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【Autobots, 】トランスフォーマー【Roll Out!!】

 やァ、地球のよい子のみんな。楽しい夏休みを過ごしているかな。パパとママのいうことをよく聞いて、熱中症には気をつけよう。
 今日はアメリカでもぶっちぎり大人気のこの夏一番熱い映画、トランスフォーマーを紹介しよう。
 なお、映画の内容に触れているけど、映画を見る楽しみがこれぐらいで損なわれたりしないことは約束しよう。セイバートロン星から連綿と続く機械生命体たちの戦いを知るキミたちになら分かるはずだ。さあ一緒に、トランスフォーム・アンド・ロール・アウト!(アニメと違う効果音付きで)


☆     ☆     ☆     ☆     ☆

オートボッツ(Autobots

 懐かしき故郷セイバートロン星を失い、長い流浪の旅の果てにこの地球にたどり着いた機械生命体。日本版のアニメではサイバトロンと呼ばれていた善の側のトランスフォーマー軍団だ。みな変形は車、だいたい色がついていて分かりやすいぞぅ。

オプティマスプライム

 日本ではコンボイと呼ばれていた、言わずと知れたあの何回も死んでは復活する司令官だ。大きなトレーラートラックに変形するぞ。吹き替え版はちゃんと玄田哲章さんの声で泣けるぞ。全ての生命には自由の権利があるというポリシーを持ち、地球の幼い生命を尊重するナイスなリーダーだ。その上人の家の前で5分も待てないし、取っ組みあってハイウェイから落ちちゃったり、リーダーだけどドジっ子だぞぅ。

バンブルビー

 黄色いボディにつぶらな瞳の可愛い少年キャラで主人公少年のボディーガード役だ。クラシックなシボレー・カマロ1974年型に変形、途中からふてくされて最新型のかっちょいいシボレー・カマロ・コンセプト06をスキャンしなおすぞ。主人公のヘタレ少年が中古屋でバンブルを買った時から、運命は動き始めるんだ。
 主人公とヒロインとデートすると勝手にムーディなBGMを流したり不機嫌になると勝手に走り始めたりするけど、人間との交流役はバンブルなんだ。健気なバンブルは女性にも人気だぞぅ。

ジャズ: (日本ではマイスター)

 オートボッツのナンバー2のムードメーカーだ。ショーウィンドウに飾ってあったかっこいい銀のポンティアックをスキャンして変形するようになるぞ。ボディは比較的小柄で、色がメタリックなのでディセプティコンズと間違わないようにしよう。
 陽気に空中で変形したり人間のレイディを庇ってミサイルを避けたり、ノリノリだぞぅ。でも、最後はノリ過ぎて(ピー)様に(ピー)されちゃうんだ。我らは偉大な同志を失った。オォ〜ゥ、ジャァ〜ズ……(ρД`)ノ

アイアンハイド:

 ドゥ・ユー・フィール・ラッキー、パンク? オートボッツの武器担当だ。プールから出てくると歯の妖精さんと間違われて可愛い女の子といきなり出会うけど、少女にトランスフォームするはやめてゼネラル・モータースの黒い4WDクルーキャブを選ぶ硬派の漢だ。TF形態では腕の砲を撃ちまくるぞ。小さな犬のモジョにおしっこを掛けられると銃を向けてくる、ちょっと怖い戦闘系おじさんだぞぅ。

ラチェット:

 オートボッツのメディック担当の衛生兵だ。日本では馴染みが薄い、黄色いレスキュー車に変形するぞ。謎のビームでどんなダメージも治せるぞ。でも、バンブル君の声は治せないあたりもかなり謎だ。とにかくもっと仕事してほしいぞぅ。

ディセプティコンズ(Decepticons)

 日本ではデストロンと名前が付いていた、メガトロン様が率いる悪のトランスフォーマーだ。いずれもフォルムに曲線が加わり、金属色がメイン。顔もみんな悪っぽくて全力で悪だと主張しているぞぅ。みんな眼鏡が好きなんだ。

メガトロン:

