星の海への航海、しなりお『アストライアの涙』第4陣の計画が超☆異色面子で始まりました。
ロゴの中の英字部分にもヒントがあったりするので、本日は週末の余興に、デザイナーズ・ノート的にグラフィックな話をしてしんぜましょう。
赤いリンゴのアヴァロン計画のロゴ
オーストラリアはアボリジニの人もいますが大英帝国の移民の子孫が多いので公用語は英語です。架空未来、キャンベラAXYZが首都となったニューロエイジでも同様でしょう。
また、宇宙開発のようなグローバルな計画であればいろいろな国の人が理解できるよう、世界で通用する共通語を使うでしょう。
ということでロゴ類では現実同様、ふつうに英語を使っています。
現実でもNASAはいろいろな計画でかっこいいロゴをいつも見せてくれますが、宇宙船から見たりするなら暗い宇宙で遠くからでも視認性の高い目立ちやすいシンボルマークがいいだろう……と考え、鮮やかな赤と白、円を使うことにしました。使っているフォントはImpactというWindosなら入っている標準的なフォント。リンゴのマークは画像でなくフォントです。
『アヴァロン計画』の宇宙コロニーや船の船腹にこのマークがぴっと張ってあったり、トロンを見るとこのマークが浮かび上がったりするイメージですね。
アヴァロンの語源は本家のアヴァロン、永遠の王アーサーの眠る島、ケルト神話のリンゴの楽園です。やはり宇宙といえばロマン。宇宙開発計画のテーマを“未知への探求”としたので、見果てぬ地を求めるロマンのある名前にしました。詳しくは決めていませんが、きっと計画名を最初に考えた責任者はブリテン連合王国の科学者なのでしょう。
AVALON PROGRAM
LAGRANGE POINT L5WE ARE VOYAGERS, SEARCH FOR UNKNOWN AVALON,
WE ARE PIONEERS, REACH FOR UNFULFILLED FUTURE,
BY SWORD NAMED SCIENCE.
アヴァロン計画
ラグランジュ・ポイント L5
我らは航海者なり、未知なるアヴァロンを探し、
我らは先駆者なり、見果てぬ未来を追い求め、
科学という名の剣によりて。
正義の天秤ロゴ
探索の途中、アヴァロン計画で行われた数々の実験やサブプロジェクトを調査していると、トロンのスクリーンにぼうっと浮かび上がるイメージの謎のロゴです。図案化されたバランス・オブ・ジャスティス、そしていにしえのギリシャの女神アストライアの名を取ったコードネームの意味するところは? 今は亡き教授は何を研究していたのか……?
参加してくれた冒険者の皆さんには何回か言いましたが、アニメ『東のエデン』のセレソン携帯のマークがかっこよかったので真似して1-2時間で作りました。w シナリオ全体のイメージシンボルがこの天秤のマークですね。
PROJECT ASTRAIA
64 ∞
+ BALANCE OF JUSTICE + SHE CACLULATES AND FORESEES COMPLETE JUSTICE + SUPER PARALLEL OPERATION +
プロジェクト・アストライア
64 無限大
+正義の天秤+彼女は完璧なる正義を演算し予言する+超並列演算+
ここで発見。「予知する」は foresee ですがロゴ画像の円周部分がforseeで綴りが間違ってますね。 (´▽`;)ハハハハハ
直しておきました。FLASHトレーラーの中でも何回も使っていますが、あちらでは円周部分がくるくる回ってわからないからいいや。w
コロニーのロゴ
アヴァロン計画の実験コロニーの8つめ、『アルカディア-8』がシナリオ本編での探索対象。残りの7つはオープニングで幾つか爆発したり壊れたりします。合計8つあるのは、ある謎解きになっています。
AVALON PROGRAM SPACE COLONY
ARCADIA 8
SHANGRI-LA 4
アヴァロン計画宇宙コロニー
アルカディア 8
シャングリラ 4
FLASHトレーラーの中で流れていく画像に使っていますが、残りのコロニーの色違いのロゴも作っています。今回はいずれも伝説の国や都の名前から取りました。
- アトランティス-1:ギリシャの哲学者プラトンが提唱した伝説の大陸。4番目のスペースシャトル・オービタの名でもあり「未知なる神秘」の意。
- エリュシオン-2:ギリシャ神話の死後の楽園。
- ザナドゥ-3:モンゴル帝国の夏の都、幻想的な歓楽の都として知られる。
- シャングリラ-4:ヒマラヤ近辺にあるとされた理想郷。『機動戦士ガンダムZZ』にもコロニー名として登場する。『PC4』が宇宙で戦うオープニングの背景に登場。べっ別に、その頃同じタイトルのアニメをやってたから思いついたわけじゃないんだからねっ!
