Rのつく財団入り口

ITエンジニア関連の様々な話題を書いているはずのブログです。

「なん……だと……」×20回:ZZZ『大地の子』

「だから、その子をこちらに渡してくれないと私が困るのです!」

 状況は緊急の度合いを増していた。目の前には、読み上げ可能なカンペを手に、一方的乳幼児奪取の了承を必死に訴える可哀想な女の子。頭脳の方が少々弱いと見える。そしてその奪取対象の赤ん坊は、彼の腕の中から離れようとしない。
 そして周囲には、異形のヒルコの戦士たちがわらわらと現れ、可哀想な女の子に同調するようにゆっくりと近付いてくる。完全な敵性体。だがその戦士たちは小さく、旧世界のゲームに登場するピ◎ミンのような何ともいえない外見は……真面目に戦うには忍びない、戦意を喪失させるに十分な姿であった。
 即時行動が必要だった。赤ん坊の存在が負荷になるが、全力で敵勢力を排除すべきか。小火器のフルオート掃射か黒銀の魔剣で稲妻の如く打撃を浴びせ、戦うと見せかけて直ちに敵手及び敵地脱出行動を行い、定めた合流地点に急ぐか。それとも、真面目に戦うにはあまりに忍びないピク◎ンたちは、1、2発殴り付けるぐらいで分かってもらうか。そして、何をしても分かってもらえそうにない可哀想な女の子は……
 その時、状況に変化が生じた。ストリートの戦場にすべるように現れたのは黒い高級車だった。彼がコードネーム“フラットライン”として知る若いエグゼクティブの娘の車だ。
 防弾完備の堅牢なガラスがパワーウィンドウで開き、中から顔を覗かせた人物がいる。コードネーム“グレムリン”。ストリートで電気屋を営んでいるミュータントの少年。幸いなことに新たな敵性要員ではなく、直で会ったことは少なかったが旧知の人物であった。
 少年は、まるで欲しがっているトランペットを見つけた黒人の少年のように、顔を輝かせて周囲に聞こえる恥ずかしい大声で言った。

グレムリン「うおー、おいあれ本物のデスロード? マジかっけー!」

 若き日に傷心を胸にブリテンを離れ、まだ箱庭だった災厄の街にたどり着いてからはや幾年。死との約定のために数々の戦いを生き抜いてきた彼は、衝撃を受けてマジ顔で今日何度目かの台詞を呟いた。

アレクぽん「なん……だと……」


ど う し て こ う な っ た


 というわけで連休連戦、『天下繚乱RPG』付属シナリオの漫遊記演舞のあとは、短いシナリオをやろうということで同人誌ZZZ vol.2 より『大地の子』を遊んだのでした。

カブト枠:“デス・ロード”アレックス・タウンゼント

【カブト=カブト◎●, バサラ 37/男性 カブト:ナイト】

 ブリテン連合王国出身、元軍人のフリーランスボディガード。夜の力を操る魔法使いにして約定にあらざる死を断ち切る死の卿。特殊部隊出身で隠密行動に優れ、メ◎ルギアムーブが得意。
 妻と娘の頼みでデパートで買い物の帰りだったアレックスは、隅田川のほとりで異常な事態に直面していた。様々ながらくたが流れていく中で、泣き喚く異形の赤ん坊を乗せたカプセルがぷかぷか浮きながら流れ着いてきたのだ。
 数々の激戦を潜り抜けてきたデス・ロードは、周囲に誰も人がいないのを確認すると、仕方なく手近な材木を伸ばして懸命にカプセルを引き寄せたのだが……

Player: 自分なので(ry

 短めの2本目なので希望順を全枠第一希望で出したところカブト枠になってしまいました。あり……これはもしかして一番大事な役? (つд⊂)ゴシゴシゴシ
 きっと今回の話はアニメでいうとメインのストーリーが1クール12話で終わった後の13話目、小説で言うとシリアスな続き物が6巻ぐらいで完結した後の外伝なのでしょう。とマインドセッティングすることにして、マジ顔で挙動不審ムーブを開始するのでござる。

ヒルコ枠:“グレムリン”

