JavaScriptフレームワークのおすすめ本まとめ (2018年4月)
Webフロントエンドで脱jQueryした先の乗り換え先、モダンなJavaScriptフレームワーク群。浮き沈みが激しいですが2017−2018年現在、Angular/React/Vue.jsが大まかに3強と言われています。FWの選定で色々調べたり本を読んだりしたので、このエントリでは2018年現在日本語で読める本をまとめてみました。4月といいつつその後もちょっと混ざっています。それぞれのフレームワークと関連してモバイルアプリを開発できる仕組み(Ionic, React Native, Weex/Vue Native)の本は含んでいません。
- JavaScriptフレームワークのおすすめ本まとめ (2018年4月)
- Reactの本
- Angularの本
- Vue.jsの本
- 総合的な本
- 追加情報:JSフレームワークで作られた技術書を探せるWebサービス
2021/8追記:2021年夏にこの記事の続編を書きました! ググって来られた方でタイムトラベラー以外の方は、新しい記事もご参照ください。
Reactの本
React本体は公式には「ライブラリ」なのですが、まあ実質フレームワークに近いよねということで。さすが採用実績も多いReact、本が一番多いです。
短時間で概要を把握したい
Reactではじめるフロントエンド開発入門
30分〜1時間ぐらいで読めるボリュームです。電子書籍なので2018/3にWebpack4に合わせ内容も更新済み。 iwasiman.hatenablog.com
いまから始めるWebフロントエンド開発
こちらもサンプルアプリのコード細部は流すと1時間ぐらいで読めます。2016年8月の本。 iwasiman.hatenablog.com
JavaScriptエンジニアが手っ取り早くReactの基礎を理解するための「超」入門書
Kindleのみですが、『Reactではじめるフロントエンド開発入門』と同じぐらいのボリュームで似たような内容と思われます。2018/01にReact v16対応で更新されています。
入門書
WebデベロッパーのためのReact開発入門 JavaScript UIライブラリの基本と活用
2016/11、Reactはv15でES5記法のコードもありちょっと古い。記事の通りで、ボリュームは多めですが初学者向け、アプリ実行は全てローカル環境でなくWeb上のjsFiddleの中で統一されています。 iwasiman.hatenablog.com
作りながら学ぶ React入門
ロボットの表紙の本。本屋で見ましたがワークブック風で字も大きく親しみやすいですね。はてなブログのid:yuumi3さんの出された本ですね。2017/09登場、最近になって電子書籍版も出ました。 yuumi3.hatenablog.com
ちょっと古い本
入門 React ―コンポーネントベースのWebフロントエンド開発
サムラーイが表紙の安心品質のオライリーの翻訳本。Reactの思想まわりもしっかり書いてあるそうですが、やはり2015/04と古さが目立ちます。電子書籍はなし。
表紙が動物でなく侍の理由はこちら。
オライリー本の表紙が「侍(サムライ)」 なぜ「サムライ」なのか聞いてみた - ねとらぼ
Reactビギナーズガイド ―コンポーネントベースのフロントエンド開発入門
鳥が表紙のオライリーの翻訳本。こちらも内容は良いようです。2017/03ですが原著はもっと古いようでReact v15、ES5のコードと、古くなっています。電子書籍はなし。
ビジネスユース向けのがっつりした本
開発で本格的に使ったりするなら以下の3冊のどれか、2018年最新なら特に後の2冊が鉄板となりそうです。
いまどきのJSプログラマーのための Node.jsとReactアプリケーション開発テクニック
毛糸が表紙のこの本は2017/07、400ページクラスの詳しい本。電子書籍はなし。サーバサイドNode.jsなど内容も盛り沢山、Electronでのデスクトップアプリ開発やReact Nativeの話も入っています。
React入門 React・Reduxの導入からサーバサイドレンダリングによるUXの向上まで
ペンキが表紙のこの本は2018/02で400ページクラス。感想記事の通り、React+Reduxをがっつり解説した本です。 iwasiman.hatenablog.com
React開発 現場の教科書 Atomic DesignによるモダンUIコンポーネント開発
2018/03/23に出たばかりの最新本。300ページクラスのボリュームで電子書籍もあります。第1章からWeb開発の動向に品質コストスケジュールと、完全に仕事での本格的な開発向け。
画面を細かなパーツやコンポーネント単位で定義していく UI デザイン手法であり、ReactやVue.jsのコンポーネント設計指針とも繋がる「Atomic Design」を使った開発手法など、React本体よりもその周辺を含んだ開発一式についての本のようです。著者の方も現役DMM.com社員とかなり濃い。
『作りながら学ぶ React入門』の作者さんによるおすすめReact本リストもどうぞ。 yuumi3.hatenablog.com
Angularの本
英語の本家公式から遂に日本語版公式へのリンクが貼られたAngular。(一部日本語化中とのことでしたが終わったのかな?) v1のAngularJSから大幅に変わっておりバージョンアップも速いので、v1とv2の本は除いてあります。
Angularアプリケーションプログラミング
2017/08刊行、Angular4で一部5も記述あり。感想記事の通りですが、安心の山田祥寛本でおすすめです。 iwasiman.hatenablog.com
Angularデベロッパーズガイド 高速かつ堅牢に動作するフロントエンドフレームワーク
2017/12のこの本ががAngular5対応。2冊とも大ボリュームの本格的な本で電子書籍あり。
Angular Webアプリ開発 スタートブック
そして2018/04に新しいのが出ました。こちらは前2冊に比べると初心者ターゲットのやさしい入門本のようです。
Vue.jsの本
jp.vuejs.org
言われてみると確かにロゴの配色がキムワイプ…(クソリプ) 日本人コミッターの方の頑張りで公式サイトは既に日本語化されており、読みやすいVue.js。AngularとReactに比べると後発ということもありなかなか洋書以外の本が出ず、公式とGoogle先生とテック系ブログやQiitaの情報、約束のとほほのVue.js入門などでがむばってキムワイプするしかない状況が続いていました。
しかし解説がやわらかくて分かりやすい【やわらかVue.js】オープン、秋には日本でカンファレンス開催決定、はてブやQiitaで検索すると最近特に情報も増えてきて書籍も遂に登場と、この2018年春あたりから本格的にびゅ〜っと始まってきた感があります。(ダジャレ乙)
Hello Vue !!
