればいけるだろう、と感触を得て準備を進めました。

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学習時間の確保に立ち向かう

 こちらもDOPとSCS受験の時と同じですね。ほぼ全面リモートワーク(テレワーク)で時間の調整はしやすかったです。絶賛子育て中でもなんとかなりました。
 金曜に仕事の午後休を取って頭を切り替え、余裕をもって準備→土曜の朝いちに受験 というコースがもはや自分の中では鉄板になってきたので今回も同じ手で行きました。

コロナの脅威に立ち向かう

 緊急事態宣言も終わって新規感染者数も減り、落ち着いてきた最近ですが大事な試験なので今回もオンライン受験は見送り、これまでと同じ東京新宿のテストセンターで受けることにしました。

計画変動に立ち向かう

 今回は11月~12月頭だったので、こちらもそれほど大きいハプニングがなく進められました。SCSが3週間だったのでだいたい同じぐらいを目途にやりました。

モチベーションを保つ工夫をする

 自分へのご褒美だった新作キーボード『MX KEYS mini』はもう買っちゃったので、今回は大きなものは特にありませんでした。

  • 俺...この資格に受かったら...Kindleでコミック買うの封印解除するんだ...
  • 俺...この資格に受かったら...前回と同じパスタ屋でランチして帰るんだ...
  • 俺...この資格に受かったら...コンビニで買っといたスイーツ食べるんだ...

ぐらいで安く済ませています(笑)

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AWS認定『データベース - 専門知識』DBS-C01突破作戦

学習の流れ

要点整理本を購入する

 2021/6月出版、DBS試験では唯一の本の要点整理シリーズ。今回は爽やかブルーの『要点整理から攻略する『AWS認定 データベース - 専門知識』』を読解しました。

佐々木拓郎さん(id:dkfj)、上野史瑛さん(id:fu3ak1)、小西秀和さん(Hidekazu Konishi - Profile / Biography)、小林恭平さん(@kobakoba09)。作者全員がAWS認定12冠という、超人連合みたいな強者が大結集した渾身の本です...!

tech.nri-net.com blog.takuros.net

 各所のDBS合格エントリでも多く登場し、SCSの要点整理本と同じく評判が高いですね。試験合格だけをゴールにしないようにしたとのことで、データベース関係の各サービスの諸元やトラブルシューティング、設定やエラーコード一覧などなど、かなりの情報が詰まっています。本の中の学習教材一覧にExam Readinessも載っていたり、最後にJAWS-UGも登場したり、時代を反映しています。

jaws-ug.jp

 8章の練習問題が神という声がネットの感想にあったのですが、SCSの要点整理本は40問だったのがさらにパワーアップして練習問題は65問。冒頭の問題の解き方のページもめちゃ参考になります。
 この練習問題が確かによく作られていて、設問のシチュエーションは本試験よりシンプルめに抑えて問題文は短め、よく出そうな内容やパターンを網羅しつつ解説で間違いやすいポイントや正答を導く手順も解説と、DBS試験を一式カバーしている感じです。僕も他の学習リソースをやった後に2周目に本書に戻ってきた際に、改めて問題がよくできているなと思いました。
 なお自分の場合は読了したあと練習問題をやってみたら1.5Hほど、1周目の正答率はわずか51%とまだまだのところからスタートでした(笑)

 AWS認定以外にも役立ち、DBSの唯一の本です。まずはこの本を1冊揃えるとよいと思います。
 ちなみに僕の手元にある物理本は初版1刷ですが、よーく見ると表紙のサービス一覧にグラフDBのNeptuneNaptuneになっているという隠れた誤植がありました。ナップチューン。なんかナップスターみたいでイケてるサービスっぽい!(違)

公式のデジタルトレーニングを受ける

dev.classmethod.jp

 おなじみクラスメソッドさんの合格エントリ記事で知ったのですが、APN(AWSパートナーネットワーク)のアカウントを持ってる人限定らしいトレーニンAWS Database Offerings (Japanese) があるとのことでこれを受けました。

