この記事はmixiからの転載です。
この記事は、キャラクター視点の日記の形を取った、セッションのプレイ記録です。
西暦2XXX年XX月XX日
私の名はアンジェリン。呼ぶときはアンジェでいいわ。今年の春にカレッジを出て、ジャーナリストとして就職。この秋に、このトーキョーN◎VAに取材旅行に来たの。私の携えたデータ集合体のカリリオーン・クラスタ、そしてロシアの歴史を調べると必ずぶつかる謎の存在“カラリエーヴァ”。そして偶然、この街でヒットしている映画『星月夜の祈り』。
これらを追って旅してきた私は、冬の女王を求める探索の旅、真実の星月夜作戦を巡る物語に巻き込まれてしまったわけ。
はー、いろんなことがあったんだけど、会った人の話でもするわね。
波島霧江ちゃんは眼鏡を掛けた可愛い女の子で、ジャーナリストを目指すセーラー服の女子高生。この街では有名らしい“N◎VAスポ”という新聞で、恐山イタ子という難しいペンネームで心霊記事を書いてるの。
映画館で初めて本人に会ったのだけど、私、その記事読んだことあったのよ! コロンビア大にいた時のメディア学の講義で、世界の大衆誌の中で紹介されてたの! 書いた人本人に会えるなんて、ちょっと感激してしまったわ。
確かに改めて読んでみたけど、この“N◎VAスポ”ってやっぱり大衆紙ね。品もないし、もしも私が霧江ちゃんだったら、やっぱりもっと上を目指すわ。
霧江ちゃんはニッポンのなんとかいうシャーマンの血筋の末裔で、死んだ人の霊を呼ぶことができるの。
詳しくは語れないけど、夜の公園で起きたある事件で、彼女の中に死んだ人が降りてきたのよ。少しぐらいなら分かるけど、これがずっとなのよ。口調が変わって、男の人になって、延々と喋ってたわ。リリン中佐って名乗ってたけど、あれ結局一体誰なの??
霧江ちゃんはそのままにしてれば、か弱い女子高生のヒロインっていう感じで絵になるんだけど、なんかこう、すごかったのよね。
もしわたしが小説家で、今回の事件を物語にしたとしたら‥‥なんというかこう‥‥微妙な‥‥うん、ものすごく、ぶちこわし感を感じると思うわ。
ヴァルツさんはナイトワーデン社契約のボディガードで、私の警護についてくれたわ。ヴァルツ・サーハイト、時々古めかしい剣を取り出したり、古めかしい鎧で戦ったり、不思議なところもあったけど‥‥うん、でも、他の3人と比べたら一番まともだったわ。
それにヴァルツさんはこう、自然体のままで、なんというか主人公っぽい台詞が出てくるのよね。後で調べたんだけど、N◎VAではああいうのを“真のPC1の資質”と言うそうよ。
私のことをしっかり守ってくれたのだけど、今になって考えると、不思議なことが幾つかあるのよね。なんだか、ずいぶん前から生きてるようなことを言ってたし、夜の公園であの恐ろしい相手たちと対峙した時も、同じようなことを言ってたし‥‥??
N◎VAのボディガードには、自称あるいは他称で、騎士を名乗る者が何人かいると聞いたわ。ヴァルツさんのハンドルは“亡霊騎士”、ファントム・ナイト。‥‥あとで思いついたわ。まさかヴァルツさん、本当に亡霊騎士なの? 話ができて、私のことを励ましてくれたし、触れたし、そんなことないわよね?!
北米連合にも同性愛者のコミュニティはあるけど、おかまパブには今回初めて入りました。しおり“ママ”さんは、いわゆるニューハーフなのよね。
初めて会った時びっくりしたけど、私もジャーナリストの端くれよ。目はごまかせないわ。喉仏があったし、あの人、和服姿は綺麗だったけど♂ね。
アサクサという地域にあるパブ“バナナM◎●N”に入った時は大変だったわ。ヴァルツさんが一緒にいてくれなかったら、私どうかしてたかも。
綺麗な服を着てお化粧した♂の人や、野太い声とクマみたいな大きい体で、でも♀の格好をした店員さんたちが、一斉に私たちを取り囲んで‥‥そう、オオカミに取り囲まれたウサギの気分ってああいうのを言うんでしょうね。もちろん取って食われた訳じゃなくて面白がられただけで、出してくれたお酒はとても美味しかったのだけど。
しおりママはああ見えて凄腕のウィザードで、魔女のアヴァターから怪物たちを率いて秘密を解き明かしてくれたわ。冬の女王の秘密に辿り着けたのは、あの人のお陰ね。
あと、N◎VAの警察官にも一人会いました。N.A.P.D.の隊員はこちらでもいつも見てるけど、ああいうタイプのアンドロイド警官は初めて見たわ。スティールハートGさんはブラックハウンドで試験運用されてる、AI内蔵のロボットなんですって。すごく大きくて、2m以上あるのよね。
ちょっと言語野が調整中みたいだけど、いちおう紳士的な方だったわ。「キュートだ、エンジェル」といきなり言われた時はちょっと驚いたわ。私、名前が Angelin だから語源は天使だし‥‥。
でも、あとで聞いたらあの台詞、女性には誰にでも言うみたいね。もーうちょっと相手によって微妙に言い回しを調整できるようになったら気が利くんだけど、こちらのAI技術ではまだまだのようね。
それでスティールハートさん、本気で跳躍すると凄かったり、車を持ち上げられたり、素手でパンチするだけですごい力があったりするんだけど‥‥気になることがあるのよ。時々描写が途中で止まって、中の人が「以下、ヒートガイJを参照」と言ってそこで終わるのよ。あの省略の仕方、どうなの?!
こうして、いろいろあったけど、私たちは星月夜作戦の秘密を解き明かし、皆さんに空港で別れを告げて、北米に戻りました。
あの後、一緒にママに会いに行くことになったし、そっちの方はまあまあね。他にも収穫は沢山あったわけだし。
ああ、そうそう。私が今書いてる今回の旅行記が出来上がったら、Rのつく財団が「シナリオ」として公開してくれるそうよ。ちゃんとフォーマットも合わせてるから、もう少し待っててね。
私が前に読んだトーキーのドキュメンタリーに、自分を守ってくれたカブトの男の人と恋に落ちた女性ジャーナリストの話があったけど、あれは‥‥ロマンチックだけど、やっぱりカブトへのドリー夢が入ってるわよねー。現実はそんな映画みたいにはいかないわよねー。
‥‥あら? そういえばその話も、N◎VAの女流ジャーナリストさんが書いた話だった気がする。チェックしとけばよかったわ。ええと、なんていう方だったっけ‥‥??
http://www2s.biglobe.ne.jp/~iwasiman/foundation/nova/texts/pre/starry_night_op_061103.htm