 悪の権化、破壊大帝メガトロンだ! 顔からして全力で悪だぞ。ワルサー拳銃に変形するバージョンもあったけど、映画版ではエイリアン戦闘機のエイリアンジェットに変形するんだ。強大なパワーを秘めたキューブを追って、地球が大変なことになるんだ。声はヒューゴー・ウィービングでメァトリックスのエイジェント・スミスと同じだよ。悪らしく高いところと名乗り合いが大好きなんだ。
 でもメガトロン様ははるかな昔、うっかり地球の北極に落ちて氷付けで動けなくなり、アメリカの超ひみつ機関にずっと閉じ込められてたんだ。オプティ司令官と同じでだいぶドジっ子だぞぅ。

スタースクリーム

 愛称スタスク、次期メガトロン様の座を狙うナンバー2だ。メガトロン不在の間、ディセプティコンズを率いて宇宙を旅していたんだよ。
あの世界最強のF-22ラプター戦闘機に、1カットで変形するシーンは超カッコイイぞ。『ダイハード4.0』でマクレーン刑事に倒されるあのF-35ライトニングとは大違いだ。空中からのミサイル攻撃で人間たちもたじたじだ。本物のラプターの編隊を何機か撃ち漏らしたり(メガトロン様をこっそり撃ってるという説もある)、最後も次回作への伏線をちゃんと張ってくれる、ナイスな悪役だぞぅ。

ブラックアウト:

 機雷掃海ヘリ、シコルスキーMH-52ペイブロウに変形するぞ。ホログラフのチョビヒゲパイロット付きだ。彼の勇姿は予告編で御馴染みだね。オープニングの中東はカタールの特殊作戦司令部基地で、兵士たちの目の前で超変形。軍事マニアのお兄さんたちも大喜びの大バトルを繰り広げるぞぅ。

スコルポノック:(日本ではメガザラック

 ブラックアウトから分離するサソリ型メカだ。予告編で御馴染みのシーン、砂の中から現れて逃げ惑う兵士のおじさんを追いかけ回すぞ。実はあれはブラックアウトを撮影したカメラを追っかけてたみたいだ。アメリカズ・ファイネストなガンシップの集中砲火を浴びてもまだまだ平気なんだぞぅ。

フレンジー:

 一番仕事をしている小さな諜報兵だ。銀のCDラジカセや携帯電話に変形、国防総省も余裕のハッキング能力とCD手裏剣でバリバリだ。カメラ目線でトランスフォーマー語で喋るし、やることなすことがけっこうキモカワイイよ。なんと序盤から大統領専用機エアフォース・ワンに潜入するんだ。つまみ食いをしてるおねいさんも、米国最精鋭のシークレット・サービスのおじさんたちもメじゃないぞぅ。

バリケード

 ヒゲの悪警官とセットでマスタング・パトカーに変形するぞ。プロジェクト・アイスマンの謎を追って主人公を追いかけ回し、バンブル君とガチバトルだ。クライマックスではなんとベイ監督に忘れられて、登場判定に失敗しちゃうぞぅ。

デバステイター:(玩具ではブロウル)

 M1エイブラムス戦車に変形するディセプティコンズだ。クライマックスだけの登場だけど、バリバリ車を踏み潰して悪な登場。ヒロインからPCに覚醒する女の子&レノックス大尉の協力必殺技で倒されるまで、戦車砲を撃ちまくるぞぅ。

ボーンクラッシャー:

 こちらはバッファロー地雷除去車に変形するチョイ役だ。予告編である通り、ハイウェイを走りながら超変形! オプティマス司令官と取っ組みあってガチバトルだ。でも、正義の剣は負けないんだぞぅ。



トランスフォーマー・オリジナル・サウンドトラック

トランスフォーマー・オリジナル・サウンドトラック

 というわけでサントラも買ってリンキン・パークの歌う主題歌やグーグー・ドールズの曲を聴きながらワクワクしながら待っていた『トランスフォーマー』を観てきました。本日はTRPGゲーマー的な穿った視点から解説などしてみようかと思います。