 このトレーニングはコンテンツも整えられていて入門になかなかよかったですね。AWSのデータベースサービス、テクノロジとアーキテクチャの概要を知ることができます。グラフ型DBのNeptune、ドキュメント型のDocumentDB、名前にQuantumが入っていてかっこいいQLDBと、けっこういろいろあるんですね。
 途中にAWS Database Assesmentとして15問のテスト、コース終了の認定テスト10問と問題も入っています。

 その後は約束のExam Readiness: AWS Certified Database - Specialty も覗きにいきました。

 こちらは最初のExam Overviewから始まりDomain 1-5、Practice Quizが17問に最後はまとめのCource Wrap-Upと一通り揃っていますが、まだオールイングリッシュです。DOP試験やSCS試験のExam Readinessは問題の解き方の戦略まで動画で触れてくれて親切だったのですが、DBSのものはそこまでは達せず。まあ新しい資格なのでまだ整備がされていないのでしょう。
 Practice Quizの問題もコピペできないので、仕方なく解説まで出したところでコピペしてGoogle翻訳して回答と解説を見ながら学ぶことにしました。比較的基本的な問題が多く、上の要点整理本と並行して学んでいればそれほど難しくはないる感じです。
自分のオンプレのDBの知識で解ける問題もあったりして、これなら何とかなりそうだなという感触を得ました。

 なお後で知ったのですが、AWS Japanのインストラクターの方による日本語の試験準備動画も実はあるそうです。知ってればこれも受ければよかった~!

pages.awscloud.com

余談:DB関係のワードの英語の発音について

 DBS講座の動画に出てくるAWS社の方たちの発音を聞いているとMySQLは完全に「マイシークォー」でした。他の動画だと「マイスキュール」の時もあります。
 SQL Serverは日本だと「えすきゅーえる・さーばー」と発音するかと思いますが、英語圏だと「シークォー・サーバー」「スキュール・サーバー」が近いんですね。でもPostgreSQLは「ポストグレ・エスキューエゥ」でSQLの発音が元に近いのが面白い。
 Oracleも日本だと「おらくる」ですが英語圏だと「オラクォー」でした。

 AWSサービスでいうとIAMの発音は「アイアム」と解説されていることが多いですが、DBS講座の動画の人たちは「アイ・エー・エム」で、別の動画だと「アイアム」だったこともあるのでAWSの中の人たちでも両方いるようです。
 クラウド生まれの完全上位互換最強RDBであるAuroraは「オゥローラ」で後半アクセント。
 S3の中をSQLライクに検索できるAthenaはギリシャ神話の女神の名前でメジャーなので日本だと普通に「アテナ」と発音するかと思いますが、英語だと「アッスィーナ」なんですね。

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公式のクラスルームトレーニングを...やらない

 公式が提供しているものが『AWS でのデータベースの計画と設計』で、タイトルがちゃんと日本語になってます! 3日間でお高いやつですね。例によってこちらは見送りました。

公式Black Beltやホワイトペーパーは...後回し

 DBSの合格エントリでも、中には要点整理本かUdemyのどちらかだけで十分だとか、Black Beltを読んでそのままシュッと合格してしまうAWS強者の方もおられます。
 自分の場合はそうもいかないので、例によってまずは問題ベースでたくさんやって間違えてそこから他の情報リソースに飛ぶ、繰り返しの反復学習で学んでいきました。

AWS WEB問題集で学習しよう』で学ぶ

aws.koiwaclub.com

 通称小岩、もしくはkoiwaやkoiwaclubで知られる学習プラットフォーム。こちらも合格エントリでよく登場します。
 DOP受験の時に申し込んだ有料会員のプロフェッショナルプラン5480円(税込み6028円)が3か月間有効なので継続利用で済みました。AWS認定のプロフェッショナルレベル(SAP,DOP)と専門知識にはこのプロフェッショナルプランが必要になります。

 7問1セットの問題がこのエントリ執筆時点で...

