Rのつく財団入り口

ITエンジニア関連の様々な話題を書いているはずのブログです。

『レッドドラゴン』雑感

 ティザーサイト公開、TRPGクラスタでこの週末に突如話題沸騰となった星海社の新企画。2011年12月10日夜に情報解禁で日本のTRPG業界関係陣がこぞってツイート、TRPGクラスタでかなり拡散。その後、深夜アニメの『Fate/zero』第10話の途中のCMでも若干むりやりな英語風のナレーションと共に映像でCMが流れて一挙に話題になりました。日本のTRPG関係で映像でCMが流れたというと90年代の懐かしのロードス島戦記クリスタニア、アニメになったナイト・ウィザードぐらいですから、これは快挙ですね。

 Twitterハッシュタグ #trpgTRPGクラスタ界隈を俯瞰していると、様々な感想が出ていて面白いです。
 よく分からないのでなんだこりゃ? 結局商業リプレイの豪華版なのか? という声もあれば、夢の共演に大期待、自分の好きな作家さんが出ていてもうワクテカ!という声もあるし、おそらく年齢層が少し上であろう、ベテランTRPGゲーマー層からは懐疑的な声――どうしてこんなに持ち上げられてるの?という声も出ています。
 よく分からん、懐疑的だという所感もなんとなく分かります。エンターテイメント系の大物クリエイターが揃ってネームバリュー感ばりばりで肝入りでどどーんと出てきましたが、ロール・プレイング・フィクションと名を変えていますがこれって結局何か仕掛けのある新作TRPGシステムを有名人がプレイして、そのリプレイが音楽映像つきで流れるだけじゃないか? そのクリエイターのファンや信奉者、TRPGリプレイファンだったら熱狂できるけど、そうでなかったら商業リプレイで時折見られるような、(汚い言葉を使えば)自慰PLAYを延々と見せられるだけじゃね? とも言えますからね。
 TRPGゲームマスターに当たる部分を担当する元グループSNE三田誠氏は商業リプレイでもTRPG業界のスタープレイヤーが集まるような作品を幾つか手がけていますが、これらの作品も冷めた目で見ると「ふーんそれで」とでもなるような感覚はありますからね。
 筆者はFateを作ったエライ人たちとのコラボはおおやったな!と思いますし音楽がタクティクスオウガの人か、こりゃ凄い!となりますが、TRPG系で人名で小太刀右京とか三田誠とかが出てきてもへぇ、で止まります。というのも御本人を具体的に知っているというか、まあ今ほど有名になる前に自分のサイトの読者さんだった人もいるしその縁で卓を囲んで実際にTRPGセッションしたこともあるし大きな貸しのある人もいるからです。(笑)
 とはいえ世代によって、人によって感想は様々でしょう。いま高校〜大学〜20代前半?ぐらいでラノベやサブカルを嗜んでType-MOON作品やバッカーノ!が大好きで春まではまどマギ、今期はFateTRPGの楽しさにもハマってる!なんて世代の人には間違いなく熱狂の対象でしょうし、始まる前からあれこれ言っても始まりません。見守りつつ今後の情報に期待というところでしょうか。

 評価というかイイと思ったのは音付きの映像でCMが流れたことですね。流行りのアニメをチェックしている人ならみんな知っていることですが、『Fate/zero』は2011年の秋アニメの覇権は確実、人気最高峰ラインです。第11話の『聖杯問答』は征服王イスカンダルの王の軍勢を描くのに力尽きたらしく遂に作画が乱れ始めましたが(笑)、クォリティ的にもアニメファンから高く評価されています。
 Fateを創った人たちがTRPG回りを知ってるのは有名な話でTRPGゲーマーともよくファン層が被っていますが、こういう人気作品でCMが流れるというのは大きいですね。マーケティング的に何を売るのかよく分かりませんが、アニメ回りから興味を持った人がTRPGクラスタにも流れて来るようなムーブメントがまた起こるとよいですね。往年のTRPGファンはみんな『ロードス島戦記』が流行った90年代の頃を思い出すことでしょう。
 もうひとつ注目なのはコンテンツがメディアとしてどのような形式を取るのかですね。BGM付きのプレイ動画的な形になるのでしょうか。ニコニコ動画で注目されているアイマス系のTRPG紹介動画と通ずるような形なのかなという予感もあり、豪華BGMを含めて情報発信のカタチに期待しています。

 ちなみにTwitterで見かけた「レッドドラゴン」というタイトルがありきたりでイマイチだなという感想は筆者も同感です。企画段階でイカす名前を思いつかなかったのかもしれません。RedもDragonもあまりに普遍的すぎる名詞だし、人類の生成した情報の蓄積が完成されつつある現在のインターネットで一番有名なレッドドラゴンは、かのハンニバル・レクター博士を描いた小説&映画の『レッド・ドラゴン』だからです。
 TRPGのシステムタイトルやシナリオタイトルのネーミングと同じで、既存名詞の組み合わせでもいいから検索でトップに来るような新しい名詞がベストなんですね。2011年12月3週現在、Googleだと1ページ10件で3ページ目でこちらのレッドドラゴンの情報がやっと出てきますね。きっとこれから順位が上がっていくでしょう。
 あとはRole Playing Fictionのフィクションはともかく、略してRPFという略語は目新しくてなんかカッコイイですね。ForceとかFrameworkとかFarmとかFighterとかFormuraとか、なんか意味もなくロールプレイングのRPの後に付く今までと違う言葉を連想して新語な感じがします。世の中一般で一番有名なRPFは何を指すのかなと思って調べたら、産業廃棄物から作られた固形燃料のことでした。w

背景画像切り替えとJavaScript処理と初回ローディングでページはかなり重いです。スクロール位置を計算してバックに配置したレイヤー内の画像をJavaScriptで動かしているのでしょう、背景画像が左右から互いに重なりあいながらせり出してくるのはかっこいいんですが……初見の人にまずは軽く情報を伝えるべき広告サイトのトップページでこれはきついんじゃないかな。詳細のCHARACTERページでキャラ名クリックのイベントで動きが始まるぐらいが一般的でしょうか。


 サイト内のもの。ライトノベルの堂々新作シリーズもかくやという感じのPVですね。よーく朗読の英語を聞き取ると、これはネイティブじゃなくてやはり日本人じゃないかなと思います。