Rのつく財団入り口

元はTRPG系のWebサイトの入り口だったブログです。最近のIT本の感想など。

エイプリルフール『ぴよぴよ動画』解説なのだ

 さあ桜の咲く春、新たな門出の季節。ネットの世界でもあちこちでかなり気合の入ったエイプリルフールの冗談が行われました。
 ここは弾幕も張れず、卓ゲM@sterのタグがあるのにアイマスのアイドルたちに会えなかった方たちのために『ぴよぴよ動画』の技術ネタを語るおまけのこーなーです。

http://www2s.biglobe.ne.jp/~iwasiman/foundation_2009april.htm

★画面は2008年にやった『ぴよぴよ動画』と同じで、本物のニコ動さんからページごとダウンロードして修正して作っています。そのままでは使えないのでスタイルシートの呼び先ディレクトリ名など、あちこち変えています。
 本体に影響を与えるスクリプト呼び出しやAPIや諸々は全て修正し、影響の一切及ばない安全な静的HTMLページとして作り直しています。


★ちなみに画面の下の方でソードワールドのリプレイが買えるのは、ページをパクった……もとい参考にさせていただいたのがSW関係の動画ページだったからです。超ごめんなさい(笑)


★動画再生部分も昨年のネタと同じ。左側の動画のところだけがFLASH、再生バーや右側のニコニコプレイヤー部分はスクリーンショットの画像からそっくり画面を作ってスライスで配置しています。コメントも打ち込めません。米職人も出番なしです。w


★動画本体ですが、「紙芝居クリエーター」とかタグを打ってますが嘘です。右クリックすれば分かりますが、これは FLASH で実装しています。w


★さてひとつ動画を作ってみようと思いついた時に考えるのがツール。Windows Movie Maker や Adobe Premiere などが有名ですね。ニコ動画では『ニコニコムービーメーカー』(NMM)がありましたがその後、紙芝居形式動画にうってつけの、その名も『紙芝居クリエーター』がフリーツールとして名を馳せました。卓ゲ者ホイホイ系、iM@S系でも多数使われています。使ったことのある方も多いと思います。


★実はこのツールを今回試そうと思ったのですが、幾つかリスクがありました。シーン別の構成はどうするの? 読み込めるサウンドが *.wav だけ? 動画の *.avi 形式で書き出した後、FLASHで上手く読み込めるか? また、ツール習熟に掛かる時間を加えると間に合うか……etc。これらのリスクがあったので今回はFLASHで作ることにしました。


★ちなみにFLASHでは時間の経過と共にX方向に流れていくコマ数がフレーム。画像や台詞などのオブジェクトをみんな別々レイヤーに配置していく形になります。台詞のやりとりが長くなると当然レイヤーの数もどんどんY方向に増えていきます。
 こまめにシーンを変えれば済む話ですが、このへん規模の大きいムービーになってくるとやっぱりだんだん厳しくなってきますね。根本的なツールの設計思想としては、やっぱり元から紙芝居専用に作られている紙芝居クリエーターの方がベターなのかなあと思います。手が空いたらこちらもいじってみましょうか。


★ムービーの規模が大きいとそれだけ作業にも、作業後の確認にも掛かる時間は増大し、それなりに手間は掛かっています。今回も前から準備を開始し、他の諸々と並行しながら作り込んできました。
 元々普段から頭がマルチスレッドで動いているところに休日にもうひとつ開発案件があるみたいな感じになってきました。w
 とはいえ、かなり勉強になったしいろいろ工夫しながら考えたり作るのは楽しかったですね。TRPG系動画を作っているクリエイターの皆さんが何に楽しみを見出しているのか、気持ちがいくらか分かった気がします。頑張れ、全国のP!


★趣味のページで学校や職場から見る方もいるので、RI財団では音つきコンテンツはあまり作っていないのですが、今はもうブロードバンドの動画の時代なのでどうせ1回きりだし今回はブイブイやっちまおうなのだということで、全編にBGMをつけました。
 音がつくとだいぶ雰囲気が華やぎますね。雰囲気に合いそうな曲を探したり、けっこう楽しかったです。
 実はアイマスのBGMやSE(効果音)は、ニコ動用にあちこちでうpされていたりするんですね。これをツールで読み込んで分解、*wavで書き出し、別ツールで*.mp3に変換、読み込ませる形を取っています。
 やってみると思ったより簡単なんですが、FLASHの中で使えるJavaScriptスクリプトActionScriptで制御するのが若干手間取りました。動作確認にもその分時間が掛かりますね。だいぶ勉強になりました。


★SE(サウンドエフェクト)の方も同様、SE集をツールで読み込んで分解、数秒のサウンドは*.wavでも重くないのでそのまま使用しています。メニューでボタン選択時の音や場面変更の音など、アイマスそっくり感を入れています。
 ところで僕は作業時にテキストやHTMLや画像や諸々のファイル名はほぼ必ず英数字できちんとつけているんですが、サウンドになるともう分からなくて適当な日本語です。「アイマスSE_ぴっ.wav」とか「アイマスSE_どんどん.wav」とかの世界ですよ。普段からやっている方はどんなファイル名つけてるんでしょうね。w