  • 『ソリューションアーキテクト - プロフェッショナル(SAP)』は60
  • 『DevOpsエンジニア - プロフェッショナル(DOP)』は56
  • 『高度なネットワーキング - 専門知識(ANS)』が24
  • 『セキュリティ - 専門知識(SCS)』が25
  • 『データアナリティクス - 専門知識(DAS)』が25
  • 機械学習 - 専門知識(MLS)』が19
  • そしてこの『データベース - 専門知識(DBS)』が11セットのみ

新しい資格だからか一番問題が少なく、心もとないですね。11*7=77問だから本試験1回分ちょっとになります。
 7問ごとに正解不正解が分かり、解説も比較的明確で分かりやすく反復学習にちょうど良いので今回もここをまず流しました。Udemyや要点整理本の問題と比べるとちょっと独特な問題もありました。
 自分の持っているDBの知識が生かせるからか、1周目から正答59%で比較的順調。2周目が76%で間違ったところは試験前日に一部3周目もやりました。

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Udemyの英語講座で学ぶ

 SCSと同じく、DBSでも有効な日本語講座がまだないので、英語頼りとなります。例によってみんな名前が似ていてややこしいです。

 Udemyの講座でめちゃよく出てくるヒゲのお兄さんのStephane MaarekさんとRiyaz Sayyadさんが並んでニッコリしている鉄板のベストセラー講座。
 合格エントリでもよく出てきます。講義がメインの講座で、途中にSample Question 10問がありますがこれは簡単だとの報告が多いです。動画の中の問題登場でテキストがコピペできなかったので、僕は中止しました。

 またまたヒゲのお兄さんのStephane Maarekさんと今度はAbhishek Singhさんという方が並んでニッコリしている模試講座。こちらも評価が高い鉄板の講座です。
 最初のWarmup Testは実は2つめの模試から抜粋した代表的な問題10問で、自分の理解度と試験の難しさを判断するためのもの。2つめのPractice Testがメインで65問3時間制限の模試となっています。

 事前に問題をGoogle翻訳しておいてからじっくりやりました。自分の場合は1周目から正答63%、時間は1時間51分だったのでタイムマネジメントは問題なし。解説でじっくり学んで本試験直前の2周目は正答85%まで伸びました。
 解説も全部英語ですが丁寧に書いてあっておすすめです。理解度が上がってくると毎回毎回の長い解説が冗長に思えてきたりもするので、間違った問題や理解度の低いところに絞るなど、適宜スキップしたりするのもよいでしょう。

 非常にどうでもいいんですがところどころ英文の問題でPostgreSQLPostGreSQLと書いてあるのがずっと気になりました(笑) アッパーケースは最初のPと最後のSQLだけのはずですね。ITエンジニアって...こういうの気になっちゃうんだよぉぉ!

www.postgresql.jp

 界隈ではよく名前の出てくるTutorial Dojoの、こちらも人気講師Jon Bonsoさんによる模試講座。これも最高評価がついている鉄板で、各所の合格エントリでも評価が高いです。
 Practice Testが65問。自分は1周目が正答66%で試験前日の2周目が正答89%まで伸びました。
 その後はDomain-Based Testとして5つのドメインごとに7問、計35問と解説がついています。こちらの問題は応用的でかなり難しく、だんだん絶望してくるので僕は途中でやめちゃいました(笑)
 こちらも解説でなぜその正解が導かれるのか、不正解はなぜ不正解なのか丁寧に書いてありおすすめです。

 他にもUdemyで探すとよりマイナーな模試講座が3つぐらいありましたが、評価が高くレビューも高くレビュー件数も受講者数も多い、まず安心の鉄板の講座が上の3つでしょう。
 自分の場合は会社契約のUdemy for Businessで使えて上2つは無料、3つめのJon Bonsoさんの講座を1500円で購入しました。例によってセール中を狙うとよいかと思います。

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タイムマネジメントを意識...しない

 DBSも試験時間は180分と長いですが、各所の合格エントリでも時間が余ったという声を割と見ます。
 Udemy受講時に計測して2時間以内でいけると分かったので、これまで目安にした「20問を約30分」ベースでいけるやろという感じで、今回もそれほど気にしませんでした。

さらに英語のWhizlabsを...やらない

 英語の学習プラットフォームとしてはこちらもおなじみWHIZLABSにもDBS試験の講座があります。koiwaclubの問題数が少ないため、問題演習をもっとやったほうがいいのでは...という懸念が最後まであったのですが結局やらずに突破してしまいました。
 15問のFree TestのほかにはPractice Testが65問2回分、さらにSection TestとしてAuroraの問題が10問ついています。合格エントリによると、このWhizlabの問題はちょっと間違いがあるそうですね。

