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テロねむFLASHうらばなし


 さて2007年8月17日のコミックマーケット72、電源不要 西や-01bにて頒布の一心不乱プロダクトシナリオ同人誌『テロリストは眠らない』は大好評を博し、100部を超える好調な売れ行きを見せました。
 売り場でもその場で使われた販促のFLASHトレーラーは前から依頼されてRのつく財団が作っています。
 ライブRPGももうすぐですので、今宵はお買い上げの皆様等のために、このテロねむFLASHにまつわる裏話などをして差し上げませう。


RI財団デリリウムザ・ビブリオテーカ『テロリストは眠らない』FLASトレーラー フルスクリーン版


一心不乱Webサイト



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★インターネットの移り変わりと共に閲覧するマシンの画面サイズ、ブラウザでよく使われるサイズも変わってきました。(昔より大きいサイズになってきています。)
 RI財団のコンテンツはHTML形式のプレイ記録等も、昔ながらの幅600pixelぐらいで足りるように基本的に作っています。そのためFLASHトレーラーもだいたい同じぐらいのサイズで作っています。
 シナリオ『セレスタイトの杯』、オンラインリプレイ『オリンポスの英霊』『ネヴァーランド動乱』『竜のすむ星』……etc、サイズは横550pixel*縦400pixelです。




★今回はコミケ会場での再生を想定し、ノートPCの解像度で画面いっぱいでなく2/3ぐらいでどれぐらいだろう……と考え、横700pixel*縦500pixelで作っています。
 実際に作業して分かりましたが僕の製作環境ではこれぐらいが限界ですね。というのはツールを用いてムービーを作成する際は、この画面の大きさの外側にアプリケーション側のツールバーやら何やらが加わるので作業画面が一杯一杯になってしまうためです。もっと大きいムービーは作れることは作れますが、作業効率が低下するでしょうね。


★遠目から見ても目立つように、テロとの戦いを描いたすっきり力強い書体で、本の方でも万が一同じフォントを使う場合に備えて……ということで、メインの英文フォントはWindowsであれば標準で入っている Impact を使っています。タイトルロゴ初めあちこちで出てくる極太文字ですね。
 もうひとつのサブのフォントはこちらも本で使う場合に備えてWindows標準の、Courie New を使っています。


★映画のトレーラーも黒背景がほとんどですが、黒の方がインパクトを与えやすいため、テロねむFLASHも黒背景で作っています。そのため、登場ゲストとサンプルキャストのイラストは反転させて使っているんですね。背景をコミックが流れていく一瞬など、透明部分で後ろが透けてしまっています。このへんは何とかしたかったけど無理でした。
 ちなみにコミケ会場で遠目から見た際は、やっぱり白背景の方がよかったかなとも思いました。w


★テーマカラーは、今回は重苦しくちょびっと攻殻っぽく、暗い青緑の #339999 を使いました。文字のグロー、シャドー、ラインなどあちこちで使っています。




★ここだけの話ですが実は今回、目を引くように大きめに作るという以外、ほとんどクライアントからの要望がありませんでした。w
 映画版『トランスフォーマー』のロボたちを見せられて「HEY! 変形したらこんなになるおもちゃ作ってちょカモ〜ン」とハリウッドから適当に頼まれたタカラの社員の気分です。w


★手元にあったのはラフ段階のイラストと校正中のテキストのみのシナリオ。ここからテロねむWorldのイメージを構築し、具現化すべくかなり苦心しました。
 ラフイラストの一部をムービー内にとりあえず組み込んで動かし、基本的な流れを構築。ここから細部の作りこみを続行。関係者にこっそり教え、正式版イラストの完成ごとに組み込み直して最終版を完成、という工程を経ています。
(ペン入れしたり清書すると同じ絵でもかなり感じが変わるんですよね。ラフイラスト段階からだいぶ新しくなったり大きさが変わった絵もあり、こちらも実は焦ったりしました。ムービーはラフも併用しています。)


