Rのつく財団入り口

元はTRPG系のWebサイトの入り口だったブログです。最近のIT本の感想など。

【感想】闘うプログラマー[新装版] ビル・ゲイツの野望を担った男達

WindowsNT開発秘話

 舞台は1980年代後半~90年代前半。考える機械が大企業や研究所にあるメインフレームから個人の元に降りてきて、パーソナル・コンピュータ時代が幕を開けようとしている頃。天才ビル・ゲイツが率いる若き日のマイクロソフト社はMS-DOSをもってパソコン市場を制し、更なるプランを進めようとしていた。
 表向きはIBM社のOS/2とまだ友好関係を保ちつつ裏では出し抜く算段を立て、新たな世界戦略を担う新たなOS……CPUが違う他社のパソコンでも動く拡張性があり、アプリケーションを同時に動かせ、ファイル名上限がたった12文字のMS-DOSよりもはるかに高度で互換性も保ち、当時としては高度なグラフィックとネットワーク機能を備え、そしてクラッシュしない安定性を持った、高性能コンピュータのための本物のOS。その名は……「ウィンドウズNT」!

 社運を賭けた一大プロジェクトに伝説的プログラマーデヴィッド・カトラーが呼び寄せられ、いまだかつてない規模の高難度の開発が始まる。
 立ちはだかる技術的課題、難問の数々、膨れる機能、社内政治や人間関係、迫る世界公開のリミット。“マイクロソフティ”の精鋭が集結し、最終的にはプロジェクトメンバーは200人以上。のちに世界を変えることになるOSの壮絶な開発の行方は……

闘うプログラマー[新装版]

闘うプログラマー[新装版]

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【感想】ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち

 読んだのはしばらく前なのですが記念に感想をば。
 「普通のやつらの上を行け」……キャッチーな帯の宣伝文句がそのまま当てはまるハッカーの自伝・エッセイ集。
 後にYahoo!に買収された初のASP(ASP.NETでなく、アプリケーションサービスプロバイダのほう)ベンチャー企業の創設者、天才LISPプログラマーにしてスパムメールベイジアンフィルタの理論の生みの親、本物のハッカーポール・グレアム氏のエッセイ集です。ネット上でも無料公開されています。
 この本、プログラマ・エンジニア向けおすすめ本や成功したベンチャー企業の経営者に聞く影響を受けた本などにめちゃくちゃよく出てくるのですが、未読だったので改めて本で読みました。
 かなり挑発的でもあるので人によっては向かない感もあるのですが、自分的には「何これこの本面白REEEE!!」と脳内で標準出力に出したくなるぐらいの当たりでした。おすすめ本頻出なわけです。
 実に刺激的でエキサイティング。冷静になってみるとかなり極端な意見や過激な意見もあるのですが、支離滅裂ではなく主張は首尾一貫、論旨は明快、話は痛快、ソフトウェア工学のみならず西洋史や美術の豊富な知識を元に根拠や大胆な仮説、分かりやすい比喩を交えながら、ハッカーらしい軽妙な口調でスッと頭に入ってきます。この人は物凄く頭が切れるんだなあというのがよく分かる。日本語訳もかなり読みやすいです。

 あとがきに原文の話があり、

ポールの文章は、3つの点で最適化されている。明快な主張、分かりやすい言葉、そして素晴らしいリズムだ。彼の文章を読んで心が浮き立つのは、その内容だけでなく、文章の完成度の高さにも依っている。そのような文章を日本語に翻訳するのは、アーキテクチャ向けにかりかりに最適化されたプログラムを別のアーキテクチャに移植するようなものだった。

 とある程度コードが書ける人にだけ分かるような喩えがありますが、何となくその気持ちが分かります。おいどんなんぞはハッカーとは対極のただの職業エンジニアですが、普段は眠っている脳の奥底の野生の部分が覚醒し、ふだんとは違うことをひとりでに考え始めるような、そんな何とも言えない疾走感・トリップ感のようなものを受けます。

ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち

ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち

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【感想】Angularアプリケーションプログラミング

JavaScriptフレームワーク Angular 最新版の徹底解説本

 変化が激しくて自分的には追いつけていないWebフロントエンドの最先端、JavaScriptフレームワーク群。2017年秋現在、おおまかに最有力なのはGoogle推しているこのAngular(アンギュラー、アングラー)とFacebook製のReactの2強、3番手がVue.jsあたりな感じなのでしょうか。(最前線の方、違ったらスミマセン)
 最新のAngular4に対応してがっつり解説している『Angularアプリケーションプログラミング』。2017/8/4に出たばかりの新刊です。僕は仕事で直近で触るわけではないのですが、将来ひょっこり出てくるかもしれないので参考のために読んでみました。
 著者の山田 祥寛さんはAngularのバージョン1の頃の『AngularJSアプリケーションプログラミング』やあの『Ruby on Rails4アプリケーションプログラミング』、『改訂新版JavScript本格入門』や『独習~』シリーズを始め著者多数、そういう意味でも安心できる本です。Amazonの評価もかなり高いですね。大型本512頁と分厚く、手厚くしっかりと最新フレームワークを解説しています。

