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シャドウラン 4th Edition

シャドウラン 4th Edition (Role&Roll RPGシリーズ)

シャドウラン 4th Edition (Role&Roll RPGシリーズ)

 既にあちこちのblog系で話題になっていますが、SR4が遂に! 先行発売を経て一般でも流通し始めました!
 いやーめでたい。特にリスペクトするTRPG、特に思い入れのあるTRPGのひとつなので何はともあれ嬉しいですね。

 原書と比較してイラストはそのまま、カラーのアーキタイプページはモノクロになりましたがレイアウトは概ねそのまま、見出しや本文中の枠中コラムなど、英文フォント部分もそのままで、英語版と雰囲気はほとんど同じです。
 あちこちで触れられていますがやはり分厚い大判ゲームの性か、キャラクターシートが使いにくそうですね。Role&Rollサイトには入荷情報もまだ掲載されていないようですが、シャドウランのページを作ってチャート類も含めてPDF版をダウンロードできるようにしてほしいところです。


 誤植は朱鷺田氏のblogで触れられたとおり、アーキタイプのテクノマンサーの解説文章部分に。ほか、読んでいくと「pXXX参照」の参照先が1〜2ページ前後に飛んでいる、あるいは全然違うというのがけっこうありますね。この辺は分厚いゲームだと仕方ないところでしょうか。

 何はともあれ読むのが先なのですが、世界設定の変遷を見るだけでも無性に懐かしく、嬉しくなってきます。もう各章の扉についているショートストーリーがいちいち熱くて泣けてきます。亡き妻のためにシアワセに復讐を誓うデッカーの話とか、ドラゴンの牙を背景に亡き戦友たちに想いを馳せて乾杯する引退したランナー達とか、もう熱すぎます。 (´▽`*)
 世界友愛協会は昆虫精霊ごと焼き払われ、摩天楼のパワーゲームの果てにフチの残骸からはノヴァテクが合併して新生ネオネットの星に、ウーシンとホライズンがメジャーリーグに躍り出る。ハレー彗星が地球を掠める年には大地震と噴火が襲って我らが日本帝国の天皇一族は全員死亡。そして何より、第二次マトリックス・クラッシュの後にマトリックス2.0の時代が。既に時代遅れになりつつあるサイバーパンク小説の夢想ではない、新しい形の強化現実が世界を結び、そして現実でも研究が進むRFIDタグが世にあまねく普遍する未来世界。行楽地に行くとSPAMが大量に氾濫しているあたりも実に現実の延長にある未来らしくて素晴らしい。

 細かいネタを確かめるとあちこち面白いですね。

  • 日本語版2版ではあちこち「日本」と誤魔化されていたJapanese Imperial State 、ちゃんと「日本帝国」に。
  • 覚醒の印として最初に現れたグレート・ドラゴン、リュウミョウを目撃する日本人が乗っている bullet train はSR4では「新幹線」に。
  • ロシアに本拠を移した元ヤマテツのEvo社のカタカナ読みは「エヴォ」ではなく「イーヴォ」
  • ビッグ10に躍り出る五行公司(WUXING)のカタカナ読みは通例どおり「ウーシン」
  • ドイツに健在の Saeder Krupp社のカタカナ読みは「ゼーダー・クルップ
  • 複合した企業名はカタカナ+漢字で「フチ工業電子」「三浜コンピュータ技術」「クロス応用技術」
  • 著名なグレート・ドラゴンの名前はデュケルツァーンでなく「ダンケルザーン」、「ロフヴィル」「ゴーストウォーカー」
  • AR(Augmented Reality)の日本語は「強化現実」に。
  • 裏表紙のキャッチフレーズ "The Shadows have evolved."の訳は「影の世界は進化を遂げた!」。
  • あとここの文章で「オマエ」が多用されていますが、原文ではふつうに You ですね。日本企業の台頭で世界中の都市でも片言の日本語がイカすスラングとして使われるようになったという設定で、omae は friend の意、日本語で書くなら「ダチ」とかそういうニュアンスのはずです。裏表紙の文章中は普通に「お前」でも良かったんじゃないかな? と思います。
  • そういえばSR2でおなじみだったチャマー(chummer、相棒)がスラングから消えていますね。上の omae を使うんでしょうか。
  • アウェイクンドはやはり「覚醒者」。アストラル・プレーンは「アストラル界」、その向こうにあるメタプレーンの訳は「上位次元界」に。
  • Otakuが進化した新時代のテクノマンサーだけが持つ能力値 Resonanceは「共振力」に。
  • 市販のコムリンクやOSの名前で「レンラク・イチ」「レンラク・センセイ」とか「ソニー・エンペラー」「トランシス・アヴァロン」とかときめきますね。
  • SR2では一番高いサイバーデッキの名前が「フェアライト・エクスカリバー」でしたが、SR4の時代の一番高いコムリンクが「フェアライト・カリバーン」になっているのはこっそり笑うところでしょうか。ワイアレス・ワールドの章の表内だとアイテム名が違っちゃっていますね。
  • 小火器類はイラストがけっこう昔のものが流用されているのですが、アレス・プレデターはIVまで、イングラム・スマートガンはXまでバージョンアップしています。このへんも泣けるところ。


 某黄色い潜水艦の新製品情報にシャドウランのリプレイが載っているのが前から気になっていたのですが、リプレイ『ストリートの天使たち』が出るようです。シャドウランでリプレイといえばフィジカル・アデプトの殺たんハァハァ、じゃなかったガンスリンガー・アデプトの飛娘たんにハァハァ、でもなかった、全部書き下ろしのようです。早くもStreet Magicの翻訳も決定しましたね。