【タタラ◎, マネキン, ヒルコ● 15?/男性】

 ヒルコ街周りのストリートで生きている何でも屋“Glory hole”の少年。店は町の電気屋の様相を呈しており、冷蔵庫から家電の修理まで何でも行う。鉄を消化器系で分解することができ、いつもナットを口でなめては別のものに変換している。生体銃器と腐食細菌使い。尖った耳、背中には変異した羽、ヒルコの異形が分かる外見をしている。まだ若い少年だが近所の信頼は篤く、平和主義者にして事なかれ主義者。人間世界にも知り合いがいる。
 店の馴染みだった年上のヒルコの女性レミエル。夫を失い、残った赤ん坊を支えに生きる彼女が姿を消した。グレムリンは彼女を追うのだが……

Player: なま

 なまどんどんが漫画『EATMAN』の年少バージョン的な新キャラを作ってきました。アクト中もNATをいつも舐めています。もうNATろんは跡形もなく溶けました。(嘘)
 将来的な強化も布石に入れつつも、今回は0点ベースで<※アドバイス><※アドレナライズ>メインです。一般人ぽい動きが既婚のおねえさんを助ける少年役によく似合っていましたね。エンディングでモニョモニョの名前が入っていたかもしれないチップも舐めて過去に流すあたりが地味にいいシーンでしたね。
 <※アドレナライズ>は役に立つのですがこの持ち上げ方がまた「イラッ」。人を持ち上げて持ち上げて天井にぶつけるこのフィニッシュ……シリアスなキャストとしては今回の敵以上にハードだったぜ……w
 プロファイル欄の顔イラストがmixiで公開されています。賢明なる読者諸兄ならば何となく分かるでしょう……これはアホの子だと。そう、そうなんだよ!・゚・(ノД`)・゚ ・。

イヌ枠:“フラットライン”紫(ゆかり)・アーデルハイド・水無瀬(みなせ)

【エグゼク◎, イヌ, ニューロ● 20/女性 ニューロ:ウィザード】
 デパート、ファッション、警備、様々な業界に進出した巨大財閥グループ“水無瀬グループ”の当主の一人娘。二十歳になってから社交界デビュー、お嬢様として通っており、多くの部下を引き連れて外食と警備部門の責任者をしている。
 お嬢様になる前はニューロとしてかなり鳴らしており、軌道コロニーのフリーサイド、ヴィラ・ストレイライトへの迷光仕掛けをしたことがある。今でもゲームが大好き。
 黒髪に緑の瞳のお嬢様。胸が少々控えめで、フラットラインと呼ばれると過剰に反応する。
 テロリズムを芸術として操る、算数のできない眼鏡男子フィリップ・イスカリオーテ。極めて危険な彼が脱獄し、大地の元に東京新星市を還す策謀を巡らしているという。策謀が進むごとにメディアに現れ、計画を述べるフィリポ。リムズィンに乗り込んだフラットラインは再び、ヒルコ街を走るのだが……

Player: taka

 先日の『The Exterminator's』に続いてまたまたフラットラインなのです。今回の相手はカブキ的な、いろいろと残念な(主に頭脳が)お人。神業が余るもエンディングで脅威の三連射、ゆかりん無双でがむばりました。
 彼女のリムジンがやっと出てきた時、アレクぽんはやっと安住の地を見つけることができましたね。礼としてマジ顔のシリアスボイスでこう言わねばなりません――「助かった、“フラットライン”」と!


カタナ枠:“カタナ”

【カタナ◎, カゲ, チャクラ 外見17/男性 カタナ:バーサーカー6Lv】
 10年前から17歳の外見を“剣”全身義体で保ち、荒事屋を続けている若者。名はなく、ただカタナとだけ呼ばれている。前髪で顔を隠したいかにもな若者の姿をしている。性格はイカレポンチのカブキ然とした若者で、気の赴くままに騒ぎを起こし、方々でお尋ね者扱いになっている。広範囲のフルオート掃射が可能な“トライバレル”高性能SMGを始め様々な武器を体内に仕込み、単独での戦闘能力はかなり高い。隠密行動に優れ、メタ◎ギアムーブが得意。
 そんな殺し屋にN◎VA軍情報部の櫛田少佐から殺しの指令が来た。文明を憎むプリミティブ・アーシアンの刺客、ネイティブの戦士であるストライク・ホークという女性。依頼を受けた“カタナ”はストリートでふと、知り合いのカブトが赤ん坊を抱いて様子を窺っているのを見つけた。意地悪く笑った彼はメタル◎アムーブを始めるのだが……