公式サンプル

 計10問の問題と回答が公式から入手できます。僕はスキップしてしまいました。

公式模試

 AWS認定のどの資格でも多くの方が本番前に受けた方が良いと言っているAWS認定の公式の模擬試験。DBS試験ならAWS Certified Database - Specialty Practiceと最後にPracticeがつき、試験コードもDBS-C01でなくDBS-P01になっています。
 認定アカウントのページから飛んでいくのですがこれまでとどうも仕組みが変わったようで、金曜の夜にチャレンジしたら手間取ってしまいました。お金を払わず行けたのですが画面構成も今までなんか違い、DBSは英語のみでさらに翻訳が手間で夜がさらに遅くなることに。
 合計20問、割と即答できて後で自己採点したら確信のないのが6問、14問正解と仮定して正答70%。問題文もそれほど長くありませんでした。

 最近また仕組みが新しくなったようで、どの資格も「公式練習問題集」というくくりで受けられるようになったようですね。

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ピアソンVUE でアク禁をくらう事案発生

 公式模試も終わったし1週間後にスケジューリングした本試験を申し込んでからスッキリして寝よう...と金曜の夜中に作業していたらまたまた問題発生。
 Peason VUEで試験の申し込みをしていたのですが、AWS認定アカウントのページだと試験が半額になるバウチャーチケットがどれが使用済みなのかよく分からず上から順に入力していたら無効だと怒られました。3回ぐらい怒られたところで画面が真っ白になり、AWS認定アカウントのページから飛ぼうとした時点で以下が表示されるように。

"Your access to the Pearson Vue website has been restricted. Please contact the Pearson Vue Call Center for assistance."

 試験オワタ...(死語)と絶望する前にググると、同じ現象に遭遇した方のQiita記事があります。

qiita.com

ピアソンVUEのカスタマーサービスに問い合わせると解決するのですが、電話は平日の09:00~18:00までなんですね。 www.pearsonvue.co.jp

 仕方がないので週明けまで待ってから電話して状況を説明したら、すぐに制限解除手続きの受付をしてくれました。この時聞かれるのはCandidate ID、氏名フルネーム、登録メアド、登録電話番号です。
 上のQiita記事だと翌日でしたが、僕の場合は朝いちで電話したらその日の17時頃に制限解除のメールが届いて、無事に予約できました。
 ピアソンVUEのシステムは予約決済で入力情報に誤りがあり、エラーメッセージが繰り返し3回以上表示されると自動的にアカウント制限される仕様なんだそうです。皆さんご注意ください。

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仕上げへ

 家族で映画館に行ってプリキュアでトロピカってくる予定が途中にポップアップしたりしながら試験準備は進んでいき、結局SCSと同じくほぼ3週間後に本試験となりました。
 最後の週は仕上げにして、動画講座も要点整理本も、koiwaclubもUdemyの模試も2周目はほぼ好調。もう少し問題をやったほうがいいかな...という気もしていたのですが翻訳に時間がかかるのでWhizlabは結局やらずに終了。

 これまでに習って試験前日は仕事で午後半休をとることにして頭を切り替え、息抜きしたりしながら余裕の仕上げです。

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AWS認定『データベース - 専門知識』DBS-C01突破作戦

試験当日へ

テストセンターへ

 早めに起床して前回、前々回と同じピアソンVUEの新宿「西新宿テストセンター」の朝一番の9時で受験しました。
 やっぱり端末のディスプレイは27インチぐらいでしたね。テスト画面が最大化されて文字が横いっぱいに表示されて相変わらず見づらいです。12月となると外も寒いし暖房も効いているので、テストセンター内の寒さはさすがにありませんでした。

試験本番!