☆     ☆     ☆     ☆     ☆


★まず公式サイトやYouTubeでも公開前からかなり出回っていたトレーラー。幾つもバージョンがありますが、これがとにかくセンスがよくて燃えるんですねー。変形シーンは肝のところをちらっと見せて期待させるし。最初の方のバージョンは映像をうまく繋ぎ合せて、あたかも宇宙からエイリアンが侵略してくる映画(確かに間違ってはいませんw)であるかのように見せかけているのもニクい。


★物語は中東の砂の大地を這うようにゆっくりと飛ぶ、特殊部隊御用達のオスプレイの機内で遠征中の米軍兵士たちが語り合うところから始まります。
 イケメンのレノックス空軍大尉率いる部隊が何を話しているかと思えば。休暇で国に帰ったら何をするかの話です。ママの作ったワニの肉は世界一だ、ぬるいビールを飲みながらスポーツ観戦……「大尉は帰ったら真っ先に何を?」「生まれたばかりの娘を抱くよ」「(みんな頭を抱えて)オオーゥ」
 もう最初のシーンで全員漏れなく死にフラグを全力で立ててます。この時点でもう面白過ぎです。


★そしてレノックス大尉が基地のTV電話で妻と娘と話して親バカっぷりを発揮している頃。基地にはゆっくりと、識別信号不明の所属不明ヘリがやってきます。
 ラプター戦闘機の警告に従って基地着陸に向かうヘリ。司令塔では「機体番号がおかしいです。その機体は3ヶ月前に撃墜されました」「間違いだろう。もう一度チェックしろ」「……乗っていたのは友人でした」てな具合でテンションが高まっていきます。もう物語を見ている観客には先の展開が分かるのですが、やっぱりこういう盛り上げ方が上手いんですねー。


★そして驚愕する米軍の前で! たびたび予告編でも出てきたあのシーン! ペイブロウ・ヘリが突然ロボに超☆変形! ブラックアウト・参上! まず通信手段を潰してウィルスを流してもう戦車は飛ぶはジープは飛ぶはの大バトルです。
 前半は概ねトランスフォーマーの強さを表現するために出てくるのですが、この映画は軍が全面協力しておりミリタリー面もかなり気合が入ってます。(おもちゃが元のロボットの映画なのに!w)
 有翼ヘリのオスプレイやなかなかお目にかかれないガンシップ、そして現状世界最強と言われるステルス戦闘機F-22ラプターも世界初、実機がレンタルされて使われています。国防総省ペンタゴン内での撮影も同時多発テロ以降初めての映画だそうですね。
 エキストラの軍人がほとんど本物というほかにも、ミリタリー雑誌を見ると装備もかなり充実しているようですね。(大尉の部下のエプス軍曹の赤いベレー坊は、空軍の特殊部隊のものらしい) このへんも見所です。


★辛くも唯一の生存者として砂漠を落ち延びるレノックス大尉の部隊。そこに土の中から迫るのは……こちらも予告編でよく出てきた、サソリ型メカのスコルポノック!
 左の尻のポッケに入っているクレジットカードがなかなか見つからず、交換手もタコでなかなかワシントンに救援の電話が繋がらないのですが、ここは相手が未知の機械生命体でも死にフラグが立っていても怯まずに応戦する合衆国最精鋭、アメリカズ・ファイネストな兵士たちの戦いを見ることができます。ライフル弾もグレネードも効かず、最後は応援に駆けつけるガンシップが空中から砲撃。発炎筒と兵士たちのライフルからのレーザー・サイティングを目標として空中から機銃掃射に105ミリ砲直撃と頑張ります。
 だがしかぁし。流石に高熱でダメージを負うも、トランスフォーマーズは地球の武器ではまだ死なないのだぁ! ディセプティコンズ万歳!

