Rのつく財団入り口

元はTRPG系のWebサイトの入り口だったブログです。最近のIT本の感想など。

エグゼク枠でやらなイカ:ノエル社長の作成メモ for 『F-L.S』


一心不乱の同人誌シナリオ『F-L.S』を遊ぶことになった際のエグゼク枠のサンプルデータを一部変えて創った新キャストです。実質アクト前1週間を切った6日ぐらいしかない中での急ぎ作成となったのですが、思考の経緯を辿った自分用メモも残しておきましょう。

デザイナーズ・ノート

★N◎VAを遊ぶ上でDetonation時代になった近年の多様化、アクトの機会増大に伴い増えてきたのはやはりインパクト重視のネタや受け狙いのキャスト。ネット上全てだとは言いませんが、よくmixiでもコメントが付いたり「イイネ!」の数が多いのは、たいてい出オチのネタキャラのことが多いです。w
 今回遊ぶ『F-L.S』は珍しい音楽を題材にしたシナリオ。原作者のhide先生は本人をずいぶん前から知ってますが、前にやってもらった別シナリオもタイトルがRadioheadの曲から取られているぐらい熱心なレディオヘッドファン、洋楽ファン、ロックファンのオサレメァン。『F-L.S』本編に付属して載っている参考作品にもかなりのビッグアーチストが載っています。ミッシェル・ガン・エレファントの『SABRINA HEAVEN』も載っていたので、やはりこの前遊んだシナリオ『Night is over』のタイトル引用元がこちらの可能性は考えられますね。


 架空世界のキャラクター設定に安易な最強設定やトンチキ設定は幾らでも可能ですが、というわけで、今回は音楽というアートと音楽を題材にしたこの作品に敬意を表し、リアル寄り――といっても所詮はゲームなのでそれっぽさ止まりのリアルですが――の設定で攻めることにします。


★エグゼク枠のキャストが元いた設定が付くのは、“Dive-in-coal-tor”(ダイブ・イン・コールタール)というかつて一世を風靡した世界的なロックバンド。アクト前にRLに聞いたところ“Dive-in-coal-tor”自体がジャンルになるぐらい有名だったそうですねー。もはやビートルズとか伝説のロックバンド級です。やばい責任重大です。w


 シナリオの物語の核を握る最重要ゲストが、このバンドを率いていたエドワード・クロース。原作のhide先生やイラストレーター・ねねたんたんにも確認していますが(笑)、レディオヘッドのリーダー、トム・ヨークがモデルとのこと。実際のプレイを通しても、いかにも悩めるアーチスト的なところなんかが似通っていました。ご尊顔を並べると確かに似ていますね。


★そんなビッグな背景がついてしまうのでアーチストらしいイメージを考えました。世界中に偉大なミュージシャンは沢山いますが、洋楽で思いつくのはやはりまずアメリカとイギリス。アメリカにもビッグバンドはいろいろありますが、やはりUKロックも捨てがたい。レディオヘッドもUK、ついでに僕の好きなアーチストにもUK多し。w
 Myキャスト陣の中でニューロエイジのブリテン連合王国≒現実世界のイギリスのイメージを代表するキャストというとカブトのアレックスですが、ここいらでもう一人登場してもらうことにします。


★大抵バンドのリーダーというとフロントに立ってカリスマ性ビンビンなボーカルとか時にはギターも弾いたりするのが相場。シナリオ側では明確には決まっていないようですが、この最重要ゲストのエドワード・クロースはボーカルとギターをやっていたようです。
 サンプルデータのエグゼクも作りが支援系になっていることもあり、では縁の下の力持ちのサポート役、バンドで最年少のキーボード担当だったことにします。
 キーボードにしたのは中の人がイメージし易かったからというのもあります。だって〜。ギターのリフでビンビン弾き語りより、オイラはテクノとかダンス・エレクトロニカ系の方が好きなんだも〜んヽ(´▽`)ノ

 まあトム・ヨーク様率いるレディオヘッドもジャンルとしてはエレクトロニカを含むんですけどね。音楽のジャンル分けの話は曖昧かつ奥が深いので音楽好きな人に任せることにして深く考えずにおきます。