- ティル・ナ・ノーグ-5:ケルト神話に登場する妖精の楽園、常若の国。
- アルフヘイム-6:北欧神話で光の妖精エルフが住む国。
- ホウライ-7:古代中国で東の海にある仙人が住むといわれた山。
- アルカディア-8:ギリシャ神話における牧歌的な楽園、牧人の理想郷。現実のギリシャにも地名で存在。美術でも題材にされ、聖杯伝説と関係すると言われる。
ファンタズマのノーズペイント
PC4の機体が宇宙で戦っちゃったりする青い可変型電子戦闘機の機体に刻んであるイメージのマークです。これ、時間があったらもっとかっこよくてそれらしいものにしたかったですね。
左右にエフェクトの掛かったFairyDustというフォントと幽霊のマークを組み合わせて作っています。ライバルのゲストキャラクター、ストラトスもイメージカラーが青なので似た色合いにしています。
"F"Independent Mechanized Corps
ファンタズマ
"F"独立機械化兵団
ファンタズマはイタリア語で「亡霊」の意味です。イタリア語から取ってあることはシナリオ本編のヒントになっています。
TRPG『ブレイド・オブ・アルカナ』でもアルカナ名に使われていますね。イタリアで銃を持った女の子が戦っちゃう漫画を見て思いついたことは秘密だ!
おまけ:タイトルロゴの話
THE TEAR OF
Astraia
アストライアの涙
そもそも「アストレイア」「アストライアー」など日本語でも複数読み方がありますし、ガンダム00でも外伝ぽい作品にモビルスーツ名で出てくるのですが、今回は「アストライア」を採用。綴りもラテン語だとAstraeaになるのですが英語綴りのAstraiaに統一しています。
THE TEAR...のほうに使っているゴシックフォントはフリーで定番のFutura系のもの。Futura Bk BTでした。細くてクールでいい感じなので他の画像でも使っています。
Astraiaの文字に使っているのは、これはAbbessというフリーフォントです。(同じくフリーフォントのSacculeでも似た感じです)
これは海外TRPGに詳しい人だと分かるかな、かつて美麗なグラフィックで一世を風靡した洋ゲーの雄、ワールド・オブ・ダークネスの3作目『メイジ:ジ・アセンション』の2ndの頃にタイトルなどで使われていたフォントです。Googleイメージ検索で"mage: the ascension"で探すといろいろ出てきます。同作はオカルトの雰囲気満載、錬金術や星座の記号も多数出てくるのですが、一緒に使われていたこのフォントが非常に雰囲気に合っていました。
本作も宇宙が舞台、天文学とも関係するので、このフォントを使うことにしました。英文は基本的にこのAbbess、Futuraの2つに揃えてプレアクトページ、FLASHトレーラー内でも統一しています。
バックに浮かんでいるmの右下がくるっとしている記号は、黄道12星座の乙女座、処女宮のシンボル(正式にはアストロロジカルシンボルと言うらしい)です。
200ピクセル×75ピクセルの小さいバナーに乙女座と並んで出てくる「Ω」みたいなマークは、こちらもてんびん座、天秤宮のアストロロジカルシンボル。このへんもシナリオ本編の予言になっています。
タイトルロゴなどの色使いは、薄い黄色を使った金色イメージと緑の組み合わせを多用しています。これは、重要ゲストのアストライアの髪と目の色に合わせているんですね。
イラストレーター・ほりの皇子がイメージ通りに読者の心を掴んで放さないツインテールの女の子の絵を描いてくださいましたー。宇宙服のような、ゲーム『ゼノサーガ』に出てくるような謎の服はジツは皇子の発案で書いてくれたものです。白と黒のバージョンもありました。
やはり女の子だし明るく華やいだ方がいいでしょうということで、今の版の白と緑のコントラストにしてもらっています。ヒロインですからね。おっとうそです。近年のTRPG用語におけるヒロインが当てはまるのは、PC2のゲストコネのグリフィン少年であります。w
彼女は年頃が同じローティーン〜ミドルティーン、髪型がどちらもツインテール、イラストレーターも同じということで、『クリスマスサバイバルナイト』のヒロイン(?)のイブたんと被らないようにかなり気を遣いましたね。
この金色と緑が本シナリオのイメージカラーです。金色は天に輝く星々の色、漆黒の虚空にまたたく天体の色、神々しい神々のイメージ。
そして緑は、電脳空間を走るグリッドの色。コンピュータ技術やトロン技術、AIのイメージ。このへんもシナリオ本編の伏線になっています。
そんな感じでした。TRPGにおけるシナリオというものは週末のセッションのためのもの、今度のオフ会のもの、誰がマスターしても一定効果を出せるようにする必要のある公開用や同人誌用のもの...などなどでいろいろ変わって来ます。
本作はせっかく創るので世界にひとつの、ワン・アンド・オンリーのものを目指しています。そのためこういうグラフィカルな細部にも気を遣って創りました。科学的になるべく矛盾がないよう宇宙コロニーの分類はじめWikipediaでいろいろ調べたり、NASAのサイトを見て「スペースシャトルの後継機かっちょええなあ」と思ったり、こういう作業も楽しかったですね。うーんやはり宇宙はロマンです。