 スコルポノックが執拗に生き残りを追う理由は小説だと分かるのですが、自分たちを映した電子双眼鏡のデータが敵の手に渡るのを防ぐためだったんですね。(言われて見ると確かに、ブラックアウトが双眼鏡を構えた兵士をスキャンする場面があります。こういう小ネタ多数。)
 さてそんな感じで脇役たちは、迫り来る地球の危機を描写し物語をギュンギュンに盛り上げてゆくのですが、肝心のPC1君はその頃何をしているかというと……



★主人公のサム君はいまいちイケてないティーンエイジャーの高校生。ベッドの下には親友マイルズのものと言い張るエッチな本、先祖の残した骨董品を売ってせっせとお金を貯めて男のシンボルの自分専用カーがほしいお年頃です。微妙な年頃の息子を微妙に温かく見守るパパとママ、チワワの愛犬モジョと暮らしています。
 マイカーの助手席に乗せるなら彼女をと憧れるのは、同じクラスの高嶺の花、美少女ミカエラ。しかし筋肉フェチのミカエラたんのそばにはスポーツ万能金髪の嫌味なライバル彼氏がいます。それどころかサムは1年生からずっと同じクラスなのに名前も覚えてもらってません。もうヘタレです。イケてません。青春アメリカン・グラフィティ真っ盛りです。w


★そんなサムが人の悪いパパと初めての車を買いに行く中古屋。ディーラーのアンクル・ボビーがまた面白キャラなんですが、ふと惹かれた1台の黄色いおんぼろスポーツカー。1974年型カマロ、座ってみるとなかなかです。そしてふと埃を拭うと、ハンドル中央のエンブレムには見慣れぬマークが……オートボッツの紋章キター! これも震えるシーンです。
 このシーンで隣に止まっている黄色いフォルクスワーゲンは、初代のバンブルビーが変形する車なんだそうですね。こういう原作ファンへのオマージュもあちこちにあります。


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国防総省では名脇役ジョン・ヴォイト演じる国防長官らが謎の敵に緊張を高めたりハッカーたちが懸命に解読する中。悪のディセプティコンズの斥候兵フレンジーはラジカセに化けて飛行機の中。予告編でも席で新聞を読んでる人の足元からの変形シーンがよく出てきましたね。
 しかもいきなりエアフォース・ワンです。大統領専用機です。しかも本作の大統領はハリソン・フォードではないどころか赤い靴下を履いておやつ食べてるダメ大統領です。すわ合衆国の危機!
 そしてあからさまにアヤしい銀色のラジカセをなかなか怪しまない乗組員や、ハッキングを妨害されてキレるフレンジーや、すわ一大事と緊急着陸するエアフォース・ワンから降りてくるフレンジーが誰にも怪しまれずパトカーに化けたバリケードと合流できてしまう下りが笑います。

 他にもいちいち面白いエキストラや、謎の機械生命体出現にマジ顔で驚く軍司令部の人や緊急時にきびきび動く合衆国最精鋭の人々や、名脇役のジョン・ヴォイト国防長官やいちいちかっこよくて燃える戦闘機の出撃シーンなど、全体的に脇の面々がいちいちサービス精神に溢れていて面白いんですね。ゲームマスターの人はチョイ役NPCの演技にかなりがむばっています。グッジョブ! (*^▽゚)b


★まだまだPC1ぢからの充填が足りない主人公サム君、運よくミカエラたんを助手席に乗せて初ディト! おせっかいで人のフラグ立てが好きなNPCバンブルビーは自分が車なのをいいことに勝手にBGMチェンジしたりなんとか二人の仲を取り持とうとがむばります。
 そして夢のような一日が終わった後はサム君は彼女を家まで送り……「キミはきっと、見た目以上の魅力を備えているんだよ」とか主人公っぽいハズカシイ台詞を言ってしまいます。w
 「見た目以上の〜を持っている」。英文では "more than meet the eyes"。これは初代アニメ版トランスフォーマーの英語のテーマソングに出てくるフレーズ、トランスフォーマーシリーズの合言葉なんですねー。同じ言い回しは、エンディングでもオプティマス司令官がちゃんと台詞で言ってくれます。こういうところが涙!