Player: 横嶋

 よこしまんが作ってきた戦闘キャラは、外見はエロゲの主人公的な、顔が見えない少年なのでした。中の人が最近『メタルギアソリッド ピースウォーカー』を遊んでいたこともあり、隠密ムーブメントがメタルギア一色に。短めのシナリオだとキャスト間のやりとりがあってこそ面白くなるものですが、アレクぽんのセーフハウスの前で歩哨ムーブを繰り返し、小枝トラップまで仕掛けて「イラッ」とさせるあの一連の流れが面白かったですね。
 Lvが本気なバーサーカーに色即是空から<※羅刹>、<■陽炎化>状態から<※死点撃ち>、攻撃には<※呼吸>反撃とかなりマッシブな作りで戦闘は万全です。戦闘では滅多に起きないまさかの超展開が起こりました。いやあ……なんだ……その……


\《不可知》からのフルオートって強いよね!/

RL: sigane

 しがねさんです。天下繚乱が短めで終わったので、こちらも短めの同人誌シナリオから一編となりました。製作サイドに女性が関わった作品でシナリオ中のあちこちにそれが見て取れます。そういう意味でも女性がRLするのが相応しかったかもしれません。



 まあZZZシリーズの短い話、登場人物数も情報項目数もストーリーラインもかなりシンプルです。TRPG初心者ならともかくもうこれで失敗なんかしようがないんじゃないかというぐらいですが、2本目に丁度良い短めのアクトとなりました。
 登場ゲスト陣でいうと、PL陣の神業予想を裏切って前向き度がストライクだった某女性は影が非常に薄し、某眼鏡の人は無事逮捕。モニョモニョにもちゃんと名前がつき、ゆかりんの助力の甲斐あっておねえさんは“グレムリン”たちの元へ帰還、某可哀想な女の子はカンペを捨てて新たな道を歩むことになり、脇役ながらなぜかキャラが立っていたピ◎ミン的サムシングズは戦士の心に目覚めてヒルコ街の自警団結成、という按配だったので良エンディングといえましょう。
 いやーしかし戦闘の思わぬハプニングには笑いました。Exp0ベースの“グレムリン”を除くと能力のあるキャストが揃い、この頃の初期のZZZシリーズはデータがまだマイルドなのでこうなる可能性はある程度予想してはいたのですが。セットアップ開始前の“カタナ”の最初の行動、モニョモニョを“グレムリン”がゴニョゴニョしたら通ってしまった時の、場の空気が一瞬凍り付いて弾けたあの瞬間がたまりません。“カタナ”の中の人が一瞬浮かべた「やっちまった……」のあの表情が忘れられません。w
 まあ、なんだ、その……


\トライバレルでフルオートって強いよね!/


 TRPGをしているとたまにあるけど滅多にないハプニングを楽しむことができました。(この時しがーねさんはリサーチ中に神業を使わないからだと言っていましたがこれは誤りですね。キャラクターの滅びを楽しむシステムや、最初から神業の使い所がまったくないと明言されているシナリオならともかく、TRPGプレイヤーは自分のキャラクターの生存を第一に考えます。不確定要素が少しでもあるなら神業はふつう温存しますからね。)
 そんな思わぬハプニングもありましたが、これぐらいで折れてしまう面子が集まっているはずもなく。エンディングで奇跡の神業3連発のゆかりん無双を成し遂げた“フラットライン”を始めいろいろと面白いことが起き、大地の子の物語は良エンディングを迎えるのでした。

 ちなみにRLのsiganeさんは本作を数回回してきたそうですが、「(今までの歴代のカブト枠の中で)アレックスが一番挙動不審だった」という、ニャンともリアクションに困るコメントを頂いております。w
 うちのアレックスは設定以外にも、実際にツクダ版の時代から存在し、ほんとうに多くの冒険を経てきていますが、実は今回が初めてのことがあります。

  • 普段は魔剣や銃器で本気で戦っているので、右腕のサイバーアーム素手でデコピンアタックをしたのは今回が初めて。
  • 1アクト中の「なん……だと……」の発言回数が最高。たぶん20回は堅い。


 「なん……だと……」はキャラクター性を崩さないようにしながら真顔でギャグをやるためにあちこちのシーンで言っていたのですが、もう卍解しなくても十分であります。w
 まあどう挙動不審だったかはプレイ記録に書かなければどうせ分からないので、ここでひよこのちからで《完全偽装》して逃亡していくことにしましょう。  ヽ(´ー`)ノ♪♪
 ということで皆さんお疲れ様でした。