★という訳でUK出身と決まったのでネーミングは英語縛り決定。大事な名前を考えましょう。トーキョーN◎VAのような現実架空いろいろ混ざった世界でも、キャストやゲストで外国語名のキャラクターを作るときは、僕はネット上の人名事典を使います。日本人からすると分からない意外な謂れや珍しい名前もあって面白いですね。
 ここで気をつけたのは「日本語で発音しにくい名前は避ける」「シナリオに登場する人名や固有名詞と被らない」「語感が似た名前(頭文字が同じ等)も避ける」「決まっているなら、他のキャストの名前とも被らない」「自分が遊ぶ頻度が高い人の持ちキャスト等の名前と被らない」「TRPG界で被りが影響するような人名と被らない」「現実世界で被りが影響するような人名と被らない」などです。

 しばらく考えて今回はアーチスト縛りにすることにして、有名なUKロックバンドのオアシスの元メンバー、ノエル・ギャラガー(Noel Gallagher)大先生から貰うことにします。

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「ノエル」なら男性名でおかしくないし、何となく柔らかくてアーチストっぽい気がします。語源もクリスマス関連で今の季節に相応しいですね。「のえる」の3文字で日本語でも言い易いし、アクト中も「ノエル社長」とふつうに呼べるでしょう。
 とりあえず思いつく範囲で知り合いのキャストでノエル被りが思いつかないので……次にTRPG界で有名なノエルを確認することにします。
 まず『アリアンロッド』の『アリアンロッド・リプレイ・ルージュ』の主人公がノエルですね。しかし女の子だしファンタジー世界なのでイメージが被ることはないでしょう。

もうひとり……『ブレイド・オブ・アルカナ』の有名NPCにもエステルランド神聖騎士団長ノエル・フランシス・エルマーがいます。
彼女も人気が高かったNPCですが、3rdの時代だと惜しくも三王会戦で戦死してしまったはずです。という訳でTRPG界のノエル被りは大丈夫。

 現実世界の被りは……TRPGユーザを対象にして考えた場合は、多くの場合はその時々の流行りのアニメとかラノベや漫画やコンシューマーゲームなどのエンターテイメント作品で似たような名前がいないことを確認すればよいのですが、とりあえず超有名なノエルは思いつかなかったのでよしとします。これで名前は決定です。


★姓についても、西洋人名は人名事典を使うと楽です。かっこいい名前も沢山あって組み合わせを考えるのも楽しいですね。シナリオのゲスト(NPC)などを考えていて組み合わせがありすぎて困った場合は、僕は時々アメコミの主人公のネーミング方法(姓と名のイニシャルが同じ。スパイダーマンのピーター・パーカーとか)で逃げることがあります。
具体的に言うと「リーゼロッテ・リリエンタール」とか「ファビアン・ファビエ博士」とか「ミミ・モルティエ」とかですね。なはははは。w


 架空の人物なら少しぐらい珍しい名前の方がかっこいいので人名事典でイギリス人の姓を探し……ふと見ると同音の綴り違いで、「アヴァロン」も普通に姓に使われているのを見つけました。ケルト神話の伝説の島アヴァロン、過去と未来の王が眠るアヴァロン、Apple社のりんごのマークとも通じます。
 僕が創ったSFシナリオ『アストライアの涙』にも8つの宇宙コロニーで行われた『アヴァロン計画』が出てきて被っているのですが(笑)、あっちは本物のAvalon、こちらはAvalloneで微妙にスペルが違うのでよしとしましょう。

 「ヴァ」が入ると日本語では若干言いづらくなりますが、現実でもフィクションでもそれくらいはよく出てきます。ノエル・アヴァロン。なんとなくレベルですが、なんとなくアーチストっぽいじゃないかっ。ニュロ!ということで姓名も決定できました。
 ちなみに『F-L.S』作中では、とあるゲストが言葉遊びや暗号好きで、現実のロックバンドにあるようにメンバーや友人を象徴記号で表していたのが分かる一場面があります。ここでノエル・アヴァロンを表す記号はクリスマスの木とりんごのマークだったということにしました。偶然ですがこういう所に役立ってよかったです。


★せっかくなのでハンドルも……ここも英語縛りで考えて、元有名アーチストなので定冠詞のtheもつけて、the Archtect、“ジ・アーキテクト”と、何やらそれっぽいハンドルをつけてみます。
N◎VAファンならたぶん見ているあろう懐かしの映画『マトリックス』シリーズにも、マトリックス世界を作ったプログラムかAI?だったかで白いスーツの老人姿のジ・アーキテクトという人が出てきます。