 試験ガイド にある通り専門知識分野になると65問中、スコアに影響しない問題が10問ではなくて15問混じってきてちょくちょく謎な問題も出てきます。
 今回も前の晩なんか変な夢を見てしまい睡眠不足で集中力が若干下がっていました。途中で猛烈に眠くなってしばらく休憩したりしながら進み、1時間20分(80分)ぐらいで65問終了。その後見直してあちこち間違いに気づき、2時間10分(130分)ぐらいで見直し終了。終了をポチリポチリしてアンケートに答えて小さく「合格」が表示、目でスクショしてサイレント退出しました。

 けっこう難しい問題もあったのですが自分的にはSCSと同じぐらいという感じです。

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またまた合格エビデンスなしの合格

 スコアレポート類は5営業日以内にメールで来ることになっているので、休日受験だとペーパーをもらうだけです。
 その後は西新宿のコクーンタワー地下の大きな本屋で本の成分を吸収してムフーとなったり。テストセンターにもディープラーニングのG検定のチラシがあったので、このへん深堀りしてみようかな?と思ったりしました。

www.book1st.net

 帰った後で子供氏と奥様氏も大きな公園から帰ってきて、自転車の練習の様子を聞いたり。試験合格メダルをエアで首に掛けてもらうごっこをしました。試験も終わって解禁して最初に読んだコミック『葬送のフリーレン』6巻が面白かったんだぜ...!
 認定アカウントと連動しているCredlyで合格バッジは週末のうちに見られるようになり、スコアレポートは週明けにすぐ届きました。

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AWS認定『データベース - 専門知識』DBS-C01突破作戦

試験まとめ

得点の話

 後で届いたスコアレポートは804点。SAAが836点、DVAが845点、SOAが801点、最近のDOPが902点でSCSが875点だったのでブービー賞です。
 これは今回の反省点なのですが、それなりに学習して理解したつもりだったんですが点数が低めですね...。
どこかで理解が足りていなかったのか引っ掛け問題に嵌まってしまったか...。本番で集中力が減退気味だったのは感じたので、もっと時間をかけてゆっくり見直しすればよかったかもしれません。あるいは問題演習の数をもっとこなすべきだったのか。データベースの話なら大まかには分かるからと慢心があったかもしれません。

 100点~1000点で合格が750点、実質900点満点/65=13.85点/1問で単純計算するとアソシエイト級と同じく47問ぐらいがライン、スコア804だと50問ぐらいでしょうか。
 危ない危ない。勝って兜の緒を締めよ、次回の教訓にします。

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今回は804点...不覚...

費用:1.8万(実質1500円)

 Udemyの英語版講座は2つは会社のUdemy for Businessで済ませて0円、1つが1500円。koiwaclubのプロフェッショナルプランは3ヶ月有効なので0円。
『要点整理から攻略する『AWS認定 データベース-専門知識』』本が3828円は会社の福利厚生のもので申請してみたので0円。公式模試が0円、本試験がバウチャーで半額にして16500円で合計1.8万円。このうち本試験は会社で請求できるはずなのでそれを引くと1500円でした。

 認定証がこちら。細かいネタとしてはタイトルのCERTIFIEDが以前は大文字だったのですがいつのまにかcertifiedで小文字になってました。

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『データベース - 専門知識』認定証

学習期間と時間:3週間ちょっと、50H前後

 2020年11月に開始、受験が12月始めで3週間。厳密にはその前の週も要点整理本をパラ見していたので3.5週となりました。

 学習時間は11月が39H+12月が8H=47H。誤差としてもうちょい足して50H前後。SCSも40-50Hだったのでだいたい同じぐらいですね。プロフェッショナルレベルのDOPにかかった80-90Hの約半分ですね。
 学習期間については各所の合格エントリも母数が少ないのですが、1か月未満~1~2~3か月とけっこうばらつきがありました。

 自分の場合はAWS実務経験の圧倒的不足というハンデがありますが3週間レベルで突破できましたので、まあ専門知識分野まで来るとこのへん実務経験年数の影響度が下がってくるようです。オンプレでのデータベース経験もかなり助けになった感触があります。

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AWS認定『データベース - 専門知識』DBS-C01突破作戦

『データベース- 専門知識』試験所感

DBS試験の難易度

 人によって違い、またその人のスキルセットや得意分野によっても異なりますが、だいたい難易度の順は以下だと言われています。

ソリューションアーキテクト- プロフェッショナル(SAP)
>高度なネットワーキング - 専門知識(ANS)
>DevOpsエンジニア - プロフェッショナル(DOP)
≧同位かその下で、ANSを除く専門知識の資格群