そして、nasum (id:Tomato-360) さんの同人誌が2017/11に技術書典3で頒布。このウスイ=ホンはその後Kindle版で入手可能になっています。技術書典などの同人誌なら他にも何冊かあるのですが、Kindleで手に入るものとしては日本初のVue.jsオンリー本だったのかも... iwasiman.hatenablog.com
www.chirashiura.comHello!! Vue.js 最新プログレッシブフレームワーク入門
上の本が加筆修正されて改めて商業版の本になり、2018/4/13に発売になっています。早速読んでいますが、第5章〜7章で単一ファイルコンポーネント、大規模アプリ用状態管理のVuex、URLルーティングのvue-routerの話が追加。既存の4章までもあちこち加筆されて情報が増え、一層充実しています。フォームサンプルでの艦これネタは健在...! www.chirashiura.com iwasiman.hatenablog.com
速習Vue.js
2018/03/28に出たばかりのKindleオンリー、おなじみ山田祥寛さんの本。電子書籍の速習本ということでレイアウトなどはPDFそのままのレベルですが中身は詰まっていて、Vue.jsの基礎が一通り。フィルタの話やディレクティブやプラグインの自作、ルーティングなど、ネットの記事だとあまり見ないような深いところまで扱っています。Kindleユーザならおすすめ。 iwasiman.hatenablog.com
基礎から学ぶ Vue.js
Qiitaの以下の記事の@mio3ioさんが、2018年に本を出すとの情報が以前からありました。 qiita.com mio3io.com
2018/5/29に満を持して登場しました。304ページクラスということで基礎を一通り固めつつ、かなり情報は豊富です。書影もかわいくて初心者でもやる気が出そうですね。これは…買うしかないニャ!(謎の使命感) iwasiman.hatenablog.com
Vue.js入門 基礎から実践アプリケーション開発まで
2018/9/22発売、Vue.js本体のコミッターやコミュニティの方々など強力な執筆陣による新たな本が出ます。後半の大規模アプリケーション開発周りに特に力が入っているとのことで、上記の入門本の後に丁度よさそうな、業務で使う本格開発向けとなりそうです。これは期待!
→感想記事を上げました。(2019/3) iwasiman.hatenablog.com
その他:Vue.jsカンファレンス
2018/11/3には日本初のVue.jsカンファレンスが開催とのこと。生みの親のEvan Youさんも来日するそうです。約束として東京タワーが写ってますが、会場も田町でやるのかな? vuefes.jp
総合的な本
JavaScriptフレームワーク入門
超入門シリーズなどで知られる掌田津耶乃さんのJS界隈へのまとめ入門本。2016/09、当時の情報を元にnpm/Bower/Webpack/AltJS言語でTypeScript、JSフレームワークとしてAngular/React/Vue.jsとさらにBackbone.js/Aurelia/jQueryの6つの基本部分を紹介しています。
Node.js超入門
こちらも掌田津耶乃さんの本。Node.jsをサーバサイドのJavaScript実行環境として用い、一般的なWebアプリケーションフレームワークと同じようなことを実現するにはどうするのかが分かります。初心者向け。
速習webpack
速習Vue.jsでお馴染み山田祥寛さんの電子版の速習シリーズ。フロントエンド初心者だとQiitaなどの断片的な情報を元になんとなくやりがちなWebpack周りですが、設定ファイルwebpack.config.jsの多数あるオプションや、関連JSライブラリなどを一通り体系的に把握することができます。軽い本なので電子書籍ユーザにはオススメ。
React、Angular、Vue.js、React Nativeを使って学ぶ はじめてのフロントエンド開発
2018/5/10に発売。各FWの基礎部分を使いながらフロントエンド全般を学ぶ、というスタイルの総合的な入門本のようです。解説のサンプルアプリがよくあるToDoアプリでなくSlack的なのを作るというのが面白いですね。
追加情報:JSフレームワークで作られた技術書を探せるWebサービス
技術書 Yome !!
札幌とWebで活動中のatuwebさんが作られたIT系技術書特化のブックレビューサイト。2017年5月からスモールスタートして徐々に機能が追加されています。バックエンドはPHPのLaravel5.4、フロントエンドがVue.js2.2+Bootstrapで勉強しながら作ったそうですね。
https://book-yome.net/ atuweb.net
技術書ランキング | テック・ブック・ランク
ベルリンとWebで活動中のジャバ・ザ・ハットリさんが作られたランキングサイト。おなじみQiitaで紹介されている書籍情報を抜き出して集計しています。やはり「ゼロから作るDeep Learning」「リーダブルコード」強いですね。こちらは実装はバックエンドはRails、フロントはReact+Reduxだそうです。
www.techbookrank.com tango-ruby.hatenablog.com
以上でした。何かの助けになれば幸いです。