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 今回思いついた出典はマトリックスではなく、2010年夏の映画『インセプション』からです。侵入チームの中で、潜在意識の夢の世界を構築する<設計者>がアーキテクトという職業名というか通り名を持っています。作中ではエレン・ペイジが扮するアリアドネがやっていました。ちょっと女学生っぽいところが可愛いかったですね。
しかも名前がアリアドネ、ちゃんとミノタウロスの迷宮の関係者から取っているネーミングセンスの深遠さがたまらない。サントラも買いましたがこの夏一押しの映画でした。(´ω`*)
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 話がそれましたが、アーキテクトは設計者、建築家、いろんな多義の意味があります。情報技術の世界でITアーキテクトというとシステム全体を統括して構築していく上級職のことを指します。原語の多義のまま、キーボード奏者としてのアーキテクト、伝説のバンドの音の世界のアーキテクト、新しい世界のアーキテクト、ついでにアクト前の数日で考え付いた凄そう(に見える)設定でアクトの雰囲気もアーキテクトするのじゃぁ〜(笑)ということで採用しました。


★サンプルのエグゼクのデータを見るとエキストラの秘書さんがいて、しかもわざわざ眼鏡美人だと書いてあります。ここは原作の意を汲んでそのまま行くべきでしょう。
 キャスト本人の名前をUKのアーチスト縛りにしたのでこちらも……ということでしばらく探して、かつて一世を風靡したスパイス・ガールズの元メンバー、ベッカムたまと結婚したヴィクトリア・ベッカムから名前を頂戴することにしました。ヴィクトリア(Victoria)は女王の名前だし、いかにもUKらしい名前ですからね。

 シナリオを遊んだ後に本を精読し、サンプルデータ作成者が第二段階(それとも三だっけ?)レンズメァンとして知られる某ティンティン先生だったことをハッケンしました。なるほど、ならば秘書が眼鏡なのも合点がゆきまする。No 眼鏡, No Life!

★ほぼ新造が必要なシナリオなのでサンプルデータが本に付属しているのはよいですね。計算するとPC2エグゼク枠はどうも50経験点(眼鏡秘書さんも入れると51点かも)で作られているようです。データは変えてよいということなので微修正しました。
 まず最大達成値21、キャストがいずれも経験点50点前後……とすると、アクションランク数も普通でしょう。支援で強いのはボーナスよりとにかくまずは手数を増やすこと。相手をボーナスつきで一行動させる<※ジャンヌダルク>も価値はありますが、自分も1アクション使ってしまいます。ここは外してシンプルに強い<※盾の乙女>にしました。他キャストを行動させて何かをさせるイベントの可能性もあったからです。
 また、最大達成値21であればその都度の達成値の低さは手札を回し続けていればほぼカバーでき、情報収集程度は報酬点によるブーストでまかなえます。そこで<社会:企業>の達成地が上がる<※ホットライン>も削り、この低経験点範囲で最大効果を出せる支援系特技を考えてみます。
 社会戦系にシフトしても仕方ないし、音楽が題材ならきっとコンサートやイベントなどもあり、部下がいると絵的にも嵌まるでしょう。ということで<直属部署>でトループ使いにすることにします。
 ランブル思考で考えると強いトループといえば、カブキ、タタラ、またまたミストレス、マネキン、トーキー、イヌ、ニューロ、カゲムシャ……などなど、達成値操作系や一点張りで効果の高い特技を持つスタイル。プレイヤーvsプレイヤー物の対決シナリオならいざ知らず、絵的に想像できないトループは美学に反します。としばらく考えて、バンドのキーボード担当→エレクトロに電子音楽→電脳→本人は経営者だけど電脳寄りの会社にして部下をニューロにしよう、とイメージを思いつきます。
 ニューロなら後から電脳の達成値も上げやすいですからね。ここも支援に役立つ特技一点張りで<※サポート>、トループであれば達成値不足から相手の制御値を抜けない可能性もありますが、予備で<※ツェノンの逆理>で万全に備えることにしました。