  • 問題文、選択肢もSCSと同等ぐらいでDOPほど長くない。短い問題もある。
  • SAP, DOP,SCS同様に設問のシチュエーションで求められているポイントを読み取る能力が求められるが、すべての設問がそうではない。データベースのサービスの数も決まっているのでパターンも限りがある。
  • 正しく理解していれば即答できる問題も割と出る。
  • 設問数もプロフェッショナルレベルの75より少ない65。時間が余る人が多い。
  • 登場するAWSサービス群は他の資格とほとんど被っているので、学習しやすい。
  • ただしこれらは、ITエンジニアリングにおけるデータベース関連の素養が既にあることが前提になる。

 以上の理由から、自分的にもSCSと同じくDOPの下の4位群かな~と思います。(個人の感触です)

 データベースはITエンジニアをやっているならまず誰もが触れるのではと思いますが、2010年以降だとフロントエンド専門だったり全部ORマッパーやフレームワーク任せでDBはあまり触らない方もいるかもしれません。別途データベースの基礎を一般教養的に学んでおくのも役に立つことでしょう。

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所感:改めて深堀りするデータベース on AWS

 他の資格群でもDB周りは必ずある程度出てきましたが、改めてまとめて総合的に深堀りされて知識の整理にもなりました。RDBならオンプレで色々触ってきたので、AWSだとDBをこう扱っているというのが分かり、あちこち興味深かったです。
 前述の要点整理本が文字通り要点を整理しており、資格対策以外にもオススメです。

 せっかくですので、学習過程の模擬試験類で出てきたものを中心に、個人的に思ったことなどを書き連ねてみます。

とにかくRDS、Auroraの問題が頻出!

 これは各所の合格エントリにめっさよく出てきたのですが、改めて思いました。まずはとにかくAmazon RDSとAmazon Auroraのウェイトが大。次にDynamoDBでここまでで体感6-7割?8割?ぐらい。さらにElastiCacheやRedshift。NeptuneやDocumentDBやQLDBも一応出てくるけどなんかおまけ感すらあります。
 あるユースケースクラウド上で実現する上での検討をしていくと7~8割がRDB(AWS的にはRDS系)で残りがNoSQL(AWS的にはDynamoDB)だ、なんて話をどこかで聞いた気がしますが、結局RDBMSが強いわけですねえ。2010年前後にNoSQLというワードが登場したころはRDB不要論なんて過激な意見もネットではありましたが、使いどころはよく見極めないといけないわけですね。
 そして学習すればするほどAuroraの高機能ぶりが強く、もうAuroraしか勝たん...という気になってきます。

  • 短時間でのクローン作成、バックトラック機能、お得なAurora Serverlessなど、他のRDSにはなくてAurora独自の機能も多い。
  • フェイルオーバーのテストはRDSでもできるが、AuroraだけSQL文発行レベルで障害挿入クエリでも可能、など、RDS/Auroraで同じことができるがそれぞれやり方が違うものも。
  • 一方、Auroraも根本的にはRDSのくくり中のひとつでもあるので、両者でまったく同じ機能もある。

このへんがややこしく、しっかり押さえておく必要があります。

処理タイミング、設問の現在時刻がいつなのかに留意

 その場で処理/定期的に処理 のタイミングや一連の流れで今がどこなのかの話はSAP,DOP,SCS試験でも重要になってきますが、DBSでは特に移行の話でよく出てきます。

  • 「移行できるか検討している~」などあれば移行「前」。設問によっては分かりづらい時があるのですが、「RDSやAuroraが本番運用になる前に~」「カットオーバー前に~」などの表現があると実は移行「後」。
  • SCTによるスキーマ変換、移行評価レポートを出すのは移行「前」。
  • DMSのメトリクスで統計情報を見ているのは移行「中」。
  • DMSのデータ検証を有効にし、移行前と移行後のレコード比較をしてくれるのは移行「後」。
マネージドサービスとしてのRDSでのお作法がある
  • RDSはEC2と同じくマシンのインスタンスは存在していますが、マネージドなのでSSHで中にログインして中をいじったりログを移動したりできません。よく考えると当たり前なんですが、長い問題文や長い選択肢の中に紛れていると意外と間違えたりします。VPCのNACLやセキュリティグループと合わせて出題されたりします。
  • 設定はすべてパラメーターグループを経由して実施。とするとRDB固有の細かな設定ファイルを弄ったりする選択肢はまず間違いだと導き出せます。特にMySQLの設定ファイル名がよく出てきます。
  • 移行でも一番速いのはリードレプリカ作成、RDSとしてスナップショットを作成してそこから移行。各RDBMS(AWS的には「DBエンジン」と呼ぶことが多い)固有の機能やコマンドを使った技、ダンプファイルなどは誤りになることが多いです。
  • 移行以外でも各DBエンジン固有の上級テクや細かな機能の出番はなく、RDB間の差異をなるべく吸収したRDSとしての統一したやり方が用意されていることが多いです。
不自由な日本語に慣れる