★本作『テロリストは眠らない』は昔の版のシナリオを僕がPLとして遊んだことがあり、雰囲気やテーマ、主題、イメージソースとして似た作品はどれか、などなどを僕が理解し、イメージできているのが幸いしました。
 こういうのは大事で、例えば杯作戦続行中のしなりお『セレスタイトの杯』のFLASHトレーラーは、イラスト発注からムービーを作っていた頃、実は僕が仕事がひじょ〜に忙しかったのですが、トレーラーは設計から完成まで非常にスムーズに進んでいます。というのは自分で作ったシナリオなんだから当たり前ですが、雰囲気もテーマも完全に理解しきっていたからです。
 イメージの共有というのは大事ですね。これが、例えば僕のまったく知らないシナリオであれば、トレーラー作成に掛かる時間も難易度もまた変わってきたことと思います。
 たとえばふと思いつきましたが、依頼されたのがN◎VAファンにイロイロな意味で名高い通称TSSだったりするとアレですね。『Gray World』のトレーラーを頼まれたらたぶん僕も二つ返事でOKしそうですが、『王の●還』とか『月が、●う』だったりすると相当もにょると思います。w


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★最初のシーンは端末のコンソールをイメージしています。コマンドラインで打ち込まれるコードは "terrorist never sleeps"。――テロリストは眠らない。これはある伏線となっています。


★浮かぶ言葉は……a chihaya film。謹製チハヤフィルムの映画で御座います。映画の予告編トレーラーのような気持ちでご覧下さいませませませ。何ゆえか時計らしきサムシングが見えるのは、いや、ソノ……
 このトレーラーもしくはトレイラー(Trailer)という言葉、映画の世界ではお馴染みなんですが(他にはプレビュー Preview も同義)、TRPGの世界では例の「アクトトレーラー」「セッショントレーラー」という言葉が生まれてから使われだした、比較的最近の言葉ですね。


★クリスマスの故郷に降りしきる雪。あの美しい光景は、もはやユーリ・マカロフの心の中にしか残っていないのでしょう。でもこの雪はオンラインリプレイ『ドゥームズデイの雪』のFLASHトレーラーで使ったものと同じです。ブリテンに降った雪を再利用してます。はっはっは〜 ヽ(´▽`;)ノ


YouTubeニコニコ動画の動画と同じく、FLASHにはマルチメディアデータを受信しながら同時に再生するストリーミング技術が使われています。データがあまりに重いと受信が間に合わず止まってしまうこともあるわけです。
 本作では、その後の動に繋がる前のユーリの独白の静かなシーンなどあちこちで、裏で重いオブジェクトのデータのプリロードを行って先読みし、再生が途中で止まる現象を排除しています。(ISDN回線の 64[kbps] 程度の遅さまでなら大丈夫です。)
 環境によっては最初の1回目、雪のシーンなどが少し長くなるかもしれません。読み込みに時間が掛かっても、降る雪は止まらずに動きが続くようにしています。
 こうした、動きの少ない静のシーンでその後の動に先駆けて裏で先読みをするのは、ストリーミングのムービーでよく使われる手法です。


★ところで最近は、プレイステーション・ポータブルでもFLASHが再生可能だそうですね。さすがにPSPで動作チェックはしませんでした。というか持ってません。w 試していただけると幸いです。ついでにスマートフォンでも誰か試してください。w


★登場するカタカナ人名のアルファベット及びロシア語の綴りは、現実にありえる綴りを調査しムービー内で使用しています。同人誌本編と違うとまずかったのですが、幸いなことに本編のゲスト解説に綴りまでは書いていませんでした。w


FLASHで動くサイトなんかでも、映画サイトでテーマ曲が流れたりするところがありますが、FLASHには音も組み込むことができます。学校や職場での閲覧環境に影響を与えてしまふのと、さすがに作曲家に知り合いがいないので僕もやったことがないのですが。曲と完全にシンクロしたムービーというのはなかなか難しいんですよね。
 このテロねむFLASHにもジツは作者側の脳内BGMは決まっていて、攻殻機動隊のサントラになっています。『攻殻機動隊 O.S.T.3』の2曲目『トルキア』や、『攻殻機動隊 S.S.S.』の1曲目『Player』が、作業中にはいつも流れていました。w
 制作スタッフ陣で考えた想定BGMとしては、他にクラシック曲などがあったそうですね。機会があったら音が流れる版も検討してみましょうか。


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★最重要手配犯ユーリ・マカロフトーキョーN◎VAに現る! 映し出されるのは、各国の法執行機関の協力を得て膨大なデータが収集されているブラックハウンドの誇る統合データベースの人物ファイルとゆ〜設定になっています。日本の特務警察なのに何故データが英語かというと、まあ映画版なのでそういうことにしてください。w