★正体不明の敵に防備を固める国防長官率いるアメリカズ・ファイネストな軍サイド。いったんは敵国による攻撃かと空母も出動してすわ一大事となるのですが、NSAに雇われたハッカーたちの解読作業でナゾの機械生命体と分かって全軍直ちに引き上げます。
 原作小説では敵国として疑いを掛けるのはロシアと北朝鮮なんですが、映画だとロシアと中国になっていますね。(意味深かも。)
 やはりアメリカ軍は世界を守る軍隊的にも描かれているのですが、子供向けのロボットが活躍する娯楽映画で戦争賛美も反対もないでしょう。


★また、ハッキング時の音声解読から敵がエイリアンだと突き止める(この解読の理屈がまた実に映画的で理解不能)ハッカーのおねいさんには相棒が出てくるのですが、これがまたファミコンマニアで踊りゲーをやってます。映画によく出てくるバカっぽい黒人です。たまりません。エキストラがいちいちオモシロ杉です。
 原作小説を読むとこの相棒の役は内気なおたく君の白人ハッカーになっていますね。


★予告編でもたびたび出てきた「僕の車は生きてる!」の変形シーンで、ファイティングポーズで見参するバンブルビーバリケードと殴り合った後、サム君の前に堂々と姿を現すのですが。
 驚く主人公が興奮して叫ぶのは「ロボットだ! きっと日本製……日本製に違いない!」w
 もう日本の観客は大爆笑ですよ。映画のスタッフには日本人も活躍していて、かなり日本リスペクトです。日本リスペクトといえばもうひとつ「さすが日本製、サムライの国だ」「ノキアフィンランドよ?」「言わせておけ」のシーンも要チェック!


★そして予告編でもよく出てきた4つの隕石が地球に落下するシーン。これはオートボッツの4人、オプティマス、ジャズ、アイアンハイド、ラチェットですね。アメリカらしくちゃんとホワイトハウスの上を越えて落っこちてくるのですが、この全員集合の下りは音楽の盛り上がりもあいまってかなり燃えます。
 まだ地球の乗り物をスキャンする前のプロトフォームなので裸っぽくこそこそ逃げ出したり。アイアンハイドは人間の可愛い女の子と鉢合わせるけどガン無視してごつい4WDの車を探しに行ったり。ラチェットは隕石落下に駆けつけてきたレスキュー車をこっそりスキャンして去っていきます。
 ここで出てくる馬鹿なエキストラが携帯で隕石落下の写真を撮りながら「『アルマゲドン』の100倍すごいよ!」とかセルフパロディをやってくれます。どうでもいいところでいちいちエキストラが面白すぎです。w


★続く全員集結は動画がYouTubeでも出回っていましたが、ほんとうに鳥肌が立ちます。
 サム君とヒロインの前に、トレーラートラックを先頭静かに集結する5台の車。そこから滑らかに超変形、オートボッツ全員集結! もう空中変形するジャズとかノリノリです。司令官がサムの前に身を屈めると「マイ・ネーム・イズ・オプティマスプラァイム」!
 ちなみにサム君が聞くと司令官がマジレスするのですが、地球の文化をインターネットから学んで英語を喋れるようになったと答えるんですね。映画版トランスフォーマーズ、ネット時代に適合しています!w


★そして深夜、オートボッツたちと一緒にサム君が手掛かりを探して両親に怪しまれないように帰宅するサムズ・ハッピータ〜イム!のシーンでは、どうもスピルバーグが考えたようですがホームコメディな和みシーンを見ることができます。
 オートボッツは遥かな昔から戦いを続けてきた、地球の幼い生命より遥かに高い文明を持った高等な知的生命体のはずなんですが、人の家の前で5分待つことすらできません。噴水を壊したりイヌのモジョ君におしっこをかけられたり電線で感電したり必死に隠れようとしたり愉快なことをやってくれます。
 オプティマス司令官に至っては「オートボッツ、偵察せよ」とアメリカの中流住宅街でまったく意味不明な命令を出しています。敵も味方も実にお茶目です。だが、そこが(ry