★背景素材の方も、ニコ動用にうpされているアイマス動画用のものを借用させていただきました。卓ゲM@ster系動画でどっかで見たことのある背景もあると思います。会議室の画像なんかはよくTRPG動画のセッション場面の背景に使われてますね。
 もう設定は未来のニューロエイジ世界で「千早重工本社ビルは大きいなあ」とか言っておいてオーディション会場だったり、アットホームな家庭の背景は亜美・真美の家だったり、もう全国のアイマスファンの皆さんには申し訳ないキモチで一杯ですが許してください。w


★基本はキャラ絵が出現して台詞が流れる紙芝居形式で、どう変化をつけるか。いつもは漫然と見ているニコニコTRPG動画も、この製作のために改めて、どんな工夫がなされているかよく観察しながら拝見しました。
 発話していないキャラクターがセピア色に変わったり、アイマスキャラの豊富な表情変化やポーズの違う画像で変化をつけていたり、D&D系だと氏名に添えられた表情アイコンがくるくる回ったり、みんないろんな工夫がなされていますね。大したものです。
 今回のぴよぴよ動画では、以下のような工夫をつけました。

  • 割り込んで発話する演出のキャラクターは画面の外からさっと入ってきたり、動きを工夫する
  • 発話していないキャラクターは画像の明度をちょっと下げる
  • 画像をぴょんぴょんジャンプさせたりして動きをつける
  • 汗や太陽や星マークやキラッ★の表情アイコンで感情表現を補足する
  • キャラクター出現時や動きに合わせてサウンドエフェクトを付ける

 みな途中で思いついて付け加えていったものですが、なるほどやってみると表現が豊かになっていきますね。ほんとは喜怒哀楽などの数パターンのキャライラストがあるとさらに良いのですが、こんな冗談ページのために依頼する訳にもいかず。上のような工夫でフォローする形になりました。
 アイマスキャラは、このへんの表情別の素材なんかも豊富なので強いですね。


★ブロードバンド時代なのでもう大丈夫だろうという前提で作っていますが、今回はムービーの長さも今まで作った中で一番ですが、ファイルサイズも一番です。でっかいです。
 RI財団で今まで製作したオンラインリプレイのFLASHトレーラー、オリジナルシナリオのトレーラー類は大体2〜3分ぐらいで600KB〜1MB程度です。mp3の曲が1曲で2MB〜6MB程度、おまけでこっそり音をつけると合計で足した値となります。ちなみに2008年のぴよぴよ動画のムービーはあれで700KB程度。
 今回は、内部で4つに分割していますが、総計41MB。でっかいムービー禁止です。画像もたっぷり使っていますがそれは大したことはなくて、ほとんどを占めているのは音ですね。マルチメディアになると途端に大きくなる。
 今さら言うまでもないですが、テキスト→画像→音楽→動画 と進化するに従いファイルサイズはどんどん大きくなりますね。それに耐えうるようにインターネットの帯域幅も進化してきた。世の中進んだものです。。
 ちなみにRI財団を置いているサーバーは、プロバイダーとの契約で使用容量は100MBにしていたのですが、このぴよぴよ動画のお陰で拡張することになりました。FTPでうpの最中に容量が一杯になって止まるとは……w


★作っている最中もいろいろ発見がありました。困ったのが、終盤になってムービーが長くなった頃にBGMは続くのに動きが突然止まってしまうこと。ぐぐるとすぐに分かったのですが……

 FLASHは時系列で進んでいくコマ数を「フレーム」というのですが、なんと最大値は1万6千フレームで制限されているのでした。マシンのメモリやリソース占有量を考えて安全のためにアプリケーション側で制限しているんですねー。ぴよぴよ動画も調べたらきっかり1万6千フレームで止まっていました。紙芝居動画でFLASHの限界を超えてしまった訳ですよ。w
 FLASHは現在は Adobe が出していますが買収される前は Macromedia、その前はまた別の会社が原型を作っており、1990年代から存在します。当時はインターネットの帯域幅も狭く、ここまで長いムービーは作成対象として想定していなかった訳です。1秒あたりのフレーム数(fps)を10とすると1万6千フレームで1600秒、限界は約27分ですね。
 当時はまだ、YouTubeニコニコ動画で現在のようにでっかいファイルサイズのムービーが快適に見られる世界は予見されていなかったのです。おお、なんだかインターネット世界の移り変わりを実感しましたよー。

 ぴよぴよ動画の方は16000フレームを超えた分のシーンを別のムービークリップ(ムービーの中で再生できる子ムービー)に切り出し、計4つに分割して回避しています。公開時は1秒あたりのフレーム数を10から7に落として35分+ぐらいなので……総計2万フレームちょっとぐらいかな?