★データベースによればユーリのThreat Rating(脅威力レーティング)はAAAで最高クラスです。シャドウランで言うとダイスプール常に6個とかです。とか言ってSR4ではルールが新しくなっているので嘘です。w


★ブラックハウンド本部に仕掛けられる電脳攻撃。千早冴子課長と共に必死に対応している隊員はシナリオ、ハンドアウトコミック共に特に指定はないようですが、ボキュの心の中では彼女は(敢えてメモリ巡査でなく)聖美・キーファー巡査ということになっています。w


★ブラックハウンド・サテライトの衛星設備が、GPSによる座標計算からPC1が無事健在なのを確認! 場所はエトロフ特別区! ここに出てくる航空写真らしきものは、実は現実世界の択捉です。w


★流れてゆく登場人物たちのアップ。今回はトレーラーコミック、ハンドアウトコミックも入手したので予兆っぽく背景を流れていくことにしました。これらの画像がファイルサイズが大きいのでプリロードを工夫しています。


★サンプルキャストやゲストの台詞は、実際のアクトできっと彼らが言ってくれそうだと思った言葉にしています。はっはっは、シナリオの「行間」を読めばみな全てちゃんと書いてあるので、全てシナリオ通りですよ。 (´▽`)y-~~~
 といいつつ同人誌本編とだいぶ違っている罠。w


★ローラさんのめがねぱわーがキター! 実は僕がPLで遊んだ時は確か眼鏡は掛けていなかった(はず)なので意外でした。w キャリアウーマン風ですね。薄い胸がまたなんとも(ry


★そしてエロいイラストレーター・修行先生によるジーナたんが! こんな直球ストライクのキュートな萌えっ子に! 実はラフイラストはバストアップ以外に全身像があって、服装は下も夏らしくホットパンツで脚線美がもうウハウハ(死語)でした。w
 僕がchihayaせんせいにRLしてもらった時のジーナたんの脳内イメージは、その頃はイラストがありませんでしたがあんまりこんな感じじゃなかったんですよね。w (もう少し年が下の少女な感じのイメージがありました。)
 まあとにかく、ヒロインを求める野郎キャスト共の心を捉えて離さないこと間違いなしでしょう!☆


★うーたんぱわーのイラストレーター・詩(ウタ)先生によるサンプルキャラの男性フェイトがキター! うーたんらしく服装がオサレですね。
 きっとこの人は年の頃は20台後半の大人、特に超人な設定な戦闘系でもなく地味なストリートが似合う、うーたんたんが好きそうなタイプのちょっと斜に構えたハードボイルド探偵さんなのでしょう。
 もうね、フラグが立つとかヒロインを拾うとかそういうのはもうどうでもいいんです。彼女との約束の為に、男は一人決意を固める……イイ!


★このフェイトはスタイルはフェイト, カブトワリ, カブトあたりではないかと勝手に思っていたのですが。完成版を見たらレッガーだった罠。w


★ヒャッハー! “テロねむ”のがつ担当、ネストルたんがぎゅいーんと分身しながら降臨! 贖罪の十字架を担ぐ不死身の殺し屋が分身しているのは、シナリオのある伏線となっております。
 オブジェクトをずらしながら実現しているこの分身は単位に直すと 5[ネストル] なのですが、皆様の脳内では 300[ネストル] ぐらいに変換していただけると幸いです。合言葉は「ネストルを舐めるな!」(うそ)


★そしてうーたんイラストのPC4サンプルキャラ、女性カタナもぎゅいーんと分身しながら登場! 分身できるのは超人の特権、ビッグナンバーの特権です。皆様も是非ぎゅいーんとしてください。(うそ)


★この女性カタナ、ラフイラストだと眼帯をかけたもっと若いキャラクターだったのですが完成版だとだいぶ感じが変わりました。ファー付きのネックに細い肩を出したコス。携えるのは日本刀、サイバーパンクの印のミラーシェード。スタイルも抜群でオサレでセクシィですね。萌え!(笑)
 台詞はハンドアウトコミックにある通りの「このクズ野郎」に変えようかとも思ったのですが、ちょっとあれなのでお試し版時点の「この野郎」のままにしています。


★どうでもいいのですが、この女性カタナのサンプルキャラのデータは強いと思います。w


★スーツに髭の謎の天才指揮者セルゲイ・ストラヴィンスキー。ラフイラストの段階からこの人はかなり渋男性でした。シリアスなシナリオにはこういう人が欠かせません!