★ヒロインのミカエラは名前をスピルバーグの娘から取ったそうですが、前科があったり男を乗り換えてるように見えたりちょっとビッチ系に見えます。イケてないです。TRPGのシナリオのヒロインにすると日本のゲーマーには受けなさそうな造形ですね。w (原作小説だと描写が細かい分、その辺は和らいでいる……かな?)
 基本的にオトコノコ向けの映画なので女性に受ける要素はあまりないんですが……いや! バンブルビーは可愛いと思う!w あと敵ですがフレンジーもキモカワイイです。主人公一家が飼っているチワワ犬のモジョも可愛いです。


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★そしてモニョモニョがゴニョゴニョして、氷付けになっていたメガトロン様もいよいよ復活します。名乗り合いの大好きな破壊大帝様が戒めを破って最初に言うのはカメラ目線で「マイ・ネーム・イズ・メガトゥロ〜ン!」 即座にエイリアンジェットに変形して飛び去っていきます。いよいよです!


★頭だけになってもまだ頑張っていたディセプティコンズ斥候兵、フレンジーぽんが携帯に化けてコソーリ偵察したお陰で、メガトロン様の無事と謎の“キューブ”のありかも分かりました。さっそく謎のトランスフォーマー通信でピピピ……。メカに化けて蜂起の時を待っていた各地の同志たちが一斉に動き出します。
 突然スピードを上げるパトカー、突然動き出す戦車に地雷除去車、方向を変えるヘリにラプター戦闘機。
 台詞がまた「スタースクリーム、全機応答せよ」「バリケード、急行中」「ブラックアウト、参上」……
 最後はトランスフォーマー語から全員で声を合わせて「オール・ヘイル・メガトロン!(メガトロン様に栄光あれ!)」
 ディセプティコンズ集結キター! もう敵もノリノリかっこよ杉、観客も男の子の心に火がついて大ハッスルです!


★敵もノリノリ、味方もノリノリです。バンブル君復活後、我らがオートボッツ軍団も全員揃ってノリノリで最後の戦いの地に向かいます。
 これがまた遮るものない平原を続く一本のハイウェイを、トレーラートラック先頭に違う種類の車がみんな一列に並んで疾走していくんですね。またこのシーンの音楽がよくて無性に燃えるんです。
 子供がおもちゃ全種類買ったらこのシーンを自分で再現して「うぃーん」って絶対やりますね。w もうたまりません!


★そしてぎゅいーんと爆走してくるオートボッツvsディセプティコンズ。クライマックスは予告編でもたびたび出てきた、人間がたくさんいる街中での全力ガチバトルです。車は吹っ飛ぶ瓦礫は飛び散る人は逃げ回る、身長10mのロボットのガチ取っ組み合いに空からはF-22ラプターがビルの谷間を潜り抜けてミサイル攻撃までしてきます。
 実はなぜこの街で戦闘するのかがかなり謎なんですが、大迫力の映像を見ているとマイケル・ベイ監督の映画でそういうことは気にしない方がよいという気になってくるのだから大したものです。w


★ロボットと大きさが対比になるようにエキストラの人間たちも逃げ惑うのですが、機械生命体の来襲に人類はもはやなすすべもなくかと思いきや……
 ジョン・ヴォイト国防長官いわく「彼らは絶対に負けを認めない連中だ」。レノックス大尉率いる米軍特殊部隊チーム、あれだけ死にフラグを立てているのに超がんばります。大ハッスルです。これまでの戦闘で戦車の装甲を高熱で貫くAPDS弾が効き目があり、トランスフォーマーズには高熱が効くという設定になっていてグレネード弾で武装して立ち向かうんですね。
 とにかくこの人たちはがんばり杉です。どう見ても主役たちのモチベーションを上げるために序盤で死にフラグを立てて散っていく脇役NPCと見せかけておいて、実は真のPC1だったのです。もうオモシロ杉です。


