Rのつく財団入り口

ITエンジニア界隈で本やイベント、技術系の話などを書いています。

おまけにリプレイじゃないけど Shadowrun 4th のはなし

 デザイナー朱鷺田祐介氏のblog【黒い森の祠】のエントリ「メールに答えてみる(SR4とか深淵とか)」にて、詳しいコメントが載っています。
 JGCの卓でキャラクターの名前にカッコウを使おうとした御仁はR時代からのN◎VA者には知っている人の多いゅぅぃ殿ですが、相当の勇者デスネ!www

Shadowrun (Shadowrun (Fanpro))

Shadowrun (Shadowrun (Fanpro))

 古い話で若い方には恐縮ですが、朱鷺田氏が未訳時代からシャドウランの熱烈なファンだったのは古参ゲーマーには有名な話で、当時のホビージャパンの『RPGマガジン』の記事やTRPG関連書籍(‥‥ドラゴンブックの『ダンジョン・シネマティーク』やアスキーの『粋なゲーマー養成講座』とか!)にもちらちらと愛のこもった説明が出てきました。
 氏のデザインしたTRPG、『パラダイス・フリートRPG』や『深淵』にもシステム面でシャドウランを参考にした部分があり、古参ゲーマーなら知っている話です。
(作成済みのアーキタイプ制キャラや、判定の成功度によるダメージ増加、接近戦での反撃の可能性や腕のリーチの長い種族がいる、『ブルーローズ』の設定情報のコメントがシャドウ・トーク風...etc)


 そして、2nd Edition の翻訳権を得たのは富士見書房、翻訳したのはSNE。展開する媒体やドラゴンマガジンの読者層を考えれば、日本語版は独自展開とせざるを得なかった事情もあるでしょう。ドラゴンブックのリプレイ集にも日本語版独自のファン層が集まる一方で、広大極まりない第六世界の深奥の魅力を知るコアな英語版ユーザーからは、非常に貧弱に見える面もありました。
 90年代後半は今ほどインターネットが一般化しておらず、ウェブサイトも今ほど多くはなく Blog も SNS もなく、ITリテラシーも確立されていません。その頃ネット上で、日本語版がよく叩かれていたのを覚えています。
(僕はそんなことより楽しく遊ぶほうが大事じゃないかという意見でした。今でも、正しかったと思っています。)
 そしてサポートの停止と共に徐々に日本では下火となり、同人誌だと固定サークルがいくつかやっていましたが、ユーザーは減少。
 海の向こうでは98年に 3rd Edition が登場、しかし発売元ゲーム会社の FASA が2001年に倒産、ドイツの FanPro 社に引継ぎ。
そして時は流れ2005年秋、4th Edition が同じく FanPro から、ゲーム内の舞台を2070年と一新して登場。そして現実世界で2006年の今、2007年前半に日本語版翻訳の報が出たわけです。
 紆余曲折いろいろあったゲームが結局、初版の頃から愛していたデザイナー自らの手で日本語になって蘇る‥‥となると、なかなかこうしみじみとするものがあります。個人的にもリスペクトしているデザイナーさんなのでかなり期待したいところです。なんと東京の設定が載る英語のサプリメントに日本側が協力する話もあるとか! 10年前だと考えられない話ですね。


 私的にも、ありきたりの国産TRPGに満足しなくなり、SF/サイバーパンク系に踏み出した頃に出会った青春の(?)ゲームのひとつ(笑)なので、ひときわ感慨深いものがあります。
 学生の頃に2ndの英語版サプリもかなり揃えてあちこち訳したり、キャンペーンをやったりしたんですが、ぶっちゃけもう約10年前ですしねー。財団のシャドウランのページもビジターさんがいた時のためにとってありますが放置状態ですしねー。こちらもフォーマーでないカンパニー・マン、あの頃とは時間の流れ方が全然違いますしねー。はっはっは。 (ノ∀`)
 実は4thの英語版も持ってはいるので、久しぶりに再読してみたくなりました。


 SR4の舞台は第六世界が覚醒した当初の時代から20年経った2070年。目標値とダイス数が複雑に変わる nD6 上方ロールだったルールは目標値5に固定、シャーマンとメイジに分かれていた魔法が一緒になったり、ルールはかなり変わっています。
 そして重厚な設定を誇る背景世界はもちろん、大統領選で暗殺されたグレート・ドラゴンのダンケルザーンの遺産を巡り大きく動いた後も、激動を続けています。
 マフィアの抗争は激化、なんと昆虫精霊の隠れ蓑だった世界友愛協会を潰すためにシカゴでは軍事作戦が行われ、企業界では重要人物の引き抜きを機にパワーゲームが大きく動き、メガコーポ筆頭のフチ・インダストリアル・エレクトロニクスが消滅、新たな数社がメジャーリーグに躍り出ます。
 ハレー彗星が接近する2060年代には多くの出来事が起こり、大地震で日本帝国の天皇一族が全滅し、電脳空間ではAIが誕生、第二次マトリックス・クラッシュで全てが一度崩壊、新しい設計の元に マトリックス2.0 が誕生しています。
 20世紀のサイバーパンク小説が夢想した、時代遅れのバーチャル・リアリティはもうありません。サイバーデッキの代わりに携帯端末コムリンクを持ち歩く新しい電子の魔術師たちは、AR (Augmented Reality: 強化現実?,増加現実?) の技術で現実に重なるように存在する情報の世界を見ているのです。
(N◎VAだと、常時フリップフロップ状態で現実と重なる電脳空間を見ているようなものですね。)
 そして既にRFIDタグ (Radio Frequency IDentification: 無線個体識別) が世界中で、全てのものを繋げています。
 現実が未来に追いつきつつある今、ゲーム内世界の技術がもう現実とあまり変わらないことにし、電脳キャラクターの活動の場を現実寄りに移して思考を停止して逃げてしまった国産RPGと違い、シャドウランの2070年の世界は、現実の延長にありえる科学と魔法の未来なのです。
 現実世界の日本でもこの先の重要な産業と注目を浴びているRFID技術が、全てのものがコンピュータで繋がったユビキタス社会が、第六世界の2070年では実現されています。
 そんな世界の、シアトルや香港の夜にランを仕掛けるのはやはりシャドウランナー。うーん、想いを馳せるだけでもわくわくしてきますね。昔の感動が蘇ってきました。 (*´▽`)



 そんな感じでコラムっぽく終了いたします。 The Shadows have Evolved, chummer!!