 ちなみにこの「低経験点環境で役立つ支援系エグゼクでトループ使い」というデータ構成が、2010年1月にオーサカM○●Nオフに遊びに行くときに作ったおきつねさまの朱音丸とかなり似通っているのですが、あえて気にしないことにします。w


★このトループをニューロにしたあたりも含めて考えが収束し、今は電脳系の企業CEOという設定をつけることにしました。現実世界でインターネットが生まれ、情報革命が始まった後の20世紀末〜21世紀はじめのシリコンバレーベンチャー企業の若い成功者というイメージです。
 そもそもエグゼクというのはペルソナとしては一般的なシナリオでは導入頻出度は高くないのですが、普通に作って所属を選ぶとしたらもう千早重工一択で面白みがありません。2010年末の『ワールドオーダー』で世界が広がるのを期待するところであります。

 今回は元アーチストのキャストの背景設定として存在し、血なまぐさい企業間戦争とは幾分離れた位置に存在できます。定番のチハヤ・ミュージック・エンターテイメントなどにするのもつまらないのでイメージを広げて……新興企業のDIVERGENCE社の設定が生まれました。
 音楽配信ビジネス/音楽SNS/音楽を扱うWebポータルサイト≒ゲーム内世界のウェブコンプレックス/音楽事務所/レコードレーベル/音楽クリエイターの創作サポート/新人アーチスト発掘サポートなどなどを兼ねるという設定です。

現実世界のパソコンではiTunesを立ち上げると最近はPingという役に立つのかよく分からないサムシングがくっついてくるようになりましたが、このiTunes周りをAppleのような垂直統合モデルの独占企業でなく、全ての携帯とスマートフォンfacebookmixiSNS全部とすべて共存夢の100%が実現できた上で、どこか別の会社が考えたような按配ですね。もう少し技術が発達した近未来なら、それっぽさのリアリティを与える実現可能性は十分だと考えています。
 このへんのイメージが完全に固まっていたお陰で、アクト中も色々な演出に使うことができ、アクトの雰囲気を“アーキテクト”することができました。
 アクト当日まであと数日の中で出てきた設定量にふぇい監督がびっくらしておられたよーです。w より若い年齢層のTRPGの知り合いには専門的な話はあまりしないようにしていますが、まあ僕が自重をやめるとこうなるということだな。 ヽ(´ー`)ノ


★ちなみにDIVERGENCE(ダイバージェンス)は英単語としては分岐や相違、数学の世界だとベクトル解析における発散、株式の世界でも用語としてあり、いろいろ意味があります。それっぽい多義の英単語にして「意味なんかないさ」「ニューロ!」という訳ですね。
 ちなみに僕がどこから思いついたかというと、数学でも物理学でも為替株式でもなくて、この前の『Night is over』計画でもBGMに使っていたシュタインズ・ゲートのテーマ曲を聴いていたら歌詞に出てきたからです。 (´▽`;)ハハハハハ

PCゲーム「STEINS;GATE」イメージソング「A. R.」

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★ニューロトループのDIVERGENCE社の愉快な仲間たちにも名前を幾つか用意しましたが、これも今回は全部出典あり縛りで決めました。
まあインターネットの世界を変えた有名人の名前でもぐぐってちょ ヽ(´ー`)ノ


★という訳で音楽の世界からビジネスの世界へ転向した“Dive-in-coal-tor”のサウンドの“ジ・アーキテクト”、ノエル・アヴァロン社長は無事、地軸の傾いた未来世界に生を得ることができたのであります。珍しい音楽を題材にしたシナリオ『F-L.S』の中で、新造キャストとしてはほぼ十分な働きをすることができました。
 元アーチストの独立系エグゼクが必要なシナリオというのはあまりなさそうですが(笑)、過去設定は固有名詞を語らずに大物アーチストとすれば、『F-L.S』体験キャストや他のキャストとも不整合なく運命の舞台に上ることができるでしょう。
 さらに新サプリメント『ワールドオーダー』登場に合わせてエグゼクぢからを増強することもできます。フゥ〜ハハハ全て計算どおり!というのはウソですが、機会があったら今後も使っていきたいですね。
 おまけ画像もいろいろ付けたメイキング記事はこれで終わりです。シナリオ『F-L.S』製作関係者の皆さんも我々が遊んだアクト関係者の皆さんも乙でした。No music, No life!