★子供向けという配慮もあって、映画全般に渡って米軍も大ハッスルしたり大バトルが多い割に血はほとんど流れず、残酷シーンもないのですが。とにかく登場する人間たちがタフです。
 スクーターから落ちたり車から落ちたり巨大ロボになぎ払われたりメガトロン様にデコピンされたり、至近距離にミサイルが落ちたり戦車砲が炸裂したり車も戦車も飛び交うのになかなか死にません。タフすぎです。w


★クライマックスのこの大バトルは特にそうなのですが、人間の目線を意識したロー・アングルのカメラ視点や左右への激しい振り、急激な場面変更が多く、けっこう目がチカチカして疲れるんですね。まさに瞬きする暇もありません。
 ただ見ていると何が何だか分からないうちに終わってしまうので、主要トランスフォーマーの判別など情報はチェックしてから見ることをオススメします。(特に敵のディセプティコンズは色が似ていて判別しづらいので要チェック。)
 ノリノリで真っ先に立ち向かうジャズ、人間の女性を庇うために空中で回転しながらミサイルを避けて反撃するアイハンハイド、遅れて登場し通りの真ん中で超変形してファイティングポーズを取るオプティマス司令官、悪らしくビルのてっぺんで名乗りを上げるメガトロン様、空中でF-22ラプターの編隊の中から超変形して周りを撃ちまくるスタースクリーム、真のPC1ぢからの前に股間を撃たれてしまうブラックアウトなど、とにかく見所多数。
 実はこの場面の背景でスターウォーズR2-D2たち他の映画のキャラがこっそりとカメオ出演しているそうなのですが、見逃しました。無念!


★ヘタレ主人公は大抵最後は目覚めるものと相場が決まっています。激しい戦いの中で、サム君のPC1ぢからも徐々にゲージが上がっていきます。人間の少年を庇って傷ついてしまうバンブルビーの、無言でつぶらな瞳だけが伝えてくる想い。ヒロインのミカエラは「サム。あの日あなたの車に乗ったことを、後悔してないわ」。そしてとどめはレノックス大尉が「キミはもう兵士だ」!
 遂にサムが漢の顔になる! PC1ここに覚醒! そして超☆変形!
 ……する訳ではなくて、人間としてはがむばるのですが最後はやはりオプティマスプライムvsメガトロン様の一騎打ちになるわけですが。w
「1対1だ、メガトロン」「人間と一緒に死ね!」ズッギャーン!


★そしてオォ〜ウ、ジャァ〜ズな激しい戦いの後。思い切りネタバレですが、哀れ(ピー)様は合衆国の誇るアメリカズ・ファイネストな海軍の船に吊るされ……海の中にドボンされてしまいます。
 おい! 海に捨てるのかよ! そのうち復活しちゃうだろ! というかTFに接触すると微量の放射能が検出される(らしい)という設定はどこに行ったんだぁぁ! と言いたくなりますが、だがしかぁし。
 マイケル・ベイ監督は最初から3部作ぐらいにして続編を作る気満々だったそうです。公開後のヒットにより続編もめでたく決定しました。これはどう見ても次回への引きです。
 とすればこのシーンで「何もかもが凍りつくこの海なら証拠は残らないだろう……」ともっともらしいことを呟く国防長官は脇役NPCとして実に空気を読んでいるといえましょう。ジョン・ヴォイト国防長官、グッジョブ! (*^▽゚)b


★そしてディセプティコンズ全滅と見せかけてこっそり生き残っているスタースクリーム。スタッフクレジットの途中で復活、最後はスクリーンを意識しながらF-22ラプターが飛べない高さまで、成層圏を越えて宇宙へどこかへ消えていきます。
 これは宇宙から援軍が来るとかそういうキャンペーンの次回作への伏線に違いありません。敵キャラの生き残りとして実に空気を読んでいるといえましょう。スタスク、グッジョブ! (*^▽゚)b



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 というわけで。とにかくもうネタ満載サービス精神満載の娯楽映画。
かっこいい車とかっこいいメカがびゅんびゅん走ってかっこいいロボットが超変形して大活躍、ついでにかっこいいアメリカ軍も大活躍する、男の子と大きい男の子とむかし男の子だったパパが大ハッスルしちゃって玩具がほしくなってママが呆れちゃう映画な訳です。アメリカでもヒットする訳ですね。