 これはもう約束ですね。今回は本番試験で不思議な日本語が時々出没しました。

  • 「バックアップ」が「バック」までで止まっている
  • 「1日数十億リージョンをさばいている」というシチュエーションの謎サービスが出てきて、なんぞ?と思って英語の原文を見たら「リージョン」でなくて「リクエスト」
  • ほかにも1つ2つ印象的なのがあったけど忘れましたw

 問題の英語の原文を確認するテクニックはいつでも有効です。要点整理本でも「8-1-1 問題の解き方」の項でこのことが明記されています。

スクリプトやLambdaの処理はかなり少ない

 アソシエイト級の3試験だと、お手製のスクリプト計でわざわざ手間のかかる仕組みを作るような解法はだいたい間違い、しかしプロフェッショナル級のDOP試験では高度な仕組みを実現するのにけっこう活躍していました。
 DBSの試験では、Lambda関数でわざわざ何か仕組みを作るケースというのは同じ専門知識でのSCS資格よりも少なかったです。DBのメンテナンス周りでよく出てくるような重要な機能なら最初から用意しているよ、ということでしょうか。Lambdaが必要になるようなシーンは例えば以下のようなシーンになります。

  • 有事に備えてリージョンをまたいでバックアップしておきたいので定期的にLambdaで手動バックアップ取得→別Lambdaで別リージョンに復元可能に。後からAWS Backupという別サービスでも同じことができるようになりました。
  • 同じようにCloudWatchスケジュールされたイベント起動でLambdaが定期スナップショットを作成→Lambdaがコピー→DBがこけたらRDSイベント通知が発行されてLambdaが新たなDBインスタンスを作成。DOP,SCSでも取り扱われているパターンです。

Lambda関数を間に挟んでサービス同士で高度な連携をしたりするパターンが登場する割合は、

DOP>専門分野(その中ではSCS>DBS)>>アソシエイト級3資格

という感じでした。

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AWSの進化とDBS資格の差分
  • Auroraのクラスターボリューム(ストレージ)のサイズは2020/9から最大128TB。その前は最大64TBで、模試類では64TBとして扱われている場合があります。

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AWS認定『データベース - 専門知識』DBS-C01突破作戦

おわりに

 というわけで今回もガンダムではなく量産機から作戦開始、専門知識分野の特殊艦2隻め撃破に成功しました。
 Udemy講座の講師の方々、読んだ商業本の著者陣の方々、様々な形でインターネット上に有益な情報や貴重な受験情報を発信してくれたAWS勢の先人の方々、面識があってもなくても様々な形で僕が刺激を受けたり勝手に凄いと思っているクラウド勢の先人の方々、TwitterやStudyplusで応援してくれたりお祝いしてくれた皆様に感謝します。

 この流れなら自分でもやれば多分いけそう...!という気がしてきたので(※フラグ)、しばらく英気を養ってから2022年には最難関といわれる『ソリューションアーキテクト - プロフェッショナル(SAP)』資格にもチャレンジしてAWS認定7冠、ついでにクラウドラクティショナーも獲って8冠を達成したら作戦終了しようかなと思っています。

 それではこれからAWS認定『データベース - 専門知識』資格に挑戦する皆さんに、雲海とバックアップの神のご加護のありますように......(`・ω・́)ゝビシッ
 

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当ブログのAWS認定の合格エントリシリーズは以下を記録しています。

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認定対策本のまとめ記事も新刊が出るたび整理しています。

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