 by Googleの一文も眩しい赤い盾にAのマークのAngularはAngularJSとして2012年6月にバージョン1。そして2016年9月に後方互換性を捨ててアーキテクチャを一新してバージョン2、名前の末尾の赤文字のJSが消えてAngularとなっています。そして今年の2017年3月、内部の進んだ機能のバージョン番号コンフリクトを避けるために3を通りこしてバージョン4がリリース。ググったりするときにangularと入れるとよく末尾にjsが勝手に補完されて違うコンテンツが出てきたりするので注意が必要ですね。
 今後もなんと6ヶ月単位でメジャーバージョンアップ……ということでもうAngular5が間近なのだから動きが速くてすごいというか恐ろしい。計算すると2017年9月-10月になるはずですがまだアナウンスは出ていないようですね。

Angularアプリケーションプログラミング

Angularアプリケーションプログラミング

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【感想】Pythonエンジニア ファーストブック

Pythonエンジニア養成読本』の改訂最新版

 2017/9/22に出たばかりの新刊です。入り口としてPython周りの諸々を説明していた養成読本は2015年6月刊行、Python2.7でしたが、これがPython3.6対応になって最新の状況に対応されています。

Pythonエンジニア ファーストブック

Pythonエンジニア ファーストブック

サイズも以前はムックの雑誌サイズでしたが300ページ台のしっかりした本になっていますね。以下、各章ごとに軽く紹介を。

Pythonエンジニア養成読本[いまどきの開発ノウハウ満載!] (Software Design plus)

Pythonエンジニア養成読本[いまどきの開発ノウハウ満載!] (Software Design plus)

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【雑記】10月開始

アクセス御礼

 しばらく間が開いてしまいました。
9月はエントリ数が少なかったにも関わらず多数のご来訪ありがとうございました。中でも、

iwasiman.hatenablog.com

が時期的にも丁度旬な情報だったこともあり、Twitterでの反応・はてなスターはてブなどなど多数の反応をいただきました。はてなブログはてなダイアリーを始めてからの最高記録です。
はてなブログのピックアップ記事だったかに載ったのも大きかったですね。おかげで9月のアクセス解析を見ると

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【感想】Pythonプロフェッショナルプログラミング第2版

アクセス御礼

お陰様で先日の「PyQ」体験記事は、はてブのテクノロジーや学習の所にも載り、当ブログのアクセス最高記録を達成してしまいました。PyCon JP明けの運営元のビープラウド社さんからも反応を頂いたりしてありがとうございます。 iwasiman.hatenablog.com

 だいたい月1000PVぐらいが目標の目安かなぁと適当に考えていたのですが、2017年9月に限り月半ばで達成してしまいましたw
 ちなみにPyQの進捗の方はその後どーも仕事が忙しかったり週末は赤ちゃんと遊んだり世話したりで、「実務でのプログラミング習得」の途中からなかなか進めずにいます。ヽ(゚∀。)ノ

Pythonを使ったプロフェッショナルなチーム開発入門

 というわけでPythonのアツい流れに乗ってみんpy第4版の次の本は、やはりビープラウド社のスタッフ陣による『Pythonプロフェッショナルプログラミング第2版』。Pythonのお勧め書籍の中~上級者向け、ビジネスユース向け本によく名が上がる本です。

Pythonプロフェッショナルプログラミング第2版

Pythonプロフェッショナルプログラミング第2版

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【感想】みんなのPython 第4版

Python入門書の定番決定版

 通称「みんPy」。個人的にはこの本を最初に手に取ったのはまだPythonが日本であまり流行ってない頃、2版の白っぽい表紙の頃でした。
その当時はインデントが違うだけで動かなくなるオソロシイ言語ということを知った後、全部はちゃんと読まずに机の中に眠ってしまった記憶があります。(笑)
 その後2012年にPython3に対応した第3版が、シルクハットをかぶったニシキヘビのちょっとへぼい表紙で登場。そして第4版が2016年12月、一見プログラム言語の本に見えないえらくポップな表紙に全面改訂して登場。2017年現在で手に入りやすいPython3入門書の定番です。
 大きい本屋で技術書コーナーのPython特集を見ると平積みになっていることが多いですね。オライリー本なんかの隣にあったりすると表紙に落差があってちょっとフフッとなってしまいます。

 たぶん本選びにには皆さんぐぐったであろう、ブクマ多数の以下の記事でもプログラム経験者は迷ったらみんPy4版とオススメされています。実際、経験者には本書か、卵を抱えた蛇が表紙のオライリー本「入門Python3」とよく言われますね。

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