TRPG書籍の画像なんかは某尼などから借用していますが、これもけっこう量があって集めるのも一手間掛かりました。日本で流通したTRPGも概観するとかなりの量になりますねえ。
 そしてちょっと困ったのが、動画作成中も次から次へと新製品が出ること。2009年現在のTRPG界はリプレイ書籍なんかも活発でどんどん出ていますが、この繁栄が続いてくれるとよいのですが。
 一応新作システムは『セイクリッド・ドラグーン』と『ガンメタル・ブレイズ』まで、書籍系はデモンパの『極道★キラリ』やSW2.0の『たのだん』2巻、ブレカナの『剣十字の騎士』、R&R別冊の『Read&Lead』最新刊などなどまで、いちおう2009年4月1日現在の最新の状態になっています。


★スタンダードな国産RPGからマニアしか知らない濃ゆいネタや翻訳予定のまったくない洋ゲーまで、いろいろ揃えました。日本で雑誌記事やサプリメント、リプレイ等サポートが続いているアクティブなゲームはあらかた作中で網羅されているはずです。
 ムービー内のストーリーの都合などもあり、自分でも分かっているんですが幾つか抜けがあります。FEARゲー系も幾つか抜けてますね。Role&Roll系だと六門とゲヘナが抜けてますね。好きな方どうもすみません。w


★さてTRPGの背景世界は架空世界のものも多いですが、明確に現実世界の先の未来となっているものもあります。
 トーキョーN◎VAの背景であるニューロエイジもそのひとつ。いちおう世界滅亡に近い災厄が起こっていますが、災厄前のものが全て消滅した訳ではない。コンピュータ技術も現実の延長だし、では災厄前に存在したTRPGという娯楽を発見することも理論的には不可能ではないんじゃないか……?という発想を元に、今回はTRPG内世界のキャラクターがTRPGを知って遊んでしまうというメタなネタでやってみました。
 なんというか「もしもあの世界に2ちゃんねるがあったら」とかTRPG漫画の『くいすた』的なノリですね。w


★現実でも、全ての情報をWeb上に再構築するという大望の元にGoogleが紙の本のWeb化を進めています。アメリカ出版界の反発もありスムーズには進んでいませんが、将来には何らかの形になるかもしれません。日本では公式サイトでのキャラクターシートのPDFダウンロード程度ですが、アメリカではPDFルールブックの電子書籍販売も行われています。近い将来には、オンラインでもっといろいろ手に入る時代になるかもしれません。
 その情報がローカルマシン上ではなく、クラウド・コンピューティングの時代にネットの向こう側に残っていれば。YahooやAmazonマイクロソフトIBMのデータサーバのマシンの残骸が災厄を耐え抜き、人類の知の遺産を未来に残してくれれば。インターネットから数世代後に進化した電脳空間から、時の塵の向こうに埋もれた旧世界の情報を探すことはできなくはないんじゃないか……? というユメを元に考えています。
 ちなみにどんなに技術が進んでも時を越えて21世紀のニコニコ動画にアクセスするだけでなく操作するのは無理だと思いますが、まあそこはSF的マインドに従って軌道衛星の超技術力と《電脳神》でなんとかしたということでヒトツおながいします。w


★ちなみにこういう「もしもあのキャラがTRPGをやるとしたらどのシステムを選ぶか」「どんなキャラを演じるか」は、漫画のくいすた的なノリで想像してみると意外とけっこう楽しいです。iM@S架空戦記系動画もこういう発想が元にありますね。
 皆さんも暇なときに自分のTRPGキャラで想像してみましょう。w


★インターネットの進化と共にTRPGも進化してきました。ツール『どどんとふ』が脚光を浴びたりしている昨今、オンラインでのセッションも様々に工夫がなされています。いろんなツール類も国内/海外で公開されていますね。
 そして同じく新たな動きがTRPG系動画。【POP UP TRPG】さんの週間話題アンテナにもいつも新着動画が載っていますが、様々なシステムで様々な工夫がなされた動画がうpされています。最近は遂にアイマス×銀雨(シルバーレイン)まで登場しましたね。
 この辺に新しい何かが見えてくるのではないなかあと思っています。頑張れ、全国のPの皆さん!


 ちなみにトーキョーN◎VAの動画ってあまりないんですよね。霊◎先生のTRPG講座やナ◎フ◎ッジは見つけましたが。どなたか「トーキョーN◎V@」な動画(それともアイマス風ネーミング的には「N@VA」か?)作ってくれませんかね。w


★というわけでした。現実世界では今年の春は不況に就職氷河期再びに経費削減にと厳しい昨今ですが、今年度もどうぞ楽しいTRPGセッションを! ヽ(´ー`)ノ
 とりあえずおまけムービー製作も終わったので、ひよこPはちょっとPSPやってくるみたいです。(台無しだ)


おわり