★サンプルキャラのトーキー。ラフイラスト及び完成版イラストの段階では、僕の中では彼はスタイルはトーキー, ニューロ, カブキあたりで10代〜20代初めの若者。ニューロタングやオーサカ弁を喋りそうなお気楽な賑やかし役、というイメージになっとりました。完成版もそのイメージを継承した若者キャラになっています。ほりのイラストのハンドアウトコミックでもそんな感じになっていますね。


★そして、完成版を見たらカブキではなくミストレスだった罠。w


★そして堂々主役のサンプルキャラの女性ハウンド隊員が登場!
 イヌ萌えのイラストレーター・ほりの皇子の描く普通めの制服姿のイヌもそれはそれで萌えるのですが、うーたんイラストのこの女性イヌは何やらおみ足のあたりが眩しくてすごいことになっています。これは改造制服なのでしょうか。
それともハウンドの制服にはバージョンが幾つかあって女性隊員はみんなこんな格好をすることも……(*/∇\*) キャーッ!www
 僕も昔からN◎VA関係でいろんなサークルさんの同人誌やサイト等でイラストを見てきましたが、キャンペーンで作られた独自色のあるサークル内世界等の有名イヌキャストの絵を見ると。
 ブラックハウンド隊員という設定のキャラクターは多いんですが、みな実にいろんな服を着ているんですね。かくもブラックハウンド制服の謎は深まるばかりです。w


★そして、オフェンス担当のハウンド隊員だと思っていたらサンプルデータを見るとマネキンだった罠。w


★そして幽鬼の如く佇むエトロフの亡霊――ユーリ・マカロフ。単なる障害ではない、戦う理由のある信念を持つテロリストというのは、映画にドラマに冒険小説にも、様々なフィクションに登場する要素です。RLする方も燃えますね! たまりません! 小生もこういうキャラは大好きです。熱いぜ!



★最後の方に出てくる宣伝文句は、製作段階では「N◎VAファン各方面の有志の力が『細胞レベル』でここに結集。」となっていました。下の方に閃光と共に現れる文字も『テロねむ』の4文字ではなく『要時間管理』の5文字でした。
 しかぁし。今回のクライアントであるchihaya先生から「ちょいと恥ずかしい(w」と要望があったので泣く泣く変えまちた。今回は金をもらっていないのでビジネスではないですが、顧客要望とあらば仕様を変更して応えねばなりませぬ。うぅ、残念です。閃光が出るタイミングとかチョ〜がんばったのに……www


★一番最後には、【一心不乱WEBサイト】での解説ページでも使われているバナーを載せています。この目のシンボル及び、別バージョンの墓標に刻まれた目のシンボルとロシア語の文字は本の方でもたびたび使われていますね。
 こういう繰り返し使われるシンボル、色使い、フォントやレイアウトなどは対象のイメージを統一するのにとても重要なんですが。分かってれば本と似せて作るんですが、何せこちらは何もないところから作りましたからねー。w
 同人誌本編とFLASHトレーラーでは、雰囲気が違っています。まあ、テロねむFLASHの方は趣をまた変えた映画版だとでも思ってくださいませませませ。 (っ´▽`)っ


★一番痛恨なのが裏表紙。シナリオ名のアルファベット表記が思いっきり"Terrorist IS Sleepless"になっています。FLASHトレーラーでは"The Terrorist Never Sleeps"。シナリオの主題を考慮に入れた強い否定と字面を考えてこちらにしています。
まあ両方英語として意味は通じるのですが、ぎええ〜w


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 HTMLの限界を超えて自由な表現ができるFLASHはWeb技術としてはお馴染みとなり、出来のいい企業サイトや映画のサイトなどでもよく使われています。今後FLASHがデフォルトになるかというとそうではないのですが、今後もWebの世界を彩っていくことでしょう。
 世の中にはほんとうに美しいFLASHムービーもあり、僕も余裕があればもっと上を目指したいのですが。本業の方もあり、なかなかというところです。その後はFLASH Video形式がYouTubeでも採用され、動画も簡単にblogやSNSに貼り付けられるようになってきたので、今後はこちらも発展してゆくでしょうね。


 というわけでうらばなしは終了です。シナリオの方はぴよぴよぴよっと時間管理しながらぜひ実際に遊んでください。あなたの“テロねむ”がエキサイティングなアクトになりますように。僕もいつかメンバーがいればRLしようかと思っています。

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