 突っ込み所はもうあるどころのレベルではなく話の筋がもう滅茶苦茶なんですが、
だが そ こ が い い 。
1カットで滑らかに変形するトランスフォーマーズの勇姿を見た瞬間にそういう気持ちが宇宙の彼方に吹き飛んでしまいます。


トランスフォーマー (ハヤカワ文庫SF)

トランスフォーマー (ハヤカワ文庫SF)

トランスフォーマー―ゴースト・オブ・イエスタデイ (ハヤカワ文庫SF)

トランスフォーマー―ゴースト・オブ・イエスタデイ (ハヤカワ文庫SF)

 ちなみにハヤカワ文庫から『トランスフォーマー』『トランスフォーマー ゴースト・オブ・イエスタデイ』と映画原作&映画前日譚の小説が出ていますが、出来がいいです。映画では説明不足であったり省略されていて支離滅裂に見える話の流れに、ちゃんと辻褄があった説明がなされています。
 前日譚『トランスフォーマー ゴースト・オブ・イエスタデイ』の方では映画ではあまりイケてない超ひみつ機関<セクター7>がハッスルしています。
 なんとまだ東西冷戦時代、アポロ11号打ち上げの同じ時間に異星テクノロジーのロケットを密かに打ち上げて大宇宙を目指すというトンデモぶり! アイスマンはあの頃からアメリカに密かに保存されていたのです!
 エージェント・シモンズの一族が出てきたり、トランスフォーマーズも宇宙では宇宙船に乗っているのが分かったり、スタースクリームが率いているディセプティコンズはみんな協調性がなくて攻撃性が高くやっぱり悪なのが分かったりして面白いです。
そして映画と違い、トランスフォーマーズが人間より高度な知的生命体として描かれており、ちゃんとファースト・コンタクトなSFになっています!w


☆     ☆     ☆     ☆     ☆


 映画のパンフレットは残念なことに出来がイマイチで、スピルバーグマイケル・ベイへのインタビューや人間側のキャスト説明はある割に肝心のトランスフォマーズの解説が全然ありません。(ギャ〜)
 展開が速い上に細かいところにネタ満載の映画なので、公式サイトなどで情報をチェックして主要TFの名前ぐらいはしっかり把握した上で見るのをオススメします。
 いらないと思えるシーンもあるのですが見所シーンも多く、その上2時間30分と尺が長いんですね。実は僕も2回見てだいぶ細部が確認できました。でも変形シーンはDVD版でもう一度観たいところです。


 日本での宣伝文句のひとつは「驚異の映像革命」。確かに一万に及ぶという部品が一斉に動いて滑らかにトランスフォームするCGも相当凄いです。といってもCGだけでなく実写ベースで火薬の量にもこだわるベイ監督ですから現実シーンも頑張っています。
 我々と同じ世界に住んでいる人間が台詞で「オートボッツ」や「ディセプティコンズ」と言い、未知の機械生命体に軍が攻撃を受け、子供向けアニメから飛び出した身長10mのロボットたちが街中でガチンコ勝負してしまう。そんな作品を十分な予算をかけた娯楽映画として、何より実写で作ってしまうところに、改めて映画というものは凄いと思いました。


トランスフォーマー ムービー オプティマスプライム MA-01

トランスフォーマー ムービー オプティマスプライム MA-01

 しかし観終わった後が色々とヤバかったですね。僕も流石に玩具やフィギュアの類を買う年ではないのですが。この映画を見た後だとなんとなく変形するオモチャとかを買いたくなってくるんですよね。w
 あと道を歩いていて止まっている車を見るとヤバいです。なんか今にもトランスフォームするんじゃないかという気がしてくるんですよこれが。w
 という訳で、早くも決定した続編でスタースクリームがボスの座に君臨するもメガトロン様が復活してボコられる日を待ちたいと思います。オートボッツ、ロール・アウト!